satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第166話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で忙しくしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、一週間ぶりにギルドに顔を出したラルとティール。メンバーからの熱い出迎え(笑)が待ってましたね。今回は親方とノウツとの話ですね。
ラル「イグさんとリアさんとの出会いだって言ってるのにあの二人出てこないんですけど! いる!? 私らのこういう話!!」
まあ、あれよね。ラルやティール視点で話してるって言う前提があるからね? いや、本当はシリウス視点もあるっちゃあるけど……語れる人がおらんからねぇ~
ラル「作者の自己満足だよ~……これぇ」
まあ、楽しいのでね。それはあるかもですわ←
では、始めていきまっしょい。


ノウツと親方に呼び出されて、どれくらい経ったのだろう。楽しいことや時間を忘れるくらい何かに没頭していると、時間が経つのが早いと感じる。けれど、どうでもよかったり、することがなかったりすると、遅く感じるものである。はて、今のこの状況はどちらにあてはまるのだろうか? 案外かなりの時間経っているかもしれないし、ないかもしれない。要は体内時計が頼りにならないというやつだ。
ノウツの説教は終わりを知らず、永遠と小言を聞かされていた。同じ話を何度も繰り返している気分だ。
「大体、お前達は自覚が足らんのだ! いいか、まだ新米であると言う自覚を─」
そういえば、助けてくれたと言う探検隊?……とは、誰だったのだろう。私はぼんやりとしか覚えていないし、会話を交わしたわけではない。ティールの話だと、私達より少し年上で男女のコンビ。名前は……
「ラル! 聞いているのか!?」
「え、あ、聞いてる聞いてる」
「嘘をつくんじゃないよ。……ラル。お前は隊を率いるリーダーとして、隊員の命を預かる身だ。分かっているのか?」
「え……っと」
ずっと怒鳴り散らしていたのに、いきなりの真面目トーンになるから、思わず聞き返してしまった。目を吊り上げて怒っていたノウツは、じっと私を見据えている。
「今回は運が良かったに過ぎない。それを肝に命じておけ」
……そうだ。たまたま、助けが入っただけで、本当ならあそこで死んでしまっていてもおかしくはなかった。今考えても、あれはどうしようもない場面ではあったけれど、どうしようもない、理不尽な状況でも、対応しなければならないのだ。私がリーダーだから。
ティール。お前に関しては立場ってものがあるんだ。ここでは関係ないかもしれんがな。ワタシの言いたいこと、賢いお前ならば、分かるだろう?」
「……でも」
「我々はティールがどういう立場の人間かを知った上で、ここに迎い入れ、自由にさせているつもりだ。強制はしたくないという親方様の意向もあるからだが……でも、今回ばかりは言わせてもらう。『王子』である事実は忘れては駄目だ。何かあっては、陸と海、それぞれの友好関係にも関わってくるのだからな」
ティールは、家の仕来たりに従って修行期間という名目で国外に出ているらしい。己を鍛え、外を知るため、何年かは従者もなく、自分の力でやり遂げるものらしく、そこで何をするかはある程度自由のようだ。ティールの場合は学校に通いつつ、探検隊をしているわけだ。
修行期間は、何かあっても自己責任なのかもしれないけれど、限度はあるのだろう。何事にも。
私達が何も言えなくなってしまったタイミングで、ずっと黙っていた親方が─見てなかったけれど、寝ていた説もなくはない─ぴょこんっと椅子から立ち上がる。そして、散歩でもするような気軽さで三人の輪に入るとニコッと笑う。
「ノウツ~? 終わった?」
「お、親方様……? 緊張感という言葉、ご存知ですか……?」
「ん? うん。……あのね、二人とも。ノウツがうるさーく色々言ってたけど、ラルとティールを心配してたんだよ? この一週間、仕事に手がつかなくなるくらいはね~♪」
「は、この音符が?」
「……ノウツが?」
親方からの冗談とも聞こえるような暴露にノウツは、焦ったように顔を真っ赤にさせる。それたけで、信憑性が増した。
「おおおお親方様!? 何をいきなり!?」
「ラル。君はとっても優しくて、仲間を思いやれるいいリーダーだよ。仲間を守るその意識は大切だからね♪ でもね、自分のこともちゃあんと大切にしてあげて?」
抗議しようとするノウツは完全無視して、親方は私の頭を優しく撫でてくれた。そして、今度はティールに視線を動かし、同じように頭を撫でる。
ティール。立場とかも大切なんだけど……ボクは気にせず、自分の気持ちを大切にしてほしいなーって。でもね、それを突き通すにはたくさんの努力が必要なんだ。だからね、これからも頑張るんだよ?」
「はい」
「うんうんっ! はい! 終わり! 色々言っちゃったけど、ノウツもあんまり怒らないっ! 別にラルは転移アイテム持ってなかった訳じゃないんだからさ。お礼が届いてるからね、あとで受付で受けとるよーに!」
あ、あぁ……あの場で薬草と交換条件のつもりだったのに。お礼なんて必要なかったんだけどな。
というか、なんで親方がそれを……わざわざ?
ベヒーモスの件は終わり! 誰も悪くない! 分かった? 三人とも」
「ら、ラジャー……?」
無理矢理締めてしまったような感じがするけれど、有無を言わせない親方のその言い方に、私達は頷くしかなかった。
アイテムを渡してしまったその日にベヒーモスと遭遇したのは偶然。現場にいた私達にも、ギルドも察知できるはずもない。ある種の事故だ。きっと、それで取った行動を親方は今後は気を付けるようにと……そういうことなんだろう。多分。
「では、失礼しま……あ、そうだ。親方。ノウツ……一つ聞きたいことがあるんですけど」
お開きムードだったのだが、ふと思い出して私は扉に向かっていた足を止める。二人も質問が来るとは思ってなかったのか、不思議そうにしていた。
「私達を助けてくれた……シリウスってご存知ですか? 私、名前も知らなくて」
私よりも他の探検隊と深く付き合いのありそうな二人だ。何か知っているだろうと思っての問いかけなのだが、ノウツはちらりと親方を見て、特に何かを言ってはこなかった。そんな親方がデスクの上のセカイイチを一つ手に取り、パッと笑う。
「シリアル! おいしーよね!」
「食べないで」
「ありゃ? じゃあ、シリアス?」
「ちが……あ、いや。ちがくは、ない?」
「? そうなの?」
こてんと首を傾げるティール。私よりも物知りなティールは知っていそうだけれど。
シリウスの語源が星ならね。星のシリウスはシリアスとも読めるみたいで……じゃあなくてー! ノーウツー!! 放置するなー!」
「あ、あぁ……いやぁ、親方様がラルで遊びたそうだったもので、つい」
遊びたそうだったもので!? なんなの!?
「すまんすまん。こほん……『シリウス』は牙狼族のイグニースとチンチラ族のリアで構成される探検隊さ♪ ここの業界では、イグニースは“炎鬼”、リアは“舞姫”と呼ばれている」
炎の鬼と、舞う姫、かぁ……それが助けてくれた人達……か。
「二つ名がついちゃうくらいに有名チームってことだねー? あ、あの二人、レイ学の生徒さんだよ? 高等部だけど~♪ 二年生だったっけ」
「そうですね。我が校の生徒です♪ つまり、お前達の先輩だな」
「……えぇぇぇぇ!?」
世間せっっっま!?



~あとがき~
シリアスしたり、コメディしたり、忙しい親方部屋でした。

次回、ノウツや親方に諭された二人のプチ会議。(in ギルド内カフェ)

ティールの王子様については、ギルドメンバー全員承知の上です。だからって、「ティールさまー!」とはならないのが、いいところ(?)ですね。
いい意味で放任主義なので、ティールも気負わずやってましたが、今回の行動は『王子様』としてよろしくないからねとノウツに言われてしまいましたわ。
護衛もつけないのは、ティールが適切な判断の取れると信頼されているからなのと、プリンの方針もあります。「拘束するのはしんどいもん。いらな~い♪ いらな~い♪」みたいな。お気楽なプリンらしくもあります。
ちなみに、プリンとティールの父が繋がっているかは特に考えてませんが、密かに繋がってるかもしれません。だって、プリンだもん……(汗)

ではでは。