satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第96話

~前回までのあらすじ~
うん。やっとユウとかマスターとかしっかり出せた。
いやでも、マスターさんにいたっては、立場が下であるはずのフォースに叩かれていたけどさ。
ファウス「………」
あ、マスター表記じゃなくてファウス表記にしてみたした。どうだろ。変かな?
フォース「おれと名前が似てるのが嫌だ」
字面だけなー♪
つか、フォースの本名は全く似てないからいいじゃん。ついでに言うと、マスターさんはそこまで出ないから大丈夫だよ!
ピカ「特に話すこともないので、始めたいと思います」
せやな~
では、スタート!


ユウからの申し出にピカは目を輝かせた。こんな機会が滅多にないためか、ピカのちょっとした好奇心を駆り立てるのには十分だった。
「いいんですか? ちょっと気になります」
「それなら……いいよな?」
「いいんじゃねぇの。おれはこの馬鹿と話あるから」
「え、何々? 久し振りの再会に思い更けるの? 別にいいけどねっ!」
「気持ち悪いこと言うな。ユウ、しばらくラルのことよろしくな」
ユウは黙ってうなずくと、ピカを連れてその場から立ち去る。ピカは、ちらりと二人の方を振り返った。二人は特に話をしている様子はなかった。フォースの言った話とやらが気にはなったが、深く追求することでもない。
「見せると言ってもそこまでないんですけどね。書庫くらいですかね」
「どれくらいあるんですか?」
「結構ありますよ。数えるのをやめるくらいは」
「…………それは期待してもいいってこと?」
「それなりには」
「ふうん。それじゃあ、楽しみにしてようっ! あ、そだ。ユウさん、少し質問してもいいですか?」
「構いませんよ。僕で答えられることなら」
「ありがとうございます。それじゃあ…」
ピカはとりあえず、気になっていることをユウに聞いてみることにした。気になっていることと言えば、フォースの様子がおかしかった理由だ。自分より長い時間を過ごしてきたユウならば、なにか知っているかもしれないと思っての行動だった。
「ここに来る前、フォース君の様子がおかしかったんです。何か思い当たる節はありませんか?」
「フォースの……? んー……なんでしょう? フォースって誰かに頼るってことをあまりしないんですよね。けど、昔はフォースもピカさんと同じだったんですよ」
「…………同じ?」
「えぇ。元は普通の人でしたから。いやまあ、継承者だったので、普通って言えるか微妙なことなんですけどね」
「えっ?! なんで、今は制御者なんですか?」
「貰ったんじゃないですか? 制御者としての力を」
「貰えるもんなんですか……それ」
「多分。やったことはないですけど」
「もしやったとしたら……その制御者さんはどうなると思いますか?」
ピカの質問にユウは首をかしげた。そんな事例がないためか、すぐに答えることが出来ないのだろう。しばらく考え、結局は肩をすくめた。
「僕にはさっぱり。ピカさんはどう思っているんですか?」
「んー……わっかんないです♪」
「そ、そうですか。けど、なぜそのようなことを?」
「気になったもので」
「はあ……? そうですか。あ、着きましたよ。ここですね」
ユウが立ち止まり、目の前の扉を開けた。扉の先には数え切れないほどの本が並べられ、奥の方も見えないほど広い部屋だ。上を見上げるものの、高さもかなりあるようで頂点が見えない。これほどの書物を見て、探検隊であるピカは目を輝かせた。
「ユウさん、見て回っていいですか? そんでもって、見てもいいですか! 本とか!!」
「構いませんよ。変なのあるかもしれませんが、それをスルーしてくだされば」
「はーいっ! それでは、ちょっと見てきますね♪」
「僕はここで待ってますから、ご自由にどうぞ」
ピカはユウと別れ、部屋の奥へと進む。目につくものを本棚から取り出し、読んだり、眺めたりと結構楽しんでいた。奥に行くにつれ、古い本が多いのか埃っぽくなっていき、部屋自体もどこか薄暗く感じる。それもまた雰囲気にあっていると思いつつも、立ち止まり、後ろを振り返った。
「ん………来すぎた? んまあ、いいか。……………あれ? 私、何しに来たんだろう」
何気に横に視線を動かすと、色褪せた本の中から真新しい本を見つけた。不信に思い、その本を手に取って、まじまじと表紙、裏表紙と見てみる。表紙、裏表紙と言っても、どちらにも題名らしいものはなく、どちらが表なのかはっきりしない。また、背表紙も同様に何も書かれていなかった。本の色は青色で、埃を被っておらず、ここら一帯にある本の中では異様である。
ピカは興味本意でその本を開いた。そして、文字があるところまでパラパラとめくっていく。開いたところが後ろだったのか、しばらく白紙が続くが、中心より少し前辺りから文字が書かれ始めていた。
「……………? 日記か……でも、誰のだ?」
日記だと見当がついたところで、これは見てもいいのだろうか、という思いが生まれ、本から顔を上げた。しかし、ここまで来たのなら読んでしまえと思い直し、再度本に目線を落とした。
真っ白なページに文があり、その文も短くまとめられていた。ピカは小さく、そこに書いてあることを声に出して読む。
「……『これで終わりに出来る。きっと大丈夫。僕は僕の役目を果たそう。』………? なんですか、遺書? んでも日記に遺書はないか。いや、なくはないけどさ。うーむ……身は引けるけど、他のページも読んでみるか」
そう決意し、ゆっくりとページをめくっていく。少しずつではあるものの、文が長くなっていた。ということは、最初の方は多くの文をつづっていたことになる。それなのに、これを書いていた人物は途中から書けなくなったということだろうか。
内容は明るいものではなく、これを書いた人物は少しずつ闇にとらわれていく、ということがうかがえることを書いていた。そして、その闇からある人を助けようと行動していることも文から読み取れる。そして、最後の文に繋がっているようだ。
「ここにあるってことは、制御者の誰か……なの? でも、誰? って、決まっているか……ラウラさんしかいない。でも、それなら……フォース君の力を狙う理由にはならない…………よな?」
じっと手の中にある日記を見つめる。本は閉じられ、青色の表紙が映えた。青色の日記をボーッと見て、頭を働かせていく。
フォースの力を狙い、今も彼女に誘われ彼女の元を目指している。しかし、そんなことをする理由はあるのだろうか。ピカは制御者について、詳しく知っている訳ではない。それでも多少の知識は持ち合わせているつもりだ。
「制御者は無限の命。故に制御者は死ぬことはないし、殺せない。が、制御者の持つ力をぶつけたとき、どうなる? 互いの力は同じ能力を持っている。……となれば、相殺され、傷付けることが可能ではないか? そうなれば……制御者同士の殺しはありうる………? ってことは、ラウラさんの目的は………なんだ? くそっ……考えろ。想像しろ。情報はある。あとは…繋げるだけ。……どうしてフォース君を殺さなかった? 力の優越があったとはいえ、優勢だったのは、ラウラさんだったはず。それなのに……途中で止める理由は何?」
そこまで考え、最初に見た文が浮かぶ。再び、その文を無意識に呟いていく。
「『これで終わりに出来る。きっと大丈夫。僕は僕の役目を果たそう。』……『終わり』…『役目』……もし、闇に落ちたのがラウラさんの継承者だったら………? 『大丈夫』……助ける方法を見つけた? それがフォース君の持つ力を狙った理由……なのか。あれ? それだと、力を狙ったんじゃなくて……ラウラさんは…フォース君自身を狙ったことになるよな」
なぜ、継承者を助けるためにフォースを欲したのか、という疑問にぶち当たり、ピカの思考はピタリと止まってしまった。その疑問を解決するためには、更なる情報が必要になったということだろう。
「闇、二人の制御者……か。よし、情報収集するか」
手に持っていた日記をどうしようかと辺りを見回すが、戻すのには惜しいと感じ、そのまま持って出口を目指した。



~あとがき~
最後らへん、ピカが頑張ってますね~
ピカがラウラの真意に近づくまであとちょっとかな!
ラウラのこともいいけど、ウィルのことも考え始めますよ(笑)

次回、まだまだピカのターン!((
考えに考えますよ、ピカさん。

頭で考えるより、口に出した方がピカは整理できるようですね。なので、言葉にしちゃってますが、それ以上に頭は回転してると思います。フル回転ですね。
私、知的なピカも好きです。バトルして、強気なピカもありだし、イタズラ仕掛けるピカもありです。
そんなピカの弱点ってどこなんでしょうね……

ではでは!