satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第19話

「……どんな気分だった?」


…………う。
「とーいですぅ……ピカさん、まだですか?」
「まだ。これって、結構広いんだよねー♪」
うわぁぁ!!
「イブちゃん、焦っても仕方ないんだよ。のんびり行こう? ポチャいるから、大丈夫だと思うよ? 多分」
多分………ですか。
「うん、多分」
……………チコちゃん。
「待っててね! 絶対そっちに戻るからね!!」
「上に向かって言っても聞こえないよ?」
あう……

「…………………ポチャさん」
「……………何? チコ」
「やる気が見えませんよ、あのポワルン
「そうだね……何しに来たんだろ」
しばらくの沈黙。
ポチャとチコの対面するようにふわふわ浮いているポワルン。全くやる気が感じられない。
おそらく、敵だ……というのは理解しているチコだが、相手が攻撃してこないので、冷戦状態にある。
「あー……絶対に黒の方が楽しいよなぁ……あのピカチュウとやり合いたかった」
「………! ねぇ、何しに来たの? 君」
「あ、怒った? だよねー♪ 大事なパートナーだもんねぇ? あ、でも、あんたが言えるかしら?」
「…………?」
チコは二人の会話についていけず、首をかしげた。
「あんたが傷つけたんでしょ?……どんな気分だった? 仲間同士でやりあうって」
「あれは……」
「ま、いいか……“十万ボルト”」
「“れいとうビーム”!!」
双方の技が激しくあたり、相殺される。その瞬間、ポチャは高く飛び上がった。
「“バブルこうせん”!」
「………チッ……避けられない!!」
バババッ!と繰り出された“バブルこうせん”は、ポワルンにヒットする。
「すごい……ポチャさん……強い!」
「………くぅ……いったぁ……なめすぎたか……」
「ぼくだって……ぼくだってスカイのメンバーなんだ! リーダーの決めたことは守るよ……必ずね」
ぐっとポチャが構える。
「くくっ……きゃはははっ!! あー……おかしい……守る……あははっ! 出来るのぉ?」
「………どういう意味」
だから……とポワルンが続けた。目線はチコに向けて。
「こういうことよ! “かえんほうしゃ”!」
「………!!」
「しまっ……チコ、避けて!」
チコは動かなかった……否、動けなかった。あのときの記憶が重なり始める。
「チコ!!」
「い……」
「っ! 間に合え!! “ハイドロポンプ”!!」
ポチャはジャンプし、ポワルンに向かって発射した。それがブーストになり、勢いでチコの前に立つ。
その直後、ポワルンに“ハイドロポンプ”が、ポチャは“かえんほうしゃ”が直撃。
「ポチャ……さん」
「あっつ……チコ、大丈夫?」
こくん、とうなずく。
「冷たぁ……寒いんだけど。もう、何すんのよぉ」
「……君のせいだけど。自業自得じゃない?」
「…………ま、そうなんだけど………でもまだ……終わらないわよ!」
ポチャは、再度構える。ポワルンがぐっと力をこめ、技を出そうとした瞬間に声が聞こえた。
「パール……オパール
「!!」
「あら、黒。早いわね……まさか、やられたんじゃないでしょうね?」
シュッと先程のカゲボウズが現れた。ポチャはピカとイブがやられたのか……と思った。しかし、あのピカがやられるわけがないと考え直す。
「やられましたよ……色んな意味で……」
(ピカがなんかしたんだ!!……何したんだろ)
ポチャはなんとなく、ピカがあらぬ方向へもっていったのだと悟る。
あらぬ方向とは、まぁ、あれなのだが。
「帰りましょう……あの方からもそう言われましたし」
「お姉様が?……そう、ならいいけど。寒いし、風邪引く……絶対」
「それでは、あの二人にもよろしく……」
よろしくされたくない、とチコ。ポチャは無言で相手を見る。
「じゃあね?……海の国の次期国王様?」
「!! おい、まて!」
ポチャが叫んだときには、すでにいなくなっていた。しばらく二人とも喋らずに敵が消えた方を見つめていた。

「ポチャさん……あの」
時間がたった頃、チコが口を開く。
「ありがとうございました……ワタシ、その……動けなくて……」
「あ……ううん。ビックリしたよね。それに、苦手なタイプの技だし……気にしないで」
「ごめんなさい……」
今にも泣きそうな顔で謝るチコを見たポチャは驚く。そして、慌てて付け足す。
「大丈夫だよ! 謝ることないから……慣れてるし! うん……大丈夫だよ!……チコ?」
「…………」
「もしかして……怖かった?」
「………はい………ちょっと、トラウマあるんで……火」
トラウマ……とポチャが呟く。
「ごめんなさい……」
「大丈夫。もう大丈夫だよ……安心してね、チコ」
優しくゆっくりとチコの頭をなでる。
「ポチャさん」
「大丈夫……大丈夫だよ。これから、ゆっくりと克服していけば……今は無理しなくていいからね」
「………う……っ……はい」
ポチャはにこりと笑い、チコをなで続けた。チコの方は声を殺して泣いていた。
そんな二人を遠くから黙って見る、ピカとイブの姿。
「ポチャさん、ほんと優しい……」
「………いないとこ見ると、逃げたか」
ピカの方をちらり、と見て様子をうかがうイブ。そして、にこっと笑う。ピカは、イブの方を不思議そうに見つめる。
「ピカさん、ヤキモチですか?」
「………肯定しないが否定もしないよ」
「かわいいです、ピカさん♪ 照れてますね?」
「………………イブちゃん、卑怯だよ」
「えへへ……ごめんなさい♪」
むう、とふくれるピカを見て、私達と変わらない女の子なんだ……と感じたイブ。
ピカは、小さくため息をつく。そして、ぴくんと身体をふるわせた。
「…………! 誰!?」
「ピカさん?」
「気のせい……? でも今……」
「ピカ! イブ! 無事だったんだ♪」
ポチャがピカとイブに気づき、声をかけた。チコもピカ達の方を振り向く。
「………気のせいでいいか。ポチャ! 大丈夫だった?……って、見えないけど」
「あ……これは……えへへ」
「笑って誤魔化す?……ポチャらしいけど……さて、どうするか……奥まで行く?」
ピカは他の三人の方を向き、そう聞いた。



~あとがき~
こっちも一話……
ピカ達、いつの間にか抜けてるし……ま、いいけど((殴
てか、バトル描写はこっちの方がやりやすい………いつものゆるーい感じはこれは向いてないけど……
わけようかな……使い分けしよかと……
ま、当分バトルはない……予定です。

ピカ「ポチャ、やられすぎだよ……かっこよくないし」
ポチャ「!Σ( ̄□ ̄;)」
ピカ「……ま、身をていしてチコちゃんを守るのはかっこよかったけど……」ボソッ
ポチャ「ピカ、なんか言った? ごめん、聞こえなかったけど……なに?」
ピカ「ポチャは一生かかっても、かっこよくなれないって言ったの」
ポチャ「!!Σ(T▽T;)」
素直じゃないねぇ……
ピカ「作者、黙る」
はい……ごめんなさい……なので、雷姫さん向けないで……ください( ;∀;)ウルウル

次回、ギルドに戻るぞー!
ピカ「鳥、うるさいだろーな」
ポチャ「ぺラップね、ぺラップ……( ̄▽ ̄;)」
では!( *・ω・)ノ