satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第86話

~前回までのあらすじ~
鈴流とフォースの再会の目処が立ちました。
ピカ「思ったんだけど、ここの章って色々詰め込むから、分かりにくい話ばっかりだよね」
……………あ、そうですね。
フォース「分けるにも分けられないしな」
ピカ「だよね~♪ だってこれから、鈴流さんとの絡みがあって、あの人との絡みもあるじゃん。んで、マスターさん、ラウラさん。で、またあの人が出てきて…………うん、フォース君の関係性が怖い」
あの人って言わないでよ。バレる人にはバレちゃうから……あの、お願いします。
フォース「もう出てる人ってことか」
ピカ「案外、新キャラだったりして」
……………さあ~?
ピカ、フォース「…………始めまーす」


鈴流はとりあえず、バレないようにこっそりと近づいた。遠くでは雷姫が見ているのだろう。
何とかフォースの近くまで近づき、隣にしゃがみこんだ。そして、座って寝ているフォースの顔を覗いてみる。いつもならば、片目をリボンで隠しているが、今は、ほどいているらしく、右手にリボンを持っていた。
「寝顔も変わってないな……かわいい♪」
クスリ、と小さく笑い、次の行動をどうするか考える。焦ってはいなかったが、ここからどうすればいいのか見当もつかない。
「………大丈夫…大丈夫……でも、ここからどうすれば……? 起こす……のは悪いよね? でもそれじゃあ意味ないって言うか…」
「…………なんだよ」
フォースがぱちり、と目を覚まし、鈴流と目をあわせた。フォースの方はピカだと思っているはずだが、見た目はピカでも中身は鈴流である。
その鈴流は思わず、驚いてフォースから距離を取った。
「ふあぁぁぁぁぁ?! あの……ごめんなさい!」
「えーっと……そこまで驚かなくてもよくね? つか、謝るようなことじゃないだろ」
「あ………いや…その………」
「…………変だぞ?」
「そ…そんなことないよ……?」
どう切り出そうか迷っていると、フォースがじっと見つめてきた。何かを疑うような目を向けている。
「なあ、ラル。おれ、なんかしたか?」
「ラル……?」
「ちょ…大丈夫か?! 頭打った?!」
「……あ、もしかして、ピカちゃんの本名? じゃあ、ピカってニックネームってことなんだね」
「話が噛み合ってない……ふざけてるなら、そろそろ止めよう? ふざけてないなら……どういうことだ?」
流石のフォースも状況が飲み込めていないようだ。といっても、鈴流がピカの身体を借りている、という発想自体が思いつかないのだろう。
これでは埒が明かないと思い、鈴流は正直に話すことにした。信じてくれる方がありがたいが、この際、信じなくても構わない。
「ねえ、私がこれから言うこと、信じてくれる?」
「きゅ…急に何……?」
「信じてくれる?」
「おう……」
「あのね、私……えっと…」
いざ伝えようとすると、言葉が出てこない。結局、黙ってしまい、フォースと見つめ合うことになった。
フォースは彼女の次の言葉を待ってくれているようで、特に口出しする気はないらしい。
じっと黙ること数分。音を上げたのは、言い出した鈴流の方だった。くるりとフォースに背を向け、顔を覆った。
「……………うわあぁぁぁんっ!!」
「え?…………何で? そこ泣くとこなの?!」
「だって…だって……何て言えばいいのかわかんないんだもぉん……」
「お前が何を言いたいのかわかんねぇけど、言ってみろよ。何とか理解してみるから」
「違うの。私がダメなだけなの。……言いたいこと多すぎて、出てこないの」
「やっぱ、なんかしたか? さっきの槍か。それくらいしか思いつかん。あ、最初にペンギンの話をしたから?……いやでも、今更じゃ…」
フォースの言葉に反応することなく、変わらず顔を覆ったままだ。
フォースはちらり、と背を向けているピカ…鈴流へと目を向けた。その姿をじっと見ていると、ぼんやりと昔のことを思い出す。そして、見覚えあるな、と感じる。
「ふえぇぇ……私のバカァァ……」
「………鈴流?」
ぽつり、と無意識に名前を呼んでいた。本来であれば、反応などするはずもない。誰ですか、と聞き返されるのが目に見えていた。
しかし、今は違う。
フォースに名前を呼ばれ、振り向きながら顔を上げた。
「…………! フォース…」
「………え?」
「私が言う前に気づいてくれた……私、鈴流だよ」
「……鈴流…なのか……? でも………」
「ピカちゃんに頼んだの。私、フォースにいっぱい伝えたいことあったから。無理言って、手伝ってもらったの」
「……ちょっと待って。追いつかな…」
鈴流はぎゅっとフォースに抱きついた。突然のことで戸惑いを隠せていないフォースだったが、何とか鈴流を抱き止めた。
「ずっとこうしたかった。……ずっとずっと…」
「………鈴流…おれ……」
「ごめんね? 辛かったよね。あんなことしなくても、平気だって知ってたのに……でもね、フォースが傷付くとこ、見たくなかったの。痛い思いしてるって知っちゃったら……知らんぷりできなかった」
ふっとフォースのことを見上げた。少し悲しそうな彼の顔を見て、少しでも安心させたくて、笑って見せる。
「だからね……皆の前に出ちゃった。でも、希望は捨ててなかったんだよ? もしかしたら、和解できるんじゃないかって……期待してた。淡い期待だったけどね。えへへ……でも、世の中、そんなに甘くないね」
でもね、と続けようと口を開こうとしたが、それは叶わなかった。フォースが鈴流を抱き寄せ、力強く抱き締めてきたためだ。
「ん………フォース?」
「お前との約束守れなかった。お前のこと……鈴流のこと、護れなかった。絶対に護るって……外の世界、見せてやるって思ってたのに……おれの力不足だったんだ。ごめん」
「そんなこと……!」
「あのとき、鈴流が来て驚いた。何で来たんだって思った。……そう思ったのと同時に嬉しかったんだ。逃げろって言ったの、おれなのにさ……おかしいよな」
「ううん。そう思ってくれて私も嬉しいよ。……私ね、フォースのこと忘れたことないよ。ずっとずっと想ってたよ。大好きって……愛してるって想ってたよ」
「おれもだよ。鈴流のことを忘れるわけない。ずっと好きだった。……愛してる」
力を緩め、互いに向き合う。そして、座り込んだ。
流石に身体はピカのものだから、二人ともキスは不味いと思ったのだろう。互いの額をあわせ、見つめあった。
「キスは………ピカちゃんに悪いもんね」
「初めてがおれってのも嫌だろうな」
「ピカちゃん、初めてまだなのか~……それは、ダメだね♪ っていうか、フォース、浮気してる~?」
「アホか。さっき愛してるって言ったばっかだろ? ムード壊れっぞ」
「もう壊れてるよ」
「…………そこには触れんな」
「えへへ……ごめんね。……あのね、フォース、言いたいことあるの。言ってもいい?」



~あとがき~
終わらないとは思っていました。二人の会話。
そうですとも。知っていましたとも! 終わるなんて思っていないもん! むしろ、終わらせようとか思ってなかったですね。

次回、まだ続きます。鈴流とフォースの会話。

昔みたいに適当に終われなくなってきました。
一話ではい、終わり! 次っ!……って、できませんね。文章力がついたって考えでいいのか……?
あ、でも、今回のはごちゃごちゃしていたかもです。わかりづらくてごめんなさい。
後で修正するかもしれません。

鈴流とフォースが気持ちを確かめあってるところを書いていたら、なんか切なくなってきたんですよね。
二人に思い入れしているから、悲しいシーンを書きたくないんでしょうな。
でも、書かないと始まらないので、書きますがね。

そんな二人がラブラブしているなか、ピカと雷姫は放置っ! 仕方ないけど。
まあ、ピカは今、寝ているみたいな状況なので、いいちゃあいいんですよ。
よくないのは、雷姫なんです。今、外に出ているため、見たくもないラブラブを見せられている状況ですからね。
そんなところでフォースがピカ(中は鈴流)にキス迫ったら、フォース殺されますね(笑)
そこんところはわかっているので、自粛しています。本来ならば、キスするシチュエーションなんですけどね~

ではでは!