satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第100話

~前回までのあらすじ~
前回、疑問解決の糸口を発見(?)しました。
この章半分かな? 半分終わったのかな? いやもう……わかんねぇけどよ。もう。
ピカ「早く終わらないかな~」
フォース「いい加減、面倒になってきたな」
ピカ「そだね」
じゃ…じゃあ、もう始めるよ! はい、本編スタート!
フォース「やけくそだな」
ピカ「だな~」
うっ……あ、百話いきました。これからも頑張りまーす……企画、頑張りまーす…
ピカ、フォース
「ここでそれを言うのか」
…………てへぺろ~♪


「あっ! ピカ様~♪ どこ探してもいないので、心配してましたよ~」
「いや、だから最初からピカさんの気配辿ろうって言った…」
「エレルさん。……それにユウさんも…」
エレルとユウがピカの姿を見つけ、駆け寄ってきた。二人しかいないことに首をかしげるが、フォースはまだファウスと一緒にいるのだろう、と思った。
「私、そろそろフォース君と合流したいんですけど……どこにいますか?」
「きっと、マスターと一緒ですよ♪ さあ、行きましょうっ!」
エレルは手をあげると、ピカ達の先を歩き出した。残されたピカとユウはエレルの後ろ姿を見守りながら、二人は呆れ顔を浮かべていた。
「あれ? エレルさんってこんなにテンション高い人だっけ? 私の記憶違いかな」
「いや、元々テンションは高めですが、あれは舞い上がってます。久し振りに下界の人と触れ合ったんで、嬉しいんじゃないですかね」
「………喜ぶところかな? そこは喜んでいいのかな?」
「どうでしょうね。……僕にはさっぱりです。ま、行きましょうか」
ユウに促され、ピカもエレルの後を追った。歩きながら、今後のことをどうするか、というのを考えていた。
自分の立てた仮説をエレルとユウに伝えるべきなのか、ということについてだ。伝えるにしても間違っている可能性もまだ捨てきれない。それに余計なことで気にやむこともないのだ。
しかし、今まで仲間としてやってきた仲。だからこそ、知ってほしいという思いもなくはない。反面、伝えない方がいいと思う自分がいる。
「………どうするかね」
「? ピカさん、どうかしました?」
「え? ううん。何でもないよ」
そうですか、とユウとの会話は途切れる。ピカは言葉を発したあとでしまった、と思った。いつもの癖で何でもない、と言ってしまったことで、言う機会がほぼなくなったと言っても過言ではない。
人知れずため息をつき、この事について考えるのをやめることにした。

「……全くお前はどうしてそうも不真面目なんだろうな。つか、これ、何回目だかわかってる?」
「数えたくないくらい言われましたね……はい。ごめんなさい。反省しますので、お許しください………って、立場逆になってない? ねえ、おかしいよね?」
「確かに立場は逆になってるな」
平然と答えるフォースに次の言葉をかけようにも、すぐになぎ倒されそうだな、と悟る。それはそれでいつも通りのことである。そして例のごとく、ファウスはフォースの創り出した鎖に捕まっていた。格好はつかないと思いつつ、フォースを見上げるようにして、本題に入る。
「……ねえ、フォース? 怒ってるの? ウィルのこととか」
「あぁ、そうだな。あんたのことだから、考えはあるんだろうけど、人の記憶を操作されればいい気分にはならない。そんなの当たり前だと思うけど」
「そりゃそうだよね。俺だってやだし」
「じゃあ、なんでそんなことをした?」
「え? 特に理由はないけど。強いて言うなら、必要だからだよ。その理由は言えないよ? ないものを理由つけても仕方ないもん」
「……そう言うと思った」
フォースはぱちんと指を鳴らして鎖を解いた。これ以上、話をしても無駄だと判断したためだろう。ファウスはそう思ったが、予想に反して更に話は続いた。
「そんなんだから、ウィルにぃに嫌われるんだ。今思えば、あの愚直全部、お前のことだったんだな」
「………あいつに嫌われるのは構わないけど、どんなこと言ってたんだろーって気になるところだよね」
「絶対に機嫌悪くなるから言わない」
「そりゃそうだな~」
「けど、簡単に言えば、全面的に存在否定されてたな。自分の息子にあそこまで言わせるのも大したもんだよ。別の意味で尊敬する」
フォースの言葉を聞き、黙るしかなかった。元々反りが合わないと思っていたため、互いのことを嫌っているのはわかってる。互いの性質上仕方がないことなのはわかってはいたが、それでも完全に否定までされるとは思っていなかった。
「あのガキ……ま、わかってはいたけどね。俺も理解したいなんて思わないし」
「そのくせ、似てるところがあるってのが達悪いな」
「似てないし。どこも似てないし」
「あっそ。……じゃあ、そろそろ行くから。ラルが来たらここを出る」
「あら。まあ、ずっと居座るのもあれだもんね。……じゃあ、フォース。俺の言いたいことはわかるよね?」
「………それをおれにやらせるわけ?」
フォースの問いに答えることなく、じっとフォースのことを見据える。彼のことだから、ファウスが何をやらせたいのかわかっているはずだ。それでもなお、質問してくるところを見ると、やりたくないということなのだろう。
「俺がやってもいい。……けどさ、俺がやるよりフォースにやってもらった方がいいんじゃないの? それが望みみたいだし」
「何もかもお見通しってやつか。……つくづくムカつくやつだな」
「あはは♪ 嫌なんて言わせないよ。これは俺の最上級の気遣いだからね」
「…………他に選択肢はないわけ?」
「そんなのあるわけないだろ」
ファウスは声色を変え、表情を消した。ファウスの変貌にフォースはぴくりと体を震わせる。
「掟は掟。破ったならば、それ相応の罰が下る。そんなの常識だろう? そこに選択肢なんざ与えてたまるか。……お前達はあくまで俺の手下にすぎないんだからな」
「それはわかっている。でも、何か理由があるはずだろ。お前が…マスターが創ったあいつらがマスターを裏切るようなことするはずない…です」
「そうだな。理屈ではあり得ない。……しかし、それは理屈上ではの話。実際はどうなるかなんてわかるはずもないんだよ。お前達が触れている相手は、感情を持つんだからな……感情ほど厄介なものはない」
「ラウラはそれに流された、と言いたいんですか」
フォースの言葉を肯定する代わりに不敵に笑って見せた。そして、くるりと背を向け、話を無理矢理終わらせに入る。
「話は以上。……反論、質問は聞かない」
「マスター!」
「何度も言わせるなよ。反論は聞かないし、質問も受け付けない。フォース、お前の意志は二の次なんだよ」
「…………わかりました。貴方の仰せのままに」

何かあった、と悟るにはそう時間はかからなかった。恐らく、エレルもユウもただならない空気を感じたはずだ。それがどんなことを指すかまではわからないだろうが。
ピカは二人に聞こえないよう、自分でさえ聞き取れないくらいの大きさで呟いた。
「………掟を破った者には…死を……か…」



~あとがき~
百話ってめでたいのに話の内容がどんどんシリアスになっていきますね。計画性がないからこうなるんですね。反省します……もう遅いけどさ。

次回、ピカが推理した、ラウラの真意とは?
って感じのが書けたらいいな! 書けたらいいな!
でも無理だと思いますので、その手前までって感じかな!

マスターさんって本当は怖い人なんですよね。いつもはポチャ以上のいじられキャラでヘタレで馬鹿でアホでサボり魔で部下に言われっぱなしのヘタレで……と、いくら悪口を並べても並べ尽くせないくらいの人なんですけどね。……それは言い過ぎかな。
基本的に神様は冷淡というか、非情な方々の集まりだと思っています。例外もいなくはないですが、私の考える神様像はそんな感じです。なので、マスターさんは例外……ではなく、情とか何それ美味しいのって分類の方だと思ってください。
まあ、特定場面のみなんですけど(笑)

今回は二人が淡々と話し合いで解決しましたが、実はもう一つ考えていた流れがあるのです。ま、書きませんでしたがね。いわゆる、お蔵入りですな。

そして、本編に全く関係ないのですが、百話突破記念の小説を月曜に投稿したいと思っています。三連休だし、せっかくなんでね。
前にも書きましたが、主人公はフォース君ですね。ここでもメインだし、番外編でもメインとか……ま、いいんだけどさ。
もちろん、期待しないで待っていてくださいね。
番外編は本編と同時進行で進めていくつもりですが、優先なのは本編です。そこは変わらないぜ!
……イラスト、トークはテスト終わってから頑張りまーす。

ではでは!