satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第41話

「ありがと」


ふひー……なんだかなぁ……
色々あるな……ここにきてから。
ピカさんは首を突っ込むなとは言うけれど……あっちが来るんだけどな……
まあ、こんなのは言い訳にしか聞こえない……か。
ごろんと寝返りをうつ。
あのあとはギルドに帰り、チコちゃんたちと合流。先にピカさんとポチャさんが帰ってきていた。
ピカさんがリムさんに色々着せられていたところを三十分くらい見ただろうか。
本人はすごく嫌な顔をしていたけれど……
ポチャさんが言っていたけれど、すでにお祭りで着るものは決まっているそうで。それなのに、着せ替え人形の如く、服を着せられていたのは……なんだったんだろう。
ポチャさんいわく、リムさんの趣味らしい。
「ピカさんも大変だな……」
数日後、春祭りがある。
私にとっては初めての経験。
なんとかしてお手伝い出来たらと思ったけれど、最初のお祭りだから楽しんでとのこと。新人は最初のお祭りは手伝わないという暗黙の了解があるようで。
今では毎回のように出ているピカさんたちも、一番最初のお祭りには出てないと言っていた。
「………うりゅう………ねよ…」
とにかく、明日から色々聞いてみよう。
準備くらいなら手伝えるかもしれないし……
おやすみなさい……

「……………」
「なんだよー……なんにもしてないだろ? 俺様、お前の言う通りにしたろ?」
「確かに、珍しく言うこと聞いたなとは思うけどよ……この怪我はないんじゃねぇの」
「にゃははっ♪ 知るか、バーカ♪」
ばしんと頭を叩く。
相手は四肢を鎖で縛られているため、防御ができない。
「いってぇぇ! クリティカルヒットしたぁぁ……」
「疲れた。ねよ……二度とお前になんか頼るか」
フォースはくるりと背を向けると歩き出した。相手は後ろから話しだす。
「………いい心がけだな。でも、なめんなよ? いつでも俺様はお前を飲むことは出来んだから」
「させるかよ。おれはお前に負けるかっての」
「早かれ遅かれそのときは来るさ……あのピカチュウにでも頼むか?」
「…………」
「ははっ……んまあ、精々足掻くんだな。もうすぐだろうから」
フォースはその言葉を聞くことなく離れた。その場に残された相手はちらりと自分の右手を見る。
「本当はこんなこと、したいわけじゃねぇんだけどなぁ……まあ、仕方ねぇよな。俺も足掻いてやる……さ。……あ、間違った。今は俺様、か♪」

ポチャは頭上の星空を見ながら、隣に座っているピカに話しかける。
「ピカー……結局、なんだったのさ」
「…………はて」
ピカは一言だけ放つと、そのまま黙った。隣を見たわけではないが、どんな顔をしているかは想像出来る。伊達に彼女と探検隊を組んでいるわけではないのだ。
「まあ……話せないならいいんだけどね。無理にとは言わないし」
「私にもわからんよ。ただ、世界は少しずつ動き出す……ってことかな」
「悪い方向に……か」
「そうね」
さらりと否定することなく肯定する。驚くことはなかったが、希望を言えば否定してほしかった。
「ねえ、ピカ……」
「大丈夫、大丈夫」
「いや、何が大丈夫なのさ」
「あはは~……知らん」
「……………だよね」
隣で笑うピカの横顔を見る。
昔と変わらず楽しそうに笑うピカを見て、なんとなく安心した。
いつもそうだ。ピカを見ていると安心するし、勇気が出た。それは彼女自身の雰囲気なのだろうか……と考えたところで答えは出ないし、出なくても問題はない。
「…………どうかした?」
ひょことポチャの顔を覗きこんだ。ポチャはにこりと笑う。
「いや……ピカは笑顔が一番だなぁ……と」
「へ……あ、ありがと……そう言ってくれたの……久しぶり…」
「…………………! あ、いや…変な意味はないからね! ほんとだよ!?」
「そこまで真剣に言われても……そんなこと思ってないし。てか、なんで慌てるのさ」
「え…あ……あはは……そんなことないよ……うん。大丈夫」
「は? 何が」
「………………なんだろ?」
じーっとポチャのことを見つめ、クスッと吹き出した。次第に本格的に笑いだす。そんなピカの様子を見て、ポチャは赤くなった。
「ちょ…ピカ! 笑わないでよ」
「きゃはははっ!! だっ…だって……くくっ…あ…ダメだ……お腹痛いよぉ!」
「ごめんなさい! 自分で言っといて結局ぼくも分かってなかったです!」
「やぁぁ!! ちょ…言わないでよ! 謝らなくていいし……あははっ…」
「笑わないでよ! 今、何時だと思ってるのさ」
「知らないよぉぉ……ただ、夜中だということはわか…ははっ…」
「もお……ピカったら……」
「にゃ……すねないでよ。ごめんって」
「すねてないよ……別に」
「遊ばれたぁ! ポチャに遊ばれてる!? 一生の恥だぞ……これは」
「どれだけ嫌なのさ! たまにはいいじゃんか! ぼくだってピカに遊ばれてるんだから」
そう言うと、ふふっとピカは笑い、遊んでないよと呟いた。ポチャはポチャで、わかってるさと返す。
「ところでさー……私達、なんで外で寝るの? おかしいよね。これ、おかしいよね」
「仕方ないよ。メンバー皆、来ちゃったんだから。ぼくらの寝るところなんてない……いや、違うな。あるけど、入れないんだよ」
「寝相、悪いやつがいるからね」
「そうだね……寝れるけど……蹴られるよ」
「おうっ……痛い痛い……」
そこで会話は途切れ、二人の間に沈黙が流れる。ピカは改めて、ポチャの方を向いた。
「……………ねよっか」
「そだね………まあ、慣れててよかったんじゃない?」
「よかねぇわ。慣れたくないよ……おやすみ」
「うん、おやすみ」



~あとがき~
例え、短くとも終わりだ!

ごめんなさい。あの、きりがいいんで……( ̄▽ ̄;)
許してください。お願いします。

さてさて、次回こそ、春祭りじゃーい!
やっと春だよ。こっちは秋だよ、こんちくしょう……
準備とかは、はしょります。めんどいんで。
いきなり、スタートするですよ。なので、一話で終わればと思っている。ただの希望論だけども。

ポチャがピカに対しての大胆発言(?)は無意識です。ぽろっと本音が出る……的な。
本人も言ってから後悔することがほとんどですし。後悔しなくていいけど、しちゃうんです。
その点では、イブも負けてないですがね。
二人の恋の行方もなんとなーく、なんとかなればいいのに……無理か。

ではでは!