satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第68話

~前回までのあらすじ~
過激表現に注意!
前回、敵からちょっとした情報をいただきました。そして、今回は敵陣乗り込むで~♪
ピカ「早く終わらせるって感じなのが滲み出てるよね。この章、なんでやってるの? 間に入れたかったわけ?」
ぐふっ……えっと……てへへ♪
こんな仕事もあるんだよ!……ということで、紹介みたいな?
ピカ「………ふーん」
ポチャ「なんか適当な感じが伝わるような」
そんなことないっすよ!! そんなことない!
それでは、始める!


ピカとポチャの目の前には、お世辞にも森の奥地に相応しいとは言えない建物が建っていた。しばらくじっと眺め、ピカは場所を確認する。
「ここっすね。……これまた、こんなところに豪勢なお屋敷みたいなの建てちゃってますねぇ」
「これ、見つかったらどうしよう!……とか、考えてないのかな」
「そのためのさっきの罠っしょ? つか、見つかっても殺せばいいんじゃね? みたいに考えてると思う」
ピカの言葉にそうかもしれないと感じた。相手は普通ではないのだ。一般的な考えを相手に求めてはいけない。
「ポチャ、行くよ? 準備いい?」
「もちろん。すぐに終わらせよ」
「そうだね。ではでは、正面突破ドーーン作戦で!」
「………毎回思うんだけど、それは作戦でもなんでもないからね?」
「てへっ☆ つっこんでないで、行こっ♪」
「あー……はいはい」
ポチャは扉に手をかけ、思いきり開ける。鍵はかかっておらず、簡単に開いた。そして大広間にいた人々が一気に二人の方を見る。二人を視界に捉えた人々からのどよめきが広がった。
「どうもー! 君たちを殺しにきた、殺し屋さんだよー♪  それでは、皆さん、残らず殺ってあげますので。あ、抵抗など無駄だから、やめてくださいねっ」
「とか言って、やめる人たちはいないんだよ、ピカ」
「それもそうだね。……では、あとは頼んだ!」
「了解。……ピカ、気をつけてね?」
「愚問だなぁ……そだ、ポチャも気をつけてね」
「愚問だね。……こんなやつらに負けるなんてあり得ない」
「あはっ♪ いいね。そんな強気なポチャも私は好きだよ」
「お褒めいただき光栄です、リーダー」
そんな会話をしている中、ざわざわと二人の前に立ちはだかる敵達。武器を取り、侵入者であるピカとポチャを追い出そうと……否、殺そうと取り囲んだ。
それを見た瞬間、にやりとピカが笑った。手には最初に持っていなかった刀である、雷姫を構える。
「よっしゃ! 一発かますよ、雷姫!!」
『………ふん。いつもいつも遅いのじゃ。マスターの阿呆が』
「めんごめんご☆ それでは気を取り直して、“雷撃一真”!」
ピカが一直線上に雷姫に溜めた電撃を放つ。そこにいた敵たちは一人残らず吹き飛ばされた。
道が開け、ピカが一気に走り出した。そして、くるりと敵の方を向く。
「忠告するね。私を追おう!……なんて、馬鹿なことしない方がいいからね? 私はそこにいる人より、残忍で残虐で惨い殺り方だから……ね?」
それだけ言い残すと、近くにあった階段を駆け登っていった。ピカの忠告を聞くような人たちではないというのは分かりきっている。何人かがピカを追うため、階段の方へと向かった。
ポチャはそれを止めることはせず、それを見送ると残った敵を見回す。
「残った人達は賢明な判断だと思うよ。いや、結果は変わらないんだけど……どうせなら、すぐに終わらせたいでしょ?」
「お前一人に何ができる! こっちの方が人数はいるんだぞ」
「人数? あぁ……力の差がハッキリしてると数に頼った方がいい。要するに数に頼ってる時点で、個々の力は弱いってことだよね?」
「はあ? 馬鹿にしてんのか」
「うん?……そんなことはないけれど」
「大体、お前らなんなんだよ!!」
「彼女も言ってたじゃん。君達を殺しに来たってさ。だから、ぼくらは殺し屋さんですってことでいいよ」
ここまで話してきて、敵はしびれを切らしたのか、武器を構え、ポチャに狙いを定めた。ポチャは平然として、剣を持つことも銃を構えることもしていなかった。
「殺し屋を名乗ってるわりには、べらべらと喋りやがって……!」
「べらべらと喋らせてるのはどっちさ。そんなに人数がいて、誰一人として不意打ちをしようとか、先制をとろうとか考えていないわけ? そんなんだから、ぼくみたいな人に殺されるんだよ」
「どうやって殺すって言うんだよ。何も持ってないじゃねぇか」
「そうだよ。だって、ほぼ終わってるから」
「はあ? 何を…」
「ぼくが操るのは、水と冷気。だけれど、二つは形を持たない。……それなら、二つを合わせればいいんだよ」
そう言うと目を閉じ、すっと敵陣の中心へと自ら進む。あまりにも違和感なく進む彼を止める者はおらず、黙って目で追うしかなかった。
敵陣の中心に立ち、目を開く。
「スイ、セツ。もういいよ。………待たせて、ごめんね?」
ポチャの発した言葉の意味が理解できた者は恐らく、誰一人としていなかっただろう。気づいたときには、その場に立っている人はポチャ以外いなかったのだから。
ポチャを囲んでいた敵は、皆同様に、氷の剣で貫かれ、血の臭いが一気に広がる。声を上げることなく、絶命していった彼らを一瞥した。
「君たちの敗因を挙げるとするならば、ぼくの武器を警戒しなかったことかな。持っていないだけで、狙っていない、ということにはならないからね」
二度と起きることがない相手に話しても意味はないのだが、それでもなんとなく口を開いていた。
その場に漂う冷気がポチャのマントをなびかせる。剣から滴る血液と混ざることなく、床に水滴が落ちた。それを見たポチャは、困ったように笑みを浮かべた。
「ごめんね、スイ。こんな感じになって……帰ったらきちんと綺麗にするからね。……あ、セツも忘れてないよ。大丈夫だから」
ふわりとポチャの頬を風のように冷気が撫でる。そして、ポチャの近くでぴちゃんと水の落ちる音が響いた。
「まだピカを待たないと。……戻れ、スイ、セツ」
静かにそう言うと、敵たちを貫いていた氷の剣が消え、二振の剣がポチャの手元に現れた。そして、双剣を消すと、小さくため息をつく。
「はあ……血生臭いなぁ……これだから、この仕事は嫌いなんだよね。うぅ……ピカ、早く…お願いします……」



~あとがき~
ポチャくんは一話で終わりました。
そこまで細かい描写をしたつもりはありませんが……大丈夫だったかな?
まあ、次回も同様に流血表現、過激表現、注意だよ!

次回、ピカがボスさんと対峙すると思うよー?

ポチャの持つ双剣は、雷姫とは違います。が、同等の力を持つ珍しい剣なのです。……ということにしておいてください。
説明するところがないんですが、まあ、いっか((
ポチャは、“スイ”、“セツ”と呼んでいるようです。スイは前にも出しましたね。それと対になっているのが、セツです。
普段は雷姫とおんなじような形で保管しています。
だけども、神器ではないです。うん。
知りたい方がいらっしゃれば、別記事にて詳しく説明しますね! そこまで重要ではないんだけども。

ではでは!