satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第302話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、アルドアーズと色々あったラルとティール。そんなアルドアーズに鉄槌(?)が。
今回はアルドアーズとルーメンおじいちゃんなやり取りをお楽しみください。


《L side》
「無事に会えてよかったわい♪」
私達と合流後、開口一番にそう話すルーメンさん。そして、つつく攻撃を受け続けるアルドアーズさんは完全無視のまま、ここまでの経緯を教えてくれた。
なんでも、私達と合流を目指す中、たまたまルナちゃんとルナちゃんママ(空色の狐族さん)と会ったらしい。精霊役のしーくんとルナちゃんは舞の準備時間も迫っているため、このままルナちゃん達にしーくんを預けていけばいいのではと考え、ここまで一緒に来たという。
「雫はルナ達と共にツバサ達のところへ向かうとよい。案内はルナの母がしてくれるでな♪ 雫や。精霊役、頑張るのじゃぞ?」
「うん! がんばる!」
「いこっか!」
ルナちゃんに手を引かれ、しーくんは元気よく準備へと出掛けていく。ルナちゃんママは私達に向かって軽く一礼すると、二人を連れてどこかへと行ってしまう。
「い、いい加減にやめないか!?」
「ピュピピピピ!!」
す、すごい連打だぁ~……
流石にそろそろ説明してくれるかなと期待を込めてルーメンさんを見てみるものの、当の本人は全く気にする素振りはない。それどころか、アルドアーズさんを無視したまま、本部へと行こうと促していた。
「そろそろ二人も時間じゃろう? ワシと共に、本部へ向かおうかの」
「あ、えっと……本部に向かうのは私達も賛成なんですけれど、あれは」
「おん? 放っておけ~♪」
うえぇぇ!?
「ルゥ! いい加減にやめさせないか! というか、無視とは酷いではないか!?」
「なんじゃ。アズ? 居ったんか。いつこちらへ到着した?」
「いたわ! ずっとここに居ったが!? 私がここへ来ておるの知っておるくせに、しらばっくれるでない。……そして、このフィアの攻撃もやめさせろ!」
「フィア……?」
「ピ? ピィ♪」
ティールが名前を呼ぶ声に反応したのか、紺色の小鳥はつつく攻撃をすっとやめ、アルドアーズさんの頭の上にちょこんと座る。
小鳥で紺色の精霊がルーメンさんの精霊だとするなら、ネロのように元々は野良精霊なのだろう。
「うむ。フィアは元野良精霊じゃよ。まあ、セラのネロと比べれば、フィアとの契約時期はずっと後じゃがの」
私の考えを読んだのか、微笑みながらフィアの説明をしてくれる。
そして、フィアもどこか誇らしげに一鳴きする。しかし、その下のアルドアーズさんはなんとも言えない表情を浮かべている。
「ルゥ……ラルさん達にフィアの説明するのはよいが、そろそろ私の上から退かしてはくれんか。そもそも、なぜ私の上に」
「そりゃあ、アズがフィアに懐かれとるからに決まっておろう?」
「懐いとるなら、出会い頭につついたりせんわ! 毎度毎度、頭をつつきおって」
「そこはアズが悪いんじゃよ。どこぞで見知らぬ女の子に声をかけおって。フィアのそれは愛の鞭とでも言うべき行為だぞ?」
「嘘つけ! なぁんで私が小鳥から愛の鞭を受けねばならん!? ただの嫌がらせだろうに!!」
「嫌がらせとは失礼な。フィアの愛だよ♪ 愛」
「ピィ♪」
ニコニコ笑顔のルーメンさんに呼応するようにフィアが楽しそうに鳴く。そんな一人と一羽の反応にアルドアーズさんがキッと目を吊り上げた。
「嘘つけぇぇぇ!!! 悪意を持ってやってるだろう!? 善意でやってるとは思わんぞ、これぇ!」
「何を言う。長年の親友からの忠告だ。善意に決まってるじゃろ?……ま、多少なりともワシよりハゲてしまえばよいとは思うとるかな。年甲斐もなく若い子に話しかけおってから。いい加減、年を弁えよ」
「ふふん♪ 私はまだまだ現役なのだよ、ルゥ? それにお嬢さん達には私くらいの年齢を好む子らもいるんじゃよ。……あと、私の一族は皆、ふさふさなのでハゲん」
「ならば、ワシの魔法を使ってツルツルにしてやろう♪」
「……それを使用するのは反則ではないか?」
私とティールの存在なんて気にせず、二人のおじいちゃんは楽しそうに話をしている。
「あんなお祖父様、見たことないよ。いつもは飄々としてるというか……何を言われても適当に流す人だから、あんな反発するところ、初めて見た」
「でも、それくらい仲良しってことじゃない? 悪い空気感じゃないし」
ルーメンさんに滅茶苦茶いじられてるアルドアーズさんだけど、それを気にする様子はない。むしろ、時折、二人して笑顔で会話を交わしている。二人にとってこれが当たり前なのだろう。
アルドアーズさんはルーメンさんを親友だと言っていた。きっと、ルーメンさんにとってもアルドアーズさんはそうなのだ。
私とティールはお互い目配せすると、小さく笑い合う。そして、前を歩く二人の後ろに着いていった。

本部に向かう道すがら、ルーメンさんにいじられまくっているアルドアーズさん。それについて、私達は突っ込まず、こちらこちらで楽しく同行させてもらっていた。
「……全く、昔からルゥはこれだよ。人の話は聞かんし、知らないうちに下らない策略練るし、何が楽しくてかつての相棒を陥れようとするんだ」
ため息混じりに問いかけるアルドアーズさん─フィアを退かすことは早々に諦め、大人しく頭の上に乗せたままである─に対し、ルーメンさんはニヤリと笑いながら答える。
「ほぉ? 人聞きの悪いことを言うの? ワシはただ、楽しく人生を生きておるに過ぎん。それのどこがアズを虐めておることに繋がると言うんじゃ?」
「その顔からして、私をからかっとると言うものだろうに!」
「そんなことはないがのぉ~? して、アズ? 孫の前でそのように取り乱してよかったのか? ほれ、孫の前ではかっこいい祖父でありたいと言っておったろう」
私はアルドアーズさんとティールのやり取りを少ししか見ていないが、そのイメージを保つには無理があるように思う。というか、そのイメージを持ってもらえるかすら怪しいところですらある。
「……え、かっこいい?」
「どこが?」とでも言いたげなティールにアルドアーズさんが見るからにショックを受けていた。
「そうさせないように仕向けとるお前が何を言う!?」
「何の話かなぁ~♪」
「惚けるな、ドS鬼畜ジジィめ!」
「はて? 大して歳変わらんだろうに」
「関係あるか!?……と、そうこうしてるうちに目的地だな」
おや?
アルドアーズさんの言う通り、いつの間にか本部のある噴水広場に到着した。
「ラル、ぼくらの仕事って」
「神子の舞を見届けた後だよ。で、内容としては二人の護衛と捕獲……捕獲って何なんだろうなぁ」
護衛は言葉通りの意味だとしても、捕獲とは。ツバサちゃん達を捕まえろってこと?
そう言えば、昨日、街中で走り回るとか何とか言っていた。もしかして、走り回るのって……いや、やめておこう。不確定要素だけで推察するのは私の悪い癖だな。
本部のテントには一足先に到着していたらしいセラフィーヌさんと、元々本部にいたのかアルフォースさんの姿があった。
私達の姿……というよりは、アルドアーズさんの姿を見つけたセラフィーヌさんはパッと顔を輝かせ、こちらへと駆け寄ってくる。そんなセラフィーヌさんに少し遅れつつも、アルフォースさんもこちらへ歩み寄る。
「アルドおじさま! お久しぶりです!」
「お~♪ セラちゃん、久しいな。アルさんも」
「えぇ、ご無沙汰しております。アルドアーズ様」
「あっはは! 『様』はよせと何度言わせる気だい? まあ、そこがアルさんらしいがの~」
「そうですよ。海の国を支える重要人物の一人ですから。気軽に呼べません」
そ、そうなんだ……?
ちらりとティールを見ると、苦笑を浮かべつつ、「一応」と答えた。
「あれでも、外交官みたいなことやってるんだよ。父上の手が回らないところを代わりに見て回ってる」
なるほどな……じゃあ、やっぱり私もアルドアーズ様って呼ぶべきでは。
「身内からすると、仕事よりも私情でふらふらしてることの方が多いから、敬う必要はあんまりないかなぁと思う」
おおらかなティールからそこまで辛辣な評価を聞くとは……私以外にもいたんだな、そんな人が。
とはいえ、仮にティールの話がなくとも、先程「アルドアーズさん」呼びをすると言ってしまった手前、今更変えるのも変な気分である。私は「アルドアーズさん」って呼ぶか。
私とティールが話している間にもアルドアーズさん達は楽しそうに談笑をしているらしく、和気あいあいとした雰囲気が漂っていた。
「──それにしても、セラちゃんはますます美人になったの~♪」
「あら、アルドおじさまったら♪ お世辞はよしてくださいな?」
……隣に旦那様がいるにも関わらず、セラフィーヌさんを口説いてらっしゃいました。いや、口説いているというよりは、あれはアルドアーズさんのお決まりの挨拶なのかもしれない。だって、そう思わないと、アルドアーズさんが粗相のない人みたいになってしまうではないか。
ここに! 孫も見てますよ、アルドアーズさん!!
セラフィーヌさんとアルフォースさんは気にするでもなく、楽しそうに笑うだけだ。アルドアーズさんの口も止まるところを知らない。
「いやいや? お世辞でもなんでもないさ。会う度に君の美しさは精度を増していくようでとても魅力的な女性に──」
「ピィッ!」
「あだっ!?」
アルドアーズさんが止まらないので、フィアがつつきで無理矢理止めてくれた。そして、ずっと沈黙を守っていたルーメンさんも笑いながら─あまり目は笑ってないけれど─会話に割って入ってきた。
「ワシの娘を褒めるのはよいが、言葉は選んでくれないと困るのぉ? 昔、アズの言った冗談、ワシは未だに許しとらんぞ?」
「はあ!? まだ根に持っとるのか! あれ、いつの話だと思ってるのだ」
冗談……?
私とティールが首を傾げていると、セラフィーヌさんが小さく笑いながら、「実はね」と話してくれた。
「お母様が生きていた頃……私が三歳くらいだったかしら。初めて私と会ったとき、アルドおじさまが『私の息子の嫁に来るか?』って言ったんですって♪」
「それを聞いたお義父さん、それはそれは鬼の形相だったって話ですよ?」
あの……ティールさん? アルドアーズさんって本当に君のお祖父さんなのかい? 本当に血縁者?
「……お祖父様ぁぁ!!??」
「可愛い娘がおったら言いたくなってしまってな。あの頃はブライトにも婚約者おらんかったし」
「絶対、それだけが理由じゃないっ! 下心あるでしょ! お祖父様だもん!!」
「流石に幼子相手にそれはないかなぁ~……? 完全にその場のジョークのつもりだったぞ~? まあ、ルゥはジョークをジョークと取らなかったんだがなぁ」
「言ってよいことと悪いことがあるんじゃよ、アズ」
「ルゥがセラちゃん大好き過ぎるだけだろうて。親馬鹿なんだよ、お前は」
アルドアーズさんの悪い冗談ととるのか、ルーメンさんが娘に対して溺愛すぎるととるのか……難しいところかもしれない。



~あとがき~
くっだらない話で一話終わったが??

次回、そろそろ舞を始めます。多分。

アルドアーズがただの厄介おじいさんになってて震えてます。元々はそういう風な感じにするつもりはなかったのですが、アルドアーズという人物を練り上げていくにつれて、こんな人になってしまいました。
おかしいなぁ……?

ではでは。

空と海 12年と9年

はい! ギリギリ間に合ったっっ!!(笑)
ってことで、本日、小説版『空と海』が9周年を迎えました。そして、1ヶ月前くらいに空と海自体が12周年かな? なんかそんくらいになってました。
ってことでいつものだー!!

f:id:nyanco-sensei:20220402105026j:plain
記念イラスト

なんかアナログでちゃんと描くの久しぶりな気がします。というか、ピカ達を描くのが久しぶりな気がします。←

小説、最後に投稿したのいつだっけってなってましたが、確認したところ、最後が去年の5月くらいでした。
これは流石に放置しすぎですね。なんなら、1年経つが??(滝汗)
いや、1年以上放置してるものも数多くあるのだけれども。あるのだけれども……(小声)

まあ、それはそれとして。
(超スローペースな更新頻度だとしても)長年連載している空と海の1年放置は流石にまずいとなってる私です。
なので、死に物狂いで続きを書いて、4月中に1話、投稿しようと思っています。多分、月末になるかと。が、頑張るぞぉ~……!
というか、あれだな。なんの話してたっけ状態な気がします。今はあれです。ポチャの親、ブライト&セイラがピカ達のところへやってきてる話です。はい。
そんな話の続きを今月末くらいに再開させようとあれこれ頑張りますので、もう少々お待ちいただければと思います!

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第301話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわいわいしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、謎のご老人に話しかけられ、その正体はティールの祖父、アルドアーズでしたっと。
そんなアルドアーズと一緒に本部目指すぞい。
アルドアーズ「よろしくの~♪」
正体ばれた途端、おじいちゃん感増したな。


《L side》
このまま放置しているとティールとアルドアーズ様の口論─というか、ティールが一方的に小言を言っているだけ─が始まってしまいそうなので、慌てて二人の間に割って入る。
ティール! 色々、積もる話はあると思うんだけど、歩きながらでもいいかな。時間はあるとはいえ、そろそろ向かわないとまずいかなーと」
「あっと、そうだよね。ごめん……でも、お祖父様は」
「アルドアーズ様も一緒! 実はルーメンさんに用事があるんだって。……ですよね!」
「うむ♪ よいかな、ティール?」
「……まあ、そういうことなら、ぼくは構いません」
よーしよし! そんなティールには飴ちゃんあげようねー!
先程、アルドアーズ様から貰ったバラの飴細工を差し出す。ティールはじとっとアルドアーズさんを睨むものの、黙って飴細工を受け取って、そのままぺろりと舐め始める。
「そういえば、お嬢さん達の名前を聞いてなかったの。聞いてもよいかな?」
「あ、そうでしたっけ。ごめんなさい。……私の名前はラル・フェラディーネと言います。ティールと探検隊でやってて、一応、彼のパートナーです」
「ボクはね、しずくってゆーの! よろしくおねがいします!」
「そうかそうか~♪ よろしくのぉ♪ 私のことも改めて自己紹介といこう。私の名はアルドアーズ・クランド。昔は国を束ねておったが、今じゃ単なる放浪者やっとるかの。気軽に『アズじぃじ』と呼んでくれて構わんぞ?」
うん、恐れ多いので呼びません。呼べません。
「そうか? それならせめて、様はよしてくれるとありがたいなぁ……私はもうそう呼ばれる程の力もないからの」
「……じゃあ、アルドアーズさん、で」
「うむ♪ その方が気楽でよいわ♪ して、ティールや? いつの間にこんな可愛らしいパートナーとお近づきになっとるんじゃ~♪」
仏頂面でだんまりなティールにえいえいっと絡みに行くアルドアーズさん。ティールはそんなアルドアーズさんを鬱陶しそうにしつつも、ぼそっと答える。
「……五年前から。これ、ちょっと前に話したよ? 女の子のパートナーいるって」
「うむぅ。可愛いパートナーがおるという話は聞いとったさ。しかし、こんな美人だとは知らなんだ。ティールも隅に置けんやつじゃ」
び、美人って……ご冗談を。
「いやいや。嘘ではないよ? 本心から言っておる」
……お色気オーラすげぇな、このおじいちゃん。さてはやり手か?
突然、ティールに腕を引かれ、ぐいっと肩を抱かれる。そして、そのままアルドアーズさんに冷ややかな目を向け、抑揚のない声で「お祖父様」と、呼び掛けた。
「ぼくのパートナーに色目使わないでください。あと、孫の目の前で堂々とナンパしないで」
「色目もナンパもしとらんがな~? ふふん♪ ティールにもよき相手が見つかったようで何よりだ」
「お祖父様……ぼくは」
私のことを思って色々言ってくれてるんだろう。それは大変嬉しいのだが、このまま険悪な空気のままなのはいただけない。
そう思った私はそっとティールの肩をつつく。それに気づいてくれたティールが不思議そうに私を見下ろした。
「あの、ティール? アルドアーズさん、多分、悪ふざけしてる」
「……は?」
だって、途中から肩がぷるぷる震えてるもん。ティールが大真面目に返答するのが面白いんじゃないかな。
多分だけど、私を美人と言った辺りから、面白くなり始めてたのではないかと思う。
「お祖父様!」
「すまんすまーん♪ 孫とこうしてやり取りできるのが嬉しくての~♪」
ティールはため息混じりに私を解放する。とはいえ、アルドアーズさんの隣を歩いてほしくはないらしい。然り気無く、私と立ち位置を入れ換え、ティールがアルドアーズさんの隣を歩く。……正確には二人の間にしーくんもいるんだけれど。
「……で、実際のところ、ぼくのいないところでナンパしたのでは?」
「しとらんよ。ルゥを探しとるときに偶然、ギルド関係者の腕章をつけたラルさんを見つけたに過ぎん。ルゥを手っ取り早く見つけるには、関係者に聞くのが一番だろう?」
まあ、うん。される手前だったような気はするけど。未遂かなって感じではある。そうしておかないと、ティールがまた不機嫌になるので、未遂……いえ。何もなかったってことにしよう。
「……まあ、それはそうですけど。お祖父様の場合、腕章がなくてもラルに話しかけていませんか?」
「なんじゃ、ティールよ。久々に会ったのに冷たいの? そろそろ、いつものように『アズじいじ』と呼んでくれてよいのだぞ?」
「呼びませんし、呼んだこともない!!」
アルドアーズさんは本当に楽しそうに話している。ティールと話せて嬉しいのは本心なのだろう。
ティールも出会い頭に聞いてましたが……アルドアーズさんはなぜ、こちらに?」
「あぁ! そうだったな! しかしまあ、特別な理由はない。この女神祭には毎年足を運び、ルゥ達に会いに来とるんだよ」
ルゥ達、ということはルーメンさん以外にも会いたい人がいるってことですか?
「そうさの~……神子であるツバサとツルギの舞も目的の一つかの? それと……ラルさんのような可愛らしいお嬢さんと会話をするのも目的の一つに入るやも知れん」
あ、ナンパは常習犯なんだ……?
「お祖父様。いい加減、その悪癖をどうにかしてください。毎度、父上にも言われてるでしょう?」
「む? しかしまあ、私は昔からこうだからな。今更、変わらんわ。ブライトもこの私が変わると思って言うとらんよ」
「それはそうかもしれませんが。……よくもまあ、ルーメンさんもこんな人と仲良くしてるよ」
一応、アルバムに昔の写真を残すくらいの仲ではあるもんね。
「こんな、とは失礼な。ルゥとは昔からの付き合いだ。寛大なルゥは私のこの性格すらも許してくれるんだよ?」
……本当だろうか。
確かにルーメンさんは寛大で優しい。様々なことに理解もしている。
しかし、本当に許しているかは分からない。
「アズおじーちゃん、ルーメンおじーちゃんとなかよしなの?」
「そうだの~♪ ルゥとは親友だよ」
毎年、お祭りの時期に会いに来るのなら、その言葉に嘘はないのだろう。
アルドアーズさんはニコニコ笑顔で私に語りかけてきた。
「私の話より、ラルさんの話が聞きたいのぉ」
「……わ、私の?」
「ラルさんはティールとチームを組んでおるのだろ? その辺の話を是非とも聞かせておくれ」
それなら、私でなくてもティールから聞かされているんじゃ……それに面白い話も特にないんだけれど。
「お祖父様、ラルと話したいだけでしょ」
「そりゃ、可愛いお嬢さんと話したいに決まっておる!」
「高らかに宣言しないで!?」
「まあ、ティールの話をラルさんから聞きたいのも事実ではあるがの? して、どうかな?」
え、えっと~……話すのは別に構いませんけど……?
ふと、私達目掛けて何かが落下してきたのが目に入る。正確には、アルドアーズさん目掛けてだ。
「チュピ!」
「あだっ!?」
「お祖父様!」
凛とした鈴の音のような鳴き声と共に、アルドアーズさんの頭部に何かが突進。
突然の出来事に流石のティールも慌てた様子で、アルドアーズさんを心配する素振りを見せた。
「こ、小鳥?」
ティールの戸惑うような声に私も目線を移してみる。すると、アルドアーズさんの頭の上には小さな紺色の小鳥が鎮座していた。この小鳥が突進してきた正体なのだろう。
「おぉい! ここにおったか!」
あ、ルーメンさん。……ということは、この小鳥がルーメンさんの言っていた精霊?
ルーメンさんと一緒にルナちゃんとその母親らしき女性の姿もあり、こちらへと駆け寄ってきていた。
その間も小鳥は容赦なくアルドアーズさんの頭をつつきまくっている。
小鳥さん、アルドアーズさんに恨みでもあるんだろうか……? 滅茶苦茶、怒ってません?



~あとがき~
そんなつもりはなかったけど、ティールがアルドアーズに滅茶苦茶反抗してるな?

次回、アルドアーズとルーメン。
お楽しみに。

こういうお茶らけた(?)キャラを書くのはあまりないので、これで大丈夫なのな不安になりながら書いてます。
面白いんだけどね、アルドアーズ書くの。

ではでは。

レイ学300話突破!

う、うおぉ……(汗)
さ、さんびゃくだぁ……!?

はい。『学びや!レイディアント学園』が300話に到達しました。凄いね。びっくりだね。
季節でいうところの折り返しにすら来ていないレイディアント学園。まだ上半期突っ走っております。一体、何話まで続くのだろうか。まあ、作ってる側の我々も分かりませんけどね!!

前置きはいいか。
よっしゃ! いつもの記念イラストだぁぁ!!

f:id:nyanco-sensei:20220324153032j:plain
おめおめのスカイ。

夏祭り仕様のラル、ティール、雫の三人。
いつか描くって言いましたのでね。こんな格好で夏祭り満喫してますよってことで。



f:id:nyanco-sensei:20220324153059j:plain
おめおめの精霊達。by.mike猫

ケアル家の三人が従えている(?)精霊達です。
黒猫精霊ネロちゃん。(主はセラフィーヌさん)
斑兎精霊クルスくん。(主はルーメンさん)
そして、白竜のリラン。(主はツバサちゃん)
リランの存在感が凄いです。それだけしか言えん。



ってことで!
300話だから特に企画をしよう!……とは思っておりませぬ。なんも思い付かんしな……500話とかなら何かするかもね。いや、そこまで続くかも分かりませんが。

さてさて。
300話になりましたが、まだまだ夏真っ盛りです。ラル達の夏は終わりません! 200話の時も言った気がする!!
流石に400話辺りでは季節も移ろっていると思います。えぇ、思いますよ。……お、思いたいよ??(汗)
女神祭もこれからなので、どうぞお楽しみに!
次回更新でお会いしましょう~!

ではでは!

学びや!レイディアント学園 第300話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でわちゃわちゃしてる物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ティールとセラフィーヌさんのお話が終わりました。今回はすこーし時を戻して、一方その頃、やります。
ティール達の会話があった同時刻だと思ってくださいませ。


《L side》
ティール達から少し離れたベンチに座り、私としーくんは仲良くたこ焼きを食べていた。
周りはカリッと狐色に焼き上がり、中はとろりとしていていながらも、タコの存在感を感じられる一品……大変美味である。
「しーくん、ちゃんと冷ましてから食べるんだよ?」
「ん! ふーふーするからだいじょーぶ!」
一生懸命、たこ焼きを冷まそうとするしーくん、滅茶苦茶可愛いなぁ。
頑張って冷ましても、流石に中までは冷ましきれず、時折熱そうにしつつも、美味しそうに頬張るしーくん。
あぁ、これぞ眼福です……!
「……あぁ、そこのお嬢さん、少しよろしいかな?」
「? 私ですか?」
顔を上げると、そこには紳士的な雰囲気のある老人が立っていた。夏だというのに、ワイシャツにベスト姿というエレガントな装い。どこかのご貴族様だろうか。
白にほんの少しの青を垂らしたような薄水色の髪、片目には黒い眼帯をしている。
「この街のギルドの長……ルーメン殿はどちらだろう? ご存じないかね?」
なるほど。ルーメンさんのお知り合いかな。
私の腕章を見て、ギルド関係者だと見分けたのだろう。ルーメンさんの知り合いなら、それくらいのことは事前に知っているだろうし、それで声をかけたのなら、尚更だ。
どことなく、こうした声かけにこなれている気もするが、まあいい。問題ないだろう。
「申し訳ありません。私は把握してませんわ。……あの、少々お待ちいただけますか? 係の者に連絡してみます」
「おぉ、そうかい? 急いでないからゆっくりで構わないよ」
あはは……連絡するくらい、すぐ終わるけどな。
しかし、このご老人。どこかで見たような……どこでだろう?
会ったこともないはずの老人に既視感を覚えながら、アラシ君に連絡をしてみる。数コール後、訝しげな様子で返答が返ってきた。
『……今度はどこで誰を何人吹っ飛ばした?』
「やだなぁ。私からの連絡がそればっかりみたいじゃーん」
『実際! お前からはそれしか連絡受けてねぇから!! 全部、事後報告しやがって!』
「でも、平和だろぉ?」
『ぐ、ま、まあ……今のところ、大きな問題は起きてねぇけど。……で? やらかし報告じゃないんならなんだよ?』
こほんと咳払いを挟みつつ、アラシ君が問いかけてきた。
「聞きたいことがあるの。ルーメンさんの居場所、知らない?」
『ルー爺? 俺の隣にあるテーブルで茶とイカ飯食ってっけど』
……イカ飯ってイカにお米詰めたやつだよね? なんでそのチョイスなのよ。
『知らねぇよ。俺じゃなくてルー爺に聞け』
「うん、ごめん。ついこう……突っ込んでしまった。じゃなくて……あの、ルーメンさんに会いたいってご老人がいて」
『……老人? ちょっと待ってろ』
と、アラシ君の声が一度途切れる。通信が切れたわけではないので、単に声の届かないところにいるのか、聞こえないようにしているのかの二択だろう。
『悪い、待たせた。その老人って片目に眼帯着けたおじいちゃん?』
「うん。そう。で、そこそこ身なりのいいおじいさま」
『OK……え? あー……うん。でも、それだとすれ違いに…………あぁ、なるほど。了解。ラルにも伝えるわ。……ってことで、ラル』
「ん。はいはーい?」
『その人、本部まで連れてきてくれだってさ。ルー爺もイカ飯食べ終わったらラル達の方に向かうからって』
連れていくのは構わないが、ルーメンさんも向かうのか。それだとこの人混みの中、入れ違いになる危険性がある。どちらかは動かない方がいいのでは?
『あと、ルー爺の方は精霊使ってラル達を見つけるから問題ないってよ』
「……なるほどね。便利なことで」
ルーメンさんの精霊か。今のところ、使い捨てゴーレムと兎のクルス君、ダンジョンの案内人ユウアちゃんしか知らない。ゴーレムとユウアちゃんはないだろうから、使うとしたら、クルス君なのだろうか。
探索向きとは聞いてないけど……?
『ルー爺が言うんだ。ラル達は言う通りにしていいと思う。……あと、これは関係のない話なんだが』
「うん? 他に何かある?」
『この後、俺は舞の準備でここを離れるから、ラル達の通信に応えらんない』
「あぁ、そうか。もうそんな時間か」
元々、本部に向かう途中で小休憩を挟んでいた。そりゃ、舞の時間も着々と近づいているよね。
老人を連れて、本部に到着する頃には、いい時間になっていそうだ。
『つまり、お前の後始末もできなくなる。余計なことはすんなってことで』
「はーい。善処しまーす」
『言ったな? 本当だろうな?』
おう。まあ、保証はしねぇがな。
どこか文句を言いたそうにしていたアラシ君の通信を一方的に切り、目の前のご老人にルーメンさんの居場所が分かったと告げる。
「本当ならすぐにでもお連れしたいのですが、実はこの場には私の友人も来ているのです。その友人が戻るまで、お待ちいただいてもよろしいですか?」
「もちろん。元々、こちらがお願いしている身だ。それくらいいくらでも待とう。それにお嬢さんのような可愛らしい子の頼みはいくらでも聞けると言うもの」
……はあ、そう、ですか?
これが紳士的な対応なのだろうか。レディーファースト、みたいな……? いや、違う気がする。
ご老人はふと辺りを見回し、にこりと笑った。
「こんな老いぼれの助けをしてくれる礼に何かプレゼントさせてほしいのぉ。……少し待ってておくれ?」
「え、いや、そんな悪い……ってもういない」
意外と身軽なおじいさまだな。止める隙すら与えてくれなかった。
おじいさまは近くにある飴細工の屋台へ向かい、数分後に戻ってきた。その手には繊細な細工を施された飴が数個ある。
「ほれ。適当に選んでしまって申し訳ないが……お嬢さんのご友人にも分けとくれ」
「ほわー! すごーい! きれー!」
兎、小鳥、バラ……どれも綺麗で可愛らしいけど、チョイスはどれも女の子向けな気がする。友人って、女の子だと思われているのだろうか。
まあ、ティールのことを彼とか、男だと判断するようなものを口にしていないせいでもあるか。まあ、困るものでもないし、放置していよう。
差し出された飴細工を受け取りつつ、しーくんにも見せてやっていると、私達の名前を呼ぶ相棒の声が聞こえてきた。
「ごめん! 待たせた!」
おや、噂をすればなんとやら。
ティールは申し訳なさそうにしながら、こちらへと駆け寄ってきた。それと同時に、私達と一緒にいるおじいさまにも目が合うわけで。
「え?」
「おや?」
そりゃ、びっくりするよな。自分のいない間に見知らぬご老人と仲良く(?)なってしまってるんだもの。いやでも、勘違いしないでくださいね? これはお仕事の一環なのです、ティール様! 決して、変な人に絡まれているわけでも、捕まっているわけでもなくてだな……!
「そのことなんだけど、ティール。ちょっと話があって……」
ティール! ティールじゃないか~♪ こんなところで会うとはな。奇遇じゃの~」
「アルドアーズお祖父様こそ! こんなところで何をしているのですか!?」
おじいさま? おじいさまって……あの、お祖父様?
「え、ティールのお祖父さん? この人が?」
待て。待ってくれ? ティールのお祖父様ってことは、つまりだよ? 前国王のアルドアーズ王ってことぉ!?
「……はっ! 私の感じた既視感は間違ってなかったのか!」
ここへ来た初日、ルーメンさんのアルバムにあった一枚の写真。若かりし頃のルーメンさんとアルドアーズ王が写っていた。それかぁ!!
一人で騒ぐ私に対し、ティールはどこか冷ややかな目線を向けてきた。
「何、納得してるの?」
「いやぁ、このおじいさまどこかで見たなーって思っててさぁ」
「あ、そう……?」
「うゆ? このおじーちゃん、ティールのおじーちゃんなの?」
純粋無垢なしーくんは素朴な疑問をティールに投げかける。複雑そうな表情を浮かべつつも、ティールは渋々といった様子でゆっくり頷いた。
「う、うん……そうだね。この人はぼくのお祖父様なの」
「はわ~! そーなんだー!」
「なんだ。お嬢さんのご友人とはティールのことかぁ~♪ して、ティールや。なぜ、ルゥの街におるのだ?」
「それはこっちの台詞です! というか、先程、言いましたけどね!?」
ティールの血族としては、なかなかに濃い人がいるもんだなぁ。



~あとがき~
ちょいちょい名前やら醜態を晒してきましたが、これがアルドアーズ本人です。

次回、アルドアーズとスカイ。

やっとご本人の登場です。
これがアルドアーズだ!!(二回目)

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第299話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界な物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ティールとセラフィーヌさんがお話し始めました。
ラルは神様とミルティアのことやらを話すのに対し、ティールは自身に纏わるお話でした。
今回も前回の続きです。


《Te side》
「……実はね、お父様はライトくんとお姉様からティールくんの修行先を相談されたの。そこでレイ学への留学を勧めたのが始まり」
両親が信頼しているルーメンさんに、息子の今後の相談をするのは当たり前なのかもしれない。
「お父様、サフィアおばさまが亡くなってから、ティールくんとライトくんの関係が悪くなってるのを気にしてたみたいでね? 何かあったときのために準備をしていたの。その一つとして、レイ学への留学を勧めたんだと思う。……きっと、サフィアおばさまとの約束を守るために」
生前、お祖母様が言い残していたとこの前、ルーメンさんから聞いていた。
家族をお願いします、と。
誰よりも優しくて、家族を想うお祖母様からの遺言をルーメンさんは守ってくれていたんだ。
「でもね、その頃のライトくん達はティールくんに強制的にここへ行け、なんてしたくなったみたい。だからこそ、レイ学だけじゃなく、他の学校のパンフレットもたくさん用意して、ティールくんに決めさせたのね」
両親はぼくの意思を尊重し、いくつもの学校のパンフレットを用意してくれていた。親に決められたものではなく、自分で選択しろと……後悔のない選択をと父上に言われた。
しかし、疑問が残る。
「なぜ、ルーメンさんはぼくがレイ学を選ぶって分かってたんでしょうか。探検に興味を持っていたからと言って、確実に選ぶとは限らないですよね?」
「そうね……お父様がなぜそう確信していたか。……理由は二つあると思う。一つは今、ティールくんが言ったように探検への興味かな」
じゃあ、もう一つは。
セラフィーヌさんは楽しそうにニコッと笑うと、口を開く。
「もう一つは、お姉様。ティールくんに留学の話をするとき、お姉様ならレイ学を勧めると分かってんだと思うわ」
……母上が。
そういえば、留学の話を持ちかけられたとき。……もっと言えば、数あるパンフレットを渡されたとき、母上は一つのパンフレットをぼくに見せてきた。それがレイディアント学園のものだった。
ここでなら、探検について専門的に学べると力説された上で、離れ離れは嫌だと滅茶苦茶泣かれたことを思い出した。
あの頃から、ルーメンさんに誘導されていたんだな。きっと、ぼくも父上も母上も、みーんな。
「お姉様はちょっと分からないけど……ライトくんは途中で気づいてたと思う」
「え? それはルーメンさんのペースだってことにですか」
「えぇ。それでもティールくんのためにってそのままにしてたんじゃないかしら? いくら家の仕来たりでの修行といっても、幼い息子を見知らぬ土地に一人で放り出したくはないもの。少しでも信頼の置けるところへ送り出したいと思うのは、ライトくんの思いやり」
全然、干渉してこなかったくせに。
留学先を決めたときだって、大した反応なかったくせに。だから、ぼくのことなんて、どうでもいいのかと思っていた。
でも、ぼくを知らんぷりしていたわけじゃないんだな。見てなかったわけじゃなかったんだな。
父上は……父さんは父さんなりにぼくのことを考えてくれていたんだ。
「ま、それを口にしないせいで、ティールくんが勘違いしそうだったから、今のこのタイミングでネタばらししちゃったってわけ♪……だから、ね? あまり、ライトくんを嫌わないであげて?」
「……え?」
どこか困ったように、そして、心配するような声色に、ぼくは思わず聞き返してしまった。
「民の気持ちは誰よりも理解できるくせに、一番理解しなきゃいけない家族の気持ちには鈍感。あと、自分一人が頑張ればいいとか訳の分からない理由で、黙々と仕事しまくって、且つ、他人をまーったく頼らないまんま仕事しちゃうような……にぶちん朴念仁野郎なライトくんだけどっ!」
最後の方はほぼ悪口なのではと思ってしまうが、セラフィーヌさんのその言葉は熱を帯びていた。
ルーメンさんのときも思ったけれど、凄い言われようだな。うちの親。
「……それでも、ティールくんのことを想っているのは確かなの。不器用だけど、ちゃんと大切にしようって……ライトくんなりに考えてくれているから」
「はい。分かってます」
「そう。それならよかったわ。……これで更に関係が拗れるようなことがあれば、今度こそ、ライトくんのこと、ぶっ飛ばすところだったわ♪」
あ、あはは……ご冗談を。
……冗談だよな?
「あの、セラフィーヌさん? セラフィーヌさんにとって、ぼくの父ってどういう存在というか……どう思ってるんですか?」
話の端々から、どこか父上をけなしているというか、扱いが雑に感じるというか。
その辺りが気になってしまい、聞いてもいいものかと思いつつも、聞いてしまった。
ぼくの質問に、セラフィーヌさんはぽかんとしていたが、すぐに考え込むような仕草を見せる。そして、ぽつりと一言。
「ん……そう、ね。私から大切なお姉様をかっさらった泥棒お義兄ちゃん、かしら」
「……へ?」
「もしくは、お姉様を泣かせた大馬鹿野郎とも言えるかもしれないわね」
違いが分からないくらい、酷い言われようだ。あと、あれだ。セラフィーヌさん、母上のこと、大好きなんだな。多分、父上よりもずっと好きなんだろう。だからこそ、父上の扱いが雑なのだ。
とはいえ、先程の……真面目な話をしていたときの発言に嘘はないと思う。だからまあ、結論としては、セラフィーヌさんは父上のこと、ある程度は理解し、信頼しているんだろう。母上を思う気持ちには負けるけど……ってことなんだな。
そいや、ツルギもどこか似たような雰囲気あったな。セラフィーヌさんとツルギ、親子だな。……うん、そういうことにしておこう!
「はぁ……正直なところ、ライトくんは言葉が足りないのよ。これ、昔からずっとなんだけれどね?」
「え、あ、はい……?」
あれ。もしかしてこれ、父上に対する愚痴になってる?
「ブライトという人物を知れば、家族思いの人なのだと分かるんだけれどね~……あの人の場合、愛情表現が極端なの。例えばよ?」
「はい」
ティールくんがライトくんと話し合っても結局、分かり合えなかった。その結果、ティールくんは王子としてではなく、探検隊として生きていくと決めるでしょう?」
例え話が飛躍してるな~……ルーメンさんにも離反しても問題ないとかなんとか言われたけども。
「もしそうなったら、ライトくんはティールくんと親子の縁を切るくらいはすると思うのよ」
「…………は!?」
いくらなんでも、そこまでするのだろうか。いや、確かに探検隊として生きていくのなら、『王子』である必要はない。そこまでは理解できる。……が、親子の縁まで捨てる必要もなくないか。え、ないですよね?
「た、例え話! これは例え話だからね?」
「あ、はい。大丈夫です。分かってます……その、流石に驚いちゃって」
「そうよね。でもね、ライトくんはそれくらい平気ですると思うのよ。探検隊として王族、王子の肩書きは足枷になりかねないものだから。それらを捨てるには『絶縁』は手っ取り早いやり方だもの。……極端すぎるけれどね? 流石のライトくんもこれはやらないと思うわ」
と、こほんと咳払いを一つする。
「とにかく、ライトくんがどんな行動をしてもそれは、ティールくんを思っての行動だって知っててほしいの」
「……えぇ、と、はい。それは大丈夫です」
絶縁がぼくのためとは思えないけれど……まあ、うん。父上の考えも分からなくはない、かな。分かるだけで、理解も納得もしないけれど。
「心配しなくても大丈夫♪ 絶縁なんてお姉様が許すはずないし、私だって敵に回すって分かってるはずだもの~♪ ふふっ♪ お姉様の敵は私の敵なんだから♪」
口調はとっても明るいのに、目は全く笑っていない。うん、セラフィーヌさん、本気なんだな。
セラフィーヌさんの黒い一面を見てしまった気もするが、すぐに元の雰囲気に戻ると、今度は笑顔で「これで私からのお話はおしまい」と告げる。
「せっかくのお祭り中にお時間取らせてごめんなさいね?」
「いえ。こんなところではありますが、セラフィーヌさんとお話ができてよかったと思います」
「そう? それならいいんだけれど」
ルーメンさんからだけでなく、セラフィーヌさんからも両親の話が聞けてよかった。
「じゃあ、私は先に戻るわ。ティールくん、この後のお仕事頑張ってね? ラルちゃんにもよろしく伝えておいてね♪」
「はい。ありがとうございました」
セラフィーヌさんはくるりと踵を返すものの、何か思い出したのか、ぼくの方をちらりと見た。
「そうそう。……もし、ライトくんと話すことがあったらでいいんだけれど、私からの伝言、伝えてくれる?」
「伝言……父上に?」
「えぇ。ほら、ティールくん達ってスプランドゥールの仕事が終わったら、海の国へ帰郷するのよね? 実は私も仕事で行く用事があってね。……それでライトくんに『久しぶりにい・ろ・い・ろ……と、話したいことがあるから、よろしくね』って伝えてほしいの」
……色々の部分だけ、なかなかに強調されていたような。気のせいだろうか。
「あ~……と、その伝言、父上に伝えておきますね」
「うん♪ お願いします♪」
これは、気にしてはいけない気がする。よし、気にしないでおこう。
改めて、セラフィーヌさんの背中を見送ったぼくは何度か深呼吸をして、ラル達の待つ方へ歩を進めた。



~あとがき~
なんか無理矢理納めた感が凄い。

次回、一方その頃します。
視点は戻してラルちゃんです。

誤解しないでほしいのですが、別にブライトとセラフィーヌさんは仲悪くないと思うんですよ。ただ、彼女の中の優先順位があれなだけで。不仲ではないです。
普通に仕事の話もできるし、なんなら世間話もするし、相談事もお互い(あれば)するので、信頼関係はあります。あった上で、あんな扱いです。はい。
これは本編に関係ないけど、こっちじゃブライト、一言も話してないのに、こうイメージの一人歩きが凄くて笑う。そして、偶然にも父親であるアルドアーズと同じ運命を辿っておられる。不憫な……(笑)

どっかで話したかもしれませんが、この夏休み編、スプランドゥールで終わりません。ティールの里帰りがあるんだ……夏がなげぇ。

ではでは。

学びや!レイディアント学園 第298話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界な物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、アルフさんとのお話、そしてウィル達ともお別れしました。
今回はちょいと視点変更をし、別の人とのお話をします。
まあ、変えるなんて一人しかいないけどな!


《Te side》
粗方、祭りの探索をし終わった頃。
ラルがちらりと空を見上げ、「そろそろ本部戻るかぁ」と呟いた。
楽しい時間はあっという間だ。もうそんな時間なんだな、とぼんやりと考える。
「ま、急ぐ必要はないし、のーんびり戻ろっか~」
「はーい!」
「何か食べたり、やりたいこともしながらでいいからね。それくらいの時間はあるから。……ティール、お前はもうリンゴ系統のものは食べるなよ」
あ……ハイ。
食べ納め、したかった。けど、ラルに睨まれてしまっては、もう食べるのは難しいかな。ぐぬぬ……ラルの意地悪。
「ラルちゃん、ティールくん♪ お祭りは楽しんでいる?」
ぼく達の後ろから誰かが呼び掛けてくる。その声に振り返ってみれば、そこには袴姿にレイピアを携えたセラフィーヌさんが立っていた。
「あ、どもども! セラフィーヌさん♪」
「こ、こんにちは」
「こんにちはー!」
「あらあら♪ はい、こんにちは。雫くん♪」
イグさんの計らいで時折、セラフィーヌさんに訓練してもらっているラルは、変に緊張せずに挨拶を交わしている。雫は言わずもがなというやつで、いつもの人懐っこい笑顔で挨拶をしていた。
そして、ぼくはというと、当初と大して変わらない。何か関わりのある人ではないし、特別お近づきになるような人でもないからだ。
「どうかしら? お祭りを楽しんでる?」
「えぇ。ご覧の通り、十分に楽しませてもらってますよ。これ以上ないってくらい遊びました」
「ふふっ♪ それはよかった」
「セラフィーヌさんはどうしてこんなところに? お仕事ですか?」
ラルの質問にセラフィーヌさんは「そんなところかな」と頷く。
「見回りも兼ねて、色んなお店の相談事を聞いて回っていたの。まあ、それも終わって本部に戻るところでラルちゃん達を見かけて、話しかけたんだけれどね?」
セラフィーヌさんもギルドの一員だと聞く。見回りや店の相談事も仕事の一環なのだろう。
なんて考えていると、どこか楽しそうに笑いながら、セラフィーヌさんは話を続ける。
「それにしても、丁度いいところにラルちゃん達がいてくれてよかった。実はお話がしたいなって思っていたの」
「ほう? 話ですか?」
「そう。……正しくはティールくんと、ね?」
……え、ぼく?
ラル以上に接点のないぼくと一体何を。
「できれば、二人きりでお話ししたいんだけれど……今からいいかしら?」
え、え? 今から? ぼくとセラフィーヌさんが話すの? なんで!?
訳がわからないぼくとは対称的に、ラルはどこか考え込む仕草を見せるも、すぐに考えがまとまったのか、にこりと笑って「いいですよ」と快諾。
「ちょ、ラル!? ぼくの意思は!」
「え、必要だった?」
「いるでしょ! ラルとセラフィーヌさんならともかく、ぼくとだよ? 君が決めることじゃなくない?」
「じゃあ、聞くけどさ。ティールとしては断る理由なくない?」
な、ないけど……
「だよね? それなら、次に気にするのは待たされる側の私としーくんの都合。でも、こちらとしても別に急いでないし、断る理由はない。なら、OK出してもいいじゃん」
う、あ、そ、そうだけど! そうなんだけど!!
「大丈夫だよ。心配するようなことはなーんにも起きないって。……じゃ、セラフィーヌさん。私達はあちらのベンチで待ってますので、ごゆっくり♪」
「ありがとう、ラルちゃん♪ そんなに時間は取らないから」
「はーい。まあ、その辺はお気になさらず。気が済むまでうちのティールと話してください。……よし、しーくん、あっちで最後の腹ごしらえだ! たこ焼きパーティーするぞ~♪」
「わーい! たこやきパーティー!」
あ、ちょっとー!?
トントン拍子で─しかも、当のぼくは置き去りに─何もかもが決まってしまい、その場に取り残されてしまった。
ど、どうしろって言うんだ……?
「ごめんなさいね? 急にこんなことをお願いしてしまって」
「……あ、いえ。その、大丈夫です。彼女の言う通り、断る理由はないですし。それでぼくに話ってなんでしょう?」
セラフィーヌさんはほんの少し苦笑しつつも、にこりと笑った。
「大したことではないの。でも、ティールくんに謝らないとって思って」
……謝る?
ぼく、セラフィーヌさんに何かされたっけ。いや、記憶にない。第一、セラフィーヌさんとは接点がないと思ったばかりではないか。
「ケアル家とクランド家の繋がりを今の今まで隠していたこと……それを謝りたくって」
そんなこと……というか、それ、セラフィーヌさんは何も関係なくないか?
確かに、ぼくはレイ学に入学してから今の今まで、ケアル家との深い繋がりを知らなかった。しかしそれは、両親がぼくに言わなかっただけ……つまりは、知る機会がなかっただけのこと。そりゃ、突然知らされたときは、それなりの衝撃ではあったが。
「この街に来て、あなたの両親……ライトくん達の色んなことを知ったと思う。それらを知ったとき、ティールくんは『どうしたって父親から逃げられない』なんて思わなかった? 手のひらで操られているような、転がされているような……そんな感覚にならなかった?」
……それは。
「それね、誤解なの」
「誤解、ですか……?」
セラフィーヌさんは静かに頷き、困ったように笑う。
「何て言うか……ティールくんのその考えは真逆って言うのかしら。それをお父様は正そうとしないと思うから、私から話すわね?」
いまいち、話の流れが見えてこないけれど、まとめると、ぼくが感じたあれは、実際は全くの見当違いである……ということなのだろうか。
ティールくんはね、ライトくんの手のひらにいたんじゃなくて、お父様の手のひらに転がされていたってこと。ライトくんと一緒にね?」
……ん~?
つまり、なんだ? ぼくは父上にいいようにされてたんじゃなくて、ルーメンさんに誘導された父上に踊らされてたってこと? 
いや、これは言い方が悪いか。要は父上もルーメンさんに使われていたってことだ。多分?
ティールくん、留学先を決めるとき、色んな学校のパンフレットを見せられたと思うんだけれど、その中から留学先を決めなかった?」
ぼくはその問いに静かに頷く。
確かにそうだ。
修行方法として、年齢的な観点から学校へ通うことになったぼくは、他国の学校からレイ学を選んだ。
理由は単純だった。家から遠く離れられて、探検や冒険について学べると知ったから。
「ふふ……やっぱり♪ 流石、お姉様とライトくんの子供ね? お姉様達から話を聞いて、小さい頃から冒険や探検に興味があったんでしょ?」
「えっと……はい。そうですね」
「それ、お父様にはぜーんぶお見通しだったのよ。それを含めて、お父様はティールくんがレイ学に入学するように誘導したんだと思うわ♪」
ゆ、誘導って……本人はその場にいないのに。
戸惑いを隠せないぼくにセラフィーヌさんは少しだけ得意気な表情で笑う。
「お父様、そういうの得意なの。誘導尋問みたいこと♪」
誘導尋問された覚えもないんですが!?
……けれど、そうだな。
ルーメンさんは両親を使って、ぼくをレイ学に入学するように意識を向けさせたのだろう。
何をどうやってそうさせたのかはさっぱりだが……まあ、あのルーメンさんならやってしまうのかもしれない。というか、成功してるから、ぼくはレイ学に通っているわけなんだよなぁ。



~あとがき~
全てはルーメンさんの策略なんだよぉぉ!!!
ルーメンという名のラスボスかもしれん。

次回、ティールとセラフィーヌ。
もうちょい続きます。

ティールがレイディアント学園に通う理由というか、選んだ理由ですね。それが明らかとなりました。両親が選んだわけではなく、あくまでティールの意思によるものではありますが、それすらもルーメンさんが上を行っていた……みたいな感じですかね。
関係ない話ですが、ティールの父であるブライトの場合は当時の王様(父親)に「ここ行ってこい。ここ」と言われて、ルーメンさんのギルドに行ってます。ブライトとしては特に異論はないけど、そんな経験もあって、修行先を選ばせられるのなら、そうしてやりたいという思いもあったのかもしれませんね。
こうも子供のことを考えているのに、不仲になる理由が謎すぎる。お前ら、コミュニケーション不足か?? あれか? 思春期なのか??(笑)

ではでは。