satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 2ー1

~attention~
ピカ「…………………いつもと同じだから」
ポチャ「いや、言って? 初めてのの人もいるかもだから、言ってくれるかな?」
ピカ「……長いの喋りたくない」
ポチャ「………えーっと、この物語はぼくらの過去編です。モチーフがゲームのポケダンなので、そちらのイメージが崩れることが嫌な方は閲覧を控えてください」
ピカ「…………ほら、長い」
ポチャ「確かに長いね」
ピカ「ってことで、話、始めていく」
ポチャ「そうだね。それじゃ、どうぞ!」


~2‐1 初めての依頼~


「………んん…あさ……?」
窓を見上げると、空が明るくなっていた。目覚まし係のドゴームが起こしに来ていないということは、私の方が早かったのか。
隣を見ると、ポチャがまだ寝ていた。起こした方がいいのだろうか。とりあえず、揺らしてみるか。
「ポチャ、朝だよ。………ねえ、朝」
「ん~………」
駄目だ。反応薄い。
私はポチャを放っておき、自分の準備を始めた。昨日貰ったバッグと空色のスカーフを身に付ける。バッグには大して道具は入っていない。当たり前だが。
準備が整い、再度ポチャを起こそうと試みた。
「ねえってば。………朝なんだけど…」
今度は反応すら見せてくれない。もう駄目だ。ドゴームに任せよう。
「私、先行く。………起こしたからね」
弟子部屋を出て、少し広い部屋に出た。ここから食堂、地下一階に上がる梯子、親方部屋に続く扉がある。あとは、怪しげな壺? 誰のだろう。
「お、早いな。ピカ」
私より先に来ていたのは、ドゴームだった。私に気付いて挨拶してきた。
「…………おはよ。早すぎた? なら、戻るけど」
「いやいや。待ってれば他のやつらもくるさ。にしても、新弟子なのにこんなに早いやつは初めてだな!」
そういうものだろうか。
「そもそも、ワシより早く起きてくるやつはいないな」
………なるほど。
「さて、そろそろ他のやつらを起こしてくるか」
「いってらっしゃい」
昨日も思ったのだが、普段の声が大きいから、目覚まし係を任されたのだろうか。耳、塞いでおこうかな。
その後、ドゴームの声が何度もギルド内に響いたのは言うまでもない。

ドゴームに起こされた皆はふらふらになりながら、集まってきた。最後にポチャもやってきて、私の姿を見るなり、話しかけてきた。
「ピカ、何で起こしてくれないのさー!」
いや、起こしたし。起きなかったの、そっちだから。
「うえぇ……まだ耳痛いよ……」
ギルド中に響いていたし、そうなるだろうな。
「ほら! お前たち、きちんと並べ! 始めるぞ」
ペラップのかけ声でバラバラだった、皆が並んだ。私とポチャは一番端。きちんと並んだのを確認すると、ペラップは親方部屋の方を向く。
「親方様、よろしくお願いします♪」
扉が大きく開かれると、そこから親方であるプクリンが出てきた。私達の前まで出てきて、号令をかける………と思ったが、親方からは何もない。となれば、ここはやはり……
「…………寝てる」
「ピカ、そんなこと言わなくても…」
「いえ、ピカの言う通りですわ……流石、親方と言ったところでしょうか」
「こんな状況で寝る親方様……可愛らしいですっ」
「チリーンのツボがわからないでゲス」
「いつものことだがな~……」
「そんなこと言わないでくださいよ、ドゴームさん」
「しかし、事実だ」
「ヘイヘーイ。これじゃ、終わらないぜ」
「……………」
これが毎日ってここのギルドは大丈夫なのだろうか。
私達がこそこそと話始めたことに気づいたのか、ペラップが少し焦りを見てた。これでも親方が寝ていることがバレていないとでも思っているのだろう。
そんなわけないだろうに。バレバレだってーの。
「親方様?」
「……………ぐう…ぐうぐう…」
「………はい。ありがたいお言葉ありがとうございました♪ それでは、誓いの言葉、始めっ!」
そう言えば、始まる前にキマワリが言っていたな。何だっけ?
そんなことを考えていると、弟子達が声を揃えて言い始めた。適当に合わせるか。
「ひとーつ! 仕事は絶対にサボらない! ふたーつ! 脱走したら、お仕置きだ! みっつ! 皆、笑顔で明るいギルド!」
「さあ、皆♪ 仕事にかかるよ」
「おおー!!」
かけ声と共に、皆それぞれの持ち場につくために、動き始めた。私達は、ペラップから指示を仰いで動くんだっけ。
「さて、お前達はワタシについてこい」
「はーい」
ペラップと共にやって来たのは、地下一階にある掲示板の前。沢山の紙が張ってあり、よくわからないが、何か書いてある。読めないけど。
「今日はここにある依頼をやってもらう。これは各地の人達がギルドに依頼をしてきたんだ。いわゆる、依頼書だな」
これ全てが……依頼書か。
「最近、悪い人達が増えてきているんだが……知っているか?」
「うん。知ってる。確か、時が狂ってる……とかなんとかってやつだよね? そのせいで悪い人も増えてきてるって」
時が……? 時間が狂うってどういうことだろう。そもそも、どうやったら、時など狂うのだろうか。
「その通り。そのせいか、この掲示板も依頼が多くてな。更に時の影響かわからないんだが、不思議のダンジョンが広がっててな」
ダンジョン……? ダンジョンって確か……入る度に地形が変わるっていう……?
「そう。昨日、ぼくらが入ったところだよ。あそこはね、失敗すると色々ペナルティがあるんだよ」
「なんだ。詳しいな♪ それなら話も早い。さて、どの依頼をやってもらおうかな……」
ペラップは私達に背を向けると、依頼書とにらめっこし始めた。その間にペナルティ、と言うものを聞いておこうかな。
「ポチャ、ペナルティって……?」
「えっと、失敗すると道具やお金が半分くらいなくなったり、ダンジョンの入り口に戻されたりするんだ」
「…………なにそれ、ダンジョン凄い」
「あはは。だから、気を付けていかないとね」
「………了解」
ダンジョンというのは、不思議な力が働いているのか。道具やお金がなくなるってどんな仕組みでそうなるのだろう。
「お、これにするか♪ ポチャ、これを」
「うん。……どんな依頼だろ。読んでみるね?」
ペラップから受け取ったその依頼書をポチャが朗読し始めた。私とペラップはそれを黙って聞くことに。
「初めまして。私はバネブーと申します。ある日、悪者に私の大事な真珠が盗まれてしまったんです! 真珠は私にとって命。頭の上に真珠がないと、私、落ち着かなくてもう何も出来ません!」
………これ、真珠を取り返せとか取ってこい的な感じの依頼ではなかろうか。依頼内容が薄々わかってきたが、一応、続きを聞くことにした。
「そんなとき! 私の真珠が見つかったとの情報が! どうやら、岩場に捨てられたらしいんですが……その岩場はとても危険なところらしく……私、怖くて、そんなところ、行けませーん!」
私の予想、的中してない?
それはともかく、危険なところ、というのがダンジョンのことだろう。まあ、普通にポケモンが襲ってきたし、危ないか。
「ですので、お願い。誰か岩場に言って、真珠を取ってきてくれないでしょうか? 探検隊の皆様、お願いします! バネブーより……ってこれ…落とし物拾い!?」
全て読んだあと、ポチャが突っ込みを入れた。まあ、ポチャの言い分もわかる。探検隊っぽくないし。
「それより、ぼく、探検したいよ。ほら、知らないところを冒険したり、お宝探したり……」
「お黙り! 新入りは下積みが大切なんだよ! 失敗したら、どうなるかわかっているんだろ?」
ごもっともなご意見。
「うっ……それは…」
「それがわかったなら、仕事に行ってきな♪」
「はぁい……」
気乗りしないポチャと特になんとも思っていない私。これもまた、大切な仕事である……はずだ。真珠をなくして困っているのだから、助けてあげなければ。
と、無理矢理理由付けて頑張るしかないんだろうな。
私とポチャはバネブーの真珠があると思われる、『しめったいわば』へと向かうことになった。



~あとがき~
二人の初仕事、始まるよ!
次回からだけどね!

次回、しめったいわば攻略!

ピカ、朝に強いというか、起きるって思ったら起きれるらしいので、ドゴームが来る前に起きてしまってます。ポチャは反対に弱いので、大声で叩き起こされるんですね(笑)
頑張れよって感じなんですが。ピカも起こそうとしてくれてたのにね。
ま、こんなのが日常なんですがね~

ではでは!