satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第21話

~前回までのあらすじ~
やっと一区切りつきそうなのよ! やったね!
ライ「でも、原因不明なんだけど」
ま、まあ……いいじゃないの! それに確かめようもないっしょ? でしょ?
ライ「まあ……そうだな」
今回もまとめ第二回目まいりますよぉぉ!!
よろしくなのです!(`・ω・´)シャキーン!!
ライ「こんな作者でいいのだろうか……?」
いいんですっ!
雅「…………始める」
え…あ……ちょっと?
雅「いいから、始める」
あ…はい……(´・ω・`)
ライ「流石、雅お姉様……一生ついていきます…」
雅「貴方がリーダーなんだから……きちんとして」
ライ「すいませんでした!! 以後、気をつけます!」
始めまーす。


扉の前で立ち止まり、その扉をノックした。そして、間を入れずに部屋に入る。
部屋では椅子に座り、なにやら書類を読むシアの姿。ライは珍しいなと思ってから、話しかけた。
「親方、少しいいですか?」
「あら、ライ。子供は寝る時間よ」
「寝る前に話しておきたいんですけど。まあ、明日でもいいんですが、検査なり診察なりでそれどころじゃなくなりますよ」
「重要? その話、重要なの?」
明らかに聞くのが面倒だという雰囲気を漂わせている。どうして、こんな人がトップに立っているのだろうか、と思うことが多々ある。これでも、この国をまとめる人なのだ。
「重要ですよ。多分」
「えぇ……じゃあ、聞くわ。簡潔に述べてくれるなら」
「今回の症例、意図的に起こされた可能性があり、それを行った人物はかなりの手練れかと推測されます。以上です。それでは」
「ちょ…ちょっと? ライ、それ、かなり重要じゃない。簡潔に述べなくていいわよ。それは詳しく言いなさい」
「はあ? なんなんすか、親方。簡潔にって言ったり、詳しくって言ったり」
「あの子の話から、意図的に起こされたとか言われるとか、誰も思わないわよ。じゃあ、何よ。事件性あるってことなの?」
ライは、そうですねと肯定。
シアンはライの返事を聞き、ふぅと息を吐いた。そして、持っていた書類を置く。くるんと椅子を回し、ライと向き合うような形をとった。
「最初から詳しく。よろしく」
「………最初ってどこっすか」
「とにかく、最初」
「えっと……さっきので全てなんですが。そうですね……偶発的に起こったとは考え難いところから、起こされたと考えた方が自然なんです」
「起こされたってさぁ……どれだけ面倒な手間かけたのよ……?」
ぽつりと疑問が溢れた。しかし、その疑問の答えを持っていないライは黙って首を振る。
シアはシアで、ライの返答に納得するような素振りを見てた。分からないのは当然だと思ったのだろう。
「進化に必要な“ひかりのいずみ”によるエネルギー供給が、なんらかの横槍にてストップしたのかと。それで、中途半端な姿の出来上がり……だと思っています」
「ライの推測なのね。まあ、構わないけれど」
「情報が少ないところから、こんな仮説が出てきたわけなんですが」
「あの子に問題は?」
「ありません。検査もしましたが、至って健康そのもの。以前に大病を患ったこともなしです。……あ、イルのカルテです」
カルテを差し出すと、シアはそれを受け取った。少しの間、カルテを凝視して、ライの言っていることが本当だと確認する。そして、カルテをライに返すと先程と同じように向き合う。
「まあ、進化したのなら、いいんだけどさ。どうする? 報告してもいいけれど、切り捨てられるのが見え見えね」
「親方の判断に任せます。一個人の俺ではどうすることも出来ませんからね。また同じようなことがあるとも言えませんが……まあ、“ひかりのいずみ”にもう一度行けばなんとかなるかと」
「そうみたいね。まあ、一応、言う方向で考えておくわ。ありがとう」
そう言いながら、先程の書類を持ち、読み始めた。話はここまでということだろう。実際、これ以上話すことはないのだが。ライは軽く頭を下げた。
「はい。……失礼しました」
「えぇ……あ、おやすみー」
シアは書類から目を離すことなく、ヒラヒラと手を振った。ライはそんな様子を見て、苦笑する。
「おやすみなさい。親方も程々にしてくださいね。俺が言える義理ではないですが」
「ふふ……確かに。ライにだけは言われたくないわ。あんたも早く寝なさいね」
「わかってます。それでは」
パタンと親方の部屋を閉め、カルテを戻すべく、資料室へと向かった。廊下を少し歩き、そこの扉を開ける。誰もいない、暗い資料室の電気をつけることなく、スタスタと歩く。くるりと周りを見渡し、元々置いてあった場所へと戻した。
「……長かったな。なんか、色々と」
ぽつりとそう呟いた。
自分の知らないことを知るということは、嫌ではない。しかし、その分、まだまだ未熟なのだということを思い知らされるのだ。
なんでも知っている人などそうはいない。知らないことはこの世界にたくさんあるのだ。全てを知ろうとは思わないが、出来る範囲で知っていきたい。
「なんて……出来るわけないよな。夢物語だと分かっているつもりなんだが……」
ふるふると首を振ると、来た道を戻り、部屋を出る。そして、今度は自分の部屋を目指して歩き出した。



~あとがき~
まだまだ続く、まとめ回。
ちくしょう!! なんなんだよ!
まあ、いいわ……こっちはのんびりやるって決めてるの。急展開にはしないのよ。多分。

次回はもちろん、まとめ回。
イルの検査からかなー……もしくは、やり終わったところから? いや、やるところからだな。

シアさん、四天王の一人なので偉い人なんです。
が、まあ、不真面目なので、仕事はまとめて一気にやる人です。たくさんの宿題を提出日前日にやるみたいな。
そんな人です、はい。

ライ「…………あ、親方と俺しか出てない」
シア「何よ。不満?」
ライ「いえ、別に」
シア「………ふうん?」
ライ「ただ、俺と親方って話が弾まないな……と」
シア「ちょっと……そんなこと言わないでよ。なんか、空しいわ」
ライ「事実、俺と親方が話している場面が想像できないらしいっすよ。作者」
シア「…………わお」
ライ「まあ、無理に弾ませなくてもいいと思いますが」
シア「……………そう」

ではではー!