satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

Fantasy world

はーい。毎度のように繰り返しますが、ポケモン二次創作なので、苦手な方は閲覧をお控えくださいなーっと。
イオ「終わりが見えない」
あう。そこをつくなよ。大丈夫、粗方の道筋は考えてあるよ!
では、始めまーす!


~第8話 新たな仲間……?~

「! イオ様! メイも……」
部屋に入ると、ジュンがこちらを見て、少し安堵を浮かべた。そして、ジュンの対角線にいるブースターが怯えたように体を震わせている。当たり前の反応と言えば、当たり前かもしれない。目が覚めたら、全く身に覚えのない場所に連れてこられたのだ。怯えるのもわからなくはない。
「とりあえず、落ち着け。俺達は何もしないから」
そう声をかけてみるが、全く応じることなく、むしろ、警戒されている気がする。俺、何かしたっけか。
「オレもそう言ってるんですけどね……」
やれやれ、と言うかのように肩をすくめる。確かに警戒を緩めることなく、敵意を俺に向けてはいるが。こんな安っぽい文句に応じていたら、ジュンが手こずるはずがないか。
どうしようと迷っていても仕方がない。王道だが、ここはこちらから歩み寄るしかないだろう。
「あ~……えっと…俺はイオって言うんだ。このツタージャはジュンで、エーフィはメイ、な。その……君の名前は?」
ブースターがぴくりと反応を見せた。これはいいかもしれない。
「あ、出来れば教えて欲しいんだけど」
「…………私の…名前は…」
俺達に名乗ろうと口を開くが、ぴたりと止まってしまった。何かを思い出そうと思案するような表情になり、やがて、うつ向いて表情が読めなくなった。
「………どうした?」
「わからない。何も…思い出せない……」
「記憶喪失ってことですか?……これまた面倒な事例になりそうですね」
『ジュンくん、言っちゃ駄目だよ』
どうやら、俺達三人にはどうすることも出来ないようだ。それに正確な判断が出来るだけの知識はない。出来るのは、残念ながら、エルナトだけだろう。
「……ジュン、エルナト呼んでこい。今、落ち込んでるところなんだけど」
「はい? 落ち込んでいる? こんなときにあの人は馬鹿なんですか。……わかりました、行ってきます」
ジュンが部屋から出て行き、残されたのは俺とメイとブースターだけ。こういうとき、どんな言葉をかければいいんだろうか。
『イオ様、この方、これからどうなるんでしょう?』
「………さあな。けど、俺らが預かることになるんじゃねぇの」
『そ、そうなりますよね。……はい』
少し不安げに答えるメイに疑問を持つが、預かることになるのは明白だろう。その事を彼女に提案しなくては、と思い、俺は依然として威嚇中のブースターの方をちらりと見た。それと同時にこの部屋の扉が大きく開かれる。この部屋にいた全員が驚いて、扉の先を見つめた。
「起きたんだって? よかったじゃない♪」
あれ、復活早くない? いや、別にいいんだが。
そこにはにこにこといつものムカつく笑顔を浮かべるエルナトの姿があった。その隣には、遠巻きにしているジュンの姿もある。先程まで被っていなかったパーカーのフードを被っていた。どうやら、他人面したいらしい。その気持ちは大いにわかる。
エルナトの登場で、幾分か敵意が薄れたのか、ブースターは少しだけ力が緩んだ。エルナトは笑顔のままブースターに近づき、自然と目の前に座る。
「僕、エルナトって言うの。よろしくね、ブースターちゃん♪ 君を助けたのは、そこにいる、イオとメイちゃんなんだ」
「…………え?」
「ここに連れてきたのは、僕がお医者さんだからなんだ。急に知らないところに来て、ビックリしたよね? そのことについては、謝る。ごめんね」
「あ…いえ……」
完全にエルナトにペースを取られ、しどろもどろになってしまっている。俺と向き合っていたときは、敵意を向けていたのに今では、きょろきょろと助けを求めるかのように目を泳がせていた。
これがエルナトの話術なのだから、恐ろしいものだ。相手にペースを取らさず、自分のものにしてしまう。
「あのね、君から魔力を感じないんだよね。だから、ここではないところから来たと思うんだ。いきなりこんなこと言われても困るかもだけど、事実なの」
「え? あの…」
「でも大丈夫だよ。イオがきちんと君のいたところに戻してくれるから♪ ね、イオ?」
「はっ!? あ……お、おお……」
「あ…あの! 魔力とか……ここではないところとか……どういうこと…ですか? 私、何も覚えてなくて……その……」
いつの間にか、敵意を感じなくなっていた。それもまた、エルナトの力のせいだろうか。
エルナトはキョトンとした顔をしたが、すぐに笑みを戻した。
「あはは♪ 大丈夫大丈夫。そういうのぜーんぶイオが教えてくれるよ~♪ 彼、そういうのが仕事だから」
そう言って、ウインクをしてきた。いちいち鼻につくが、事実だから仕方がない。俺はエルナトの隣まで歩み寄り、話の続きを引き継いだ。
「君の記憶が戻るまでは面倒見る。だから、俺の家に来い。……大丈夫、俺一人じゃないし」
俺の視線に気づいたのか、メイは大きく首を縦に振った。そして安心させるように笑って見せた。
「で、でも……そんなの…」
「記憶ないんじゃ、行くあてもないだろ?」
「お世話になっちゃいな~♪ それとも僕のところに来るかい? それはそれでいいよ!」
「お前は黙ってろ。どうせ良からぬことをするに決まってるんだから」
「えっ? しないよ~? 流石にそんなこと出来ないもんね」
「えっと…」
ブースターは戸惑いつつ、俺のことを見てきた。急にこんなことを言われたら、当然の反応だろう。
メイはぱたぱたと両手を振り、色々言っているが、ブースターに聞こえているはずもない。
「あ~……メイも心配しないでって言ってる。それにこのままってのも駄目だと思うし」
「でも、ご迷惑なんじゃないですか?」
「いや別に。エルナトのとこにいるよりはましだと思うぜ? ここにいる二人、キャラ濃いし」
ブースターは首をかしげたが、突っ込む気はないのか、キャラが濃い、という部分に触れてこなかった。突っ込まれても説明の仕様がないが。
「………それではお言葉に甘えさせてもらいます。ご迷惑おかけすると思いますが…その……よろしくお願いします!」



~あとがき~
やっと出てきた! やっと出せたよ!!
何度、予告違いのことをしたか……いや、いつものことなんですけどね。

次回、ブースターちゃんを連れ帰ります。

特に言うことはないんですけど……まあ、ブースターちゃんは記憶喪失ってことらしいっすね。
それを探すのもこの話のメインとなるかと思います。もちろん、わるーい敵さんも登場しますよ~
まだ先だけどね!

ではでは!