satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

レイ学 2周年!

初投稿から2年が経ちましたって話です。
いやぁ、早いもので、2年です。
前置きはこのくらいにしておきましょう!
記念日ってことで、去年と同様、イラストをどーーんっと乗せちゃいますよ!


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↑私からのおめでとうイラスト的な。

コメントにもある通り、ティール&アラシ君です。私の描くカラーver.ティールはお初ですか。2年やってようやくお披露目か……? いやぁ、お待たせしました。これがうちのティール君です(笑)
そして、アラシ君のイラストは今回が初公開?
しかも、初公開がカラーver.? 私の?? よかったのか???
いやまあ、アラシ君の生みの親である相方には事前に見せてるので、概ね間違いはないんですけど! なんか! すまん!!←

ちなみに。
今回は、ぎりっぎりでした。きちんとできたから言うけど、当日完成させてます。最悪、私のはないかもしれないと思うくらいぎりっぎりでした。
だから、計画を立ててやりくりしろと……何度思ってきたことか(笑)
まあ、終わりよければ全てよしって言葉もありますからね! いいか!←


そしてそして!
今回も相方からイラストいただきましたぁ!!

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↑mike猫様より

ツバサちゃん、雫、ツルギ君の順です!
私が描いていない雫をまた描いてくださいました。ありがたや~


さて。
今回は何を語りましょう←
前回はレイ学制作秘話みたいなのを語った気がしますが……うーむ。
最近のレイ学についてでも語りますか。
今、レイ学は夏休み編(スプランドゥールの巻)をお送りしています。この夏休み編、いつだったか、「剣技大会よりも長くなるかも」的なことをちらりと漏らした気がするのですが、確実に長くなるとここで宣言しようかと思います。
だって、スプランドゥールでの夏休みがようやく半分? 終わったくらいなのです。話の流れ的にな。イベントの数を考えたときにな!?
まあ、だからと言って、話数も折り返しなのかと言われると微妙っす。
何が言いたいかって、終わりの見通しが立ってないのが現状ですってことかな。なので、皆様にはラルやツバサちゃん達の夏休みをゆるゆるっと覗いてくれればなぁと思います。

ってことはだ。ラル達のスプランドゥールの夏休みがまだまだ続くってことは、スポットの当たらないキャラもいるってことで。
言ってしまえば、年単位でフォースらは出てこない可能性もあるってことだ……いや、フォースはまだ優遇されてる方だな。ちょいちょい名前だけ出てますので。ステラ&リーフはまじで出てこないっす。あの2人が好きな方々には申し訳ない……!
ぶっちゃけ、スプランドゥールに来ている面々でもかなりの偏りがあるのも申し訳ないなと思います。私が文章化するにあたって、どうしても自キャラ視点の方がやりやすいので、もらったプロット以上に目立つんです。ラルとティールが。2人視点多いし、今のところ、スポット当たる率は高いです。
どうにかこうにか、どこかで釣り合いがとれたらなぁと思います。ね! 相方さま!!??←え
……けどまあ、夏休み編ってティールがメインなところもあるので、しゃーないのかなと思います。夏休み終わったら、スポットの当たらないキャラも当てまくるかもしんない。なので、少々お待ちを!

だらだらっと語りましたが、要約すると、これからも夏休み編は続くって話と、これからもラルとティールがメインになって夏休み編は動くって話と、いつか色んなキャラに出番があればいいなーって話でした!!
というか、学園ものだぜ!
……って、なってたはずなのに、学校成分薄くなっててすみません。夏休み中ってことで許して!←



最後に! お知らせです!
周年記念と言うことで、今回も番外編をしばらくお送りします!
去年、しれっと出てきた神様達の世界のお話です。お楽しみに~
……出番ねぇなとか言っておいて、ちゃっかりがっつり、彼が出てきます。よろしくね( ^ω^ )

では!
これからも相方共々、レイ学をよろしくお願いします!

あけましておめでとうございます

三が日……過ぎてるんだよな……(汗)
とまあ、正月も明けて、通常運転に戻りつつある頃だとは思います! が! 言わせてください!

あけましておめでとうございます!
今年もゆるりとよろしくお願いします!

はい! 新年の挨拶は大事!!
いやね、本当は1日に出すつもりでした。さらさらっと短いやつを投稿するつもりだったのです。
うん。当日、綺麗さっぱり忘れたよね……(笑)

今年のブログはどうなるかなーと思いつつ、きっと去年と変わらないと思います。はい。
レイ学を定期更新していったり、空海をてけとーにぽいぽいっと更新していけたらと思います。
他の作品についてはあれこれ考えてます。
約束は空海がある程度進んだら、再開させようかなと思ってます。再開がいつになるかまでは分からんけどな……(汗)
けどまあ、今書いてるショウの過去編くらいは終わらせたいと思いますよ! 今年! 終わらせたい!!
F.Wに関してはな~……はっきり言って未定です。
何らかの形で完結させるつもりはありますが、現状、再開の目処は立ってません。多分、ふわふわっとしてたのがよくないんよ……! 反省!!
とりあえず、話の構成を練り直しつつ、ざっくりした計画を立てる。これが今年の目標や……!

と、いつも通り、計画性の欠片もない私ですが、見守ってくださると幸いです。
次の更新はレイ学周年おめでとう……ってやつかな?
よろしくです!
ではでは!

よいお年を!

今年ももうすぐ終わりですね~
いろいろありましたね~
ってことで、こんな雑談形式での記事投稿はお久しぶりです。satomiです。
久しぶりすぎて、何を書けばいいのかさっぱりです(笑)

さてさて。
今年1年、何があったかなーと考えると、あつ森やポケダン発売したなーとか。世間を騒がせるコロナに振り回された年だったなーとか。ポケモンが25周年だったなーとか。鬼滅の刃、凄かったなーとかとか……(笑)
思い付いたものの半分以上がオタクっぽいのは許してな……! いやもう、それしかパッと出てこんのや!!←

ここのブログでいうと、空海が10周年だったなーとか。レイ学では長い剣技大会が終わったと思ったら、今では長い長い夏休み編していたり……かと思えば、200話突破していたり色々です。
そういえば、気がついたらこのブログの読者様が30名様突破していました。いやはや、ありがとうございます……!
学生の頃からつらつら書いておりますが、特に面白味もなく、趣味全開のブログですから、読者様がいらっしゃるってだけで驚きです。これからもこんなノリですが、適当に付き合ってください。

何の話をしているんだったか……(笑)
まあ、今年も1年色々ありましたが、来年も変わらず、のんびりやって参りますって感じて! 1つ!

ではでは、皆様!
よいお年を!

学びや!レイディアント学園 第226話

~attention~
『空と海』のキャラ達の学パロなif世界物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ティールが両親をどう思っているのかをご紹介(?)しました。
今回はそれを踏まえて、ルーメンおじいちゃんのターンでっす。
にしても、最近、ティール視点多いな。申し訳ないくらいに多いな!?
けどまあ、このスプランドゥールの夏休みが終わればティール視点なんてなぁ……こんな頻繁にないだろうなぁと予想してます。分からんけどな。


《Te side》
『また、自分を見てくれなくなるのではないか』
その言葉は以前、白雪に言われた言葉でもある。それをルーメンさんに言われるとは思っていなかった。
戸惑いを隠しきれないぼくを、ルーメンさんは慈愛を込めたような目で、優しくもじっと見つめてくる。
「やはり、サフィアさんが亡くなったことがきっかけで、お主らの関係が崩れて始めたんじゃな」
「サフィア……お祖母様?」
父上と同じ紺色の髪を持ち、顔立ちもどこか父上と似ていた。父上の母親だから似ていて当然ではあるけれど、どちらかと言えば父上がお祖母様似だったのだろう。
けど、性格は似てなかったように思う。
「そうじゃよ。サフィアさんとも付き合いはあったからの。よくアズの話で盛り上がったもんじゃ♪」
……そりゃ、そうか。お祖父様と昔から知り合いで、仲良かったのなら、お祖母様を知らないわけがない。
でも、ここでお祖母様の名前を聞くとは思わなくて、思わず、ルーメンさんを見つめ返す。しかし、ルーメンさんは、ぼくから視線を外してどこか懐かしむように宙を見上げる。
「最後にサフィアさんと話したのは、亡くなる一ヶ月前くらいかの? そのときに頼まれたことがあってな」
お祖母様に?
「『ルーメンさんが忙しい方だとは存じていますが、どうか、アズや息子たちに何かあったときには手助けしてください』とな」
……そんなこと、言っていたのか。
当時のぼくは五歳くらい。当然、そんな話があったなんて知らない。そもそも、ルーメンさんがうちと関わりがあったのも、つい最近知ったのだから。
けど、これは父上もお祖父様も知らないんじゃ……?
「儂は言われんでも、そのつもりでおったんじゃがの。しかし、友人から頼まれたとあれば、断る理由もなかろ。……でなければ、サフィアさんも浮かばれんだろう?」
「お祖母様……」
病気で大変だったはずなのに、お祖母様は最期まで、ぼく達のことを心配してくれていたんだ。
「サフィアさんは、最期まで家族のことを心配しておった。ライトの母親じゃから、こうなることは予測できたのやもしれんの。……現に、サフィアさんが亡くなった直後のアズは目も当てられん状態だったしな。あれでは公務も満足に勤まらん」
……? そう、だっただろうか。
その頃のことは、幼かったのもあってよく覚えていない。けれど、少なくともお祖父様が泣いたり、取り乱すようなことはなった気がする。
ぼくが不思議そうな顔でもしていたのだろう。ルーメンさんは苦笑を浮かべつつ、それでもそっと口を開いた。
「そりゃあ、家族の前や国民の前では気丈に振る舞い、堂々としておったがの。……儂から見れば、すぐに消えてしまいそうな状態だったぞ。それをライトも感じ取ったから、アズの仕事を引き継いだのだろうなぁ」
どこか寂しげに笑うルーメンさん。しかし、それも一瞬で、再びぼくと目線を合わせた。その目には子を慰めるような……言ってしまえば、孫を見るような目をしていた。
ティールよ、お主は……寂しかったんじゃな」
「……え?」
「あの頃は……確か、終わりが見えていたはずだが、まだ、王宮内での内部改革の途中だったはずじゃ。そんなときにサフィアさんが亡くなって、革命の中心人物であったアズが抜け殻になって公務もできない状態になってしまった。……その結果、国での仕事がライトやセイラさんに集中してしまって、以前のように構えなくなった。……お主は寂しい思いをしていたんじゃな」
……さみ、しい……か。
確かに、長い間放置されて、それが当たり前になってしまって、寂しいなんて忘れていた。……いや、違うな。考えないようにしていたんだ。自分が辛いから。そう思ってしまえば、それを受け入れてしまった後が辛いから、考えたくなかったんだ。
だから、当たり前にしてしまおうと。構わなくていいことにしてしまおうと。……一度、差し伸べられた手を振り切ってしまったのかもしれない。
……母さんにそれは、意味なかったが。
「『なぜ、見てくれないのか』『なぜ、ぼくではなく仕事を優先するのか』……そう、思っておったんじゃないか? いや、今もそう思っておるのかもしれんの」
当時、ぼくが言葉にできなかった感情を……言葉を……ルーメンさんが紡いでいく。そして、それは今のぼくが意識していなかった、未知の部分でもあって。
「じゃから、『王子様』である自分か嫌で、『何者でもない』ただの自分でいられる今が楽しいんじゃないかの?」
……それ、は……否定できない。
王子でいなければならないあそこより、ぼくをぼくとして見てくれるここに……ラルといたいと思っているのは確かだ。
祖国を嫌っているわけでも、王子としての役割を忘れたわけではない。でも、どちらが楽しく感じられるのか、自分らしくいられるのはどこなのかと考えれば、答えは一つしかなくて。
「そう、ですね。……これからも彼女と……ラルと一緒に探検隊をやっていきたいって思う自分はいます」
これが本音だった。ラルやチームの仲間と続けられる限り、探検隊を続けていきたい。リーダーが辞めると言うまでは……チームを終わらせるその日までは、一緒にやっていきたい。それは、嘘偽りないぼくの思い。
でもまあ、それが許される立場にないんだけれど……
「じゃあ、続ければよかろ」
「……へ?」
ルーメンさんから、ぼくとは反対の言葉が聞こえてきた。やりたきゃやれ、みたいな肯定が聞こえてきたような。
ぽかんとしてしまうぼくなんて気にせず、ルーメンさんは続ける。
「王子が嫌なら離反すればよい。ライトには妹のセレティがおるだろ? そして、セレティには息子達がおる。後継者についてはなんら問題ない」
確かに、おば様には子供が二人いる。血筋的には、その二人のどちらかが王になっても問題はない。問題はないが……
「新たな王が甥になったとて、今さら政権が揺らぐようなこともない。アズがその基盤をとっくの昔に作り上げておるからの~」
「あの、ルーメンさん……?」
「しかし、そうなると女神の恩恵はどうなるんじゃろうな? その辺りは詳しくないが……まあ、一代くらいなくても問題はなさそうじゃがの」
そこは問題大有りですが!? そこだけは昔から変わらない掟みたいなもんだし! いや、それは今はいいや。そうじゃなくって!
「ルーメンさんはとめないんですか!? 今、ぼくは自分の立場を考えず、自分勝手な我儘を言ってるようなものなのに……!」
一人で納得するように話を進めるルーメンさんに、思わずぼくはその場で立ち上がり、話を中断させた。いきなり話を遮られたからか、ルーメンさんは目を丸くするも、すぐにいつも通りの表情になり、小さく首を傾げる。
「儂はとめんぞ? 反対もせん」
「は!?」
「儂は海の国の王族と関わりはあっても、政治にはあまり関わっておらんよ。仮にするとしても、少しの助言くらいかの? 一応、陸の国をまとめる一人としてな。じゃから、ティールがこれから王族側ではなく、一介の探検隊としてやっていくのに反対はせん。それは、お主の両親も同じだと思うがの」
「!? そんなわけ……! 父と母は王と王妃! ぼくはその二人の子供……王子ですよ!? だから─」
いい顔はしない。肯定するはずがない、と続けるつもりだったが……
ティール、お主らは『王族』である前に、『家族』じゃろう」
と、ぼくの言葉を遮るようにぴしゃりと言い放つ。そして、ふわっと表情を和らげた。
「親は子の幸せを願うもの。そこに身分なんて関係ないんじゃ。ライトもセイラさんも例外ではなかろう。……まあ、流石に建前というのもあるからの。重鎮達の前で一度は反対するやもしれんがの」
言いたいことは言い終わったのか、ルーメンさんは湯呑みを手にし、ずずっとお茶を美味しそうに啜る。ぼくは反発できるような言葉も見つからなくて、力が抜けたかのようにソファに腰掛けた。



~あとがき~
あ、もうそろそろ終わりそう??
そして、今年最後の更新! きりが悪いな!?

次回、おじいちゃんとティールのお話!
……なんですが、多分、周年記念話が割り込みます。しばらく本編はお休みです。……ほんとうに、きりが、わるい……(汗)

言いたいことはないです。はい。
ルーメンさんの言葉を受けて、ティールがどうするのか、今後をお楽しみに……って感じかな。

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第225話

~attention~
『空と海』のキャラ達の学パロなif世界物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ティールとルーメンおじいちゃんとの夜会話第二弾やり始めました。導入で終わったけど。
今回から、本格的に進めていきますぞ~


《Te side》
「……のう、ティールや」
いつも通り、他愛ない話をしながらチェスをしていると、ルーメンさんがその手を止めた。そして、じっとぼくを見据える。
「ちっと踏み込んだ質問をするが……お主、自分の両親をどう思っておるんじゃ?」
「……っ」
突然の質問に、思わず息を飲む。
初日にも似たような質問はされた。そのときは父上だけだったが、今回は両親ときた。
雑談の空気から一気に真面目な空気に変わり、ルーメンさんの表情にも真剣さが窺えた。だからか、必要以上に体が強張るのを感じる。
「あぁ……いきなり、すまんかったな。無理して答えんでもよい」
ぼくの様子を見たルーメンさんが、気遣うように穏和な声色で話しかけてきた。きっと、このまま黙っていれば、話題は違う方へと移るのだろう。何でもない話へと戻るだけ。
……それじゃあ、意味がない。逃げてばかりじゃ駄目だって。時間は有限だって……ラルが言っていたんだ。
ぼくは然り気無く、いつも空色のバンドがつけられている手首に触れる。そこにあるのをしっかり確認して、心を落ち着かせた。
大丈夫。ここにいなくても、君は近くにいる……そうだよね?
ティール? 大丈夫か? まだ聞くには早かったかの。また別の機会に」
「……いえ。少し、驚いただけです。いつか、聞かれるだろうと思ってはいたので」
えっと、ルーメンさんの質問は両親をどう思っているか、だったか。
最初は簡単に答えられそうな母上からいこう。……なんて、本人の前では言えないけど。
「母には感謝しています。色々、便宜を図ってくれましたから。自身の立場もあるはずなのに、ぼくを気にかけてくれているし、父との仲も取り持ってくれているので」
父上と会話が持たないときは、決まって母上が割って入ってくれて、気まずい雰囲気を吹き飛ばしてくれていた。
ぼくが甘え方を忘れて、拒絶してしまったときだって、母上は……母さんは、離れることなく傍にいてくれた。
母さんは一緒にいてあげられなかった頃を悔やんでいるのか、駄目な母親なんて言うけど、そんなことはないと思う。今は真剣に見てくれている……なんなら、少しだけ鬱陶しいくらいに。
だから、母さんには感謝している。あの頃、ぼくを見捨てないで追いかけて、捕まえてくれたこと。今も味方でいてくれることに。
「だから、その……同時に申し訳なさも感じるというか」
「ふむ?」
「家の仕来たりとは言え、十二歳で家を出て、ここに来たこと……とか」
仕来たりとして、修行に出るのに年齢は決まっていない。自ら申し出るのもよし。王から命じられるのもある。
しかし、それでも十二歳は若すぎると周りからも色々言われた。王子とは言え、世間一般からすれば、まだ子供の部類。親はもちろん、従者もなしに一人でやっていくには若すぎる、と。
母さんに初めて打ち明けたときは反対された。もう少し後でもいいんじゃないかって言われたけれど、ぼくが辞める素振りを見せないと分かった途端、「母さんも協力します。ティールは何にも心配しなくて大丈夫」と、ころっと意見を変えたのだ。
そのときは考える余裕なんてなかったけれど、雫と出会って、別れを経験して。そして、また一緒に暮らすようになって……そこで初めて、母さんがあのとき、どんな思いで味方になってくれたのかを考えた。
「まだ一緒にいたかったはずの母さんの思いを無視してるって状況があるので……父のことで心配もかけてるし……それらを引っ括めて、申し訳ない、かなって」
ぼくの話を聞いて、ルーメンさんは小さく「なるほどの」と呟いた。今が夜で、静かな部屋だからこそ聞こえるくらいの呟きだ。
「……次はライトをどう思うとるのか、聞いてもよいかな?」
さて、ここだな……問題は。
父上をどう思っているのか。一言で言えば、「分からない」が適切ではと思う。しかし、それは質問の答えになっているのかは微妙なラインだ。
父上のことを考えれば考えるほど、何が言いたいのか分からなくなるし、そもそも、どんな感情を抱いているのかも謎だ。純粋な好きとは違うし、嫌いとも……言えないし。母さんみたいに感謝とか申し訳ないとかそういうのも……違うような。
恐れ? 尊敬? 怒り……は、ない。多分。なら、なんて言うのだろう……?
……って、あぁ、またこれか。
よく分からない感情に振り回されるこの感じ、父上とあれこれ話さなきゃなんないときと似てる。手探りで話していく感覚。ぼくが苦手なやつ。
「無理にまとめようとせんでよい。思ったままを教えてくれんかの?」
「う……は、はい」
頭を抱えつつもどう伝えるべきかと考えていると、ルーメンさんは変わらず柔らかな笑みを見せた。安心させるようなそれに、ぼくも少しだけ肩の力が抜けた気がした。
「答えになっているかは微妙ですが……父のことをどう思ってるかは、自分でもよく分からないんです」
「ほう?」
国のために邁進する父上は、素直に凄いと思っている。いつだって国を第一に考え、そのために行動する父上。王様なんだから当たり前だと言われたらそれまでだけど……どんなときだって堂々としていて、主君として、盟主として誇りを持っている父上は、一種の憧れを感じている……と、思う。
その反面、父親としてはどう感じているのかが分からない部分が怖いと思う。元々、口数の少ない人だ。多くを語る人ではない。
だからこそ、ぼくをどう思っているのか分からないのが怖い。必要以上にスキンシップをする母さんとは違い、必要以上に距離を詰めてこないから。それに、表に感情が見えてこないから、どう考えているのかも読めない。
王として完璧な父上が、王子として未熟なぼくをどう思っているのか……そもそも、眼中にないんじゃないかってすら思えてきてしまう。
「王である父のことは、尊敬しています。……でも、父親としては……どう思ってるのか分かりません。もしかしたら、ぼくのことなんてどうでもいいって思ってるかもしれないって少しでも思っちゃうくらいです。……そんなこと、ないのは分かっているつもりなんだけど……」
分からないから色々考えて、想像するのは普通だろう。でも、父上相手に色々考えても、ぴたりとはまる答えが見つからないのだ。
ぼくはラルみたいに、ぐるぐる思考するのは得意じゃない。考えれば考えるだけ、頭の中がぐちゃぐちゃになって、それでも答えが見つからないのが辛い。
「父の本心が見えないことが怖くて、考えても見えてこないのが怖くて、考えるのも嫌になってしまうくらいで……そんな今に疲れちゃってる……んでしょうね。よくないのは分かってはいるんですが……って、これは質問の答えとは違うのか。ごめんなさい。関係ないことまで話して」
「よいよい。思ったままを教えてくれと言ったのはこちらじゃからな。……ふむ。そうか」
ぼくの話を聞いて、何やら考え込むルーメンさん。ゆっくりと自身の髭を撫でながら思案しているらしかった。
ぼくはその間、密かに一息ついていた。
ここまで話して、疲れないわけがない。友達とわいわい話すような雑談とは違う。
触れられたくない話題について話したからか、精神的に疲れてしまったのかもしれない。そこまで弱いつもりはないけれど、嫌なものは嫌ってやつだ。
ティール……お主は」
長い間思案していたように思えたが、きっと、そこまで時間は経っていないのだろう。
ルーメンさんは質問を投げ掛けたときのようにぼくをまっすぐ見つめてきた。そして─
「……『また、自分のことを両親は見てくれなくなるんじゃないか?』……そう、思っておるんじゃないのかの?」
─と、ぼくが言わなかったぼく自身の本心を言い当ててきた。



~あとがき~
どこまで続くんやろね。

次回、まだまだ続くよ、二人の会話!

いつかの回想でも、似たようなのは出した気がします。振り返りだと思ってくれれば!
とはいえ、そのときには出てこなかった思いみたいなものはあるので、合わせて知ってくれたらいいかなと。はい!
にしても、レイ学ティール君は繊細ですね。空海ポチャ君とは大違いやで(笑)

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第224話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でのんびりしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ラルとティールのなんちゃってお仕事話やりました。今回はまた、ルーメンおじいちゃんとティールとの夜会話、第二段です。
ティールとブライトのギクシャクした関係にルーメンおじいちゃんがナイフ入れちゃうぜ☆
ラル「ルーメンさんにナイフて。そこは拳の方がしっくりくるよ?」
ティール「そういうことじゃない」


《Te side》
ラルの気まぐれ仕事をクリアした次の日の夜。日中は大した事件もなく、ぼくはルーメンさんの部屋へと行く準備をしていた。そして、部屋の入口で振り返る。そこにはパジャマ姿の雫と、ラフな格好のラルがいる。
「いてらっしゃーい!」
「んふふ。今日こそ勝てるとええなぁ?」
ルーメンさんとのチェス勝負が未だにつかない現状が面白いのか、にやにやと笑っている。どこが面白いのかはさっぱりだけど、多分、今日も駄目なんだろうって思ってるんだろうな。くそ。図星だよ!
「うぐ。う、うるさいな……じゃ、行ってきます」
「うん♪ 気をつけてね」
「気を付けるって……建物の中を移動するだけだよ? 何にもないって」
と、ぼくが扉を閉めて出ていく寸前、ラルが「何があるか分からないのが人生だよ」と、なんかもう不吉なこと言っていた気がした。
改めて振り返っても、目の前にあるのは部屋の扉。仮に部屋に戻って聞き直しても、ラルの性格上、楽しそうに笑ってはぐらかしそうだ。問い詰めたとて、のらりくらりとかわす未来しか見えない。
……そんなことしていたら、遅れちゃうな。聞かなかったことにしよう。

こちらに来てから、毎晩ルーメンさんと話している。
例えば、探検関連の話で言うと……
「踏むと前に飛ばされる罠があるじゃろ?」
と、楽しそうに切り出してきた。ルーメンさんの言う罠は、一種のワープ系罠というか、強制移動させられるやつだ。下手に踏むと壁に激突したり、仲間とぶつかったり、敵の懐に意図せず飛び込んでしまったりと事故率高めの罠のことだ。
なんでそれがいきなり出てくるのかなぁと聞いていると、それを利用してバリケード(岩とか風とか)を張ってる敵にノーダメージで近づけるとのこと。
「それって危険なんじゃ……?」
「うむ。体幹が弱いうちは変に激突するじゃろうな。じゃが、慣れると便利だよ」
ラルが知ったら面白がりそうな話題。というか、すでにぼくの知らないところでやってる可能性すらあるのでは……そう思わざるを得ない話だった。
ちなみに、ルーメンさんからは遠回しに慣れるまでは実践で使うなと釘を刺されている。そして、同時にぼくはきっと使わないと感じた。
他には両親の昔話だろうか。
例えば、母が父を振り回していたとか、理事長が二人を振り回していた話。
母が父を振り回しているのはある種、いつも通りではあるのだけれど、あの理事長が振り回すとはイメージが湧かなかった。
「セラは儂に似て、強いモンスターとの戦闘を好むからの~」
つまり、強そうな相手を見かけたら、そちらに一直線に突っ込むらしい。
「そして、セイラさんは生粋の石コレクターじゃろ?」
「そうですね。実家に母のコレクション部屋があるくらいなので」
「ほっほっ♪ セイラさんは良い目をしておくるからの~……しかしまあ、二人の趣味が組み合わさった日にはなぁ。付き合うライトの苦労を察するのも容易じゃろうて」
珍しい石を見つけて突っ走る母と、強敵求めて突っ込む理事長。そして、それに付き合わなければならない父。
なんだろう。それを聞いたとき、どこか似たような境遇をぼくも味わっているような気がしてならない。……現在進行形で。
──とまあ、このような話を毎晩してくれている。探検関連の話はさておき、親の話を持ち出してくるときは、大抵、こちらの様子を窺いつつ話してくれていた。きっと、ぼくを気遣ってのことなのだろう。
もちろん、ルーメンさんばかりが話しているわけもなく、ぼくはぼくで話を聞いて貰っている。
チームのことだったり、学校のことだったり、パートナーであるラルのことだったり、色々あるけど、ぼくの話が面白いかは分からない。それでも、ルーメンさんはいつも、楽しそうに頷き、耳を傾けていた。
だからだろうか。妙に身構えることもなくなり、自然と話せるようになっていた。そして、両親の昔話も。

ぼくらの泊まっている部屋を出て、よくギルドメンバー達が特訓に使う中庭をスルーし、しばらく通路を進めばルーメンさんの部屋へと行き着く。
初日はびくびくしていたものだけれど、流石に何回も通えば、緊張もどこへやらだ。慣れた手付きでドアをノックし、ゆっくりと開ける。
「失礼します。こんばんは、ルーメンさん」
「おぉ♪ ティール。よく来たな♪」
ルーメンさんは、ぼくと話すときの定位置であるソファに腰掛け、目の前のテーブルにはチェス盤が置かれている。その傍らにはアルフォースさんが淹れたのか、まだ暖かそうなお茶が入った湯呑みもある。
ぼくが向かいの席に座ると、ルーメンさんは柔らかな笑みを浮かべた。
「今日はゆっくり休めたかな? 昨日は仕事行っておったろう?」
「え? あ、そうですね。連続して連れ出される覚悟はしていたんですが」
昨日のあれで満足したのか、「仕事行くぞ」とは言わなかった。とはいえ、一日部屋にいなかったので、何かはしていたのだろう。多分、調べ物だと思う。
ぼくはと言うと、午前中はぐっすりで、午後から動き出すという低堕落。ラルも雫も起こしていかなかったために、ぼくは部屋に放置されていたわけだ。文句を言うつもりはないけど、二日目は叩き起こされた気がするんだよな……この違いは何なのだろう。
「ほっほっ♪ ラルはティールを気遣っておるんじゃよ」
と、ルーメンさんがぼくの疑問に答える。
「……すみません。口に出てました?」
「いんや。じゃが、顔には出ておる」
えーっと? ぼくってそんなに分かりやすい……?
フォースみたいに心を読んでいるんじゃないかと疑いたくなるくらい、ドンピシャな答えを返してくる。ラルも似たようなことをしてくるけど、ルーメンさんはそれ以上だ。飛び抜けた観察眼が為せる業なのかもしれない。
……もしくは、年の功か。
「昨日、ラルからの報告は受けておる。一日の限られた時間で、あれだけの品を収拾したのなら、それなりに苦労があったのだろ?」
確かに苦労しかなかったのは間違いない。
「それに、暑さに弱いティールを散々、振り回したと分かっておるからこその優しさかもしれんの」
……なのかなぁ。
「儂から見るに、ラルは遠慮がないようで遠慮しておるように思うぞ? 仲間に配慮しているとも言えるかもしれん。パートナーなら心当たりはあるんじゃないかの」
「あぁ……大切なことは一人でやろうとする、とか?」
「うむ。そうじゃの~♪」
「心臓に悪いときが多々あるんですが、どうしたらいいですか?」
「それは本人に言っとくれ。ラルの性格じゃろうて」
ですよね。ぼくがどうこうできる次元じゃないもん。会ってからなぁんにも変わらないもん。その辺は特に。
「さて。前置きが長くなってしまったの。そろそろ始めようかの」
「あ、そうだった。まだチェス、始まってませんでした……よろしくお願いします、ルーメンさん」



~あとがき~
前置きがなげぇぇぇ!!!

次回、ティールとルーメンおじいちゃんとの夜会話。続きます。

休みのときほど、だらだらしまくるのは普通ですよね。休みだからしゃきっと起きて、自分の時間たくさん作ろう! と、しないんですよね、私。で、午後になってから、なんで早起きしなかったんやと後悔するやつ。
……多分、ティールもそんな感じ……違うな。あいつは単純に起きれないだけですね。
決まった時間に起きれないだけです。きちっとタイプの唯一、きちっとしない部分かもしれません。

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第223話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で頑張った物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
ティール君一人でドラゴン(ゾンビ)をばっさりやってる間にラルちゃんがなんか勝手にピンチ(?)になってましたとさ。
ラル「なってませんけど」
ティール「ぼくと会話してるからね。ピンチではなさそうだけど、ラルだからなぁ」
ラル「どういうこと!?」
順番的にラル視点の方がよいけれども、ここはティール視点の方が楽……いえ、都合がいいので! ティールで!
ティール「言い直してるけど、あんまり包めてない気が」


《Te side》
ラルで十分かかるところを、ぼくは十五分ないくらいかけて合流した。
一応、戦闘に乱入する心構えでいたけれど、とっくにラルが殲滅した後だった。雷姫さんをバトンのようにくるくると弄び、満足したのか腰の鞘に納める。そして、こちらをにやりと笑いながら振り返ってきた。
「遅かったね、もう終わったよ?」
「……みたいだね」
果たして、ぼくのゾンビドラゴンソロ討伐と、彼女の正体不明の複数モンスター討伐、どちらが危険だったのだろうか……? まあ、考えても仕方ないか。終わったことだし。
「で、護衛対象は?」
「あそこでちっちゃくなってる」
ラルは離れたところを指差し、それを目で追う。
そこには“ドール”がちょこんと座っていて、その後ろに男女二人組が互いの肩を抱き合いつつも、体を震わせているのが見えた。派手に怪我をしているようには見えないので、大事には至らなかったらしい。
「同業?」
「知らなぁい。聞く前に戦闘入っちゃったもん。けど、どちらにせよ安全なところに送った方がいいかな」
ここで、「もう危険はないです。じゃ、さようなら」なんてのは、あの精神状態の二人には酷だろう。それに、ぼくらもすでに仕事は終わっている。少しの寄り道は問題ないはずだ。
「ふふ。にしても、よかったわ」
「? 何が?」
「過去の私達みたいに怪我してなくて」
あぁ、そういう……
ふわっと柔らかな笑みを見せ、ラルは二人組の方へと駆け出した。短い会話を交わした後、ラルはバッジを二人にかざして、転送システムを起動させる。二人は淡い光に包まれ、一瞬で姿を消した。
「っしゃ! 私達も帰るぞー!」
「了解。……てっきり、一緒に街まで行くのかなって思ってたよ?」
「あの人達、スプランドゥールに住んでるわけじゃないみたいだから、やめた。……さて、私らはこのまま奥地まで行くよ~」
「え。行くの? ここで途中離脱するもんだと」
「何言ってんすか! 集められるもんは集めるぞ!?」
……もう充分集めたと想うんですが?
いつになくやる気メーター(仕事ver.)が持続しているラルを先頭に、再びこの広いダンジョン探索を再開させた。

「……んあぁぁ!! ひっさびさに働いた!」
結局、ダンジョンを抜けて、スプランドゥールへと戻ってこれたのは、日が沈みかけている頃。
いつも、これくらいのやる気を出してくれたらいいのにね?
「そんなの疲れるからやだ」
「やだ、じゃないよ。全く」
それにしても、思い返してみると、今夏、初仕事が今日って事実に驚きだ。いつもなら、夏休み突入してすぐにどこかへ出掛けていたからなぁ……今の今まで働いてなかったんだな。
なんて考えていると、顔に出ていたのか、ラルが楽しそうに笑っていた。
「学生の本分は勉学だから。今日が久々のお仕事でも問題ないって!」
「真面目に勉強しない君から、そんなことを言われるなんてね。ぼくもまだまだだよ」
「はあ!? 見せないだけで勉強くらいしてるわ!」
「言ったね? じゃあ、近いうちに魔法の勉強でも一緒にやる? 喜んで付き合うよ」
強気な表情から一転、ふいっとぼくから目線を逸らして、少しずつ後退りしていく。自信満々な雰囲気はどこへやらである。
「……それは、遠慮するかな? あはは~」
「あのねぇ? 学校のテストは一時的にやればすむけど、探検隊を続けるにあたっては、しっかりと基礎を学ぶべきであって……」
「こんなところで嫌いな魔法学なんて聞きたくなぁぁい!!」
ぼくの言葉を遮って、逃げるようにギルドへと一直線に走り出してしまった。ここで逃げたとしても、ぼくと帰る場所は同じなんだけれど……まあ、ラルらしいと言えば、らしいか。
頭はいいくせに、なんで魔法関連は駄目なんだろうか。他はできるのに。他は。
……頭がいいのベクトルが違うのかな。そっちに向いていないとか、そういうことなんだろうか……? いやいや、学生の今の時期にやらずにいつやるんだ。よし、今度のテスト前は前回以上にみっちり鍛えてやろう。
「おかえりなさい、ティールさん!」
「おかえりー! ティール!」
「あんあんっ!」
どうでもいいような決意を固めていると、ツバサと雫とリランの二人と一匹に出迎えられた。ぼくよりも先にラルがここを通ったと思うのだけれど、ツバサ達はぼくを待っていたらしい。
「……って、君達だけ?」
「んと、ほんとはツルギも一緒にいたんですけど、ラルさんが通ったのを見たら、追いかけるように行っちゃいました」
飽きないな、ツルギ……あぁ、でも、今日はこれが初めての襲撃に……いや、修行になるのか。今日は一日外に出ていたわけだし、ラルに突撃する暇なんてなかったもんな。
「んもう。ラルさん、お仕事終わりで疲れてるかもなのに、ツルギったら」
「あ、その辺は気にしなくてもいいよ。今のラルは多分、いつも以上に元気だからね」
ぼくより戦闘しているはずだし、体力もない方だけれど、そこは脳内麻薬が分泌されてる的な奴だ。今回は彼女のやりたいことをやりまくったみたいだし、ハイテンション維持してるんだと思う。とはいえ、部屋戻ったら即寝するだろうが。
「仕事の報告もラルがしてくれるかなぁ……いや、それくらいはしてもらわないと割に合わないよね。色々させられたし、巻き込まれたし。それで許してやろう」
「? ティール、なにされたの?」
「やってることはいつも通りだよ。ただ、少しだけハードだったんだけど」
一応の理由はぼくの感覚を取り戻そう的なのがあったけど、それにしたってやり方ってもんがある。やり方ってもんが。あの場では理解はしたけど、腑に落ちない部分はあるよね。……ぼくのことを考えてくれるのは、嬉しいけど。
「さて。そろそろ夕飯の時間だよね? ぼく、着替えてくるから少し待っててくれる?」
……欲を言えば、シャワーの一つでも浴びたいところだけれど、流石にそこまで待たせるのはね。
「はいっ♪ でも、ラルさんとツルギは」
ラルにはツルギの相手と仕事の報告をしてもらう予定だから、待っていたら時間がかかりそうだな。
「その二人……は、ラルがツルギを連れてくることを信じて、先に行ってよう。ツルギの相手がなくても、ラルは勝手に走って行っちゃったし、報告って言う仕事残ってるし。だから、先に行って、席でも確保してあげよう」
「分かりました! もうすぐあーちゃんとアラシも来ると思いますし、そうしましょう♪」
ア、アリアかぁ……いつもどこに入ってるんだろってくらい食べまくるんだよね。そんな彼女の食べっぷりを何度も見てはいるのだけれど、一向に見慣れる気配がない。
今日もまた、反応に困るくらい食べるんだろうな、アリアは。
アリアに全て食べ尽くされる前に─そんな事態になったことはないんだけれど─ラルとツルギが現れることを祈りつつ、お先に夕飯としようかな。
ティール! きょうのおしごとのはなし、ききたい!」
「あ、私も聞きたいです! ラルさんとティールさんのお仕事の話!」
二人してキラキラと期待の目を向けてきていた。雫はともかく、ツバサにそんなことを言われるなんて思わなかった。
「だって、ラルさんがどんなお仕事するのか気になるんですもん♪」
なるほど? ラル大好きなツバサらしいや。
「いいよ。ま、楽しいかは分かんないけどね」



~あとがき~
雑なのはなんかこう……いい締り方が思い付かなかっただけです。すみません!

次回、ティールとルーメンの夜会話(n回目)です。
話にするのは二回目。彼らの中ではそれ以上です。

あ、ラルが退治したモンスターの話は特に何も考えてないので、ご想像にお任せします。助けた二人組についてもな。今のところは考えてません。遠い未来で出てくるかもしれんけど、そんなことはきっとない(笑)

ではでは。