satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第125話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でだらだらしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
何でもないような食事風景でした。
今日は寝る! 寝るぞ!!
ほんとは前回で寝るつもりだったけど、気がついたら寝れてなかったんですけどね!!←


私達と少しだけ雑談をしたものの、イグさんはまだ一応お仕事中だ。話を適当なところで切り上げ、山の中へと消えていった。
イグさんがいなくなったあとは、フォース君が言っていた通りに、獣避けの術をこれでもかと確認し、片付けられるものは片付けてしまう。
「やることなくなったな」
「そうだねぇ~……ま、楽しめるようなものもないから、寝る準備しますかね~? どう寝る?」
用意されているテントは二つ。それをちらりと見たティールは、さも当然かのように答える。
「普通に考えて男女別れるところでしょ」
ティールらしい通常回答。つまんないな。
「君は一体、何求めてるの……?」
「私は常に面白いことへ一直線だよ」
「ぼくは学園生活にそんなの求めてな~い。おやすみ」
ちっ。ノリ悪いな~……ま、いいけどさ。ここは素直に従いますか。
結局、私とアリアちゃん。ティールとフォース君という組み合わせで、それぞれのテントに各自の荷物を運び、就寝となった。

テントの中はと言うと、二人で寝るには十分すぎるくらいの広さがある。仮に私達の荷物を隅っこに置いたところで、何不自由なく寝られそうである。
こちらも学校から支給されている寝袋を二人仲良く並べると、アリアちゃんは武器を取り出し、手入れを始める。私は何をするでもなく、寝袋の上に寝転んだ。
普段なら寝るには早いけれど、キャンプのおかげか、今からでもすんなりと寝られる気がした。これがティールとの探検なら、どっちが先に寝るだ、明日の予定はどうするんだとプチ会議をしているところだ。
「……ラル。スープ、ご馳走さま。……ツバサから聞いてたけど……料理、上手なんだね」
何かを思い出したみたいに突然話しかけてきた。無口なイメージと、先程までほぼ口を開かなかったから、私個人としてはそこそこ驚いた。
「ん? あー……いえいえ。色んなものを突っ込んだだけの適当料理だよ。誰でもできるって」
「そんなこと……とっても、美味しかったよ?」
それならよかった。
食べ物関連の話題だから話しやすかったのか、男子がいない空間だから話しかけてきたのか……まあ、どちらにせよ、話しかけられるのは嫌ではない。
また、話しかけてくれたってことは、話す気はあるのだろう。そう判断して、別の話題を切り出してみる。
「アリアちゃんのメインは銃なんだねぇ」
大会時は銃剣を使っていたが、今は双銃を取り出してそれの手入れをしている。
「……ん。僕の家系……皆、銃が得意だから」
「へぇ~? そういうのって関係あるのかなぁ……そういえば、アリアちゃんはもうお仕事してるんだもんね。家の手伝い?」
「ん……? ん~……そうとも言うし、言わないかも。……僕の父親、ギルド運営してて、僕もそこにいる」
どっちとも取れるなぁ……まあ、手伝い……いや、ギルドに入っているなら、そんなことはないのか。報酬も貰っているだろうし。
「どんなとこ?」
「主な仕事は殺し」
「ころし」
表情一つ変えずにとんでもないこと言い出してませんか。え、なん……?
「正確には始末だけど。……うちの家系は始末屋って呼ばれてて……国家公認の始末屋……みたいな」
みたいな!? え、んじゃあ、お父さんのやってるギルドって……
私の呟きにアリアちゃんはこくんと頷く。
フィクションみたいな世界、あったんですね……?
私の反応が予想外だったのか、彼女は不思議そうにして、銃を弄る手を止めた。
「ツバサから聞いてない……?」
「聞くわけない!! それ、こんなとこで言って大丈夫なの? 私が聞いてよかったやつ?」
国家機密レベルの話なのではなかろうか。少なくとも、お互いジャージでのんびりした雰囲気の中でする話ではない。断じてだ。
「? 格別、秘密にしてなかったし……構わない」
……深刻に考えていたのは私だけらしい。いやいやいや? 私がおかしいのだろうか。え、そうなの?
「それに、ラルは探検隊でしょ」
「え? まあ……そうだね」
「じゃあ、いずれ知る。……問題ない」
しがない探検隊如きが、どういう経緯で国家公認の始末屋のあなたを知ると!?
しかし、これ以上はアリアちゃんも話す気がないらしく、どこからか取り出したおつまみを食べ始めた。一体、どこから取り出しているのやら。
なんだか、この話を続ける雰囲気でもなくなってしまった。私もアリアちゃんに倣って、雷姫の手入れでもしてやるか。
……今日、一回も使ってませんけど。

私が雷姫を取り出し、アリアちゃんが銃の手入れを再開させてからしばらく経ったあと。
「……そういえば」
再び、アリアちゃんの方から会話が始まる。これは、男子いない方が話してくれる説が濃厚なのでは。
「よく、ツバサからラルの話を聞くんだけど……ラルはどう思ってる?」
「……どうって?」
恐る恐るといった具合に私が聞き返すと、アリアちゃんのクールな瞳がきらりと光る。
「…………ツバサのこと」
まあ、そうだよな。話の流れ的に分かっていたよ。さて、どう答えるか。
素直に「私の天使です」と暴露するのか、「とっても可愛いよね」と大雑把に答えるのか。あるいは「いい子だよ! 仕事も手伝ってくれるし、優しいよね♪」と当たり障りない答えを返すのか。……ふむ。悩ましいな。あ、これ、下手に選択を見誤ると、この世から消されるのでは。始末ってそういうこと……ではないだろうけど。
私が頭で悩んでいたからか、雷姫からのため息が聞こえてきた。
『我には、天使も可愛いも同じように聞こえるのだが』
全然違いますけど!! お前は私の中で何を見てきたんだ!? 分からないなら、語るぞ。永遠とツバサちゃんの天使級の愛らしさについて!!
『う、うむ……すまぬ』
……冗談はさておき。
誤魔化したところでぼろは出る。ツバサちゃんが可愛いのは全世界共通認識だろうし、普通に言ってしまうか。
『マスター、その認識は改めた方が』
「ツバサちゃんをどう思っているか、だったね」
「ん。……そう」
「めっちゃ可愛い天使。私の癒しであり、この世に舞い降りた愛しの天使だと思っています」
『引くぞ。マスター』
うるっせ。事実だ。仕方がない。
「……それなら、よし。ツバサは可愛くて、天使……だから」
「! アリアちゃん!」
私の呼びかけにアリアちゃんは力強く頷いた。
やったぜ! 私は間違っていなかった! ほらぁ!!
『……我はもう、黙るぞ』
何か言いたそうな雷姫だったが、それは私に通じないと判断したのだろう。黙ると宣言したあとは、刀からも彼女の気配が消えてしまった。まあ、寝ただけだろう。放置だ。
「いい子だからね。……怒ったり……興奮したり。そんなときは……手がつけられないなんてことも……あるけど」
ありましたね。ツルギ君のときとか。
ツバサちゃんのことを話すアリアちゃんは、とっても優しい表情を見せていた。無表情か、食欲に燃えるアリアちゃんしか知らなかったけれど、ちゃんと女の子らしい表情もできる子なのだ。彼女は。きっと根っこの部分は優しいお姉さんなんだろう。
「……小さい頃ね」
「うん?」
「ツバサ、急に雨降らしたりしてたんだ。……公園で遊んでたときとかに」
「……ん?」
「あとは……ツルギとの喧嘩。……魔力爆発させて、アラシとレオンが巻き添えになったり。……色々あったよ?」
楽しそうに昔話を聞かせてくれたアリアちゃんだったけれど……
内容、濃すぎない? 何してるんですか、ツバサさん……??
アリアちゃんからツバサちゃんの失敗談やら、かわいらしさやらを聞きながら、私達の夜は更けていった。本人のいないところで、こんな話に花を咲かせていると知った天使はどう思うのか。気にならないわけではないけれど、まあ、そっとしまっておこうかな。
せっかく、アリアちゃんの可愛らしい一面が見られたし……ね?



~あとがき~
暴露大会。ラルはひとっつも自分を語ってないけど。ここ重要。

次回、女子があるなら、男子もやるぞ。
男子は今後のお話にでも花咲かせますよ。なので、わちゃわちゃ感はゼロ。

アリアちゃんの話、ここで公開しても大丈夫なのか相方に聞きました。始末屋うんぬんのとこね。いいって言われました。
深く突っ込んでも大丈夫だよとも言われましたが、今のラルがそこまで踏み込む気がしなかったので、大して話もしてませんね。きっと語る日はありません。多分!!

ではでは。