satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第45話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわい楽しく過ごす物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、おおよその犯人像(?)が浮かび上がったのですが……何やら不穏な空気。ってことで、なぜそうなったのか、というところを今回、書いていこうと思います。久し振りのアラシ君視点です。書けるのかが心配ですね~(汗)


《A side》
レオンと話しながらも、犯人についての手がかりを追ってはいたのだが、結果はご想像通り、何も出てこなかった。時間の無駄とはまさにこの事である。時間も迫ってきたため、頃合いで切り上げ、最初に会議で使っていた教室へと戻る途中だ。その道中でも神経を尖らせ、捜してはいるものの、簡単には見つからない。
「何度でも言ってやるけど、対象者が広いんだよなぁ~? ま、高等部のやつらの可能性が高いのは想像つくけど」
「この一時間で何度も聞いたよ。……はあ。一時間じゃ校内も回りきれないからな。うぅん……やっぱり、ラルか誰かと連絡取って、協力してもらった方がいいかな」
ツルギの件で大分迷惑をかけてしまったから、あまり頼るのも悪い。が、何かあってからでは遅いし、ラルはこういうの慣れていそうだから、頼りにはなるだろう。……多分?
「人手増やすのにはさんせーいっと。お、アリア! 戻ってきてたんだな。早いな」
教室では菓子パン片手に待機しているアリアがいた。サボっていたとは思わないが、なぜ食べる。
「ん。……お疲れ様」
「お~♪ そのパン、さっき買ったのか?」
レオンの問いに、アリアはこくんと小さく頷く。パンを一口かじって、もぐもぐしている。
「お腹、空いた……」
うん……そうだな。なんつーか、お前らしいよ。食いしん坊って言葉では足りないくらい食べるアリアなのだが……どれくらいかって言うと、少し動いただけでも、腹の虫は暴れまわるくらい。どういう燃料の使い方をしているのか問いたいが、これは本人に聞いたところで意味はない。これがアリアで、俺達の仲間なんだ……はい。
「ごめんなさい。ちょっと遅れちゃったわね」
「三人とも戻ってたんだ」
ミユルとシエルが一緒に戻ってきて、とりあえず、全員揃った。一応、席に座り、それぞれの報告会としよう。……予想つくんだけどさ。
「俺とアラシは収穫なーし! 以上!」
「ツバサの盗られたものとか、犯人の手がかりとかあればって思ってたけど、なかった。罪悪感を感じるレベルで手ぶら」
「仕方ないよ。僕もそんな感じ。ただ、変な噂を聞いたけどね。ツバサがあちこちで調べられてる、みたいな感じの」
はあ……? 調べるだぁ?
「え、あ、うん。らしいよ?」
「おおっと。ステイ、ステーイ」
うっせ。落ち着いてるわ。撫でるな! 馬鹿レオン!
レオンの手を払いのけ、シエルの言った意味について考えてみる。
つまり、どこの馬とも知れないやつがツバサのことを嗅ぎ回っている。何のために? ツバサをいじめるための情報収集でもしてるって言うのか?
「私もシルと似たような感じね。ツバサちゃん、可愛いから男子達の噂になっているのかも。女の子にも人気あるみたいだし♪」
……ヤバい。冷静になれなくなってきた。考えろ……落ち着いて、考える。
確かに、クラスじゃツバサは人気者だ。女子にも気に入られ、よく撫でられたり、もふもふされたりしている。ツバサ本人も嫌がっていないし、俺はそれに関して放置してきた。悪いやつはいないって確信していたから、突っ込みもしなかったのだ。クラスの男子も同様だ。流石に女子みたいに撫でるなんてのはないけど、優しく接しているみたいだし、ツバサも楽しそうに過ごしている。が、これはあくまで、自分のクラスに限った話。よそのクラスについてはほぼ知らない。
「アリアちゃんはどうだったの?」
「……ん。中等部で噂になってるみたい。……可愛い白い狐族がいる。……っていう」
「んー……それは今回の話と関係あるか?」
レオンが首を傾げながら問いかける。俺もそれは思ったが、アリアはゆっくりと首を振った。
「分からない。でも、ツバサ……有名なんだなって。……調べてて思った」
普段から一緒にいるから凄さが分からないが、話題性は抜群だもんな。……妬みの対象にはなりやすい、か。ツバサの人柄に触れたことのないやつからすれば、生意気な女子だと思われる……のだろうか。いまいち、ピンとこないが、そういうことなのか。
「こんなもんか。……どうにかラルと掛け合ってみよう。……申し訳なさがかなりあるけど」
ツバサを気に入っているラルなら、快く快諾してくれるだろうか。それを含めて、明日また考えよう……というか、ツバサを問い詰め……いや、隠すか。あいつは。そこら辺は頑固だから。
「今日は解散しよう。……明日、付き合えるやつだけ付き合ってくれると助かる」
そんなことを言いながら立ち上がると、他のやつらも同じように立ち上がった。
「僕は構わないよ。しっかり解決しないと気分悪いからね」
「ええ。でも、ひっそりと、ね?」
「そーそー! アラシ、何度爆発するのかひやひやしたぞ~?」
「……ん。落ち着け」
「お、落ち着いてるから!」
……多分。
五人で教室を後にし、さっさと外に出た。その足で校門へとむけたいところだが、その前にアリア以外のやつらは荷物の回収とツバサの迎えに行かないと。本当ならこのまま、部活に行くつもりだったから、あっちに置きっぱなしだったんだ。……流石にもう、今日は練習にも身が入らないし、このまま帰ってしまおうかな。
「あ、せっかくなら皆で帰りましょ? 久し振りに、ね。もしかしたら、ツバサちゃんから情報が得られるかも」
「お、いいね! 正門集合ってことで!」
だな。……話せそうなら、ラル達に話してみよう。
ミユルの提案にレオンが乗っかる。シエルもアリアも異論はないらしく、部活動エリアへと足を向けた。……そのときだった。
「! あの、すんません」
たまたま横をすれ違った魔術科の上級生団体を呼び止める。学年は雑多に混ざり、もしかしたら何かの団体なのかもしれない。彼らは不思議そうにこちらを振り返った。俺の仲間も足を止めた俺を不思議に思ったのか、頭にはてなマークを浮かべている。
「不躾で申し訳ないんすけど荷物、見せてもらえます?」
「はあ?」
「お、おい! アラシ? どうしたんだよ」
いきなりの申し出にレオンは焦った様子だった。だが、レオンみたいに遠回しにお願いなんて出来なかった。俺は上級生に聞こえないように呟く。
「あの鞄からツバサの匂いがする」
「え?」
「勘違いなら謝ります。けど、今は何も聞かずに見せてくれるとありがたいです」
「何言ってんだよ。一年。見せるわけないだろ」
……普通はそうだよな。俺だって知らない人に見せろって言われても見せるわけがない。
「あんたの荷物から、俺の友達……幼馴染みの匂いがする。なんであいつと接点のないお前から匂いがする?」
「知らないよ。たまたますれ違ったとか、ぶつかったとかじゃないのか?」
「それくらいの接触でこんなに強く残るわけない。持ってるだろ、あいつから盗った物」
あぁ、自分でも熱くなってきてるのが分かる。でも、止められない。
「アラシ……というか、牙狼族って鼻がいいんだっけ?」
「ん。……そうだね」
「今回、ずっと捜してたし、敏感になってるんじゃないかな~?」
後ろで話している内容は置いておくとして、どうにも先輩達は見せる気も認める気もないらしい。こうなったら、実力行使をするしかないか。
「やましい気持ちがないなら見せられるだろ。俺も黙らせられるし、なんだったら、好きにしてくれたっていい。でも、仮にあいつの私物が出てきたらただじゃおか……」
「態度悪い」
「ってぇ!」
アリアが呟くと、ぺしっと後ろから叩かれる。なんで!?
「いきなり訳の分からないこと言って、なんなんだよ……あんたら」
「あはは~……すみませんね~? こいつ、気が立ってて! 大切な幼馴染みのために躍起になってるんすよ。なので、出来ればご協力お願いします」
「いい訳ないじゃん。知らない相手になんで見せなきゃなんないの?」
「わっお……ま、正論だよなぁ」
レオンが俺の代わりに頼んでくれるけど、最初の印象が悪すぎたのか、あっさり断られる。下手に出ても強気に出ても駄目なら、じゃあ、もう、力ずくでいいや。
「っざけんなよ……!」
「わっ! アラシ君!?」
ミユルの止める声が聞こえるが、構ってられるか。匂いがするのは確かで、揺るぎのない事実だ。俺は力強く拳を握り、大きく振りかぶった。
「だめぇぇぇ!!!」
「ぐえっ!?」
が、思い切り横からタックルされ、そのモーションは途中で止められた。ぎゅうっと抱きつかれ、俺の頭は軽くパニック状態だ。何が起こった……?
「ケンカ、だめなのっ!」
「え、あ、ツバサ……?」
ぶんぶん首を振って、止めに入ったのはツバサだった。何がどうなってツバサが出てきたのかさっぱりだが、先程まで怒りで埋め尽くされていた感情は幾分か散っている。混乱三割、怒り七割ってところか……?



~あとがき~
こ、これで繋がったかな?

次回、事件は終息に向かいます……向かいます?
視点は……アラシ君のままでいこうかな。

今回の話は半分くらい私のオリジナルです。また伸ばしてやろうと頑張りましたね! やったね!←
展開も少しいじってます。成り行きです。

ではでは!