satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第115話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でどたばたする物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルとティールの休日回! 終わりました!! ラルのティールに対する気持ちとか! 書けてよかった!! ティールはどうなんでしょうね。出さなかったけど。まあ、出す機会あるか。
今回からはまた新しいお話です! 三年のメインキャラが主役。
視点は大体ラルかな。頑張りまっす。


いつもの時間に目が覚め、ベッド近くに置いてある目覚まし時計を見る。アラームがなる数分前に起きれたみたいなので、アラーム機能を止めてベッドから出た。流れるようにカーテンを開け、ぐっと背伸びをした。
「……んんーっ! うん。いい天気だね。これなら洗濯物乾くわっ」
着ていた部屋着から制服へと手早く着替えて、身支度を済ませる。勉強道具等々入ったバッグも中身を確認し、カーディガンと共にまとめておく。
私が朝起きてすることは、とりあえずこんなもんだ。着替えて、道具の確認。髪とか見た目は家を出る前にする。どうせこのあと、どたばたと動くはめになるから。
次にすることと言えば、洗濯物を片付けることだ。髪をポニーテールに結びながら一階に降り、予め夜にセットしておいた洗濯物達を回収する。そして、二回目の洗濯物をセット。回収した洗濯物を干すために二階のベランダに直行。
干し終わったら、洗濯物が終わるまでに朝ごはんとお弁当を作る。ともは中学校、しーくんは保育園で給食があるからお弁当はいらないけど、私とティールは用意しないといけない。もちろん、買うのもありだけど、その分お金がかかる。作った方が安上がりなのだ。前日にある程度準備しておけば、当日は詰めるだけで楽チンだし。
作り終わったら、皆を起こして、ご飯を食べてもらう。私は洗濯物第二段を干しに行き、軽く家の掃除をして、自分の身だしなみ整えた後、しーくん送り届けて私らは学校!
これを平日は毎朝行う。ここにムーンがいれば、半分くらいはなくなるんだけれど。今日はいないから、私一人だ。
「……我ながら、なかなかのハードスケジュールを毎朝こなしてるよなぁ」
世の中のお母様方を尊敬する日々だよ。お手伝いさん欲しいなぁ……なんて思いながら、一回目の洗濯物を全て干し終わると、足早にリビングへと向かう。
「お弁当作って、朝ごはんも作って、皆を起こさないと。……?」
リビングへと足を踏み込むと、微かに美味しそうな匂いが漂っていた。たった今何かを食べた訳ではなく、何時間も前にご飯を食べたあと、みたいな。それくらい微かな匂い。
それだけで嫌な予感がした。
真っ直ぐキッチンへと向かい、冷蔵庫を開ける。そこにあるはずのものがない。……明確に言えば、私とティールのお弁当用に作っておいたおかずがない。昨日、夕飯を作るついでに作っておいたはずなのに、だ。
となれば、食べた犯人がこの家にいるということだろう。そして、それは我が家において一人しか思い当たらない。うちのやんちゃ狐……灯。
「……あんのアホ狐ぇぇぇ!!!」

とんとんっと階段を降りる音が聞こえる。
いつもより少し遅めに取りかかったせいか、朝ごはんの準備が終わる前にリビングへとやって来たメンバーがいるらしい。
「ラル、おはよー!」
「はーい。おはよう、しーくん。いつも一人で起きられて偉いね~♪」
メンバー最年少のしーくんこと、雫。最年少とは言うけれど、メンバー内で一位二位を争うほどのしっかり者だ。現に、一人でちゃんと起きてこられるし、着替えも身支度だってお手のもの。こんなハイスペック保育園児に負ける、年上もいるわけです。例えば……
「ごめんね、しーくん。まだご飯できてないんだ。降りてきたばっかで悪いんだけど、私の代わりにティール起こしてきてくれる?」
……私の相方とかね。
「ゆ? わかった! おこしてくるー!」
愛らしい歩みで、リビングを出ていくしーくん。ほんと、真っ直ぐで素直でいい子だよ! 天使!
しーくんが大きくなれば、うちも安定する。主に家事の役割分担的な意味で。人数はいるけれど、家事ができる人が極端に少ない。まともにできるのは、私とムーンだけ。ティールはものによるし、クラウはほぼアウト。ともは完全アウトで、しーくんは小さいが故に、できることが限られている。とはいえ、ともやクラウよりは手際はいいんだけれど……しーくん、何者よ。あ、天使か。
しーくんがティールを呼びに行ってから数分後。眠気でゆったりとした動きのティールと、そんなティールを後ろから、よいしょよいしょと押しているしーくんがやってきた。その押し込みは全く意味のない動作である。
……しーくんが……朝からめっちゃ可愛いっ!
「おはよ……ラル」
「おはよう。ティール」
「ごーはーん! ティール、ごはんだよー!」
眠そうなティールをしーくんがぺしぺしっと叩く。どうにかして、目を覚まさせようとしてくれているのだろう。残酷なことに、ティールには全く効いてないけど。
「ちゃっちゃと食べちゃってねー? ティール、着替えてないし」
「着替える暇を雫がくれなかったんだよー……早く早くーって。朝ごはんは逃げないのに」
時間に追われれば、食べる暇もなく出なきゃいけない。ある種、逃げられるのと同意なのでは?
どうでもいいことを考えながらも、しーくんとティールの前に朝ごはんを並べていく。
本日のメニューはミニパンケーキとサラダにヨーグルト。お好みで好きなお飲み物をどーぞ、的なやつである。このメニューでいくと、ティールはコーヒーでしーくんはジュースだな。
しーくんはきらきらと目を輝かせてぱちんっと手を合わせる。
「パンケーキ! いただきまーす!」
「……? 何かあった?」
じっとパンケーキを見ていたティールが私をちらりと見上げる。隣ではしーくんがパンケーキを美味しそうに頬張っている。その笑顔もまた、愛らしい。
私は、ティールの正面に座りながら返答をする。
「……よく気づいたね」
「まあね。……君の性格上、平日の忙しい朝からパンケーキ焼くなんて、あり得ない。イライラを何かにぶつけたかったんだろ?」
流石、ティール。よく分かっている。
「ともが弁当のおかずぜーんぶ食べちゃってた」
「……夜に?」
「うん。聞いたら、お腹すいちゃってーだって。他に食べるもんあるだろうよ」
夕飯を食べ、私達といつも通りに団らんしたあと、寝る支度まで済ませて就寝したまではいい。そこから、お腹が空き、何か食べるものを探しに下に降りたのが夜中だそうな。
ともは冷蔵庫を開けて、一番に目に入った私達のおかずに手を伸ばした。気がついたら全部食べていたらしい。
……という内容を、先程本人から聞き出し、それをティールに説明する。それらを聞き終わった彼の第一声は……
「お仕置きした後なのね。……いただきまーす」
である。呆れつつ、パンケーキを一口大に切ってから口に運ぶ。
「もちろん。しばらく動けないと思うよ」
「まあ、うん。当然の報いだよね」
優しいティールがともを擁護するでもなく、すぱっと切り捨てる辺り、食べ物の恨みというものは恐ろしい。悪いのはともだけど。全面的に。
だって、昨日の夕飯、誰よりも食べていたくせに、お腹空いたって理由で我々のおかず食べますか……? いや、食べない。嫌がらせの何物でもない。
「とも、ぜーんぶたべたの? ラルとティールのごはん?」
「そうだね。ぼくらの昼ごはん食べられちゃった」
「あや……だいじょぶ??」
「今日ばかりは購買か学食だなぁ……食べるものはあるから、大丈夫だよ。雫」
食べるなら別のものを食べなさいよ……全く。
ささっと朝ごはんを平らげると、私は椅子から立ち上がる。私の仕事はまだ終わっていないのだ。
ティール、食器としーくんは任せた。あと、早く着替えてね!」
「はぁい……いつもの時間には準備終わるから大丈夫だよ」
「ぼくも! じゅんび、できてるー!」
それは何より。
さてさて。早く終わらせないとね!



~あとがき~
ある朝の日常でした。お母さんするラルは新鮮です。空海ではこんな風景書くことないですし。
……学校の話だって言ったのにね。学校行ってないね。おかしいなぁ。

次回、とある日の授業風景を!

雫は初登場ですね。
幼児です。相方お気に入りの幼児です←
誰よりもしっかりしているハイスペック園児。そりゃあ、元が元だからね……
こちらでも、ラルとティールのことは大好きですし、実の親のように慕っています。

ではでは!