satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第123話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回はアリア&ティールコンビの食料集めをお見せしました。振り回されっぱなしでしたね(笑)
今回は、残されたラルとフォースの話。それなりに二人になる場面は多い気もするけど、まあ、変わらずいつも通りの二人かな?
視点はラルです。元通りだ!


ティールとアリアちゃんを見送った私達は、こちらの仕事に取りかかった。とは言うけれど、フォース君にベースキャンプの準備を任せ、私は山の幸を採りに行った。一時間程でそくささと戻ると、テント二つ、簡易的な調理場、食事するためのスペース等々……サバイバルにしては快適すぎる空間が出来上がっていた。
「おかえり」
それらを一人で作り上げたフォース君は、テントの入口に座り、ひらひらと手を振っていた。
「フォース君、手際よすぎ」
「悲しいかな、慣れてんだよ」
「制御者一人いると違うわ」
「そういうことではないと思う。実際、できないやつはいる」
ふぅん。お仲間様もできると思ってたけど。
フォース君曰く、制御者とはフォース君以外にも何人かいるようで、今現在は彼含め四人いるらしい。過去に入れ替わりもあったとかなんとか言っていたため、結局、制御者は何人だったかはフォース君も知らないみたいだ。
「んなの、どうでもいいんだよ。それより、下ごしらえやっちまおう。山菜とか、灰汁抜きしないと使えんだろ」
「そだね。手分けしてやるかぁ……って、手当たり次第に持ってきたけど、どうしようか」
種類豊富な葉物類や、食用キノコ。きのみから果物までたっくさんだ。
「……家庭なら天ぷらとか、するところかな」
「無理っすね。炒めで……妥協するか」
「最悪、あれだ。鍋ぶっこんで終わり。鍋は最強だから。とりあえず、突っ込んで適当に味つければそれっぽくなるよ」
変なの入れなきゃ最強だろうけれど。入れるとしても、山菜とお肉だけ。まあ、スープにしてしまえばいいか。そうしよう。
「いずれにしても、このままじゃ駄目だし、手は加えないと」
「はいよー」
普段から料理をする私達だ。更に言えば、現役の探検隊であり、同じチーム。このような作業は慣れているため、すぐに終わってしまうだろう。
サバイバルだから、本格的な調理器具はない。食材を切るためのナイフや小さな鉄製の鍋、飯盒みたいなやつ等々が各自に配られている。初心者キャンパーが使っていそうな道具の数々である。じゃあ、他はどうするのかというと、うちには制御者様がいらっしゃるので……
「ナイフやりにくい。包丁くれ」
「へいへい」
フォース君が片手間に作り出した万能包丁を握り、淡々と食材の皮剥きやら、なにやらをこなしていく。現状、貸出しされている鍋で調理自体はどうにかなるだろう。流石に、圧力鍋とかは無理だけれど。
時折、文明の力である調理グッズをフォース君から借り、短時間で全てを終わらせた。
うん。フォース君がいると、個人の持ち込みのところに調理器具を持ち出す必要がなくなるから、便利だ。……これは、本人には言えない。言ったら蹴られること間違いなしだからだ。
ちなみに、フォース君が持ち込んだ私物は暇潰しの本らしい。らしいといえば、らしいチョイス。なんだけれど、夜になると使い物にならなくなるのではと思うのは、私だけだろうか。

二人でやれることがなくなり、しばし、休息を取ることにした。狩りをしているだろう二人には申し訳ないのだけれど。
「結局、秘策ってなんだったの」
「あー……その場で調達してもらうんだよねぇ。ご飯食べながら、狩りをしてもらうって感じ?」
「なるほどね。ディーネの腹も満たされるし、こっちは食料も調達できるし、一石二鳥ってことか?」
そゆこと。
この方法は、いつだったかツバサちゃんから聞いたものだ。なんでも、仲のよいツバサちゃん達が家族ぐるみで行うキャンプなんかでも、この方法を用いていると聞かせてくれた。
「あーちゃんに狩りを任せるときは、その場で調理できるように、火打ち石とか食料を焼くための道具とか持たせるんです!」
と、ツバサちゃんが言っていたのだ。こうすれば、あーちゃんはお腹一杯して帰ってきますから、と笑いながら話してくれた。
そこで思い付いたのは、簡単に料理できればよくない? である。
「……で、ラルがディーネに持たせてた物ってわけね。中身はラルお手製の道具か?」
「概ね正解。……完全解答を述べるなら、私とツバサちゃんの合作だけどねん♪」
道具自体は私が組み上げ、要となる火打ち石部分については、ツバサちゃんの魔法式がどうにかしてくれたのだ。魔法の申し子様々である。
「火属性の魔力石を道具につけることで、簡単に火がつくようになってる。もちろん、ちゃあんと道具を組み立てて、決められたプロセスを踏まないと火はつかない」
暴発なんて目も当てられない。その辺は完璧に組み上げた。何度か一人でも使ってみたけれど、なかなか利便性は高い。
まあ、火の部分は魔力石だ。魔力石の性質上、一日の使用時間には限度はある。アリアちゃんのように頻繁に使われると、どうなるか分からないのがネックだ。まあ、完成した際、ツバサちゃんは自分の組み上げた魔法式に自信満々だったから、大丈夫だとは思う。多分。
「……暇人か?」
「やかましい。めっちゃ忙しいわ」
「いやだって、すぅとりぃの頼まれ事も完成させてただろ。お前」
「まあね。あれは、元々の完成品があって、ちょっと手を加えただけだよ」
「だから、暇人なのかなって。探検隊やってる?」
……や、やってるよ。
「大丈夫か? ティールに怒られても知らんぞ」
「だいじょーぶ……ダイジョーブ」
報告書溜まってるけど。
「それ、大丈夫って言わなくない?」
「私の中では大丈夫の部類」
多分。
「そう言うなら、いいんだけどね。おれには何ら関係ないので」
……ソーデスネェ。

フォース君と雑談を楽しんでいると、満足のいく量をゲットできたのか、アリアちゃんとティールが帰ってきた。ティールは数時間前よりもやつれている気もするけれど、アリアちゃんの洗礼でも受けたのだろう。
案の定、私の姿を見つけると、ティールはキッと表情が変化した。
「ラールー!!」
「あはは~♪ おかえり、ティール♪」
「おかえり、じゃない!! 何あれ! 意味分かんないっ!!」
一体、どのことを言っているのかな? 肉焼き器なのか、アリアちゃんの狩りの様子なのか。
「全部だよっ!」
あらぁ……
「落ち着けよ。空腹のディーネさんに襲われるよりましだろ?」
「そ、そうだけどさ……」
この前の大会で空腹のアリアちゃんではないにしろ、それに近い状態のアリアちゃんと対戦したフォース君が言うと、説得力がある。
そして、アリアちゃん本人はというと。
こちらに到着してからも、自身の肉は分けてあるのか、再び焼き肉パーティーを始めているところだった。この辺りはモンスター生息地とは離れている。それでも、調理中に襲われては面倒だと考え、私とフォース君とで、軽く獣避けの術はかけてある。けれど、きちっとかけた訳じゃないからな。
……そのときは、アリアちゃんが何とかするか。
『あーちゃ、まらまらたべるのらー!』
『いっぱい! いっぱいなのだ!』
スイちゃん、セツちゃんの言葉にほくほくしながら、しっかりと頷くアリアちゃん。
「へぇ? アリアちゃん、スイちゃんとセツちゃんの声、聞こえてるんだ」
「みたいだね。……最近、聞こえる人が増えてきたなぁ」
ツバサちゃんとレオン君もそうだったもんね。
「うん。……ぼくは構わないんだけど。あいつらが調子に乗らないかだけが心配」
うぅん。そこは、まあ、ティールの手腕にかかってるんじゃないかな?
「そうなのかな。……自信ない」
そこは頑張れとしか言えない。
私はティールから戦利品(大量の肉)を受け取り、フォース君の方へと向き直る。
「フォース君、仕上げだよ! お仕事だぞー!」
「そうっすね……多いなぁ、それ」
私もそう思う。
流石に異空間収納効果のある鞄に戦利品は、全て詰め込まれているものの、その容量すらギリギリなくらいの肉が入っていた。これを今からある程度分けていかねばならないと思うと、気が遠くなる。
処理は……うん。任せた。
「おれかよ!? いや、もう、何も言わねぇわ。口より手を動かします……」
流石、フォース君。分かっている。
さて。とりあえず確認しておいた方がいいか。
私は、ウキウキしながらお肉を焼いているアリアちゃんに近づいた。
「アリアちゃん、今回、アリアちゃんがゲットしてくれた分で足りるかな?」
「……ん。狩りの間に食べたから、大丈夫」
お、よかった。
「腹八分目……くらい?」
……お腹いっぱいにはならないんですね……!!
ティール、一応、明日の朝まで獣避け継続できるようにしてきて。私らでやるにはやったけど、必要最低限の手抜きなんすよねぇ。範囲をもう少し広げてほしいかなって」
私達を無闇に襲わないとは思うけれど、それはここが学園内の裏山だから。ここが他の外だとすれば、忘れてはならない作業の一つと言える。
この辺を見ているかは知らないけども。
「了解。ぼくは暇だしね。見てくるよ」
「……僕も、手伝う」
焼いたばかりの骨付き肉を片手にアリアちゃんは立ち上がる。それを見たティールは、若干引き気味ではあったが、それを口にしないだけ大人である。
私達はアリアちゃんのお腹を満たすためのメニューを作らなければならないわけだが……
「当初の予定通りに具だくさんスープといきましょうかね。ここにルゥがあれば、ド定番のカレーといくところだったけど、流石に持ってない」
「適当に調味料放り込め。なんとかなる」
手際よく肉の処理をするフォース君が、半ばなげやりに答える。男の料理って感じもするが、これは彼自身の思考放棄に他ならない。考えるの面倒になっただけだろう。
「全部スープにするのもあれだし、少しは焼くかぁ……あ、その……五分の一くらいでいっか。スープに入れないで置いといて」
「あん?」
「明日の朝も食べるんだよ。私らは」
今日で全て食べちゃいましたではすまされない。朝から狩りになんて行きたくもない。食料は計画的に使うに限るのだ。
「……なるほどね。了解」
私の意図を読み取ったらしいフォース君は、言われた通りにする。
元から準備していたのもあり、夕飯の支度は案外すんなりと完了した。……が、普段の探検隊の野営より、何倍もの量を準備したのは言うまでもないだろう。



~あとがき~
なんか、淡々としてきてますね。大丈夫。このあと、わちゃわちゃするから。多分。

次回、ご飯食べる。
どうでもいいような話をしまくる四人……というか、主に三人をお届けする予定です。

話すことがない!!←

ではでは!