satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第18話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で面白おかしくやってく物語です。一切本編とは関係がありません。また、擬人化された設定で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回は、子どもの落書きを発見でんでんしました。
ラル「作者のテンションがおかしい」
フォース「いつものことだろ」
ラル「え、あ……そうね?」
ん!? そうね!? 納得なの!?


《L side》
落書き事件……敢えてそう呼称するが、その事件の次の日。私の周りは案外、いつも通りで落書きについて問われるような事態にはならなかった。いや、いつも以上にちらちらと様子は窺われていたが、追及されず、比較的平和であった。本当か嘘か分からないし、私に聞くのも気不味い的なそんな理由だろうが。
思ったより、噂が出回っている。やったと思われている人が人なだけに、特にそんな気がした。
「ラルちゃん、教頭先生が呼んでたよー?」
「お、ありがとう♪ りょーかーい! んー……今からか。面倒くさ……」
教えてくれた同級生にお礼を言い、教室にかけてある時計をちらりと見上げる。今は昼休み。午後の授業が終わってから考えるつもりでいたのだけれど、呼ばれてしまったものは仕方がない。行かないという選択肢もあるにはある。しかし、結局、行かなかったら直接呼びに来るだろう。
「ラル、何したの?」
「呼び出しはいつものことだもんな~」
昼休みなので、ティールとフォース君とご飯を食べていた。ちなみに、今日は三人とも教室でお弁当である。たまに食堂行ったり、普段、生徒には解放されていない屋上に行ったりしている。
ティールはまだ噂を知らない。フォース君は勘づいてて何も言わない。そんな感じだろうな。とりあえず、いつものようにしておくか。
「なんだろねぇ? 心当りが多すぎてつらーい♪ 今から行ってきまーす。……あ、授業までに戻らなかったら適当に言っといて」
「どんだけ長引かせるつもり!? まあ、分かった。適当に誤魔化しておくよ」
「短く済むといいな?」
フォース君をちらっと見ると、その視線に気付いたのか、ウインクをしながらふっと笑う。
あぁ、噂は把握済みなのね。じゃあ、そのままティールには内緒にしてくれ。バレないようにフォローしといて。
心の中でそう呟くと、フォース君は鬱陶しそうに早く行けと促す。それは了承したと取っていいんだろうか。聴こえていたからこその反応だと、私は信じるしかないのだけれど。
手早くお弁当を片付け、教室を出る。どこにいるなんて話はなかったけれど、どうせ校長室にいるに決まっている。校長の右腕的存在故に、職員室にいなければ、そこにいるはずだ。そして、今回の呼び出し、昨日の落書きの件で十中八九間違いない。思ったより早く、耳に入ったらしい。適当に切り上げるつもりではいるが、長くなりそうな気がする。
校長室を目の前にし、建前ではあるが、二回ノックをする。
「失礼します。ラルです」
「い~よ~♪」
あ、校長の声だ。
いないのかなんて思いつつも、ノックした以上、教頭の居場所でも聞いてやれと扉を開ける。すると、そこにはニコニコ笑顔のプリン校長と、頭から火が出ているのでは勘違いするレベルに怒っているノウツ教頭がいた。
「やあ、ラル♪ いらっしゃーい」
「ラル、なぜ呼ばれたのか分かるな」
何この温度差。風邪引くんだけど。
私は教頭ではなく、校長に向かって軽く頭を下げる。本来、校長は関係ないはずなのだ。まあ、いてもいなくても変わらないが、恐らくこれからうるさくするだろうし、あらかじめ謝っておくに越したことはない。
「校長先生、お昼の時間に失礼します」
「うんうん。いいよ~♪ あ、ラルに任せたいお仕事があるの。近いうちにギルドに顔出して、詳しい話を聞いといてね~♪」
「え、あ。はい! 了解です。親方」
相変わらず、校長スイッチなのか、親方スイッチなのか分からないな。見分けがつかない。
「ラル! 無視をするな!」
さあって、お相手してあげますか。
「してないですぅ~……で、なんでしたっけ」
「惚けるんじゃないよ! 聞いているんだからな! 理事長の御子女の件!」
あっはは~……やっぱりな。
とりあえず、笑顔を浮かべつつ、反論はしない。全て聞いてから反論しよう。人の話は最後まで聞く。というか、教頭の場合、遮ったとしても話は聞いてくれないし、むしろ逆上するため、聞くしかないが正しい。
「入学前に言ったはずだぞ! お前が関わるとロクなことにならないと。それなのになんだ! この低堕落は!?」
「私のせいってことっすか」
「それ以外に考えられない。お前が関わったから理事長の御子女である、ツバサ様の素行が悪くなったのだろう。しかも、ラル、お前の悪口を言い触らし、書き残すという所業……お前に不満を持っているってことだ! 反省しろ!!」
おっと? 言い触らすのは初めて聞いた。落書きの他にもやっているらしい。落書きだけなら、見間違いだろうと一蹴出来るし、それに納得もさせられる。何よりツバサちゃんは、素直で優しいというイメージがある。イメージは相手を作り上げる重要なもの。そのイメージがある限り、余程のことがなければ悪い方向へはいかないだろう。噂が立ったとしても、本人が否定すれば「やっぱりね」となるのだから。が、ツバサちゃんの姿、声のセットで、私の悪口をするのはまずい。姿だけならまだしも、声は似ているだけだという言い訳がたたないのだ。本人が否定しても、見たもの、聞いたものを人は信じ、それが広がれば……
思ったより、深刻化している……?
「落書きだけなら、私が被害を受けるだけで済むものを……いや、もしかして……」
相手の目的はそこなのか? ツバサちゃんを標的……いや、状況的にあり得ないか。
「聞いているか!?」
「ええ。聞いてるわよ。つまり、ツバサちゃんがやっていないことを証明すればいいんでしょう? 簡単だわ。私だけならまだしも、天使……いや、ツバサちゃんを巻き込むのは許さない。……今日中に解決してあげるわよ! 黙って見てろ、この鳥頭!! ツバサちゃんの評価、改めさせてやる!」
「とっ!? そ、それは関係ないだろう!? ラル! 待ちな! 話はまだ終わっていない!」
「がーんばってねー! ラル~♪」
啖呵切ったには、有言実行しなければ。まずは状況整理をし、ツバサちゃんには反抗不可能であると証明してやる! 
校長室を出ると、真っ直ぐ教室に戻る。教室に帰ると、他のクラスメイト達は午後からの各専門分野の移動教室の準備をし、すでに半分は教室にいない。この学園は午前中と午後でカリキュラムが切り替わる。が、そこら辺の話は今はいらない。
「お、戻ってきた。……けど、授業を受ける気はないみたいだな?」
私に話しかけてきたのはフォース君だ。ティールは優等生らしく、すでに移動しているみたいだった。フォース君も移動のはずだけれど、私のことを待っていたのか、サボるつもりなのかは定かではない。
「受けない。フォース君、引き続き頼んだ」
「あいよ。ラルがそこまでやる気なの久々に見た」
「ふふん♪ やるときはやる子なの、私っ」
「天使のため?」
「そ。愛する天使様のため」
カーディガンを脱ぎ、代わりに椅子の背もたれに掛けっぱなしのブレザーを羽織る。そして、鞄から連絡用の端末と生徒会室の鍵を取り出した。
「……お仕事、しますかね」
「行ってらっしゃい。会長」



~あとがき~
視点変えるのはいつになるんだ……?

次回、仕事モードのラル。ツバサちゃんではないと明確に証明出来るのか!

校長の名前、さらっとここで初公開。つっても、元がプクリン親方なのでプリン。本編のあだ名をそのままつけてます。この世界のプリンもあだ名なんだろうなと思います。

ラルさんが自らブレザー着用しました。分かる方もいると思いますが、気持ちの切り替えの意味も込めてます。今後もそういうシーンはある……のかな。分からないけれど、あればね! あ、仕事モードなのかなって思ってね! 嫌々着せられるのはよくありますが、あれは気持ち切り替え激しいやつね。したくない気持ちとちゃんとやるところとコロコロするやつです。面倒くさいやつだなぁ!!←

ではでは!