satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 2ー3

~attention~
最近、本編より、こっちの方が乗ってきている……ヤバイな。
ピカ「…………イメージ崩れるの嫌な人は見ないでね」
ポチャ「短いけど……言ってくれたからいっか」
ピカ「特に言うことない。………始める」
ポチャ「どんどんここのコーナー、短くなっているような…」
本編かけなあぁぁぁぁいっっっ!!!!
ピカ「うるさい」
あう……


~ 2‐3 初めての依頼~


ここを突破するためにはあのカラナクシ軍団をどうにかしなければならない。が、どうすればいいのか見当もつかない。攻撃しようにも、あんな広範囲に技は当たらないだろう。一人一人倒していては、こちらがもたない。
「…………ピカ、どうしよう?」
「もう一度、見てみる。……何体いるのかざっとでいいから把握したい」
「えっ……でも、無闇に行かない方がいいんじゃない? いや、行かないといけないんだけど……」
「大丈夫。もう一度覗くだけ」
数によっては、私一人で何とかなるかもしれない。カラナクシの特性を考えると、ポチャを頼る考えはよした方がいいだろう。
心配するポチャを連れ、カラナクシ軍団のいる部屋を覗いてみた。自分の気配を消し、相手に気付かれぬよう、部屋を覗いてみた。
どうにか私一人で何とかしたい、と思っていたのだが、どうにもならないくらいの数がいた。倒せたとしても今の私では、恐らく、半分もいかないだろう。そうなれば、相手の攻撃で倒される……で、失敗、という未来が浮かぶ。ここは退いた方がいいのかもしれないが、二度目のときにいないとも限らない。そうなれば、ただのいたちごっこにしかならなくなる。
それならいっそ、かけてみるか……? しかし、そんな不確定要素のまま突っ込みたくはない。何か一つ。切り開く何かが欲しい。
「……ポチャ、水タイプ以外ならどんな技、使える?」
「えっ………打撃技…とか。“つつく”とかそういうのかな? 他は…………その…あるにはあるけど、実践向きじゃないというか……なんというか…」
「? あるの?」
「一応………けど、実戦で使えるほど使いこなせてないから無理! やめといた方がいいよ」
「どんな技なの?」
私が踏み込むと、ポチャは言葉を探しているのか、はたまた、答えたくないのか、私から目を離した。それでも私はポチャの方を見る。
この状況では、どうにか流れを掴みたい。どんなことでもいいから、何かが欲しいのだ。
ポチャと小さな駆け引きをしていると、カラナクシ達が私達に気付いたのか、殺気を放ち攻撃体勢に入っていた。私は完全にカラナクシ達に背を向けており、防御がままならない。このまま前に走り抜けた方がいいのだろうか? いや、それで致命的なダメージを受けても困る。
「シンニューシャ! ハイジョ!」
「わわっ! よけられ…」
ポチャが言い終わる前に私は彼を思いきり突き飛ばした。完全に体が勝手に動いてしまったが、カラナクシは恐らく水タイプ。私は電気タイプだから、そこまでダメージは負わない……はず。それは敵と同じタイプのポチャも同じはずなのだが……まあ、いい。
しかし、私の予想に反してカラナクシ達は水タイプの技を出してこなかった。更に言うと、攻撃技ですらなかった。カラナクシ達は“どろあそび”を繰り出し、辺りを泥だらけにする。ついでに私の方に向かって泥を飛ばしてきた。
「…………うえ…」
効果はあまりよくわからないが、とりあえずこの場から離れることが先決か。
カラナクシ達のいる部屋から離れ、ポチャと合流する。ポチャは不満そうな表情を浮かべ、文句ありげに待ち構えていた。
「ピカ! なんで突飛ば………って、泥だらけだよ!?」
「………“どろあそび”された」
「“どろあそび”……ってことは、電気タイプの技の威力を弱められたってことか」
ポチャが困り顔でぽつりと呟いた。
それじゃあ、しばらくは電気タイプの技も封じられたと考えるべきか。というか、そんなことを考える前にこの泥、落としたい。
近くにある水辺まで近寄り、体についた泥を落とす。あらかた落とし終わり、今後のことを考え始めた。
はてさて、どうするかな。“どろあそび”される前は私の技でどうにかなるか、と思っていたが、こうなってしまっては、私の技ですら頼れなくなった。あの部屋は恐らく、泥だらけであり、私の電気も通すとは思えない。カラナクシ達もかなり泥だらけだったはず。となれば、面倒だが、一体ずつ倒していくか?……いや、その前に確認したいことがあった。
私は悩んでいるポチャの方を見た。それに気づいたのか、ポチャも顔を上げた。
「どうしたの? ピカ」
「さっきの続き………使えるの教えて」
私が話を戻すと、ポチャはびくりと体を震わせた。カラナクシに襲われていて、この話を忘れていたようだ。……それは私もだが。
また二人の睨み合いが始まり、それに耐えられなくなったのか、ポチャはため息をつく。
「………はあ。えっと、氷タイプの技だよ。“ふぶき”ってやつ。けど、ほとんど使わないし、親からの遺伝で何て言うか……威力が強すぎて耐えられなくて」
私との駆け引きに負け、言いにくそうに教えてくれた。氷タイプの技ならカラナクシの特性を気にすることないか。
「じゃあ、それ使おう」
「いや、話聞いてた? 使い物にならないんだって」
「やらなきゃ上達しない。……違う?」
「それは……そうだけど。でも…」
「大丈夫。私が全部指示出すから………何とかなる」
どこにも根拠はないけれど、突破するためだ。何とかしなくてはならない。そのためには、ポチャの力が必要なんだ。
「もう…………外しても文句はなしだからね」
「わかった。駄目だったら、他を考える」
外す、などという選択肢は私の中に存在しないけれど。理由はわからないが、私はこの状況で自信を持っていた。ポチャの技がどれほどのものか知らないはずなのに、そこを不安に思う自分が存在しない。
………人間の頃にも似たようなことがあったのだろうか? 例えば……こういう風に誰かに指示を出す、という状況が。
まさか……ね。
「“ふぶき”なら広範囲に当たると思うよ。当たれば、一撃で倒せる……と思う」
「えぇ……わかっているわ」
私とポチャは部屋に入る手前で止まる。私の前にはポチャが立ち、そのポチャは何度も深呼吸をしていた。
「…………落ち着いて」
「う……でもやっぱり無理だよ」
「まだ何もしていない。無理だと決めつけるには、まだ早いんじゃない?」
「そうかもしれないけれど……うぅ…」
明らかに自信なさげのポチャを見かね、ぽん、と頭を叩く。そんな私の行動に驚いたのか、私の方を振り向き、目を見開いていた。そんなポチャににこりと笑いかけた。
「大丈夫。私は後ろにちゃんといる。……勇気、出せよ」
「…………うん!」
ポチャはカラナクシ達のいる部屋の方を向き、攻撃体勢に入る。私はどうすればいいのかを考えた。
技を当てたいのならば、まずは落ち着くこと。相手をよく見て、行動を予測する。……今回はほとんど動かない相手だから、その必要はないが。
「ポチャ、勢いに負けそうになっても攻撃を緩めなくてもいい。私が支える。……頭は上に向けないで。まっすぐ前を見ていて」
「了解。………“ふぶき”!」
ポチャから放たれた“ふぶき”はカラナクシ達の虚をつくことが出来たようだ。そして本人が言うようにかなりの威力で、強い冷気が辺りを包んだ。私の予想以上の力があり、緩めるな、と言ったが、こちらの方が押し負けそうになる。しかし、こんなことで負けていられない。
入口付近にいたカラナクシ達が次々と倒れていき、全滅まであと少しだろう。
「…………っ!」
ポチャは私の言ったことを必死に実行しており、威力は緩むどころか、強まっていく。その度に私もポチャを支えるために力が入った。
カラナクシ達が全員倒れたのと同時にポチャも限界だったのか技が停止。それが急だったために勢い余ってポチャを前に押し倒してしまった。
「………きゃあっ!」
「うわっ!?」
「ご、ごめんなさい……急に止まるから…」
「いや……大丈夫だよ。ピカ、怪我とかしてない?」
「大丈夫。……ポチャは?」
「ぼくも大丈夫だよ。………敵の方、どうなったのかな?」
私とポチャは体が重なったまま、部屋の方を見た。“ふぶき”の冷気がまだ残っているのか、白い煙が立ち込めていたが、敵の気配は消えていた。
「いなくなった……みたい」
「じゃあ、ぼく……当てたってことなの?」
「うん。……ポチャがやったんだよ」
「や…やった! あー……ピカがやれって言ったとき、一時はどうなるかと思ったよ~」
「だから言ったでしょ? 大丈夫ってさ」
「君の言った通りだね。やってみなくちゃわかんないよね……えへへ。ありがとう、ピカ」
「………どういたしまして」
私はポチャの上から降りると、手を差しのべた。ポチャはその手に掴まり、立ち上がる。そして、先程までカラナクシばかりだった部屋へと入った。部屋に入るなり、異様な光景に目を奪われる。それはポチャも同じようで、ぽかんとしていた。
「…………凄いことになってる」
「やった本人が言うのもあれだけど……ぼく、こんなことしちゃったんだ…」
部屋一面が“ふぶき”のため、氷漬けになっていた。そこまで威力があるなど、私はもちろん、ポチャも思っていなかった。ここは元々水が多いから、驚くことではないのかもしれない。それにしたって、ここだけ別のダンジョンのようだ。
「……階段、こっちだよね。行ってみようか」
「そうだね……」



~あとがき~
カラナクシ軍団、撃破ぁぁぁぁ!!
ポチャが頑張りましたね♪
今では当たり前に使っている“ふぶき”ですが、昔は上手く使いこなせなかったようですね。

次回、真珠発見!

特に言うことはないですね……はい。
関係ないですが、カラナクシってちょっと言いにくいです。カラナクシカラナクシ書いてたら、これであってたっけ? ってなりました。
製作秘話(?)でした。

あ、ピカがポチャの上に乗るとこあったけど、あそこではポチャは照れてません。だって、それどころじゃないですからね(笑)
多分、照れるとしたら、思い出したとき……とかかな?

ではでは!