satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第192話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でどたばたしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、夕食が終わり、今回は再びスカイの面々のお話です。
ぎゃーぎゃーしてる感じをお楽しみください。
今回はちょっとアレなところもありますので、苦手な方はご注意を。ま、フレーバー程度しかないし、描写もあんまないけど。
具体的にはラッキースケベ的なアレです。高校生っぽ~い←?


《Te side》
ラルと雫と共に豪華なお部屋に戻ってくると、ラルはハルさんからお詫びとしてもらったアップルパイを冷蔵庫にしまう。
「えー? アップルパイ食べたい」
「あとでな。あとで」
え。アップルパイは別腹じゃん……?
「アホか! もろもろ落ち着いてから食べるから待て! さあ、しーくん、お風呂入るよ~? 準備して~」
「はーいっ!」
む。厳しいお母さんだなぁ。つまみ食いしたら、これでもかと怒られるし、大人しく待つか。
ベストを脱いで、近くにあった椅子の背もたれにかける。そういえば、外したネクタイはどこへやったんだったか。
ぼくがネクタイを探していると、お風呂の準備をしていたラルがその手をとめ、首を傾げつつこちらを見た。
「あ、先入る? 私はどっちでもいいんだけど」
「いや、いいよ。ラル達で入ってきて」
「OK」
「いーよ! ラルー!」
「よぉし! おっきいお風呂にいっくぞー!」
「とつげきー!」
お、お風呂は戦場だったのか……知らなかったよ。……さて、ネクタイは~?
「てぃーのネクタイはあずかったー!」
「あずかったぞぉ!」
「……何してるの、お前ら」
ふよふよ浮いているスイとセツが、膨れっ面でぼくのネクタイを持ち上げていた。先程の夕食でご飯あげなかったことを相当根に持っているようだ。
「くれなかったうらみー!」
「うらみー!!」
「食べたら、今後もあれがなんだ。これが食べたいだと騒ぎ続けるだろ。食べれもしないのに」
「むむうー!」
「でもでも、こんかいだけなら、おためししたかった!」
まあ、その気持ちは分からなくはない。
滅多にできないことなら、やらせてあげたいけれど、この姿は今回限り(の予定)だ。つまり、後にも先にもこれ一度きり。
「食欲は恐ろしいんだよ。お前らには分からない……いや、今、その欲に飲まれているけれども。よぉく考えろ? もう二度と食べられないんたぞ? でも、お前らの主は……ぼくも含めて、未来の主様達は美味しそうにあれこれ食べるんだ。耐えられる?」
「うにゅっ」
「知らない方が幸せって言葉もある」
「にゅにゅっ!」
「今後の聖剣としての生活の中で、何十年、何百年、何千年とその拷問に耐えられると断言するなら、何か食べさせてもいい。けれど、おすすめはしない。人の三大欲求の一つだぞ? 食欲って」
この前のサバイバルでアリアのやつ見たろ。怖いんだって。
「うみゅうぅぅ!! てぃーのいじわるー!!」
「いじわる! いじわる!!」
お前達の今後のためだよ。許せ。
……なんて。ぼくがスイとセツの我儘、聞きたくないだけってのが大きいけどね。完全に私情なんだけど。
観念したのか、スイとセツはネクタイをぽいっと投げ捨てた。そして、ぴゅーっとお風呂場へと飛んでいく。
あ。あれは全く観念してないやつだ。
「あ、そっちは……っ!? 駄目だって! こら!!」
「るー! しー! てぃーがいじめりゅうっ!!!」
「せっちゃ、すいちゃもかなしーの!!」
まてまてまて!! それは駄目だって! 開けんなっ!
スイとセツが器用に浴室の扉を開け、風呂場へと乱入。二人を追いかけたぼくも、浴室を……彼女らを目の当たりにするわけで。そうなれば、当然、ラルの悲鳴が聞こえてくるわけで。
「きゃあぁぁぁ!? スイちゃんにセツちゃ…………ちょ、ティール!?」
彼女の悲鳴と同時にぼくは背を向けた。そして、なんの主張になるのか分からないけれど、両手をあげた。完全にパニック状態だ。
「み、見てない!! 大丈夫! 湯気で何も見えてないです! 隊長!!」
「そこじゃねぇわ! バァァカ!!!」
「ですよね!? すみません!!」
うわあぁぁ!! 家では気を付けているのに! 一回やらかしてからは! 気を付けていたんですけど……で、でも、これは不可抗力だよね!? スイとセツが乱入して……たまたまだし。
「ほわあー! スイもセツもおふろ、いっしょするー? ティールもいっしょ?」
「この二人はともかく、ティールは駄目! ティール! そのまま後ろ向いたまんまで! 扉を閉めろ!!」
「さーいえっさ!」
え……返事したはいいけど、む、難しくない? いや、やり遂げます。任せてください。だって君の相棒なので。君の命令には従うよ。だって、ぼくらのリーダーだもの……! リーダー命令、絶対……!
なんとかして、扉を閉め、ぼくは部屋の隅っこへと即座に移動。爆発しそうな心臓を鎮めるため、何度も深呼吸をする。
ようやく落ち着いてきた頃、ぼくはソファに倒れこんだ。
「ら、雷姫さんやラルの電撃が飛んでこないだけまだ、優しい対応……くそ。あいつらめ」
『あのまま、ラルのことを自分だけのものにしてしまえばいいのに』
この一連の出来事を見て、面白かったのだろう。すくすく愉快そうに笑う女神の声が心に響く。
彼女の加護を持つからか、武器を持っていなくても、姿を現さなくても、会話だけなら可能だ。それでも、ほぼ干渉してこないんだけれど。
「やめて。ラルは親友だ。そんなこと、ぼくは望んでない。……ねえ、白雪?」
『なあに?』
「あの聖剣達がまた人になる……あの姿になることはあり得るのかい?」
『ラルも言っていた通り。聖剣は人の形を知らない。今回は膨大な魔力を持つ白狐ちゃんの魔力を、たまたま吸った眷属に作用しただけのこと。……偶然の産物。二度はないわ。だって、眷属達は元から剣だもの。元々の姿を持つ、あの白竜ちゃんや人の魂を知る雷の姫、女神としての私とは違う』
「……そっか。ツバサがやろうと思っても?」
『魔法を一から作り出す白狐ちゃんなら、あり得なくはない。この世界には奇跡という言葉があるから。でも、その奇跡くらいのことを起こさないと駄目。希望は捨て置くのが一番ね』
……そうだよな。
もし、そんな魔法ができたとして、ぼくは魔法を使えないし、ツバサ以外にできないのなら、意味はない。スイやセツの望むときに変えてあげられないのだ。
『ふふ。主は優しいわ。自分は嫌でも、もう一度があるなら、望みを叶えてくれるのね?』
「ほんとは嫌だけどね。うるさいし」
『そういうところ、好きよ。我が主様』
うっさいな。
「突っぱねたけど、正解かい?」
ティールの言っていることは正しいわ。聖剣はこのあと、長い時間、存在し続ける。だから、一時の儚い夢は見ない方が幸せ』
……そう言われると、間違っていたような気もするな。一生に一度なら、やらない後悔よりも、やったあとの後悔……って言うし。
『甘えさせなくていいわよ。眷属も何も分からない子供ではないもの。私からの命令。いいこと?』
つ、冷たい……けど、二人の上に立つ白雪がそう言うなら。
『ふふ。……あら、愛しの彼女が帰ってくるわ。またね、我らの未来の王よ』
あーはいはい……しばらくないよ、白雪との会話なんて。
……ん? 愛しの彼女?
「んふふ~♪ ティールくん? さっきはなぁにしてたのかなぁ?」
「きーもちよかったー!」
お風呂から出てきた雫とラル……いえ、ラル様は家から持ってきた自前のルームウェア姿。薄手のパーカーの上着に、シンプルなシャツ。そしてホットパンツからはすらりと伸びる白い足がとてもお綺麗です。
外では素肌を見せないラル様ですが、完全に家でのリラックスモードですね。
ちなみに、雫はマリン柄のパジャマ。これも家でよく着るやつだ。
あ、あー……ラル様も女の子ですね~……ご自分で美少女宣言されますが、それも間違いじゃないなーなんて……あ、あはは。
「世辞はいらん」
すみません。黙ります。
「貴様に裸見られるのは、一緒に暮らしている仲だ。寛大に許してやろう。だがな、突然扉開けて見るのは、なしじゃないかい? 見る宣言してくれ」
「え? み、見る宣言とは……?」
「あぁ!?」
「な、なんでもないです!! 次から宣言します!!」
……待て。何、言わされてるんだ。え? 見てもいいですかと言えば、見せるの? 嘘だろ? え、駄目だよ。他の男にそんなこと言っちゃ駄目だからね!?
ラルのゴミを見るような冷ややかな目線から、ころっといつものくりくりっとした愛らしい目に戻る。そして、ぺろっと舌を出した。
「……ま、あれが事故ってのは分かってたんだけど☆」
「わ、悪ノリが過ぎます、ラル様ぁぁ!!!」
「ごめんごめん! ちょっと楽しくなってきちゃってさ。それに、スイちゃんとセツちゃんをいじめた罰として許してね♪」
「そーだそーだ!」
「てぃーのばかー!」
ラルのフードからひょこひょこっと現れた、今回の原因達。くっそ。被害者面しやがって。
ティールは二人のことを考えて言ってくれてんだよー? できないって分かってて見てるの、辛いからさ」
「むにゅう~……」
「るーまでいじわゆ~」
「食べるのはあれだけど、他の今しかできないこと、してあげる! ちょっと待っててね~?」
? 何するんだろう?



~あとがき~
学生と言えば、ラッキースケベやで( ^ω^ )

次回、ラルのスイセツ説得とティールのお電話回。
全く本題にいかないです。

前の休日回でも言ってましたが、ラルはティールに対するハードルというか、されてもいいやって思う壁が低いです。何年も同棲してるからってのと、信頼しているから。あとは、ティールが好きなので、何かされてもそれはそれ、と思っているところがあります。
まあ、ティールは紳士(?)なので、危ない場面なんて一切ないんすけど……(笑)

ではでは。