satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第60話

~前回までのあらすじ~
とりあえずバトルパート終わってホッとしています……前回から終わってたけど、今回はくだらないフォースとイブの言い合いも見れるのでは……と目論んでいたり、いなかったり……
フォース「…………」
チコ「やっとっていうか……ワタシとフォースも知り合いになれた……かな?」
フォース「……そいや、そうだな」
イブ「60話だけどさ、進展してないような」
なっ!?
そんなことないと思いますわよ……オホホ……
フォース「挙動不審」
何をおっしゃいますの……嫌ですわ……
イブ「言葉使いおかしくなってる」
チコ「作者さんがこれ以上おかしくなる前に、始めよっか……?」
フォース「そーだな……」
イブ「それでは、どうぞっ!」


すーくんが説明してくれるなら、それでいいんだけど……いいんだけどさ。
「私、そこまで下手だった……?」
「……えーっと、まずは、何が知りたい?」
すーくんはちらりと私の方を見て、すぐさま、視線をもとに戻した。
無視!? スルーなの? 安定のスルー選ぶのか!
「“強き力”ってどういうこと?」
「そっからか……具体的にはどうってのはないんだよ……説明もできないし。そこを無理矢理説明付けるなら……普通ではあり得ない力……ってことかな」
説明になってない。
さっきのことがムカついたので、何気なく反論してみた。すると、すーくんがじっと私のことを見つめてきた。どちらかと言うと、イラついた感じの方。
「だから、前置きしただろ? 説明できないって。聞いてなかったのか?」
……………ごめんなさい。続けてくださいますか。
「お前に言われなくたって続けるし。……“強き力”は普通の人には持ち得ない…ってことなんだ。そんな力を子どもの時から操れると思う?」
「無理……だよね?」
「そう、無理。段階を踏んでいないからな。操る手段を知らないし、知る機会もない……だろ?」
そりゃ……そうだよね。私もそうだったもん。
知ってたとしても、あの強大な力を幼い子どもには、どうすることもできないと思う。
「“強き力”を持つやつらのことを継承者と言うんだ。何度か出てきた言葉だから、覚えたと思うんだけど」
「それに対して、制御者……?」
「まあな。制御者の話は後でするとして……力のランク付けについて、少し話しておこうか」
そういえば、最高位って……そんなにすごいの? 私の持ってる力って。
「凄い、で収まらないくらいな。……白から始まって、緑、青、赤、紅……今現在で確認されてるのは、五種類だけ……今後増えるかも知れないし、反対に減るかもしれないけど」
増えたり、減ったりするの?
「世界は気紛れなんだよ、すぅ」
わけわからん。
首を傾げるが、すーくんはそんな私に構うことなく、話を進めていく。
「さて……これでランク付けの話は終わり。このランクは継承者にも制御者にも関わってくるものだから」
だから、白の制御者って言ったり、紅の力って言ったりしてたんだね……なるほどなるほど……
「じゃあ、継承者と制御者の関係性についてなんだが………ところでさ」
「フォース、どうしたの?」
「おれはいいんだけど、お前ら寝なくて大丈夫?」
………………あ。
そいや、寝てなかったな。忘れてた……
「思い出した途端に眠くなってきた……チコちゃん、ちょっと寝よ……?」
「うん……フォースには悪いけれど……自覚した途端に……」
「あー……こっちこそ、ごめん。起きてから続き話すよ。おれ、場所変わるし……」
動かない方がいいんじゃない……? 怪我してるんだもん……
「そこまで弱くねぇよ……つか、すぅたちと場所を変わるだけじゃん。動くってほど動いてない」
そお……? んまあ……とりあえず……おやすみなさい………
私とチコちゃんは、さっきまですーくんが寝ていたところに倒れこみ、夢の中へと入っていった。

イブとチコが寝るのを見届け、こっそりと洞穴を抜け出した。脱走するわけではないが、外に出たかった……ただそれだけの理由だ。
まだ辺りは暗いが、少しだけ明るさを取り戻している。反射的に伸びをすると、怪我をした部位がズキン、と痛んだ。
「…………いって…」
いつも片目を隠しているリボンで包帯代わりにしている。止血はなんとなくしてあることを確認した。
「やるなら、最後までやって欲しかった。でも、誰が……?」
あの二人ができるわけがない。
ならば、可能性は一つしかない。が、それを認めてしまうのも抵抗があった。
「………………ないな。そこまでお優しい心は持ってない。ましてや、あの状況で自我を保てるわけもない……よな? 途中で戻った? それにしたって、あいつは、おれが嫌がるようなことをして楽しむやつだ……うーん…」
腕を組んで考えていたが、やがて、諦めたのか、森の中へと歩み始めた。しばらく歩いていくと、湖を見つけた。フォースの感覚だと、洞穴から然程離れてはいないように思えるのだが、実際のところは分かるはずもない。
近くにあった木の下に座ると、今までのことが頭を過る。
ラウラと対峙したとき、自分で力の制御が利かなくなったとき、イブとチコの会話……
「……失敗した………とりあえず…失敗した」
いつか暴走するとは、分かっていた。しかし、それが今回であるとは流石に予測していなかったが。
「いや、ある意味、タイミングはよかった……のか?」
もし、自分が暴走を起こしていなかったらどうなっていた? ラウラと向き合ったとき、戦ったとき、本気を出せなかったのは、自分自身。そのままだったら、負けていた……? 負けていたら、どうなっていたのだろう。
そう考えると、寒気がした。
「全部、全部、全部……おれの弱さが招いた結果……なんだよな。……でも…でも……どうしろって言うんだよ……!」
心の奥底に隠していた、やり場のない怒りと苛立ち。
自分が悪い。分かっているのに、どうしようもない。そんなジレンマに陥り、たまらず頭を抱えた。
誰もいないこの場所で、フォースのことなど気にする者などいない。自然と弱気になり、涙が溢れてきた。
「………このまま、消えちゃえばいいのに…」
イーブイ君、自殺でもするの?」
突然聞こえた声に驚き、出てきていた涙はどこかへいってしまった。そして、イーブイ君、などと言うのは、この世界でたった一人だけだ。その人物に顔もあげずに問うた。
「………なんでいんの? 電気ネズミ」



~あとがき~
自己嫌悪してるフォースくんは置いといて……
少しだけ力の話をしました~
……途中で切ってしまいましたが……まあ、ちゃんと続きは話しますよ! 多分。

次回、ピカとフォースの会話ですね。

やっと出てきましたな~♪ ピカ。
次回にはポチャも出せるといいな……うん。

……………んーと。
最近、話すことなくなってきた……あわあわ。
よし、困ったときは終わるに限る!
ではでは!