satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第30話

~前回までのあらすじ~
モモとゼルの仕事の依頼を受け入れました。
ほとんど流された状態ではあるけどね。
そして、とりあえず、ギルドメンバーを全員紹介しました。無理矢理。
ライ「最近、この小説がどこに向かってんのかわからなくなってきたんだが。どこに向かってるの?」
それは私が知りたいです。
先のことを出しすぎて、よくわからなくなってきました。どうしたらいいんだろうか。
ライ「いや知らないけど……」
んまあ、とりあえず行き当たりばったりではありますが、始めていきますね!


半ば投げやりに、やる、と返事してしまったが、出したものを取り消すことは出来ない。ライはすでに自分の発言に後悔しつつ、二人から話を聞くことにした。
「そんで? なにすんの」
「ライっちなら手伝ってくれるって思っていたんだよ。ありがとなんだよ!」
「わかった。わかったから、仕事内容を話せ。ここまできたら、やってやろうじゃん」
「強気っすね♪ なんかやけくそに聞こえるのは俺だけっすか?」
「多分、ショウくんだけじゃないと思います♪ ふふっ♪ 楽しくなってきましたね」
「あーもう、うっせぇぇぇ!! ややこしくなるから、他のやつは話に入ってくんな。特にそこの女子ども!」
びしっと指差す方向にいたのは、言わずもがな、ノアとレアの二人である。当然、二人の反応は不満そうだ。しかし、ここで折れては、この件に対して言いなりになるかもしれない。それだけは避けたかった。
「話に入ってくるなら、俺は降りるからな」
「それは駄目ですよ。面白くないですもん」
「じゃあ、黙ってろ。話に入るな」
「はーい……」
「必死っすね。ライ」
「ったりめーよ。……んで、仕事」
モモとゼルの方を向き、話を戻した。モモは嬉しそうに笑い、話を続けた。
「まだきちんと計画立ててないんだけど、ライっち達にはせんにゅーそーさいん? として手伝って欲しいんだよ♪」
「潜入捜査員……ねぇ。それはいいとして、どんな感じで相手を釣ろうと思ってんの?」
「きっとじょーほーがあっちにあると思うんだよ。だから、相手のコンピュータを使って弱味を引き出すんだよっ♪」
「それ、誰にやらせようと思ってるのかな?」
「もちろん、ライっちなんだよ?」
「………すでに参加させる気満々じゃねぇか。それに乗せられた俺ってなんだろう」
ライの呟きが皆に聞こえるはずもなく、モモはご機嫌なのか、笑顔のままだ。ここまで聞いて、再度断れるはずもなく、乗るしかないと腹をくくる。
「じゃあ、その話がきちんと決まったら教えろ。どうせ、まだ検討中なんだろ?」
「な、なんでわかるんだよぅ……」
「俺をなめるなよ。全く」
「じゃあ、交渉成立、だな」
二人の話が終わったと見たのか、ゼルがモモとライの間に入った。交渉、といっても、頼まれただけだが、ライは大して気にする様子もなく、頬杖をつく。
ギルドにいる以上、仲間同士の助け合いは日常茶飯事だが、面倒なことには手を出したくないと思ってしまう。普通の依頼ならともかく、モモの言ってきたようなものは面倒すぎて、先の話なのに重苦しくライにのしかかっていた。
「はあ………仕事っすか…」
その場で立ち上がり、気持ちを切り替えて自分の仕事に取りかかることにした。ライが立ち上がった後、ばらばらとメンバー達がその場を離れ、それぞれ自分の仕事に向かったらしかった。

しばらく一人で部屋で書類の束と格闘していると、小さく扉を叩く音が部屋に響いた。ライは書類から顔を上げることなく、どうぞ、と返事を返す。
「……ライ、今、いいかな?」
「ノアか。どうした? つか、お前がノックなんて珍しいな」
ノアの声を聞き、ようやく顔を上げた。いつもならノックなどせず、突撃されるのが普通なのだが、今日はどこか様子がおかしく思えた。
「ん……ちょっと気になることがあって。この前、イルちゃんのことで“ひかりのいずみ”を見に行ったときの話なんだけどさ」
「報告書は書かんぞ」
「それは終わらせた! そうじゃなくて……今、忙しい? それなら、また出直すけど」
「いや、別に。何かあっちであったのか?」
「あったというか……あそこで聞き込みしていたら、変な影を見たって人がいたの。関係あるかわかんないんだけど……ライはイルちゃんのこと、どう考えていたの?」
ノアの質問に少し考え込み、簡潔に思っていることを話すことにした。
「……何者かが意図的に起こしたと思っている。イルには何も異常は見られなかった。だから、もう一度“ひかりのいずみ”に行き、進化出来るか試したんだ。結果は……言わなくていいよな」
「あたし達が聞いた影がやった……のかな」
「可能性はなくはない。しかし、目的が謎だな。ま、ここからは俺達の仕事でもないけど……さ。釈然としないんだよな。モヤモヤするというか」
「そうだね。イルちゃんのことは助けたけど……謎が残っちゃった感じだもん。……あ、それでね、その影は一つじゃなかったらしくて」
複数人だったのか? なんでだよ」
さあ、とノアは首をかしげた。もし、それがわかっていたら、もっと話は進展していてもいいだろう。
「まあ、なんにせよ、何か進展があれば連絡が来るだろ。過度な期待は出来ないけどさ」
「うん、そうね。……ねえ、ライ? あたし、なんか嫌な予感がするの。これから嫌なこと起こらないよね……?」
不安そうに話すノアは顔を伏せ、ライからはあまり表情が読めなかった。しかし、ノアが今、どんな気持ちを抱いているくらいはリーダーとして、友人として、感じとることは出来る。
ライはノアに近付き、ポンポンと優しく頭を叩いた。ノアが顔を上げると、ライは安心させるように笑みを見せる。
「大丈夫だって。ノアがそんなんだったら、こっちも調子狂うだろ。ノアには元気が一番なんだから」
「ライ……」
「それにお前らのことは俺が守ってやるからよ。心配すんな。いつも通り、俺達が出来ることをすればいいんだよ。………な?」
「………そうだよね。皆がいれば、何があっても大丈夫だよねっ!」
パッと顔を輝かせ、ライを見た。ノアの言葉を肯定するようにゆっくりとうなずいた。
「そういうこと。だから、笑顔で頑張ってこーぜ」
「うん。……ごめんね、ライ。変に落ち込んで」
「いんや、気にすんな。また何かあれば教えてくれ」
「わかった! 何か思い出したら、伝えるね。でも他にはもうないと思うけど。あ、あとね…」
「ん? 他にも何かあるのか?」
「うん。このあと、メンバー全員集めて、親方から話があるんだってさ」
ノアの話を聞き、遠征の話か、と考えた。フライングのように雅から話は聞いていたが、詳しいことは全くわからないままだった。ノアにお礼を言い、彼女がいなくたった部屋で再び一人になった。椅子に座り、机の上に置いてあるペンを回し始める。
ノアの不安をライはわからないでもなかった。一抹の不安が心に残ったままでどうしようもないのだ。それを解消する術をライは知らない。溜め息をつき、やがて、ペン回しをやめると、ライは部屋を出ていった。



~あとがき~
出すときはわかりませんが、書き終わったのはこれを書き始めて、百日以上たったあとでした。二十九話は書き終わっているのに、二百日以上放置してました。はい。

次回、遠征の話をして、次に進めるようにしたいです。

回収していなかった、ノアとレアの調査結果をここで回収! 変とか言うな! 私が痛いほどわかっているから。
まあ、えっと……話に出てきた怪しい影、というのは、いつかの話で正体っぽい奴らを出した気がします。そいつらですね。気になる方は過去話を見てみよう((殴

そして、ライのリーダーらしい行動がありましたね。あれさえあれば、ただの女の子っぽい男の子ではないことがお分かりいただけたかと。普通にカッコいいんですよ、ライ君は。

ライ「どんどん先の話ばっかしてるけど、これからどうするんだろうな?」
ノア「さあ……? どうにかなるでしょ」
雅「ショウの話して……………ライとノアの話する………らしい」
ライ「最初のはいいとして………最後のなんだって?」
雅「二人だけで……探検…というか、お仕事するみたいな」
ノア「ふーん? ま、別にいいけどね」
レア「私の出番はないんですか!?」
雅「あるよ………もう少し先になるけど」
ショウ「それぞれの話は考えているようですが、どんな順番にするかは全く決めていないみたいっすね」
ライ「意味ねぇ……」
ノア「そ、そうね……」

ではでは!