satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第7話

~前回までのあらすじ~
ライ「進化途中で止まるってどうよ……って質問からだな」
レア「今回は回想ですね♪」
ライ「……そうなの?」
レア「そうなんです♪」
ライ「あ、そう」
はっじまるっよんっ♪
ライ「作者、無理すんな。変だから」
あ…あい……( ;∀;)


「進化が途中で……止まる?」
ライから発せられた疑問をショウはとりあえず繰り返してみる。ライは眼鏡を取りながらショウに問う。
「で、どう思う?」
「俺、主旨が読めませんが……てか、まず進化が途中で止まるってあり得るんですか?」
「私は聞いたことありません」
「俺もだ。……とりあえず、ざっと説明するよ」

ライとレアが入った一室は診察室だ。本来一人でやるものだが、レアが嫌がるためにライも一緒に入るはめになった。しばらく、「やれ」「嫌です」の言い合いをしているとガラッと扉が開く。そこから顔を覗かせたのは雅だった。
「……ライ、レア。患者」
「了解。……レア、やれ」
「うにゅうぅぅ……ふあーい」
ストンとレアが椅子に座るとライは白衣をひるがえし、扉に近づく。
「雅、患者さん入れてくれ」
「……わかった」
雅が引っ込み、しばらくすると二人入ってきた。
一人はブースターでもう一人は大きさからすると、イーブイだろうか。しかし、マントを身に付けていたために本当かどうかわからなかった。
「よろしくお願いします」
「どうぞ。診るのは、僕ではないですが」
「あ、はい。……あ、診てほしいのは僕じゃないんですが……こいつです」
「わかりました。……レア」
「はい。……では、こちらへどうぞ」
ライはレアの後ろに移り、ブースターはマントのイーブイらしき人物の後ろに移った。
「……初めまして。レアっていいます♪ 外科医なんですけど、まあ、気にしないでください。あ、お名前を聞いてもいいですか?」
「……イル」
とても小さい声だったが、可愛らしい女の子の声だった。
「イルちゃんですね♪ 可愛らしいお名前ですっ!」
先程まで診察を嫌がっていた人とは思えないくらいの変化っぷりを見せる。レアはスイッチが入れば出来るのだ。スイッチが入れば。
ライとレアでは診察風景が違う。人が違うのだから当たり前なのだが、レアの診察はどちらかというと子ども向けである。
「では、イルちゃん。マントを脱いでもらってもいいですか?」
にっこりと笑いながら頼むレアだったが、イルは抵抗があるようで動じなかった。
「イル」
「だって……」
「大丈夫ですよ。私、怖いことはなにもしませんから」
「………ホント?」
「はい♪……あ、私の後ろの人もなにもしませんよ? いい人なんで! ねっ!」
急に話を振られ、ビクッと体を震わせる。
「ライくん、起きてます? 寝てません?」
「寝てないし。ていうか、いきなり振るなよ」
「ビックリしました? 可愛いですねぇ」
「……………はあ?」
「……まあ、こんな人なんで大丈夫です」
「大丈夫です、の意味がわからないけど?……まあ、何もしないから。イルちゃん、取ってもらってもいいかな」
ライとレアのやり取りで少し安心したのか、こくんと小さいながらも頷く。
ライはこれも計算かと考えるが、基本的に何も考えないのがレアだと勝手に納得する。しかし、そんな呑気に言ってられたのもここまでだった。イルがマントを脱ぐと二人は言葉を失ったのだ。
「……」
「いろんなとこ行っても……わかんないって言われたの」
「あの……ライくん、これって」
「もしかしたら、例のない症例……か?」
「でも、イーブイの大きさのまま……姿はリーフィアって……」
イルは、見た目は確かにリーフィア。しかし、大きさがイーブイのままという姿になっている。
ふむと考え込み、どうやら現段階で治療法を見出だすことは出来そうにないと判断する。ライはそんなことを考えながらイルに触れる。
「……進化したの、いつですか?」
この質問はイルに投げかけたものではなく、保護者と思われるブースターに投げかけた。
「進化したのは、先週です。僕は一緒にいなかったのでなんとも……こいつが…妹が帰ってきたのを見て……」
「妹さんでしたか……で、そのあとは?」
「もちろん、近くの診療所に。でも、先程も言ったように……わからない、と。それで、他を転々としたんですが同じ答えばかりで」
そして、ここに行き着いたということだろう。
「ここは優秀な先生がいると聞いたので……でも、やっぱりわかりませんか?」
その優秀な先生というのは誰なのかはさておき。
「現段階で治療法を見出だすことは……しかし、原因を探してみます。何か理由があるはずですから。……レア、お前、担当医よろしくな」
「了解です。……一応、入院、と?」
「そうだな。何かあるとまずい。よろしいですか?」
「は、はい。……ありがとうございます。ここまでしてくれたの、初めてです」
だろうなとライは話を聞きながら思った。大きい病院ならさておき、町の診療所や村の診療所ならば受け入れできないと答えるものだ。こんな症例、関わりたくないと思うだろう。奇病と思われても不思議ではない。
「そうだ。貴方の名前は?」
「あっ……僕は、ロキです」
「最初に言えばよかったですね。……僕はライ。こっちがレアです。少しの間、よろしくお願いしますね」
「……僕もいていいんですか?」
「もちろん」
ロキとイルは安心したような顔になる。
「………レア、案内してやってくれ。あと、ノア達を呼んでくれるか」
「了解です」

一通り話し終え、ふうと息をつくライ。
「まあ、今いるんだけどな。……で、ここまで話しといてなんだが、質問ある?」
「はいはーい! ライ先生、質問です!」
「はい。ノアさん、何ですか」
「根本的に進化ってどうなってるんですか! なんていうか……原理がわかりません。てか、進化ってなんですか?」
「………他の質問あるひとー」
「無視すんなあぁぁぁ!!」
ノアは叫びながらライを殴る。今回の技は“きあいパンチ”だ。
「いっってぇ!!……てめっ、ふざけてんの!? バカなの? ねぇ!」
「無視する方が悪い」
今まで黙っていた雅がパタンと本を閉じる。
「ライ、教えてあげれば? 今回のはあった方がいい知識だと思うのだけれど?」
「そうっすよ。ライ、よろしくお願いします」
「ショウはともかく。……雅、お前知ってんじゃねぇだろうな」
ライに見られ、ふいっとそっぽを向く。
「………………知らない」
「嘘つけ! それは知ってる顔だよ!?」
そう雅に突っ込み、はあとため息をついた。そして、外していた眼鏡をかけると、皆に向き合った。
「お前ら、しっかり聞いとけよ!! 二度は繰り返さん!」



~あとがき~
ライは診断医というお医者さんです。
まあ、ほんとは内科医なんですか。
レアは外科医。基本的に怪我の治療や手術が主です。
ノアは薬剤師とカウンセラーです。
雅も診察とか治療とか出来なくはないですが、面倒なのでやってません。探検隊のみです。
ショウは完全素人です。こちらも探検隊のみ。

次回、進化ってなんだー……みたいな。
ライの授業です。
本家とは関係ありませんからね!
できれば、審議的なのも。

雅「………ねえ、ノア」
ノア「なあに? 雅」
雅「なんで、ライを殴るの?………技で」
ノア「ノリ」
雅「……………“おうふくビンタ”とかじゃ、ダメなの?」
ノア「ダメダメ。ダメージが小さいもん」
雅「…そ、そう……」
ノア「技といえば、雅はなんの技が好きなの?」
雅「………“イカサマ”………相手の攻撃力を利用するから」
ノア「それって、ある意味……あたしより、たち悪いよ?」
雅「そう?……ノアも“イカサマ”、使えば?……ライも攻撃力、高いもの…」
ノア「確かに!」
ライ「………!?Σ( ̄ロ ̄lll)」

ではでは♪