satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第31話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらやっている物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック。
前回は、長かったツルギ君のイタズラ話が終わりました。今回はいつもの休日回。のんびーりやっていきますぞ。
ラル「そろそろ影が薄くなってきたキャラのピックアップをするべきだと思う」
個人的にピックアップしたいNo.1はアリアちゃんですかね。ちろっとしか出てきてないですし、何とかしてやりたい。まあ、相方というか、友人が何とかするさ。
ラル「他人任せ」


リビングに設置してある比較的大きめのローテーブルで、毎週恒例、学校からの宿題に取りかかる中等部二名。そこまで悩む様子はないが、時折、問題を解く手を止め、考える素振りを見せていた。それでも、どうにか進めていたものの、集中力が切れたんだろう。持っていたシャーペンをテーブルに転がし、ぐでーんと伸びてしまった。
「毎週、毎週。おんなじ課題ばっかりだよー!」
シックでふんわりしたお嬢様っぽいワンピース姿のステラちゃんが、見た目を裏切るような言動と行動をし始める。その隣ではカジュアルでボーイッシュな私服でまとめているリーフちゃんがいた。リーフちゃんは、ステラちゃんみたいに投げ出しはしていないけれど、楽しそうに取り組んではいなかった。当たり前と言えば、当たり前だ。
今日は一日、この二人を私の家……厳密に言えば、ティールの家だが、そこで遊ぶことになっている。まあ、フォース君とティールが二人で出掛けるから、面倒見といて、よろしくと投げられただけなんだけれども。二人も小さい子供ではないのだから、面倒を見る必要もないと思うのだが、家に遊びに来るのは大歓迎なので、断りはしなかった。家とは言え、お客様がいるため、私もいつもの部屋着ではなくちゃんとした私服だ。レースのあしらったブラウスとハイウエストのスカートである。一応、外に出られる服装だが、出る予定は一切ない。
「ちょっと休憩しよっか。気分が乗らないなら、休むのも大切だし」
完全にやる気のない二人に提案すると、だらだらしていたステラちゃんが顔を輝かせながら、機微に動いた。反応いいな。
ステラちゃん達のやりかけの課題はそのままに、三人でお茶の準備をする。普段から誰かが来れば用意するため、手頃なところに置いてあり、数分でちょっとしたお茶会の完成である。
「紅茶でいいよね。ミルクと砂糖はお好きなようにどうぞ。あ、お菓子もね」
「やったー! ラルさんの淹れるお茶、美味しいですよね♪」
う、うーん? ステラちゃんはそう言うけれど、その辺で買ってきた市販のものだ。誰が淹れても一緒な気もするけど。褒められてるから、ありがたく受け取っておくべきかな。
ステラちゃんは紅茶に砂糖を二つ程入れて、ティースプーンでくるくるとかき混ぜる。お隣のリーフちゃんはミルクと砂糖一つだ。ここら辺は個人の好みが出るもので、私はストレートである。
「中等部三年に上がって、そろそろ一ヶ月過ぎたかな? どう? 最後の中学生活は」
「あんまり変化はないですよ。内部進学がほとんどで、よそに行こうって話も聞きませんし。でも、今年はリーちゃんと同じクラスで、楽しいです♪」
「去年は別々だったもんねー? 勉強も少し専門性が増してきたかなって気もしますが、フォースの課題とかちらっと見ると、まだまだ優しいことやってるなーって思います」
ふむふむ。楽しそうにやっているようで何よりだ。中高一貫校であるレイ学は、そのまま高等部へ進学する人が多い。進路云々はまだ楽観視している人達がほとんど。ちなみに、大学という高校の上位互換ともいえる機関は存在するが、研究職が主であるため、行く必要性がないのだ。となると、どこかのギルドに所属し、修行をするか経験を積むために各地を回るか……手段は多いが、探検隊、冒険家の道に進む者が多い冒険科の進路はそんなところだ。対して、魔術科も似たようなものだろうか。魔術専門の職業とか知らないから何とも言えないけれど、探検隊に所属するのもあり得るだろうし、どこかのギルドに所属の道もある。
私の場合、すでに探検隊活動をしているわけで、どこかのギルドに入るつもりはない。活動についてを知っているリーフちゃんは、確かめるように言葉を紡ぐ。
「ラルさん達は探検隊メインになるんですよね。ってことは、今みたいにお話しする機会も減っちゃうのかな……? んーと、フォースやティールさんも?」
「そうなるかな。今までセーブかけてた活動を積極的にしていくからね。フォース君は……詳しく聞かないけど、うちに腰を据える気でいるなら、何日も家を空けるような仕事は割り振らないよ。ティールがどうするかは知らないけど」
私やフォース君が大学で何かを研究することはないだろうが、ティールの将来は不明である。私と探検隊を組む前はレイ学卒業後、国へ戻ると話していたからだ。まあ、故郷に対する愚痴が多いため、戻りたいと考えているのかは微妙ではあるものの、彼はあれでも一国の王子様。好き勝手できる私とは違う。
「聞かないんですか? 本人に」
「この話題はナイーブなのだよ、ステラちゃん。ティールにお家の話は持ち出しにくいのよ~」
真面目で寛大で誰にでも優しいティールだけど、家庭環境やらそこら辺の話には、難色を示す。無理に聞き出そうものなら、無表情にやめてって言ってくるのだ。……なんて、色々言い訳を並べるけれど、実際のところ、私が望む答えを聞けないのが怖いだけなんだろう。我ながら、自分勝手で我儘である。
そこを突っ込まれたくなくて、ティースプーンを使って紅茶をくるりと混ぜながら、私は話題を変える。
「あ、リーフちゃん。関係ないんだけれど、ミユルちゃんっていつもいるのかな」
「え? あ、はい。いつも部活に顔を出していますよ。どうかしました?」
「あー……うん。ちょっとお話ししたいなーって。話を通してくれるとありがたい」
「分かりました。近々、ラルさんが来ますって言っておきますね」
多少強引ではあったものの、素直な後輩ちゃん達は、蒸し返してこなかった。それよりも、別の話題の疑問が浮かんだらしく、ステラちゃんが小さく首を傾げた。
「何かあったんですか? ミユルさんと」
「ご相談がね~……うん。色々ね」
相談でもなんでもないんだけれど、セカイイチ問題をそろそろ話す必要がある。放置していていい問題ではないし、一部の園芸部員が問題視しているんだから、面と向かって話すべきだ。いや、私が覚悟して話すのも変な話だよな。くっそー……損な役回りだよ。本当に。
「あれ。ステラちゃん、ミユルちゃんのこと知ってるの?」
「リーちゃんのところに行ったとき、たまーに見かけるんです。そこでちょっとお話しもするんです」
なるほど。
「じゃあ、ツバサちゃんとも会った? 時々、ミユルちゃんのところに遊びに行ってるんだけど」
放課後、生徒会のお仕事もそこまでない時は、たまに「みーちゃんのところ行ってきます」と笑顔でお出掛けをすることがあるのだ。一時間もしないで帰ってくるのだが、楽しそうに帰って来るから、そんなに早く帰ってくる必要もないと言ってはいる。しかし、ツバサちゃんには、やんわりと否定されまくっていた。
出掛ける回数は多くないけれど、もしかしたらと思ったのだが、ステラちゃんはぷくっと頬を膨らませた。
「会えてません。リーちゃんは仲良くなったのに!」
「そ、そこまでじゃないけど……敬語を使わなくなった……かな。お互いに」
「お、ツバサちゃんのこと、何て呼んでるの?」
「ツバサって、普通に呼んでます。……ステラ、拗ねないでよ~」
「私だけですよ。会えてないの。すーくんがお家でお姫様パワーがどーのって言ってるから、見てみたいのに……」
いや、あいつは家で何を言っているんだ。
「ラルさんのやる気スイッチは、お姫様のものって言ってましたよ。意味は分かりませんけど」
……まあ、この前のことに関しては否定できないけれど。いや、私のやる気スイッチは私のものだ! 断じて、ツバサちゃんに押してもらっている訳ではない。……と、思う。
「そのうち会えるんじゃない? というか、ステラちゃんがうちの生徒会室に来ればいいよ。高確率で会えるじゃん」
「そうですけど、部活の当番があるんですよ」
あぁ、そうか。それは仕方ない。
ステラちゃんは図書部という部活に所属している。主に図書館で活動していて、普段は図書館のスタッフとして本の整理や貸出、返却処理、館内の装飾などをしている。また、校外へ赴き、読み聞かせや本の紹介なんかもやっているらしい。のんびり本に囲まれているだけの部活ではないと、ステラちゃん自身に力説されたのもいい思い出だ。
「フォースにも八つ当たりしてるもんね~? フォース自身は完全に無視してるけど」
「すーくん、興味ないことには無頓着だから。知ってて当たってるからいーの!」
何がともあれ、ステラちゃんとツバサちゃんの御対面についてはもう少し先になるかもしれない。私が手回ししてもいいけれど、まあ、保護者の方がどうにかするでしょ。しばらくは何もしたくないし、できる限り省エネモードで頑張るって決めたから……私。



~あとがき~
もう少しお茶会というか、女子会は続くんですけど、終わります。

次回、男子組いきまーす。

ラル達、生徒会三人は卒業なので、進路の話を出しました。ステラ達も卒業なんだけど、彼女らは高等部が待ってますから。まだまだ学生は終わりませんからね!
この世界において、大学っていうのは必須ではないご様子。ラル達に関しては、現場で経験を積むのが一番な訳で、何かを専門的にお勉強する必要もないんですね。研究するなら話は別でしょうけど。
その色が濃いのはフォースでしょうが、彼はもう誰かに教えてもらう必要がないくらい、独学で極めてますからね……
ラルとティールの関係も友達以上に恋人未満なので、今後に期待……という思いを込めて、あんな感じにしました。これからもちょこちょこ似たような話題は出していきたいですね~

図書部の話はこの後、別のところで真面目にやります。
個人的なことですが、図書館関係は資格を取るために勉強しているので、いつものふわっと想像だけで進まないかなっていう想像。いや、そんなこと言っても、専門用語は出しません。そこまで覚えてないし((

ではでは。