satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 2ー4

~attention~
ポケダンのゲームのイメージが崩れる恐れがあるため、閲覧注意ですよ~
ピカ「…………言うことないな」
ポチャ「あはは……」
んでは、始めていこうかな。
ちょっとここのところが短いけど……仕方ない。


~2‐4 初めての依頼~


最後のカラナクシ軍団を除けば、簡単だった『しめったいわば』……の最深部についた。バネブーの真珠だったな。どこにあるのだろう。
バネブーの真珠…バネブーの真珠………どこかな。もう少し奥?」
ポチャはそう言うと、少し駆け足で奥へと消えた。ポチャが持ってきてくれるなら、私まで奥に行く必要はないか。しかし、そう思いながらも歩いてポチャの後を追う。
「あ! ピカ、あったよ! ほら♪」
ピンクの真珠を手に嬉しそうに寄ってきた。こんなのを頭に乗せているのか、と感心しながらも、ポチャから真珠を受け取り、バッグに入れる。
「これで依頼完了だね。ギルドに戻って、バネブーに渡そう」
「…………ん」
私はバッジを操作し、ダンジョンを脱出した。
……色々あったが、なかなか楽しかったと思う。そう思えるのは、私の進歩と言えるのだろうか。……それとも…いや、やめておこう。
次に目を開いたときには、プクリンギルドの目の前にいた。もう夕方で日が傾いており、ギルドの周りにある松明もパチパチと音を立てて火が灯っている。
私とポチャは互いの顔を見合い、ギルドの中へと入っていった。

「ありがとうございます! いや~……頭にこれがないと落ち着かなくて…」
ギルドにつくなり、連絡があったのか、掲示板の前にバネブーが来ていた。その隣にはペラップがおり、私達を見るなり、嬉しそうに体を揺らしていた。そして、ペラップのいる横で依頼されていた真珠を手渡した、ということになる。
「もうあちこちぶつけて身体中痛いんですけどね……でも、これがあればそれもおさらばです♪」
なんでそこまでして跳び跳ねたんだろう。……落ち着かなかったからか。
「これはお礼です」
そう言って私に色々渡してきた。どれもこれも名前はわからないが、全て栄養ドリンクだった。多分、今後に使えるようなもの……なのだろう。
そして最後にお金が入っているであろう袋を渡してくれた。いくらかわからず、首をかしげたが、隣でポチャが慌てて、バネブーの方を見る。
「えぇっ! 二千ポケ!? こんなにいいの?」
「もちろんです。この真珠に比べれば安いもんですよ」
二千……? まあ、沢山貰ったものだな。それがどれくらい凄いのかさっぱりだけれど。
「それでは、本当にありがとうございました」
ぺこりと律儀に頭を下げ、ギルドを後にしたバネブー。お金をポチャに持たせ、私は手渡された道具をバッグに仕舞っていると、ポチャが嬉しそうに笑っていた。
「二千ポケだよ! ちょっとお金持ちになった気分だよ♪」
貴方の家は元々お金持ちなのでは?……とは、言えず。だって、言うなって言われたし。
「初めてにしては、上手くいったな♪」
「そ、そうかな……」
「さて、貰ったお金だが、基本的にギルドに取り分がいくんだ。だからえーっと…」
ペラップはポチャの持つ袋を漁り、私達の取り分を分けているようだ。……嫌な予感がするのは私だけだろうか。
「ま、こんなもんかな。ピカ」
「…………?」
「二百!? あんなに頑張って、これだけ!?」
十分の一か。……ふむ、それはなかなか取られたものだ。何と言うか……子どものお小遣い程度だな。あれだけ頑張ってこれだけ、となるとポチャが騒ぐもの無理はない。……得策とは思えないが。
案の定、ペラップはバサバサと翼をはためかせ、不機嫌そうに声を荒げた。
「お黙り! ギルドのしきたりはしっかり守ってもらうよ」
そう言われたら、黙るしかないだろう。ポチャも息を詰まらせ、それ以上言葉を発することはなかった。ポチャの様子を見たペラップも納得したのか、満足そうにうなずいた。
「そろそろ夕食の時間だから、お前達も下に下りてこいよ」
「はーい……」
ペラップと別れ、ほどなくして、チリーンから夕食の合図が知らされた。何か言いたげだったポチャも諦め、下にある食堂へと向かった。
ギルドメンバーが集まり、夕食をした後、自分の部屋に戻った。

寝る準備をしているとき、ふわりと欠伸が漏れた。今日は色々ありすぎた。特にカラナクシ軍団はあり得ない……
「ねえ、ピカ」
「…………ん?」
「今日、色々あって忙しかったけど、仕事が成功してよかったって思うんだ。……お金はほぼ取られたけどさ」
ペラップに(というか、ギルド、つまりは親方に取られたようなものだが)、ほぼ取られたことがまだ心に刺さっているようだ。少し悔しそうに言っていたが、次にはにこりと笑っていた。
「でもさ、バネブーに感謝されたことがとっても嬉しかった。だから、まあ……あれでよかったのかなって」
「………そうだね」
「あと……最後のあれ…もさ、ピカがいてくれてよかったって思った。ありがとう」
「私は別に何もしてない。……全部ポチャの実力」
「そうだとしても、一歩前に踏み出せたのは、ピカのお陰だよ。ぼく一人じゃ出来なかったことだよ」
そういうものだろうか。……まあ、別にどうでもいいけど。
照れ隠しのように頭をかき、ベッドの上に仰向けに寝転んだ。そして、ころん、と横になり、何かを思い出したかのように、口を開けた。
「あ……あのときのことなんだけどさ。ピカ、わからなかったかもしれないけど、嬉しそうに笑ってたよ? いつもより生き生きしていたというか……って、聞いてる?」
「え? あぁ……うん。……なんでだろうね」
「うーん……単純に嬉しかったのかな? もしくは、今とは違うピカの本性がある……のかも?」
「………しっくりこない」
「あはは。ま、時間はあるんだし、焦らないでいこ」
そこまで言うと、ふあぁ、と欠伸をした。私もつられ、小さく欠伸をする。
「明日もあるし……そろそろ寝ようか」
「……うん。そうだね」
「それじゃあ、おやすみ」
「おやすみ、ポチャ」

バチバチと大きな音が鳴り響く。何かアクシデントがあったのは確実だ。と言っても、初めて来たからいつもこんな感じなのかもしれないけれど、こんなに荒れているわけでもない。……はず。
彼が話しかけてくる。大丈夫か、と心配しているようなそんな感じ。周りの音に負けないよう、彼もかなりの大声で話しているようだ。
もう少しだから手を離すな、と言ってきた。私はそれにうなずいて返す。
しかし、何かを感じ、危ないと思った。そして、私は…彼を………?
あれ? 何をしたんだろう?
それに彼って誰のこと? そもそも、彼、であっているの?
ここは…どこなんだろう……?
そして私は気づいた。
これは夢なんだ、と。



~あとがき~
一話よりパートは少ないですね。ちょっと駆け足でした……もっと丁寧にやればよかったかな?

次回、三話! 『目眩の先にあるもの』です。
ゲームシナリオで言う、『時空の叫び』にあたるお話です。題名が違うだけで、話の流れは変わらないっすよ!

もう少ししたら、本編のピカと同じ性格になれるのではと思っています。ポチャも色々気づいて言ってくれてますし。

夢(?)のシーン、適当に入れてみました。ゲームだと始まってすぐにあの場面なんですが、小説だと入れるところがなくて、あそこに。
ゲームをプレイしたことのある人は、どこのことで、どんな場面なのかわかると思います。頑張って書きたいな~

ではでは!