satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第217話

~前回までのあらすじ~
ようやく日常に戻ってきたと言ってもいいかもです。夏祭り延長戦! まあ、戦うことはないです。断言します。
イブ「楽しむぞ~!」
チコ「お~!」
君達、初日も二日目も楽しんでたのでは……? 三日目もまあ、途中まではワイワイしてて……
イブ「作者さん、そういうのは言わなくていいんですよ」
あ、はい……


会場について一番驚いたのは、あんな騒ぎになったのにお客さんがたくさんいることだ。初日、二日目と変わらないくらいなのでは?
「皆、心の底ではあんなので終わらせたくないって思ってた、のかな」
チコちゃんの呟きにポチャさんは苦笑交じりに答えた。
「親方の人望もありそうだけど。あの人、楽しいものに全力だから」
「た、確かに……」
「花火まで時間あるけど、とりあえず、ピカを捜すか。昨日も今日も振り回されてるな。……イブ達はどうする? 別行動でもいいよ。コンもフィフィもどっか行ったし」
あれ!? 本当だ! あの二人いない。え、どこ行ったんだろう?
ポチャさんに言われて近くを見渡してみるけれど、二人の姿はない。到着早々、はぐれてしまったのか。と、思ったけれど、コンちゃんもフィフィ君もお金持っていなかったような……? それとも、二人が自由に使えるお金でもあるのだろうか。
「ソルのところにでも行ったんだよ。遊ぶお金、ねだりに行ったの。ぼくは絶対にあげないから」
満面の笑みで厳しいことを言い放った。フィフィ君がポチャさんをパパって呼ぶことがあるから、甘いのかと思ったけれど、そんなことはないらしい。
「おれ、帰っていい? 人酔いしそう」
空色のマフラーを緩く巻いたすーくんが二、三歩後退りする。目立ちたくないのか、目の色も紅から金色に変化させている。しかし、違いはそれくらいでいつものすーくんだ。
「だ~め! ピカさん捜して、お仕事終わったら皆で遊ぶの!」
「我儘姫さんだな……可愛くねえ」
うっさい! 黙ってついてこい!! そして、ピカさんを捜せ!!
「あい……あ~こっちか」
嫌がるすーくんを先頭にピカさんがいるらしいところへと案内される。私以外にもいるから、勝手にどっか行くなんてないとは思うけれど。仮に逃げたところで、私が呼び出せば出てくるし、逃げ場なんてないんだ。ふふん♪
密かにほくそ笑んでいると、すーくんの隣を歩いていたポチャさんがすーくんを見上げた。
「ねえ、フォース、どうやってピカを捜してるの? 気配じゃないよね。こんなに人がいるんだから、特定の一人なんて見つけられなくない?」
確かにそうだ。偉そうに捜せなんて言ってみたけれど、どうやってやってるんだろう。探検隊バッジを見ているわけでもないのに。
「あ~……そうだな。人が少なければ、気配だけでも探れる。今は、なんていうのかな……声と色を見てる」
「”マインド”? あれ、声を聞くだけじゃないの?」
「声はそう。”マインド”は生まれつき持ってた能力で……色は人のオーラとか、魂の色っつーの? 兄貴が姿消してさ、あの人の仕事である、魂の導きを担う人がいなくなったわけ。で、元々、霊感強かったおれが代わりにやってたの。その影響だな」
死んじゃった人の魂を導く人ってこと?
「そうそう。後は、これから生まれる命とかもかな。まあ、魂の色って一人一人違うんだ。……えーっと、すぅはおれの影響もあるんだろうけど、赤の割合が多めの暖色系でチコは薄い緑と赤……ピンクに近いか。ペンギンはあれだな。結構混ざってるけど、大部分は青系」
「聞く限り、誰かと被りそうだね? 分かんなくなりそう」
「お前とお姉さんのは実際に似てた。どっちも優しい緑だったからな。けど、色の割合まで同じってことはないし、緑っつっても、色々あるだろ? チコとお姉さんのは同じ緑でも全然違ったよ」
チコちゃんのお姉さんと話したことないような……私を通して見たってことなのかな?
その辺は、実際に見てみないと分からなそうだね。
「そうだと思う。おれも口で全ては説明出来ねえしな。ま、それ使ってリーダーを捜してる訳ですよ。理解した?」
「うん。君の力がチート過ぎるって理解したよ」
「そうは言うけど、常時、それで人を見ている訳じゃない。ずっとやるものしんどいからな。……と、着いたな」
ん……? ここ、昨日、バトルロイヤルしてた会場?
もうすでに始まっているのか、楽しそうな観客の声が漏れてきている。コロシアムみたいになっているし、屋根があるわけではないから、声が漏れるのは仕方がないのかもしれない。入場料等を取っているわけでもないようで、入り口は開け放たれている。私達は全員で顔を見合った後、中へと進んだ。内部の案内に沿って進んでいくと、昨日は会場を見下ろせる座席に行けたはずだけれど、今回は会場……昨日の言い方だと、フィールドに出た。
『次のお相手はこの私、プクリンギルド所属、リムがいたしま~す! ピカさん、引き続きよろしくお願いしますね!』
『おい~す。ま、誰でもいいけどな。同じですもん。ってことで、探検隊スカイのリーダー、ピカでっす』
リムさんとピカさんの声だ。小さなステージに二人でマイクを持って立っている。それを見ている人達は用意されたスペースに好きなように座っているみたいだ。トークショーみたいな感じかな。二人の話は続いていて、とりあえず、見える位置まで移動して、適当に座った。
『そんなこと言うなら、親方様、呼びます?』
『それだけはやめて~? 収集つかないし、終わらないよ。……この時間は何するの? さっきはよく分からない寸劇を永遠とやらされたけどさ。出てくれたレンさんとか、被害者だよね。あ、そこにいるわ』
『うふふ。面白かったですけどね! 吹っ飛ばされてて』
『やれって指示が飛んできたなと思ったら、なーさんが……や、ごめんなさい、レンさん。後日ね! お礼しますんで! えっと、続けていてくれている方々、ありがとうございますね。飽きたら帰っていいですよ。観客ゼロになったら、こっちも終われるし!?』
『駄目ですよ。いなくても私とピカさんは喋ります。と、いうことでここからはだら~っと話していきますよ。この後のプログラムが激しいんですよね。後で案内しますけどね。見ました?』
時間によってやっている内容が違うみたいだ。さっきまでは劇っぽい何かをしていたみたいだけれど。
『見たよ。私の出番は一応これで終わりなんだよね。……何する? 無駄に話してくの?』
『せっかくなので質問タイムにでもします? 有名探検隊のリーダーがなんでもお答えしちゃいますよ!』
『それ、リムが言うことじゃ……いいけどな! 何かある人いるなら、聞くけど。プライベートな質問は黙秘権使う』
『ふえー? 恋に恋する乙女的なお話はなしです??』
『なしです。別に恋に恋してないから』
……なんて、言われてますけど?
ポチャさんの様子をうかがうと、ピカさんに否定されているにも関わらず、思ったより平然としていた。
「あー……まあ、言わない方が平和だからできる限り隠そうってなってる」
「誰にもですか?」
「うん。誰にも。……ぼくもまだ王子様っていう肩書きはあるからね。親には結婚前提でお付き合いしてますとかなんとか言ってるけど、国民を前に宣言した訳じゃないからさ。肩書き、投げ捨てたいな」
な、なんか色々難しい話になりそうだから、突っ込まないようにしよう。
『じゃ、平和なお話ししましょうか~……レンさん、そこにいるなら観客にマイク回す役、やってくださいなっ♪』
『こき使うねぇ~♪ 嫌いじゃないぞ~』
とりあえず、周りの人から質問を募るのは変わらないようで、その辺で見ているらしいレンさんに呼びかけた。話の流れから推測するに、レンさんの出番は終わっているとは思うんだけれど、リムさんは遠慮はしないみたいだ。どこからともなく、レンさんかわふわりと飛んできて、舞台へと上がってきた。予備のマイクを渡され、大きなため息をつく。
『俺を使うのは高いからな! いいけど!!』
『請求はギルドにどうぞ~♪ じゃあ、ついでにレンさん何かあります? それなりのお付き合いありますけれど』
『え? お前にぃ? んー……ないな』
『薄情者』
『はいぃ!? だってないし』
『やれやれ、空気の読めない大人にはなりたくないですねぇ』
『ピカさん!? 君の後輩、ちょっと配慮ってものを知らないみたいなんですけど! みたいなんですけど!?』
『冗談だと思うので、さらりと流してください。既婚者様』
『結婚云々関係ねぇぇぇ!』
レンさん、めちゃくちゃもてあそばれてる……あの人、偉い人だと思うんだけど……すーくんと戦っていたときは強そうだったし、紹介でも四天王補佐って言われていたのに。



~あとがき~
どんどんあらぬ方向へ……(汗)

次回、まだまだやります。夏祭り(延長戦)!

ようやく! フォースがどうやって敵を捜すだのピカやスラを捜したのかっていう種明かしを! しました! 特に能力の名前はないですね。よく見える目ってくらい?((

ピカの言っていた寸劇について話すことはないです。だって何も考えてないから……(笑)
まあ、なーさんやレンの名前が出てくるってことは、四天王補佐を交えた何かをしていたんでしょうね。となると、アクアもいたんだろうけど、彼女もまた被害者ですね。

ではでは!