satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

Fantasy world

えーっと……二次創作ですよーっと。
魔法とか。あれ、出てくるかな……?
まあ、いっか!
イオ「いつにもまして適当だな、お前」
てへへ☆
では、スタート!


~第10話 世界と魔法~

いつもなら、無言で終わることも少なくない夕食の時間。理由としては、メイがそくささといなくなるから、俺一人になることが多い。適当に済ませ、食器類を片付けて自分の部屋に帰る、というのがデフォルメになっていた。今日からはそうならないだろうが。
「あの、イオさん。その…」
「………質問答える前に聞きたいことある。なあ、メイ。なんでまたこれなの? 朝と同じ光景なんですけど」
『え? 夕食後のデザートではありませんか♪ 美味しいですよ』
確かにほぼ食べ終わり、これで終わりだと思った矢先のこれだけれども。またケーキを見る羽目になるとは。しかもこれを食べるのか……マジか。
「これ……ケーキだよな」
ミルフィーユです』
「メイが作ったの? 買ってたの?」
『自作です♪』
えっへん、と言うように腰に手をあて、メイは自慢気に答えた。それが凄いのかそうでないのかの判断がつかない俺にとっては、ミルフィーユだろうとショートケーキだろうとどうでもいい。俺の中には一日にケーキを二回も食べることになるなんて、という思いで一杯だ。
「あ、お前の名前、ミルフィーユでいいんじゃね?」
「えっ!? きゅ…急ですね……でも、どうしてミルフィーユなんですか?」
「目の前にあるから」
至極単純な理由ではあるが、変な名前を考えるよりはましだろう。ミルフィーユで名称はミル。うむ、意外としっくりくるな。
「ネーミングセンスゼロの珍名をつけられるよりましだろう? どうしてもって言うなら、考えなくもないけど?」
珍名、という言葉にビクッと体を震わせ、ぶんぶん頭を振って否定した。ネーミングセンスゼロの珍名、というフレーズがなかなかの破壊力でも持っていたのだろう。意図的に言ったけれど。
「いえ! ミルフィーユがいいですっ!」
「んじゃまあ、よろしく。ミル」
ブースター改め、ミルは、はい、とうなずいて見せた。これで名前の件は解決したと見ていいだろう。これで、彼女の質問にも答えることが出来る。
「で、何か聞きたいことでも?」
「はい。その……この世界のこととか、魔法について聞きたいんですが」
「あー……そうだな。夕食もすんだし、ケーキ食べながらゆっくりとやってくか。まず、この世界のこと、か」
真剣に聞こうとするミルとは裏腹に、俺は目の前にあるケーキをフォークでつつきながら、どう話そうかと迷っていた。簡単に言えばいいがそれで納得してくれるか怪しいものだ。まあ、そこから広げていけばいいか。
「簡単に言えば、魔法が存在する世界、かな。そもそも、魔法云々の話の前にいくつか世界が存在することを理解して欲しい」
「………へ?」
ポケモンのみが存在する世界。ポケモンと人間が混在する世界。そして、ポケモンが存在せず、人間のみが生きる世界。俺達の世界はポケモンだけが住む世界の一部、と考えることが出来る。そこから派生されたのが今いるこの世界、となるわけだ。世界、世界、と言っているが、要は魔法がないところの裏と考えてもらえればいいと思う。
「ミルはその魔法がないところから来たと思う。普段は繋がることはないんだが、稀にある事例だから、心配しなくていい」
「つまり……私は、あれですか? タイムトラベラーじゃないけど、なんかそういう感じのやつ」
「言いたいことはわかる。まあ、そういうことなんじゃない?」
いや、知らないけど。
こほん、と咳払いをし、話を続けた。
「さっきも言った通り、ここには魔法が存在する。しかし、一部を除いて、ポケモン古来が使える『技』という概念が消えてしまっているんだ」
ポケモンはそれぞれ技を使うことが出来る。今では魔法に頼ってばっかりで、一般人はもちろん、俺も使うことは出来ない。いくら俺が頑張ってもピカチュウの技は使えないし、取得することも叶うまい。
昔はまだ使う人々がいたのだが、今では魔法の方が発達してしまい、使うことを忘れ、技そのものの存在すら忘れられている。
「だから、技が使えるってことは、魔力がないんだ、と一般人には思われるだろうな。別にそんなことはないんだけど、偏見ってやつだな」
「そ、そうなんですか? じゃあ、私も使わない方がいいんですね……」
「そうだな。控えるべきだと思う。公で使えるのは使い魔達だけだから」
「つかいま? あ、あと、神の使いって……?」
「んー……使い魔は神の使いのボディーガード……みたいな? 使用人とかそういう認識でいいよ。あいつらの存在とかは説明すんの面倒だから。けれど、使い魔は魔法を使えない代わりに、技を使うことが出来るのが特徴だな」
他には武器変化出来ることも特徴なのだが、それを言っても伝わりにくそうなので、見せる機会があればそのときにでも。
そしてミルが疑問に思っている俺達、神の使いの存在についてだ。俺達はそれぞれ、魔法の元となる魔法を司っている。俺は創造魔法……つまり、物質変化等々、物質に関する魔法全てを扱うことが出来る。他にも神の使いは存在するのだから、各々専門分野に長けていると言ってもいい。
「つまり、神の使いっつーのは、その魔法分野でのエキスパートみたいなもんだ。俺の専門は創造魔法だけど、他の魔法も使える」
「他にはどんな魔法があるんですか?」
「たくさんあるよ。それこそ、数え切れないくらいだ。んでも、元となるのは六つ+一つだな」
まずは先程から言っている、創造魔法。そして、生命魔法、補助魔法、自然魔法、支配魔法、天空魔法の六つ。そして、+される、基礎魔法で全てだ。そこから派生され、今の時代が成り立っている。
「さっき使った移動魔法は天空魔法の一種。初歩的な魔法ではあるが、人には適正があるから、出来ない人には全く出来ないんだ」
「なるほど……私が水タイプの技が使えないのと一緒ですね……?」
「まあ、そういうことだ。六つの魔法についてはそうなんだが、基礎魔法については、誰にでも習得できる」
「基礎ってつくくらいですもんね」
「ま、最近は技術の発達があって、習得しなくてもいい世の中になってんだけど……例えば…火、水、光、といった生活に必要な元素を生成することが出来る魔法だな。それを使って、簡単な攻撃魔法としても使えるんだ」
俺は持っていたフォークを置き、パチン、と指を鳴らした。そこからろうそくの火くらいの小さな火を生成する。ミルはその様子を不思議そうに見ていてが、ずっと灯しておくわけにもいかないため、ふっと吹き消した。
「魔法って不思議ですね……」
「こっちから言わせると、技を使うお前らが不思議だよ」
ミルは、そうですか? と首をかしげた。恐らく、このことを理解するのは到底不可能と言えよう。ミルにとっては、技が普通であり、俺にとっては、魔法が普通なのだから。そう思いながら、置きっぱなしにしていたフォークを持ち、残っているケーキを片付け始めた。全部食べ終わったあと、俺は一息ついてからまた、口を開いた。
「他には……何か聞きたいことある?」
「そう…ですね……他にもたくさん聞きたいことはあるんですけど……もう夜も遅い…ですよね」
そう言われてみれば。
「なので、また明日聞いてもいいですか? 私も色々整理したいんで……生意気言ってすいません」
「いやいや。いきなりこんなことになったんだ。ミルが落ち着くまで待つぞ」
「ありがとうございます、イオさん」
「あぁ。……あ、部屋の場所は言ってなかったっけ。メイ、任せる。あとは……必要最低限の家具はあるはずだから」
ずっと話に割り込むことなく黙って側に立っていたメイにそう言うと、耳をぴくんと動かした。
『承知しました、イオ様』
「ミル、メイが案内するから、それについてってくれ」
「はい、わかりました。おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ」
メイと共に部屋を出ていき、広いリビングに一人になる。コーヒーカップを持ち、部屋の隅にある揺り椅子に座った。



~あとがき~
あぁぁ……説明ばっかになりましたねー……予想はしていましたけれども。

次回、久し振りに他の神の使いさん達と会話したいですね。はい。あとは出来れば、イオとミルの質問大会の続きもしたいです。

魔法は六種類+αって感じで成り立っています。その六種類はイオ達が司る魔法ですね。そこから色々組み合わせてたくさんの魔法が出来ているんですね~

ではではー!