satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

気ままな神さま達の日常記録 vol.2

こちらは『学びや! レイディアント学園』の番外編でございます。スピンオフというか、なんというか。全く本編に関係のない皆々様に焦点を当てたお話となっております。
前回に引き続き、人物紹介から参ります。全員書くぞい!

☆サクッと人物紹介☆
アルフ:転生の神様。穏やかな性格でにこにこしながら、みんなを見守る優しいお方。最近ハマってることは、男の娘姿でのファッションショー。

ファウス:力の神様。ずぼらな性格で部下である制御者達(特にフォース)からの信用度は低い。一応ウィルの育ての親。

ウィル:生命の神様。人懐っこい性格。普段はアルフの下で働き、暇さえあれば、弟的存在のフォースの側でにっこにこしてる。ファウスとは反りが会わない。

フォース:制御者の一人で、最高位の色を制御する。現在、ステラの制御者として下界で暮らしているが、天界へと戻ってくることもしばしば。

エレル:制御者の一人で色は青。明るく後先考えない性格で、トラブルメーカーっぽい。現在はフリーで天界でのんびりしてる。

ユウ:制御者の一人で色は緑。物静かな性格で、普段から一歩下がって見ていることが多い。エレル同様フリーで、天界にてファウスの仕事を手伝う。

ラウラ:制御者の一人で色は白。どこか皮肉屋で、常に傍観者でいることに徹するため、自己中なところあり。最近、こちらに帰ってきた。

ミィ:アルフに仕える蒼い目をした白猫。誰にでも優しい性格。天界にある図書館によく出没し、道案内をしてくれる。アルフ以外だと、フォースと仲がいい。

全員だから長いですね……
ではでは、早速参りましょう!


★天界に存在する魔窟の話★
ここは天界。多くの神々が暮らす世界。
下で暮らす人々の知らないところで、今日もどこかで神様達は働き、人々の様子を見ている。
「かぁぁくぅぅん!! 帰らないで! 急ぐ理由ないでしょ!? だって、今日はラルちゃんのお家に行くって聞いたもん!! お泊まりって聞いたぁぁ!!」
……はずなんだけどなぁ? 何してんの、この神様は。職務放棄か?
おれに抱きつくのは、生命の神であると同時に、何の縁か、おれの兄貴を名乗るウィル。今日は神様姿ではなく、おれとよく似た青年姿だった。まあ、白髪なのは、兄貴の特徴だが。
「そーだよー!! フォース、帰っちゃやだ!! もう少しいよ!? せめて、マスターに挨拶!」
兄貴と同じようにしがみつくのは、おれと同業者のエレルこと、エル。ぴこぴことよく動くピンクの猫耳を引っこ抜いてやりたい衝動に駆られるほど、鬱陶しい女だ。
「かーくーーん!!!」
「フォースさまぁぁぁ!!!」
「うるっせえぇぇえ!!! わかったから、離れろ、アホ共め!!」
堪らずおれが叫ぶと、簡単に二人は離れる。そして、おれから隠れるようにガッツポーズしているのが腹立たしい。
エルは百歩譲っていいとして、兄貴に関しては、いつも会っていると思うんだけど。
「何を言いますか、かーくん! 俺はね、一分一秒でも長くかーくんと一緒にいたいんだよ!? なぜなら、かーくんのことがだぁい好きだからだね!」
「……大変気持ち悪いので、やめていただけますか。ウィル様?」
「他人行儀なのやめて! 悲しい!! 愛想笑いなのも見えてる!!」
されたくなければ、態度を改めろ。
適当に兄貴をあしらい、おれは他の仲間が座っているテーブルへと席につく。
「いいのか、フォース?」
首をかしげ、質問を投げ掛けたのはユウ。灰色の髪色で少し小柄な青年だ。
「あそこで強行突破したところで、兄貴に連れ戻されるのがオチだろ?」
「あは。それはそれで面白そうだね?」
「ラウラは黙ってろ」
「ふふ。はぁい♪」
くすくすと面白がるように見ていたのはラウラ。真っ黒な長いストレートの髪を一束掬うと、暇そうに弄り始めた。食えないやつだな。
「マスターに挨拶って、あの人、今はアルフ様と話してなかったか? ってか、なんで兄貴はその場に行かないの」
「俺が必要ないお話だからだよ。まあ、必要だったとしても、アホがいる時点で行かないけどな」
空いている椅子に座る兄貴の横でエルが不思議そうに口を開いた。
「ウィル様のマスター嫌いも相変わらずですねぇ……? フォースのことはこんなに大好きなのに」
「エルエル! 駄目だよ! あの馬鹿を一緒にしちゃ。かーくんのほうがずっと優秀でいい子なんだから!!」
これは、評価されてるのか。ただの贔屓目なのか。難しいラインだな。まあ、後者か。
「ウィル様、よくこちらに来ますよね。暇ですか?」
「ラウちんはいっつも遠慮ないね! 嫌いじゃないよ。今日の仕事は終わらせたの。かーくんと話すためにね~♪」
こういうのがなければ、兄貴は優秀で誰もが憧れる神様になれると思うんだけれど。おれのせいでとことん損している気がする。
口にして言ったわけではないが、おれの顔色や表情を昔から見ている兄貴だからこそだろう。にっと力強く笑った。
「俺はね、他の人の評価よりも、かーくんからの評価が一番なんだよ~♪」
うん。気持ち悪い。
「辛辣なのは昔からだよね……かーくん、酷い」
「昔からなの分かってて、似たようなことを言ってくる兄貴も兄貴だよな。……なぁ、ウィルにぃ?」
「……その呼び方されるだけでいいやって思っちゃうから、ずるい。かーくん、ずるい」
わざとだよ。
おれと兄貴のやり取りを黙って見ていた仲間達からやれやれといった思考を読み取る。ここまで一致していると、逆に清々しいものだ。
エルがむっと頬を膨らまし、せっかく座ったのにその場で立ち上がる。そして、事もあろうことか、後ろから抱きつかれた。
さっき、ようやく解放されたと思ったらこれだよ。
「ほーんと、ウィル様と仲良しなんだからぁ! ずるいよー!」
何がずるいんだか。
エルにされるがままにされていると、小さくも透き通った鈴の音が聞こえてきた。唯一、獣人のエルも気づいたのか、そちらを見る。そして、それにつられるようにその場にいた全員が注目していたと思う。
「みぃ」
「んお。りゅっち! おっひさー!」
突然現れたように見えたそいつは、小さくふんわりとした白猫。鈴のついた赤い首輪をし、深く青い瞳でこちらをじっと見ていた。そんな猫のミィに、兄貴はひらひらと手を振った。
「ミィちゃん! こんにちは! アルフ様なら、ここにはいないよー?」
同じ猫で通じるものがあるのか、エルがミィに近づいて頭を優しく撫でた。そっと目を細め、それに堪能するのかと思えば、早々とエルの手から逃げて、おれの足元へと駆け寄ってきた。
「フォースがいいってこと?」
「猫にも好かれるなんて、罪な男だね。フォースくん?」
あ? 何の話だ。
「にゃうぅ」
甘えるように足元にすり寄ったかと思えば、頭をぐいぐいと押し付けてきた。全くダメージもないんだが、はてさて、何が言いたいんだろうか?
無駄だと思いつつも、能力でミィの思考を読み取ろうと試みる。しかし、聞こえてくるのは、周りにいる仲間の声だけ。
やっぱ、無理だな。
「ねーねー! ミィちゃん、なんて?」
「知らね」
「むう。フォース、動物とも会話できるじゃん」
「あはは♪ 無理だよ、エルエル~? かーくんでも……もちろん、能力を持ってない俺達でもりゅっちの声は聞こえないんだよ?」
「そうなんですか?」
「前から思っていたのですが、そもそも、ウィル様はなぜ、ミィを『りゅっち』と? ミィの主であるアルフ様は『ミィ』と呼ぶのに」
ユウの疑問から、ミィについての話が始まろうとしていたところに、きらりとミィの目が光った。
「にゃうっ!」
「いったぁ!? え、なん……何?」
エル達の会話を遮るように、ミィがおれに対して攻撃(引っ掻き)を仕掛ける。何か気にくわないから攻撃してきた……訳ではないだろう。ミィはそんな性格ではない。
なら、何が言いたいんだ? あーくそ。こういうときの能力だろ。使えたら使えたでいらないと思うが、使えなかったら使えないでもどかしいな。
「あー……ちょっと待てくれよ。考えるから……な?」
「みぃ! みぃー!!」
おれの言葉にミィは焦ったように鳴き始める。そんなに待てないと訴えるように。
いやいや。言葉が分からないから、予測させてくれって。……んん?
ミィは、自分の尻尾をおれの足に絡ませ、ドアの先を前足で指し示した。
「……あっちに行けって?」
「にゃおっ!」
正解!……かな?
あっちは廊下を渡った先にマスターの部屋がある。……ん。マスター?
「なあ、今日ってマスターとアルフ様、どこで話してるんだ。会議室とかそういうとこ?」
おれの質問に一斉に兄貴へと注目が集まった。ウィル様なら知ってますよね? みたいな視線。しかし、その意に反して、兄貴は首を振る。
「話し合いは知ってたけど、場所に関しては何にも聞かされてないよ~?」
兄貴で知らないとなれば、視線は仲間達へと送られる。最初に注目を浴びたのはユウだ。
「ん~……知らない。エレルは?」
「私も分かんないや。ラウラ、知ってる~?」
「ん? あ……そういえば、マスターの部屋にアルフ様が入ってくの見たかな?」
……それ、早く言ってくんない?
それに対するラウラの答えは決まっている。
「思い出したのがついさっきってのもあるけれど……まあ、聞かれなかったから?」
「お前、ほんっとに、そういうところな!? ミィはアルフ様を助けてほしかったんだな。……兄貴! ついてこい!」
「りょーかいだよ、かーくん!」
「お前らはここにいろ。何かあれば呼ぶ。……ごめんな、待たせた。……行こうか!」
「にゃうっ」
足元のミィを抱えて、おれと兄貴はマスターの部屋……別名、天界の魔窟へと向かった。



~あとがき~
まさかの前後編。

次回、魔窟の話、後編!
アルフさんとファウスさんは無事なのか!?

皆様、覚えてますか。ラウラちゃんです。
空海では退場してしまったラウラちゃん、鈴流と同じような理由で救済してます!! わーーい!!
まあ、本編登場予定はないです。
性格は相変わらず、掴み所のない難しい女の子。女の子だとも思えない話し方をしてますが、女の子です。まあ、性別という概念が一番薄い子ではあるんですが。中性的な子といいますか。ラウラの考え方自体がそんな感じといいますか。
あ、エレル、ユウは空海と大して変わってません!

ではでは!