satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

二人の姫

ポチャが私に話してくれた内容はどうにも信じ難い内容だった。雷姫は妖刀と呼ばれてはいた……が、しかし。そんなことがありえるのだろうか? 刀に弾かれた……なんて。神器……妖刀と言えど、そんなことあるのだろうか?
「………とりあえず、私も見る。どこ?」
「大丈夫なの?」
「うん……平気。だから、行こ」
わかった、とうなずき、立ち上がった。
私もポチャの後についていく。

……………この状況は?
「最初からだよ。この場所にあったんだ。ぼくはなにもしてないよ?……弾かれたけど」
でも……これは……
確かに、雷姫と思われる刀はある。私の目の前にある……が。
まるで、片付け忘れたオモチャのように床に置いてあった。無造作に。ここ、重要。
まてまてまて……落ち着け。
確かめるように、ついでに頭痛と耳鳴りを意識しないように、ポチャに一問一答をする。
「ポチャ、雷姫って神器だよね?」
「うん」
「……妖刀……だよね?」
「……って言われてたね。雷姫」
「あの……無造作すぎない? これ」
「……………そだね」
うん、よくわからない。
でも、ポチャが弾かれた……ということは本物ということ……? でも、仮に本物だとして、触った相手を弾く刀をどう持てば……?
しかし、持っていかない限り本物かも鑑定はできないし……仕方ないか。
「……私、触ってみる」
「えぇっ!? やめときなよ! 危ないし!」
慌てたようにポチャが止めに入るが、それを振り切り、雷姫に触れる。
「…………あれ? 大丈夫だ」
ポチャが不思議そうに呟く。そんなことより私が気になることは……
さっきまでの頭痛と耳鳴りが消えた……?
ぐっと力をいれ、雷姫を持ち上げる。私は弾かれることなく、普通に持てた。
「持てるじゃない……ポチャ、はい」
試しに、ポチャに向かって差し出してみる。ポチャはおそるおそる手を伸ばした。しかし、バチンッとポチャだけ弾かれ、遠くに吹っ飛ばされた。
…………これはどういうことだろう?
「…………あ」
雷姫は神器……神の器……神霊だ。もしかして、生きている? だとしたら、使う相手を選ぶということ? さっきの頭痛と耳鳴りは……共鳴していたということ? 共鳴していない者に雷姫に触れることすら許されない……?
私の中で一つ一つのピースがはまっていく。
「本物の雷姫……なの?」
―貴様の覚悟……見せてもらおう―
…………!?
謎の声がしたと思ったら、強い光が雷姫を包む。思わず、目を閉じた。

「……ピカ! ピカ!」
「え、あ……ポチャ」
自分の世界に入ってた。
そろそろ、ヤバいかもしれないな。まぁ、頭痛と耳鳴りは消えているけれど。
「………ピカ………雷姫は?」
へ?……あれ……えぇぇ!?
確かに持っていたはずの雷姫が跡形もなく消えていた。
……さっきの光か。原因がわかっても行方がわからない。
「ポチャ、ぐるっと見てみよう……さっきの光が原因だと思うんだけど」
私がそう言った途端、えっと首をかしげた。
「光……? そんなのあった?」
は……? 打ち所が悪かったんじゃないの? あんなに光ってたのに……気づかなかったのか。
「いや、別に頭は打ってないよ……ってか、気づかなかったのって……何が?」
………会話が噛み合わない。
どうやら、ポチャには見えてなかったようだ。だが、それならば私の見た光は?
……今回はわからないことだらけだ。
そのあと、私とポチャはぐるっと一周したものの雷姫の行方はわからないまま。
これ以上、ここにいても見つからないと判断し、バッジの力で基地に戻ることにした。

「………ただいまぁ………疲れた。ピカ、ギルドの報告は明日でいい?」
いいよー……疲れたし。
バターン、と倒れこむ。このまま寝てしまいたい……が、とりあえずご飯。
「ポチャ、リンゴでいい?」
「リンゴがいいっ!」
ガバッと起き上がり、ニコニコ顔で受け取った。ポチャのリンゴ好きはチーム一だ。………まぁ、そんなことを言われたところでプラス点はないのだが。
リンゴを食べながら、今日のことを整理しようとする……あー……でも、わからないことだらけで、考えたくない。
明日でいい……よね。
「ごちそうさまっ!……ふぁぁ……眠い」
「じゃ、寝よっか……おやすみ……」
「うん、おやすみ……ピカ」



~あとがき~
雷姫、登場♪
ポチャは雷姫に触れられない。
ピカは普通に持てた。
はてさて、なんででしょうね?
知っている人は知ってますよね♪

次回、雷姫とピカが接触しますよ!
多分ねっ♪((殴

どれくらい弾かれるかはご想像で。
ポチャ「軽く十メートルは飛んでない?」
ピカ「いや、私は弾かれないから。知らないよ?」
ポチャ「…………(ー_ー;)」

では! 次回をお楽しみに!