satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第49話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で適当にのんびりと過ごす物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
のんびりとか言いつつも、ユーリ、イツキ、リリアーナ三人で怪しい人の尾行をしておりまする。
ユーリ「これ、二、三話で終わりますか?」
無理ですね。五話くらいですかね。……あー、五話で終わればいいな。
ユーリ「……希望なんですね、そこ」


イツキが一方的に怪しいと思っている人は周囲を警戒しつつ、少しずつ街から郊外へと道を逸れていた。隠れるものがなくなってきたため、幻術魔法を僕を含めた三人にかけ、他の人からは見えないようにした。解除魔法を掛けられるとすぐに解けてしまうし、物音を立てたり、魔力探知に長けている人から見られると、すぐにバレるだろうけど、まあ、大丈夫だろう。少なくとも、今追いかけている人物はこちらの様子には全くの無関心なので、こういう魔法は気付かれにくいと踏んだのだ。
「いや~……ほんと、魔法って便利だよな。俺も使ってみたぁい~♪」
「僕が使うのは基本的に補助系全般と呪術。完全サポートタイプの僕からすると、技が使えるお前の方が羨ましいけど」
「そお? しゅばっと移動出来たり、こうして姿隠せる方が便利じゃない? リリィは回復も出来るじゃーん? めちゃ便利」
「ふにゅう。これは適性もあるからねぇ~? 私はゆっちゃんみたいに隠したり、敵を状態異常にしたりなんてできないからなぁ……こんなときのゆっちゃんは頼りになるね!」
こんなときなんて、一生来なくていいんだけどね。でも、今、使ってるなぁ……はぁ。
「……これっていうか、幻術魔法は補助系に属してるんだから、練習すればリリアも……って何の話を」
小声なら問題ないため、こそこそと話しながら追いかける。どうでもいい話をするくらいは余裕がある僕達だ。
イツキは魔法を扱う素質はなく、反対に僕とリリアはその素質がある。その原理とやらも色々複雑なので省略するとして……
魔法を使う側にも得意不得意は存在する。その特徴が如実に現れるのは、髪の色だ。例えば、炎系が得意な人は赤系統色の髪色で、雷系なら黄色系統色……と言った具合にはっきりと現れる。僕は黒髪なので、呪術やデバフ系を得意とする黒系統色。薄いオレンジ髪のリリアは、土と光の二属性を併せ持つ、オレンジ系統色。
光属性は少し特殊で、色素が薄い人ならある程度、操れるらしい。つまり、僕は原色寄りだから適性がないということだ。これで回復も使えたら味方補助が完璧にこなせるのに、とは思う。まあ、このような危険そうな場面に出会すなんて早々ないし、探検隊っぽいようなことも二度とやるつもりもないから、使えなくても問題ないけれど。
話を少し戻して、黒と白は特殊な立ち位置だ。黒は何色にも属し、白は何色にもなれる。そのため、系統無視して……流石に白にはなれないから光魔法は無理だけれど、様々な属性魔法を使用出来る。しかしまあ、黒は属性魔法を習得するのにかなりの時間がかかり、仮に使えたとしても威力は格段に落ちてしまい、魔力消費も大きい。メリットを探すよりもデメリットに目がいってしまうが、それでも、戦いの幅は大きくなるのは大きい。僕も憧れ半分、好奇心半分で練習しているけれど、光を除いた属性魔法習得には至っていない。使えなくはないんだけれど、対人戦ではほぼ役に立たないのが現状。
反対に白は優秀で、希少な存在。何色にもなれるという理屈で、僕のようなデメリットも存在しない。まあ、得意不得意は個性として存在するだろうが、理屈としてはチート級の強さと言っても過言ではない。が、そんなチートさんがほいほい生まれるものではないから、ある意味世界は平等だ。最近、会長が連れてきたツバサさんはそんなチートさんなわけだが、彼女を見たときは、白っていたんだという感想である。一生会えないレベルの人材なのは確かだ。
「……なあ。この先、ダンジョンだよな」
色々話をしていると、自然が多めの地帯へと来てしまったらしい。親切なことに『この先、ダンジョン』という看板が立てられている。誤って入ってしまわないようにするためだろう。
「そうだね」
「そうなの?」
いいところのお嬢様のリリアはこんなところ来るはずがない。お嬢様でなくても、生活する中でここに足を踏み入れる人もいないだろうけれど。
「うん。ガキの頃、行くなって言われてたし。ま、入ったことありますけどねぇ~……ね?」
「……あるね。でも、敵モンスターはほぼ出てこない小さなダンジョンだよ。悪い子供の度胸試しによく使うところ」
それこそ、十代前半のやんちゃ時代にイツキと二人で何度も入った記憶がある。僕とイツキはここで倒されたことも遭難したこともない。一人ではなく、二人で入るようにしていたというのもあるかもしれない。が、それが気に食わなかったのか、リリアはぷくっと頬を膨らませた。
「私、誘われたことないっ」
「えぇー? リリアーナお嬢様を誘うなんてとんでもないですよぉ~……そんな勇気ねぇわ、俺」
「お前も由緒正しいお家柄の癖によく言う」
「歴史があるのは認めるけど、金持ちではない。リリィ程の金はないね。うちは武道しか能のない家族なんで……脳筋パーティーなの」
「そこまで? 華道とか茶道はおばさんだっけ?」
「そ。あとばあちゃんかなぁ。親戚にも何人かいるけどね。男子はもうあれよ。体鍛えとけばなんとかなる! みたいな感じだからね?」
リリアの家は医者一家、イツキの家は武道に精通する名門。近所ではそれなりに名を通している二人ではある。リリアに関しては財閥のお嬢様レベルなので、現在進行形で交流しているのが不思議なくらいだ。
そんな名門二人に囲まれる僕だけれど……僕の家は、まあ、普通、だ。うん。
「ま。そん頃と環境が変わってなきゃ、俺達三人いれば問題ない。チビッ子時代のユーリと俺でも突破できるようなところだったし!」
「警戒しながらなら、大丈夫だね! あの人、追いかけよ!」
イツキとリリアはダンジョンの入口と思われる場所へと歩を進める。確かに、イツキの言う通りだ。子供の頃、大人に内緒で何度も入ったダンジョンではある。……では、あるんだけれど。当時と違うのは、追いかけている人の素性と力が未知数なのだ。何が起きても不思議ではないけれど、ある程度戦える自信はある。しかし、リリアの攻撃魔法があるとはいえ、僕とイツキはほぼ丸腰と言ってもいい。本来の力を出せないのが不安な点だ。
「……念には念をね」
手短に何かあったときのための保険の準備を終わらせる。これが徒労に終わればいいんだけれど。

二人に追い付いた後は、心底どうでもいい話を繰り広げてながら奥へと進む。しばらくして、怪しい人は小さな小屋へと入っていった。ログハウス……というよりは、木で出来た小屋だ。草木の影に隠れ、リリア、僕、イツキと横並びなってじっと観察する。目の前に入り口と思われる扉と小さな窓が見えるが、それ以外は何もない。
僕の右隣にいるイツキが首を傾げた。
「昔、こんなのあったっけ?」
「あった。上級生があれを秘密基地にするとかなんとか言って、他の人は入るなって言いまくってた気がする」
「あー……あのいかにもガキ大将みたいなあいつかぁ」
「そ。……あは。懐かしい」
「そんなことあったの?」
確か、小学低学年くらいの頃で、そのときはリリアとまだ出会っていない。今までも大して面白い話でもないために、彼女に話したこともなかった。
「あったんだよ。まあ、俺とユーリで叩きのめしたけどね!」
「おー! いっちゃん、かっこいい!」
……かっこいい、のか?
僕はおふざけモードのイツキを無視し、小さく追跡魔法の呪文を唱える。何体かの小さな狼を作り出すと、それらを散らせて小屋の周りの観察させる。
「それ、この前の落書き事件から多用してるよな」
「会長に言われて、とりあえずやってみただけなんだけどね。追尾用なんだけど便利。使い方次第で変わるんだなーって」
人を見張りたいと言われて、監視用に何か出来ないかと考えていたときに思いついたのだ。見るだけなら、量産してしまった方があちこちの情報を得られていい。作れば作る程、入る情報量は増えてしまって混乱してしまうが、整理し優先順位を決めて操れば問題ない。いざとなれば、相手に見せて、脅しにも使える……なんて、会長の考えることは恐ろしいと言うかなんと言うか。追跡用なのに敵に見せるなんて考えないだろう。普通、隠れて使うものなのに。魔法を使わない会長だから思い付くのか、普段から考えていることが違うのか。
「会長様は素晴らしいお方ですね!」
「リリア、声が大きい。……小屋の作りは前と変わってないか。ということは、出入り口はあそこだけで、右手に窓がもう一つ……か」
窓を塞げば、必然的に出入り口は今見ている扉のみになる。全員小屋の中にいると仮定すれば、戦いになった際、ある程度有利に事が運べるかもしれない。
「ふむふむ。待ち伏せてれば倒せるんじゃね?」
「ここまで来たけどさ、あの人、悪いこと何にもしないでここまで来たよね? いっちゃん、見てないんでしょ?」
「それな。万引きくらいすんのかと思ったけど、まーったくだったな。勘違いなら帰るだけなんだけどさ、うーん。俺、あれが勘違いだったとは思えないんだよな」
ふーん? ま、獣みたいなお前の勘を信じてあげるけど。
「いや、獣お前ら」
「立派な牙狼族なんで。そこら辺の獣と一緒にしないで。噛み殺すぞ」
「ウサギも可愛いけど、時には牙を向くぞぉ! ていっ! ていっ!」
「やだ。目が本気~」
さあて……どうするかな。
そんなことを考えていると、微かに火薬の匂いがしてきた。それを感じ取った瞬間、反射的に二人の手首を掴み、地面を蹴って走り出していた。僕の突然の行動にも、転ばずについて来てくれたことに関しては流石と感心する。怪我もなく数メートル移動した後、リリアが体を震わせる。
「……ゆっちゃん、いっちゃん。今、銃の発砲した音が聞こえた」
「火薬の臭いもするし、実弾銃か。これ、バレてるね。相手に魔術師……魔法使いが一人はいるってことだ」



~あとがき~
この三人、書きやすい。

次回、バトル勃発! 多分!!

ユーリが何かあったときのための保険ってのが何なのかは話が進めばわかります。まあ、予想はつきそうですけどね!

今回は魔法の設定だったり、この三人の関係性だったり、後からまだこの三人(ユーリとイツキ中心だとは思うけれど)のことは明らかになっていきますが……ユーリはこの二人と話してると……特にイツキとは本当に口悪いですね。他の子達とはそうはなりませんので、気を許してるってことでしょうかね。
魔法の設定に関しては友人とそこそこ話し合って決めています。……っつっても、友人が設定の大部分を作り、私が気になるところを質問して、付け足してもらったりなんなりしてもらい、練り上げてって感じなので、うん! ほぼ友人の手柄ですね!!(笑)
魔法の設定はいつかまとめ出したいですね。ツバサちゃんみたいな例外があるし、色とか適性とかややこしいんでね。
そこら辺、技は曖昧です。技はポケモンのあれが元なので余程、ぶっ飛んでなければありです。だから、ラルは電気メインだけど、本編では”くさむすび”や”あなをほる”等々、意外とバラエティー豊かなので、レイ学ラルもそこら辺を使える設定ではあります。まあ、それっぽい何か、にはなりますが。オリ技って設定も生きてます。ピカの場合、ドールとかもある……いるかな。いるんですよね。こいつもなかなかのキャラですね。バトルあまりないのでいいけど。

本当はちょい役の予定だった、ユーリとイツキがここまで中心ポジに来るなんて思ってませんでしたね。いやはや……凄いね。
三年のラル達が卒業というか、引退したら、こいつらが生徒会の中心に……とは思っていますが、会長は……誰や……? ツバサちゃんかな。(適当)

ではでは!