satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第40話

「おれが護るさ」


「え……………?」
フォースの思いがけない言葉を聞き、ピカはまじまじとフォースを見た。一方のフォースは、ピカに見られ、思わず目線を外し、言葉の続きを話す。
「だから、ありがとうって言ってんだよ。無理矢理巻き込んだし……その」
「へえ……そんな考えがあったんだ。意外だわ」
「べっ別に……それくらい考えるさ。悪いかよ」
「全然? 最初に会ったときは、イブちゃん以外どうでもいいって雰囲気だったからさ。何、変化でも訪れたか」
ピカの発言にフォースは体を震わせた。ピカは相変わらずフォースを見ているが、にやりと笑っている。
「なっ! あぁぁぁぁぁ!! 見るなっ!」
「照れてるの? かわいい~♪」
「照れてない! 見るな!」
「うふふ~♪ イーブイ君、可愛いね」
「うぐっ……そ、そんなことより! 質問してもいいか」
フォースはこの場の空気に耐えきれず、話題を変えた。ピカは気にすることなく、こくと首を傾げた。
「あいつらの言っていた、続き……ってなんだと思う?」
「うーん……続きだから……じげんのとうの崩壊、ダークライの悪夢……これの続きでしょ? なら、世界をどうにかしたいんでしょうね。もちろん、悪い意味で」
「でも、元凶は……」
「そう、ダークライだった。じげんのとうの崩壊もあいつが仕向けたことだったから」
「そのダークライってやつ、まだいるってことか? あいつら使ってまた仕掛けてる……とか」
フォースの答えにピカは黙って首を振る。
「それはないよ。だって、どこにいるかわかんないし……つか、記憶喪失のはずだし」
「そうか、記憶喪失なら……ん? 記憶喪失?」
「そうだよ? ダークライのやつ、ワープホール入ったんで、パルキアの攻撃受けてね。あのときのパルキア、ヤバかった」
パルキア………様か……」
「様?」
「あ……いや……こっちの話だ。じゃあ、ダークライの仕業じゃないんだな……だったら……?」
「つか、イーブイ君に関係なくない? いや、考えるのはいいけど……興味あんの?」
ピカに言われて、はっとした。
なにやってんだ、と。散々ここまで関係ないで済ましてきたのに、ここで考え出すのはおかしい。かなり、おかしくなっている。
「興味ないな……忘れてくれ」
そういえば、話題を変えたくて、咄嗟に言ったものだったなと気づく。
「そ。なら、忘れるよ。君もこのことに首を突っ込まないでね? イブちゃんにもそうよろしく」
ピカはくるりとフォースに背を向けると歩き出した。その先にポチャの姿を見つけ、駆け寄る。
「ごめーん♪ 三十分経ったの?」
「そうだよ。もう……大変だったんだよ? 二人とも詰め寄るし……振り切れない」
「ここにいるから、振り切れてるじゃん♪」
「違うんだよ! なんか……こう…対価をだね…」
「げっ……よし、ポチャ君、任せる!」
「え、困る! あー……そんなことより、大丈夫だったみたいだね……?」
「大丈夫、というか……うん。微妙かな。とりあえず帰ろっか! 基地に」
「違うでしょ。ギルドだよ」
「いやいやいや!! なんで? 私、お家帰る!」
逃げ出そうとするピカのスカーフを掴み、ズルズルと引っ張っていく。ピカはされるがままポチャに引っ張られた。とりあえず反論してみるも、ポチャは聞く耳を持たない。
そんな二人のやり取りを黙って見ていたフォースは、ごろんと横になる。
「出てきていいぞ、すぅ」
「ぷはっ!……ねえ、すーくん、ピカさんにバレてなかった?」
「知らん。おれは知らない」
「知ってるよね? 何か言ったんじゃないの? おーい?」
「………あぁ……疲れた…」
「えっと……ありがと。すーくん」
「おう……しばらく呼ぶな。戦うのキツい。……まあ、やむを得ないのは仕方ないが……完全に逃げること前提でやるから」
フォースの言葉にこくんとうなずく。
「ピカさん、強かったな。でも、ポチャさんと話してるときが一番楽しそう……って、聞いてる?」
「聞いてる聞いてる……」
聞いてないでしょとふくれるが、まあ、今回は仕方ないかとイブは呟く。
しばらくは二人してそのままで、砂浜にいた。フォースは横になり、イブはそんなフォースを見ていた。つんとつついてみるも、眠ってしまったのか反応はない。イブはしっかりと確かめてから、ふうと息をついた。
「……………今回、ちょっと怖かったな」
落とされたことが特に印象に残る。まあ、フォースの反応が意外だったのもあるかもしれない。
それでも……怖かったものは怖かったのだ。
「これから……何があるのかな……」
「……………何があってもおれが護るさ」
「ねっ…寝てたんじゃないの? すーくん」
イブの言葉を無視し、起き上がったフォース。
「ふん……電気ネズミが言ってたろ? 首を突っ込むな……と。考えるのはよせ」
「う………でも…」
「でももだってもねぇよ。関わらない方が身のためさ」
「そうだけど……関わっちゃったもん」
「今回だけだ……と思いたいがな。とにかく、帰るぞ。チコリータも心配すんだろ」
「あっ…そっか……帰らないと!」
すくっと立ち上がると、ギルドの方へ歩いていった。フォースも後につき、イブの中に戻る。
「……………すーくん、ありがと」
『…………あ?』
「さっきの、嬉しかった」
『護るってやつ? 当たり前だろ』
「………バーカ」
イブのその言葉は聞こえていないのか、反応はなく、二人の会話は途切れた。



~あとがき~
お、終わった……( ̄▽ ̄;)
ってことで、またまた考えたいた話とは違ってしまいましたが、終わりましたー♪
本当はなんやかんやでフォースがピカのこと、かばったりなんかしたりしてほしかった……のですが、なーんか……ねぇ。
まあ、いいや。

今回の件で痛手を負うフォースですが……
まあ、裏さんのせいなんだけどね?
フォース?「えー……俺様、頑張った」
フォース「どーしてくれんだよ、これ」
フォース?「どーもしねぇよ?」
まあ、とりあえず、いいや。
フォース「作者、それでなんでも済むと思うなよ」
思ってないしー………

次回、やっとコメディ路線に戻ります!
春祭り……には、入れないかな……?
んまあ、なんとかなるっしょ!
ではでは!