satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第12話

~前回までのあらすじ~
ライ「久しぶりに雅の料理食ったな」
ショウ「美味しかったですね♪」
雅「あと……親の話……」
ライ「あれだろ? お前らの親はラブラブだってやつ」
ショウ「ライは母子家庭ってこともわかりましたね。……となると、名字ってどっちですか?」
ライ「んー? そいや……どっちのだろ」
雅「ライ、父親のこと……聞いた?」
ライ「この前話に出たから聞いたんだけど、星になったとか言われた」
雅、ショウ「…………………」
(本当に理由がコロコロ変わってる!!)
ライ「ほーんと、俺の父親、誰か知らね?」
ショウ「知りませんけど……同種族なんすかね」
ライ「さあ……? 何度も言うけど、見たことねぇもん」
雅「…………とりあえず…始める……」
あ、私の台詞…!


「うぅ……まだつかないんですか。こういうとき、レンさんがビュー!……ってしてくれるのに……なんで居ないんですか!」
「あの気紛れ親父に頼んだって、空から放り出されるのがオチよ? めんどくせぇとか言って、ポーイ!……よ」
「そうなんですけどぉ……絶対、そっちの方が早いですって」
「いやいや……あの高さから落とされるなら、早さより安全を取るわよ……普通」
ぶーとふくれるレア。まあ、彼女はノアの上に乗っているだけなのだが。
ノアとレアは二人で、イルが進化したと思われる“ひかりのいずみ”へと向かっていた。
「大体あの親父、サボり魔じゃない。雅以上の面倒くさがり屋よ? 私たちが頼んだところで無理」
「えぇ……レンさん、ライくんやショウくんには甘いですよ?」
「それはただ単に男の子だからよ……きっと」
「ひいきだー……あ。ここですかね?」
「んー………そうなの? レア、地図地図」
「あ、そうですね……そういえばライくん達、原因わかったんでしょうか?」
レアの疑問はもっともだ。
原因がわからなければ、治療の仕様がないというものだろう。昨日、散々ライから進化について聞いたものの、わかっていないことの方が多いのだろう。
そんな状況下でどうにかできるのだろうかということを考えてしまう。ライのことを信用していないわけではない。しかし、そういう問題ではない。
「これ、何か掴めないと長期戦……よね」
「ですね。本当にわかっていないことが多いですから。というか、私、進化についての論文を前に読んだ気がするんですけどねぇ……忘れました☆」
てへっ♪……という言葉があうような顔を想像し、はいはいと適当に答えた。
とりあえず現地には着いたようなので、さっさと調査を始めることにした。

ここはある一室。
一人で机に突っ伏しているのが見える。周りには散乱した資料で散らかっていた。
「……………なんなんだろうか」
ライは先程から同じ言葉を呟いていた。しかもそれは、昨日の夜から考えていることだ。人は見た目じゃわからない。というのは、学生時代に聞いた言葉だ。確かにそうだと学んだのは研修医のときだったか。しかし、今回は至って健康な少女が患者である。今、検査結果待ちだが、結果はとうに知れている。
「異常なんざ……見つからないだろうな。あーもう! 誰か助けてくれぇぇ!!」
ガバッ!……と体を起こすが、すぐにへなへなと突っ伏した。他の人に投げることはしたくない。したくないが、原因がわからなければ治しようがない。要するに進化さえ出来ればいいのだが。
「それが出来れば……苦労はしないよな」
そう、苦労はしない。単純なのだ。出来ればいい。
しかし、それが出来ないから困っているし、悩んでいる。解決してやりたいのに、いい案が浮かばない。
「ダメだ。頭が回らん……眠いしダルいし頭痛いし……眠い。あー……寝不足ぅぅ……」
そう呟くのと同時にピピッと電子音が鳴った。分析が終わった合図である。ライは立ち上がり、その結果の紙を取った。じっとそのまま数分間の静寂の中、検査結果を見る。そして、ゆっくりと先程座っていたところに戻るとまた突っ伏した。
「マジで異常ねぇ……至って健康な少女だよ。素晴らしいくらい、健康体だよ!! 久しぶりに見たわっ!……ふへぇ……どーすんだよ」
とりあえず文句を言うが、振り出しに戻ったことに変わりはない。
「なんかもう……これは……やることなくね……? でも、現に進化途中で止まってるし……でもそういうの、聞いたことねぇし……だけど……異常ないし……」
と、ここで区切り、ううと唸る。そして、唸ることを止めると、しばらくそのままの体勢のライ。何もせず、じっとしていた。ただ、頭だけは動いていた。
進化の方法、途中で止まる、異常ないのに……止まる。
ぐるぐると同じ言葉が頭の中で回る。結局、わからないという答えにたどり着いてしまうのだが。ライの頭の中はモヤモヤしたものが残る。これを解消出来るのは、今回の症例をなんとかしないと駄目だろう。
ふーと息を吐いた。考えるのはとりあえずやめようと思ったからだ。ライは椅子の背もたれに体重を預けると、ギィと小さく音が鳴る。そのままぼーっと天井を見上げた。
広がるのはただの白い天井である。
眠いからこのまま寝てしまおうかと思い、目を閉じた。



~あとがき~
まだまだ続きまーす♪
体に異常はない、イルちゃん。
じゃあ、なんで止まっちゃったのか……ってところですね。案外、適当な理由なんですけど……それは本編で!
ライ、完全に寝不足です。ねむねむですわw

そして、また新しく名前が登場!
レンさんこと、レントさんです。
プロフに書きましたね♪ レンさん。
どうやら、雅以上の面倒くさがり屋の気紛れ親父のようですが……どんな人なのやら……
これからの登場に期待!

次回も調査です♪
終われ、早く。
しかし、急展開もあれなので、急展開にしたいところをおさえて頑張ってます。
本当はちゃっちゃと終わらせたいんです!……でも、ダメだ……おさえろ、自分。と思いながら書いてます。

ライ「…………………」
ショウ「あれ、ライ? どうしたんすか?」
ライ「……いや、眠いな……と」
ショウ「あら……」
雅「寝たら……死ぬ…」
ライ「なんで?」
雅「仕事中に寝るの……駄目だから」
ライ「雅にしては正当な意見だな。でも、死ぬってなんだよ?」
雅「………私が…殺るから?」
ライ「こわっ!!」
ショウ「駄目だよ、雅……そんなこと言っちゃ」
雅「脅し。本当には殺らない……と、思う」
ライ「殺るなよ! 怖いし、犯罪だし!」
雅「冗談」
ショウ「雅、そんな顔で言われても全然、冗談に聞こえない………」
雅「クスッ」
ライ「あー…ショウお兄ちゃーん……俺、雅お姉ちゃんが怖いよー」
ショウ「大丈夫っすー……俺も雅お姉ちゃんが怖いですからー」
雅「………………二人とも、棒読み…」
ライ、ショウ「……………あはは…」

ではでは!