satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第99話

~前回までのあらすじ~
無駄なことしているのか、詰めすぎなのか知りませんが、この章長すぎですね。まだ終わらないぜ(笑)
なんやかんやでもうすぐ百話です。
ピカ「はい。ということで、無駄話している場合じゃないので、始めちゃいたいと思います!」
しかもこれ、放置してるしさ……他の書いちゃってるしさ……それでも約束には手をだしていないんだけどさ。
ピカ「………ライ君達、かわいそう」
ごめん……ライ君。
では、こちらは始めていきたいと思いますー!


ディアルガパルキアのときと同様、名前を呼んだ三人が姿を表した。一人は不機嫌そうな顔をし、残りの二人は少し不思議そうにしている。
「久し振り~♪ 突然で悪いけど、私の質問に答えてくれる?」
『突然すぎよっ! 久し振りに会ってそれが第一声とか信じらんない!』
『まあまあ……いつも突然なのは、ピカの十八番ってやつだし。それにボクたちも慣れただろう?』
『慣れたくないわよ』
『というか、十八番ってそういう意味で使うんでしたっけ?』
「すいません。私のことは無視っすかね」
エリーと呼ばれたエムリットはピカの方をちらりと見上げた。むーちゃんと呼ばれたアグノムとゆっちゃんと呼ばれたユクシーは黙って二人の行く末を見守るようだ。
『前から気になってたんだけど、なんでエリーなわけ? いいんだけど、由来はなによ』
「特になし」
『それにさ、アタシもエムリットでむーちゃんに反応しそうになるんだけど……』
「むーちゃんはアグノムさんのことって相場が決まっているんだよ!」
『決まってないわよ! そもそも、アタシ達にあだ名つけたのもあんたが初めてだからね!?』
「それはよかったってことかな? えへへ~♪ それほどでもあるけどねっ!」
『…………もういいわ。あんたに勝とうとか希望を持ったアタシが悪かったわよ』
ピカとエムリットとの言い合い(と言っても、ピカはそんなことを全く考えていなかったのだが)は、エムリットが諦め、話を聞くことに落ち着いたらしい。傍観者と化していたアグノムユクシーは、互いに見合い、苦笑を浮かべた。そして二人もピカの話を聞く体勢をとる。
『それで質問ってどんなことかな?』
「うーんと……制御者達のこと聞きたいなって」
『制御者? 別にいいけど、どんなこと?』
「ラウラさんって人なんだけど……知ってる?」
アグノムは小さく首をかしげ、しばらく考えていたが、思い出したのかあぁ、と呟いた。
『彼女か。うん、知ってる。あの子、自分に厳しいところがあるというかね……ま、いい子には違いないと思うよ』
『今、ブラッキー君の制御中って聞いたわよ。んでも、ラウラにしては仕事が遅いってファウスが嘆いてたわね』
『それと……この前、禁忌に手を出したとか…』
「ゆっちゃん、禁忌って……ラウラさんが掟を破ったってこと?」
ピカの質問にこくり、とうなずいた。少し言いにくそうにしていたが、ユクシーは口を開いてくれた。
『えぇ……ファウスさんが決めた掟の一つです。仲間同士の争いを禁ずる……というものです。制御者というのは内に巨大な力を秘めている存在ですから、その力同士がぶつかると危険なのですよ』
『制御者は神同様に永遠の命を持つの。けれど、同じ力がぶつかれば話は別ってことよ。それを恐れたファウスは、掟で制御者達を縛り、命を守ることを選んだの』
ユクシーエムリットの話を聞き、ピカの中でピースが埋まっていった。ラウラの目的、という疑問の答えとして仮説しかなかったものが今、証明されていく感覚。いつもと同じ感覚ではあるものの、他の感情も沸き上がっていた。
ユクシーが言った掟はね? 一番やってはいけないことなんだよ。制御者が継承者についていた場合、継承者にも危険が及ぶからね』
『でもそれは、ラウラにだってわかっていたはずなんだけれど』
「もし、その掟を破ったら……どうなるの?」
三人に質問しながらも、ピカはもう、この質問の答えを知っていた。知っていたが、聞かずにはいられない。まだ何かないかと頭の中で探しているが、どうしようもないことも、ピカは感じていた。
『ファウスは……いつもは明るくて掴み所のない人だけれど、本性は怖いくらい厳しい人なんだよ。優しさとかそういうの全然感じないくらい、冷静で冷酷な人』
『私は見たことはあまりありませんが、初めて見たときは本人なのか疑うくらいでした。そんな人です……掟を破ったら無事ではすまないでしょう』
『…………つまり、ね。ラウラは…』
「………存在ごと…消滅させられる」
エムリットが続きを言う前にピカの口から答えが漏れていた。彼女自身、無意識なのか、三人が驚いた様子で見ていたことに気づいていない。
「となれば………ラウラさんの目的は…………うん、そう…よね。ありがとう、三人とも。なんとか繋がった」
力なく微笑むピカにかける言葉が見つからないのか、戸惑いを見てせいたが、エムリットが口を開く。
『いまいちピンときてないんですけど。……まあ、いいわ。……このあとを見届けるかは、ピカの自由よ』
『そうだね。………ピカがそんな顔をすることはないんだよ。彼女が選んだ道、ということだからね』
『ピカさん、その考えを誰かに伝えるのも自由だと思います。………健闘を祈っています』
「うん、ありがと。………そだ。色々教えてくれたお礼と言ってはあれなんだけど……ケーキあげるよ。元々こうするつもりだったし♪」
先程とは違う笑顔を浮かべ、カイスの実で作ったタルトを見せた。それにいち早く反応したのは、エムリットだった。
『ほんと! やった~♪』
『さっきまでのシリアスムードが台無しだね』
『ふふっ……それがピカさんですもの』
「なんかけなされてる……? んまあいいや。今回は本当にありがとう。じゃあね~♪」
ケーキを渡し、三人を見送った。そして再度周りには誰もいない一人の時間が訪れた。
そして、ユクシー達から聴いたことを頭の中で整理し始めた。今回の最大の疑問と言える、ラウラの目的についても見当がついた……否、ついてしまった。
日記の文章、制御者達の掟、フォースを狙った理由。それは全て、制御者としての役割を果たすために取った行動なのだと。
「ラウラさんは知っていたんだ。いや、直感でも感じたんだろう。…………闇に完全に落ちた者は…もう……」
もう、助かることはないんだということを。だからこそ、フォースに頼ったことを。ピカは知ってしまったのだ。このことはラウラ自身、話すことはないだろう。ピカが話さなければ、フォースが知る機会も訪れない。ファウスはどう思っているのだろうか、と考えたところで、何も感じていないかもしれない、と思った。アグノムが言っていたファウスの本性を聞いてしまうと、そう考えてしまう。
「…………私の考えが間違っていないとなれば…こうしなきゃいけないこと……なのかな。………きっと方法はこれだけだったんだろうけど…そうだと思っていても……なんて悲しいことなんだろう」
ピカはふるふると首を振り、フォースと合流するため、部屋を出た。今回のことはもう一人で考えたくないと思ったからか、歩を進める足は速まるばかりだった。



~あとがき~
や…やっとピカのターン終わりっすね……長かった……のか? どうなんだろう。
さて、これだけでラウラさんの目的がわかったら凄いですね! だって、文章じゃごちゃごちゃしてて、整理されてませんもん(笑)

次回、多分、合流すると思うな。

ユクシーエムリットアグノムのことは話に説明を入れてませんが、本家ポケダンと同じですね。
今では仲のいい友人ですね。ディアルガパルキアと同じ感じの関係です。また、ゆっちゃん、エリー、むーちゃんはやはりと言うべきか、ピカしか使ってません。ポチャは種族名で呼んでます。

今回のことで色々解決の糸口が見えたのかなって思います。……あ、いや、見えてないか。疑問解決の糸口は見付けましたけどね。ピカはすでに今回のことを理解していますが……皆さんはどうでしょうか?
再度、ピカから説明してくれると思います。
あ、関係ないんですけど、ケーキはエリー達が食べちゃいます。思念体とは言え、物は送れる、という設定((
ほら、パルちゃんもピカに鍵渡してたでしょ? それと同じ感覚だy((殴

ではでは!