satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第211話

~前回までのあらすじ~
過激表現に注意だ~! 赤い液体は言葉としては出てきてないけど、他はあるぞ。色々注意だ~!
さて、ポチャVSガオガエンやってました。今回もその続きですね。いっくどー
ポチャ「これ、どれだけ続いてるんだろ」
ピカ「かなーりやってるからなぁ」
それなぁ……これの後の話は適当に手をつけてるので投稿出来るんだけど、如何せん、続きが書けなくってな。
これが終わったら、息抜きとしてピカとポチャの話をします。のんびりほのぼの~って感じの。


意気込むものの、現実は厳しいものである。出来る限り、距離を離していきたいのだが、少しずつ距離を詰められていた。相手の歩幅が大きいため、思ったようにどうにも距離が取れない。
ガオガエンは大きな雄叫びを上げ、大剣を片腕のみで振りかぶる。その剣先はギリギリ届いてしまうだろうか。
「横に逃げても上に逃げても、追いかけて斬られる気がする……技じゃ対応なんて出来ないし」
それでも、こんなところで死ぬわけにはいかない。斬られるギリギリまで引き付けて、相手の攻撃キャンセルが出来ないところで避けるしかないだろう。ポチャは”アクアジェット“を一度、解くとガオガエンと真っ正面で対峙する。集中して、この賭けに勝ち取らなければ。
真上から振り下ろされる剣に臆する暇はない。じっと見つめて、横へ回避しよう。そう心に決めた瞬間。
『てりゃあぁぁっ!』
「……! スイ!?」
液体へと変化したスイが主であるポチャを覆うように庇ったのだ。液体とはいえ、元々は聖剣。硬さはそのままに相手の豪剣を防いだ。
「な、なんで」
ピカを守れと命令したのに、と続けようとするも、その必要はなかった。ガオガエンの背後から激しい電流を帯びる相棒が目に入ったからだ。
「速攻で全力出すよ! 雷姫!」
『うむ』
大きくジャンプをし、体を回転させながら、さながらスピナーのようで、剣を持っていなかったガオガエンの片腕を吹き飛ばす。お化けでも驚くと言う感情はあるらしい。後方へ飛び退き、ピカを警戒しているように見えた。その間にピカはポチャの隣へと移動し、雷姫を構える。
「ありがとう、ポチャ。あとは任せて……って言いたいけど、引く気はないよね。相手の気を引いてくれる?」
「……君一人に戦わせるわけないよ。注意を引くのは任せて。でも、どうやって倒すの?」
スイを呼び戻し、後方支援に回る準備を始める。水で弓を作り出しつつ、首を傾げた。あんなに苦労していた相手を倒す方法を彼女は見出だしているらしいが、ポチャにはそれが分からなかった。
「あいつはあの武器……神器の力と自身の体の特性でほぼ不死身状態。どちからの力を断ってしまえば、倒せると思う」
「神器? あの剣が? でも、雷姫さんみたいに声が聞こえないよ? ぼくと相性が悪いだけかな」
ピカが説明する前に、雷姫が説明をしてくれる。刀であるため、動作などはなく声のみだ。仮にここで姿を見せ、説明をしてくれていたのなら、首を振っていただろうと思われるような声色だった。
『いや。我にも聞こえておらん。あいつはもう、神器であり、神器でない。器におった神霊は黒に染まってしまったのだよ。我らは主の心に住む。それ故、主の感情というものに左右されやすくもあるのさ。が、大概の神霊は我が強いからの。自我を失い暴走など稀なのさ』
「それだけ人の悪意に染められたってわけ。あの神器の能力は回復。その力と人体実験の成果であの死人は動き回って攻撃をして、あたかも生きてるように振る舞ってる。……理解した?」
ピカと雷姫の説明を聞きながら、水の弓矢を射る。相手の牽制をしつつ、更に疑問を投げ掛けた。
「あいつはもう死んでいて、自分の意思も考える力もないってこと?」
「そう。あるのは目の前の生者を殺せと言う命令と本能だけ。身が朽ちないのは神器の力。死なないのはあいつが死んでるから」
「……どっちかの能力を断つって、実質一つじゃない? あの神器を破壊するしかないよね。……ぼくらでやれるのかな」
強力な武器で、古代から語り継がれる神器を破壊など出来るのか。普通の武器では到底不可能と言える。しかし、同じ力を持つ武器なら、あるいは可能なのかもしれない。ピカの持つ雷姫やポチャの持つ聖剣を使えば、それくらいの技量と強さはある。が、現状では、使い手である二人は限界を超えていると言ってもいい。現にピカは一度、気絶するまで追い込まれているし、ポチャも剣を握り、振るう力も残っていない。
思わず漏れてしまった弱音にピカはあくまで冷静に、しかし、リーダーとしての返答を返す。
「私だけじゃ無理だよ。立ってるだけでもしんどいもん。でも、二人ならなんだってやれる。今までだってそうだった。……そうでしょ?」
「ははっ……うん。そうだった。二人で困難を乗り越えてきたんだ。いつも通り、だよね」
「そういうことっ! いくよ、相棒!」
「任せて、リーダー! さあ、仕掛けるよ。……“氷水撃”!」
ピカが走り出すのと同時に、水と氷の矢を無数に出現させる。そして、それらを一斉に放つとガオガエンに向けてコントロールする。
ガオガエンは大剣ということもあり、小回りが利かない。また、ピカによって片腕を飛ばされたために、防ぐ手段も限られていた。必要最低限の矢の数をガオガエンに向け、それが剣で防がれた瞬間に、本命である残りの矢を当てる。目眩まし程度にしかならないが、それくらいで十分であった。
後退りをするガオガエンにピカが突っ込み、懐へと潜り込んでいた。
「雷姫、力を寄越せ! 敵の武器破壊を狙う!」
『承知した』
その瞬間、ピカの両目が赤く変化し、雷姫の刀身からも赤い電流が走る。その変化にガオガエンも本能で悟ったのだろう。ポチャの攻撃を防ぐのではなく、ピカへとターゲットを変えてきた。
大きく振り上げた剣を一気に振り下ろす。ギロチンの刃にも思えるそれを黙って見ているはずもない。地面を蹴り、素早く横へと退避すると、ガオガエンの足下を狙い、五連撃を放つ。雷姫の力で、威力の上がっている斬撃で、敵に膝をつかせた。これも数秒後には回復し、立ち上がってしまうだろう。そうなる前に次なる一手に出た。
「ポチャ、相手を拘束!」
「了解。スイ、セツ! ガオガエンを縛れ!」
一度、納めた二振りを呼び出し、即座に水と冷気へと変化させる。本来なら、氷の刃となり、敵を貫く範囲攻撃を指示するところだが、それではピカの狙う武器破壊は出来ないため、今回の場合は無意味であろう。今は、敵の動きを封じる程度で構わない。
ポチャの意図を汲んだ二振りは一瞬にして、ガオガエンの下半身を凍らせ、動きを封じる。二振りの力を合わせているというのもあり、ガオガエンが脱出しようと、剣を振り下ろすがびくともしない。
「雷姫」
『いつでもよいぞ』
その間にピカは、素早く後ろに退避し、雷姫を下段に構える。少しの溜めと共に一気に走り出した。刀身に電気を溜めると、力強く地面を蹴って、ガオガエンのもつ大剣……神器、ピンキーに向けて全力を込めた一撃を放った。
「轟け! 雷姫ぇぇ!!!」



~あとがき~
ピカが本気出したらこんなもんだよ。(展開早い)

次回、ピカ&ポチャVSガオガエン終幕です!
やっとだよ。……やっとだよ!!

ピンキーの破壊についてはずっと考えていました。ピカが手がないこともない、と言っていたのは、これのことですね。対峙してからこの破壊については頭にあったものの、神器を破壊なんて探検隊である彼女が迷いなく選択出来るわけない。だって、お宝ものよ? ここに来て神器めちゃんこ(四つ)出てきてるけど、お宝だからね!? 忘れてるかもだけどそうそうある武器じゃないから!! くっそ強い武器として、昔から語り継がれてるから!!
そういうと、聖剣もそうなんですけどね。ポチャしか使い手出てませんね……そして、今後も予定はない(笑)

今回の敵について、ズルはありますが、ヴァルツ、ピカ、ポチャと一人ずつはね除けるくらいの力量があります。そして、ピカとポチャコンビにようやくギリギリ対応出来る相手です。まあ、全員、疲労困憊状態ですし、しゃーないっすね。そうじゃないなら、ヴァルツは一人でも対応しそうです。←

ではでは!