satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第41話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でどたばた暮らす物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回は、ラル達がツバサちゃんにイタズラする犯人探しに乗り出した辺りまで進みました。今回はそんなツバサちゃんの仲間達視点です。一話で収めます。なぜなら、することがないからだ!!←
レオン「言い切ったな♪ ちょーっとお久し振りな人達も出るぜ。おっ楽しみに~♪」
ううーん。とりあえず、彼視点のつもりだけど、別の人の方がいいかも? と思いつつも、このままいきます。


《A side》
ある空き教室にて、皆を集め、椅子でぐるりと輪になって話し合っていた。場所なんてどこでもよかったが、あまり人に見られたくないってのと、知られたくはないってのが理由で、別棟の教室を使っている。
俺が黙ったままで、仏頂面にでもなっていたんだろう。レオンがニヤニヤとムカつく笑顔で俺の顔を覗きこんだ。
「アラシ、相当怒ってますなぁ~?」
「……」
「レオン。こんなときに面白がっちゃ駄目でしょ?」
シエルがやんわりと止めに入り、レオンは残念そうに─何が面白いのか分からないし、残念そうにする理由も分からないが─引っ込む。
この場にいるのは、俺、レオン、シエル、ミユル、アリアの五人。ツバサを除く、幼馴染み……いや、腐れ縁? あぁ、もう。何でもいいや。とにかく、付き合いの長いメンバーが揃っている。本来であれば、アリア以外のやつらは部活に行って、それぞれ切磋琢磨している時間帯だ。が、そうも言ってられない事態になってしまった。
事は数日前……俺が変化に気づいたのがそれくらいで、実際は約一週間前だろう。ツバサの様子がおかしくなった。もっと言えば、何かを隠しているのだ。あいつは何かを隠せるほど、演技は上手くないと思う。そもそも、ガキの頃から一緒にいるんだから、俺を誤魔化せるわけがない。
おかしいと思った俺は、周りにそれとなく聞いてみた。ツバサに悟られないように、気を使いながら、である。すると、どうやらツバサはいじめを受けている……らしい。らしいってのは、本人からの告白がないからだ。
ツバサからの話はないけど、あいつの私物を盗っている人物がいるようだ。その話をするためにわざわざ、全員を呼んで会議している。
「どうにかしたいっていうアラシの気持ちは分かるけど、ツバサ本人が何も言わないとなると……」
「ええ。きっと、ツバサちゃんは心配かけたくないんだと思う。だから、あまり目立っちゃ駄目だからね。アラシくん?」
「アラシ、物騒……ツバサのことになると、特に」
「く、くっそ。アリアにだけは言われたくねぇ……!」
シエル、ミユル、アリアに釘を刺され、今の今まで動けない状態だ。それでも、事態は悪くなる一方で、小さいもので収まっていたものが、歯止めが効かなくなってなっている。この前なんて体操服盗られてたし! なんなんだよ、このねちっこいやつ! いや、ペンならいいって話でもないんだけどな!?
近くにいながら、阻止出来ない俺も俺だが、あの学園内で犯罪に手を染める犯人も犯人だ。ペンや消ゴムなら自分のだって言い張れるものの、体操服なんて、ツバサだって一発でバレる。ツバサは当然ながら、この学園……というか、高等部の中では小さい部類。そんなあいつの服なんて盗っても、誤魔化せる可能性の方が低い。盗ったやつは馬鹿なのか。
「お前らはダメって言うけど、このままなんて俺は無理だからな。ほっといたら、どうなるか分かったもんじゃねぇ……絶対に犯人見つけてやる」
「落ち着けって。ダメなんて言ってないだろ~? 熱くなりすぎるなって話だよ」
おちゃらけレオン……でなく、そこそこ真面目な顔で俺の肩を軽く叩く。そして、にっと明るい笑顔を見せた。
「ま、こっそーり調査する分にはありっしょ♪ アラシだけじゃなくて、ここにいる全員、ツバサが悲しむとこなんて見たくないし? ツバサにバレなきゃ問題ない! なっ?」
「ん。……隠密行動」
「ふふ♪ スパイみたいね♪」
「楽しむ場面じゃないけど、レオンの言う通りだね。手分けして聞き込みでもしよう。時間を決めて、また集合ってことにしない?」
「……分かった。シエルの案で実行しよう。目立った行動はなし、な。一時間後、またここに戻って来る。……これでいいか?」
四人の顔を見回し、全員の了承を得たことを確認した。俺達は教室を出ると、バラバラの方向へと向かっていった。……って!
「なんでついてくるんだよ!」
俺の後ろについてくるレオンに向かって、突っ込みを入れる。この学園は広いため、どう考えても一人一人手分けした方が得られる情報は多いはずなのだ。それなのに、レオンは俺と行動する気らしく、離れる様子もない。
「暴走しないように見張りだよ。偶然、犯人と鉢合わせして、乱闘になったら大変だし?」
「んなことするわけないだろ。馬鹿にしてんのか」
「ツバサのことになると周りが見えないアラシ君のために、俺がついていてやるってば~♪ 遠慮するなよ。俺とお前の仲だしっ」
ぐぅ……反論できねぇ……
レオンと別行動するのは諦めて、二人で手がかりを探した方が時間の節約だ。とはいえ、宛があるわけではない。犯人の臭いなんてものがあれば、そいつを追えるかもしれないが、そんなものあるはずもない。今は校内を歩いて、ツバサの盗られたものを探していこう。……骨が折れる作業だけど、それしかやれることがない。
「犯人の手がかりは全くない?」
「ないな。誰も見てないらしいから、俺達が教室を離れてるときとか、そんなときに盗ってるんだと思う」
「まあ、そうか。変なやついたら、お前が気付かないわけないし。んじゃあ、ツバサのクラスメイトはなしだな。お? ちょっと候補は減ったな」
ほんのちょっとだけな。
はあ。もう少し人手が欲しいかも。ラル達に事情を話して……あぁ、ダメだ。ツバサが生徒会室にいる以上、そこで話なんてできないから、ラル達は頼れないな。……いや、ツバサがなついているラルなら、ツバサをやり込め……いや、待て待て。変な方向に行ってるぞ。落ち着け、俺……!
「情報が全くないんなら、高等部、中等部、外部犯……なかなか広いよな。可能性があるのは同級生か? 時間割りを把握してると盗りやすそうじゃん?」
まあ、そうだな。時間割りは知っているだろう。そうなると、高等部で同級生の可能性が高いが……中等部と高等部は部活の繋がりなんてのもあるし、一概には言えない。ツバサは言うなれば有名だ。中等部にも名前は知れ渡っている可能性は捨てきれない。だから、敵は多いって訳だ。
「敵って……間違っちゃないけど」
「外部犯ってのはないって思う。それなら、他のやつらも被害になってないとおかしいだろ?」
「そうだな。ツバサのだけを永遠に盗る意味もないか。あったとしても、内部に黒幕って線だな」
そこまでして、ツバサの私物を盗る意味もないけどな。ツバサ本人ならまだしも……私物だぞ? 価値ないだろ。
「外部犯だとして、誘拐なら百歩……も譲りたくはないけど、分かる。まだ、分かる。っつーことは、今回は内部に絞って考えた方が良さそうか?」
「恐らく。……にしても、全然見つかんねぇ」
「ツバサの臭いしないわけぇ? 牙狼さーん。そのお鼻は何のためについてるのぉ~?」
うっせ! 探してるわ!! 
「持ってかれた物の臭いは近付かないと分からない。それこそ、犯人とすれ違うとかそれくらいの距離じゃないと」
「つまり、すれ違ったやつからツバサの臭いがしたら?」
「犯人の可能性が高い」
「おぉ~……で、そんな偶然あるか?」
「期待してないから自分から歩いてんだろ」
こんなことしても出会えるなんて思ってねぇけどな。何もしないよりはましだろ。



~あとがき~
む、無理矢理だった気もするけど一話、引き伸ばせるもんだね?

次回、ラルサイドに戻り、情報集めしまぁす。

アラシ君はツバサちゃんに何かあると暴走気味になります。多分。まだ、あれだよね。まだ、冷静かなって思います。はい。

ではでは!