satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第80話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で平和に過ごす話です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回は、アリアちゃんの真骨頂を見てしまったラル達でした。そして、まだまだ続きます。昼休み。
ラル「残り二十話で百話に達するんですが、お気持ちを~」
いやぁ……定期的に出しているとはいえ、早いっすね。今だけだろうけど。
ラル「それな」
レイ学世界では夏にもなってませんが、お付き合いくださいませよ~♪
今回は久しぶりのアラシ君視点です。


《A side》
男子二人を連れ、屋台の広がる方面へとラルは消えていった。屋台会場は広いし、アリアと出くわすかは分からないが、そこら辺はあの三人は気にしないだろう。仮に見かけても話しかけない……と思う。さっきの話を聞いたしな。
「そいやぁ、アラシ、ご飯買いに行く? だったら、俺の分もよろしく~」
「はあ? ふっざけんな。自分で行け」
「ちぇ……優しくねぇなぁ」
うるせぇ! 集るつもりの癖に。騙されてたまるか。
ぶーぶーと文句を言うレオンを適当にあしらっていると、ツバサが俺の制服の裾を軽く引っ張ってきた。
「アラシ~……」
少し甘えるように俺を見上げる。それだけで何が言いたいのか予想がついた。
「はいはい。ラル達と行きたいんだろ? なら、早く行かないとな。外に出られると見失うかもだし」
「! うんっ! 行こ、アラシ!」
ツバサはパッと顔を輝かせ、アリア、ラル達が先に歩いていった通路を走る。あいつがスピード出すと、とてもじゃないが追い付けなくなる。急がなくてはと言ったが、そこまでダッシュする必要もないだろうに。俺も走るのか。
「レオンはどうするんだ? ここにいても飯は買ってこないけど」
「買ってきてくれないんなら、一緒に行くしかないだろ~? アラシ君ってば、優しくないんだからぁ」
わざとらしい。むっかつくわ。こいつ。
部屋に残るらしいミユルとシエルに、外に出てくると伝え、俺とレオンで先を走るツバサを追いかけた。こうなる前にラル達に一緒に行こうと提案すればよかったのではと、今更ながらに思いながら。

先を行くツバサには途中で追い付き、三人で会場外出口を目指した。会場外に出ていたらどうしようかと思ったのだが、三人は案外近くにいた。
通行の邪魔にならないところに三人で固まっていたのだ。どこへ行くのか相談していたのかもしれないし、全く別の理由かもしれないが。とりあえず、俺達はラル達に追い付けたようでホッとした。
「みなさーん!!」
ツバサの目一杯の叫びに、三人がこちらを振り向いた。
「お~……お揃いで。どうしたの?」
「ツバサがお前らと一緒に行きたいって言うから、走ってきたんだよ。先に行かれたら面倒だろ?」
「あーそういうこと? それならツバサちゃんに渡した通信機で呼んでくれてもよかったのに」
「……あっ! そっか!」
ラルに言われて思い出したらしく、制服のポケットから通信機が出てくる。恐らく、生徒会メンバー全員に渡されているもののようで、ツバサも例外ではないようだ。ツバサの通信機を見て、ラルは苦笑する。
ティールはインカム外してるけど、私とフォース君はつけっぱなしだったから。ツバサちゃんに渡したやつだと、ここにいる三人には繋がるようになってると思うよ」
確かにラルとフォースは片耳にインカムをつけていて、ティールは外しているみたいだ。恐らく、ティールは完全に休憩時間で、ラルは司令塔だから常時つけていなくてはならないのだろう。フォースは……なんだろう。外すのが面倒なのか、担当時間だけど、こっちにいるのか。
……うん。両方あり得そうだ。
「まあ、いいや。今度から何かあるなら、それで呼んでくれていいからね」
「は、はい。すみません」
「ラル達はここで何してたんだー?」
レオンの質問にティールが困ったように笑う。
「んと……ステラとリーフと待ち合わせしてたんだ。せっかくのお昼だから一緒にって……思ったんだけど」
「待てど暮らせど、そのお二人が現れないってわけ。この混雑だし、仕方ない気もするがな。すぅ達も子供じゃないから放置でもいい」
流石、フォース。冷たい言葉をずばっと言うなぁ……
それに賛同するわけではなさそうだが、ラルも少し唸りながら話し始める。
「このまま時間を浪費するのもあれだよね~……先にある程度買い出しに行くか。そっから合流しよ。お昼は一時間だけだもん。フォース君はよくても、私とティールは食べなきゃ死んじゃいます~」
「これくらい我慢できるよ。ダンジョン潜りっぱなしでも問題ないだろ?」
「それと比べる? ダンジョン内はあれよ。アドレナリン出まくりだから、気にならないんだよ」
「あー……一理ある」
ダンジョンあるあるを聞かされても、探検隊でもない俺達に伝わるわけではない。黙っているしかないのだが、レオンがうんうんと頷いていた。
「俺も遺跡調査とかでずっと作業してたら、時間忘れるし、飯食わないな~♪ それとおんなじってことだろ?」
「そゆこと~♪」
ちょっと、同調できない。
「さて、ツバサちゃん達も私達と一緒に行くんだよね? 早速、行きますか。目的地はある? ないなら適当にご飯屋台巡るけど」
「特にはないです。でも、何か美味しそうなの食べたいです! せっかくの屋台ですもん♪」
「OK! じゃ、歩こっか♪」
ステラとリーフと回っていたときに、買い食いしていた気がするが……そこを突っ込むのは野暮なんだろう。恐らくだが。
六人と少し大人数だが、たくさんの人が行き交う道を歩きながら、進んでいく。屋台を見ながらだから、ややゆっくりとした足取りである。
周りに全く興味がないらしいフォースが、全員の足取りに合わせて歩いている中、思い出したように口を開いた。
「あー……レオンとアラシは勝ち上がったんだよな。おれは見てなかったけど。……今年の一年は豊作なんかねぇ?」
確かに。勝ち上がった八人の中で、三年は二人だけ。残りは二年と一年。普通に考えれば、三年が多くなると予測しているものだろう。俺もその考えは一応は、あった。
フォースの言葉に答えたのは、ティールだった。
「それもあるかもしれないけど、Bブロックに三年が固まってみたい。こればっかりは時の運だよ。偉い人達のアピールの場なのに、三年があまり残っていないのもどうかと思うけれど……後輩も今のうちに存在感見せつけておいて損はないだろうね」
後輩と先輩の親睦を深めるという目的と、大型ギルドや研究施設、有名教育機関等へとアピール……先輩方の将来ががらっと変わる……かもしれない、この行事は、一大イベントなんだろう。一年の俺には遠い話のように思える。
「……仕事する気があるなら、か」
「そうだね。ギルドに所属したければ、こんなチャンスないから。ぼくらにはあまり関係ないかな」
「私とティールは卒業しちゃったもんね。今更、入り直す気もないし」
「ふーん? そうなんだな。じゃあ、ラル達はフリーってことか?」
「そそ。一通り、中等部卒業と一緒に終わらせたからさ。とはいえ、これ以上、隊員を増やすつもりはさらさらないよ。私ら含めて、もう七人抱えてますもの~」
「ほえ? それ、多いんですかね?」
「探検隊としてなら多いかな。本来、ソロか……多くても、一度に編成組めるのが四人だから、三、四人ってところだね。私の率いる探検隊は、私とティールがメインで、言ってしまえば、残りはサブ扱いなのよ。別動隊って言った方がいいか」
つまり、メインどころの依頼なんかはラルとティールがやるけど、同時進行で別依頼も請け負う人がいる……ってことか?
俺の呟きに、ラルが嬉しそうに笑って頷いた。
「そうだね。チーム内でも得意な分野で仕事してもらう! みたいな。仮にツバサちゃんが私のチームにいたら、魔法関連のお仕事担当……とか。そういう分け方をするの。もちろん、仲間を信頼しているからこんなやり方をしてるんだけどね。メンバーがリーダーの目の届かないところに行くってのは、リスクもあるから」
何かあったら駆けつけられない……とか、かな。
「はわわ……ラルさんって、すごいんですね! そんなチームのリーダーさんってことですよね?」
「一応はね~……ひっそりとやってるだけだよ」
なんて言うラルを横目に、チームの一員でもあるティールとフォースがぼそっと呟いた。
「ひっそり? ひっそりしたか? おれら」
「ここ一、二年はひっそりもしてない」
チームメンバーである二人はラルの言葉に納得していないようだ。
俺は探検隊に詳しくないが、それでも、ラルの率いる探検隊『スカイ』は、この辺じゃよく聞く名前だ。その理由の一つに、ここに冒険科があるからだろう。学生と平行して活動している人は少なくないと聞くが、大きく名を挙げるのは簡単ではない。実績を得るには、現場に出て成果を挙げなければならないのだ。そのために、技術を身につけ、知識をつけ、力をつけなければならない。
そんな世界で、現役学生且つ、確実な実績を残すスカイは探検隊を目指す生徒達の憧れの存在だろう。それに、生徒会で役職持ちと来れば……ひっそりとなんて難しい話だ。
「私は適度な休みと探検しか望んでないよ!」
「探検ってところには同調する。……ぼくらの場合、環境や仲間にも恵まれたと思うよ。運も実力のうち、だね」
「そうだろうけど……ティールに運もとか聞きたくなかったなぁ。一番、運がないじゃない?」
「うっ……そんなことは……」
言葉に詰まるってことは、自覚があるか、心当たりがあるんだろうな。認めるかどうかは、また別の話だ。



~あとがき~
単なる繋ぎ回。

次回、事件でも起きます(適当)

スカイはこちらの世界線でも有名です。
とはいえ、空海みたいな爆発的な権力は持っていないとは思いますが、知名度、実力も兼ね備えているのは変わりません。皆に通り名があるのもお決まりです(笑)
空海と違うのは、フォースが探検隊として二年活躍しているってところですかね。空海では考えてなかったけれど、ここでは通り名とかついてるんだろうな。

ではでは!