satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 4ー5

~attention~
この作品は時、闇、空の探検隊をモチーフにしているため、ゲームのイメージが崩れるのが嫌な方はブラウザバック推奨です!
ピカ「実はまだ四話だったりします♪」
ポチャ「パートで分けてるからね」
では、スタート!


~4‐5 初めての遭遇と新たな仲間~


私の提案に少し驚いた様子を見せるが、小さくうなずいてくれた。
「でもどうするんだ……? 敵は複数で……飛行タイプだと思われるが」
「なんでそんなこと分かるの? すっご」
「それは………っ!」
ムーンの言葉を最後まで聞くことは出来なかった。多くの羽音が鳴り響き、ムーンの言った通りになった。
コウモリの大群……ズバットと……紫色の四枚の羽を持つコウモリ一人。あれが恐らくボスなのだろう。ズバットはここに来て初めて戦ったから分かるけれど、あの大きいのは一体なんだ。進化形というやつか?
「あの紫はクロバットズバットの最終進化形だ。あいつの毒攻撃にやられるなよ」
「毒? 毒タイプなのか……あと飛んでるから飛行タイプでもあって………あ、複合タイプってやつだね!」
「そうだけど、何も知らないんだね」
「ちょっと事情が………」
「あぁ? 何でこんな夜更けに人がいるんだぁ?」
相手も私達に気がついたようで話しかけてきた。このまま、さりげなく立ち去るふりをして不意打ちでもしてやろうかと思ったが、大量のズバット達が自然と私達を取り囲む。どうやら逃がす気はないらしい。野蛮なやつらめ。
「関係ないでしょう。つーか、あなた達は何で私らを取り囲むのかな? カツアゲ? それとも恐喝? あ、最近巷で噂の悪者さんかな?」
「カツアゲと恐喝ってそこまで変わらないよな……? って、噂の悪者って…」
「クケケッ! ボスゥ、どうやら噂になっていたようですぜぇ」
「はっ……そら、オレ様のオーラが隠しきれなかったんだな。全く、罪な男だぜ」
こいつ、滅茶苦茶腹立つ。ナルシか、ナルシストなのか。自意識過剰なのか。かなりウザいんですけど。
「ムーン、こいつらほっといても実は平和だったかもしれないね……」
「そうかもしれない」
ムーンは、というか私もだが、二人して呆れた表情を浮かべているだろう。こんなやつらがいても世の中は平和なんだろうな。流石だよ、世界。
「あぁ……捕まえるなんて意気込むんじゃなかった。でもやるって決めちゃったし、そもそもやらなきゃ解放してくれなさそうだし……」
仕方ない。報酬は発生しないであろうお仕事に取り掛かることしようか。これが噂のタダ働きというやつだろう。いやしかし、案外お礼金が貰えるかも。
「大人しくしなさい、探検隊よ。あんたらお尋ね者を捕まえてあげるんだから!」
びしっとボスであるクロバットを指差し、ついでに持っていたバッジも見せつける。それを見た敵達はビクッと体を震わせる。
「なっ!? 近くにギルドあるのは知っていたが…」
「まさかそこの弟子じゃあるまいな!?」
「そのまさかよ。プクリンギルドのお弟子さんですよーっだ! それが分かったんなら、大人しく捕まれ」
プクリンギルドの名前を出すと、更に震え上がる敵達。なにこれ、楽しいんですけど。
こんな私とズバット達のやり取りを黙って聞いているムーンは何を思っているのだろう。呆れ返っているかもしれない。まあ、これが私のやり方だ。
「ふ…ふん! ノーマルランクのしたっぱ探検隊が意気がってんじゃねぇ! お前らもビビってるんじゃない。相手は二人だけ。しかも一人は女なんだからなぁ!」
「お…おお! ボスの言う通りだぁぁ!!」
クロバットの言葉にやる気を出し始めるズバット達。どうやら、世の中の男子は女の子を舐めてかかる傾向にあるようだ。悲しきかな、それが破滅への道だというのに。
「どうするんだ? こんなにやる気満々にさせて」
「いいのよ。こういう雑魚達は興奮状態になると判断力を鈍らせる。更に余裕ぶっこいてるんだから、付け入れる隙はいくらでも見つけられるわ。ムーン、とりあえずズバット達を減らすわよ」
「…………分かった。協力しよう」
私達は背中合わせになり、周りにいるズバット達と向き合う。こんな状況下にいながら落ち着いているところを見ると、ムーンはそれなりの実力者のようだ。そんなムーンに指示する私は如何なものか。
「ま、何とかするけどね………とりあえず、電撃でも食らえ!」
バチッと火花を散らし、攻撃体制に入る。全員は無理だろうが、半分くらいは減らしてやる気持ちで一発!
「“十万ボルト”!」
ズバット達に突っ込む勢いで前に出る。そして思いきり電気を放つ。飛行タイプに電気は効果抜群。昼に学んだことがこんなにも早く生かされるとは。
案の定、多くのズバット達が悲鳴を上げながら地面に落ちていく。当たらなかったり、届かなかったりしたズバット達は無傷ではあるものの、少し位はビビっているようだ。
「女を見くびると痛い目見るってことがわかったでしょ? まだまだいくわよ、蝙蝠さん達?」
「ひっ………!」
私は今、かなーり悪意のこもった笑顔を浮かべていることだろう。例えるなら、いいおもちゃ見つけた、とイジメっ子が悪い笑顔を浮かべるあれ的な。
要するに私は今、めちゃくちゃ楽しいです!
「調子に乗るなよ! “エアカッター”!」
「なにそれ、痛そう」
翼を羽ばたかせ、風のブーメランのようなものを無数に飛ばしてきた。あれが“エアカッター”という技なのだろう。数が多く、これをよれられそうにないが防ぐ方法がないわけじゃない。
「“まもる”」
自分の周りに壁を作り、“エアカッター”を防ぐ。最近覚えた防御技である。連続して繰り出すと失敗しやすいことも学習済みだ。
「ふん! それなら“まもる”が解除されるまで、攻撃し続けるまでよ! やっちまえー!」
「あらあら? いいのかなぁ……私ばっかに気をとられてて、さ」
「はあ? 何を……」
「まだ気付かない? 私一人を相手にしてるわけじゃないでしょ、あんたらは」
「……………はっ!? あのアブソルはどこだ!!」
最初は私の後ろで戦っていたムーンの姿はどこにもない。かといって逃げたわけでもない。そんなことをするような人には見えない。
「ここだよ、ピカが時間稼いでくれたから」
素早くズバット達と後ろをとり、風を纏うムーンの姿が見える。私は単なる囮にすぎない。またこんな役回りだけれど、別にそこはどうてもいい。
「“かまいたち”っ!」
纏っていた風をズバット達に放っていく。ズバットの“エアカッター”よりも鋭く強い風が辺りに吹き荒れた。まだ“まもる”を張っているから実感出来ないが、刃物のように斬りつけられているようだ。
ムーンは綺麗に着地を決め、一方の私は“まもる”を解く。そこそこ倒れたが、まだズバット数人とクロバットが残っている。
「ここまで簡単に倒したけど、これで残るってことは」
「それほどの力を持っている、ということだろう。油断するな」
「油断? とんでもない。そんなことが出来るほど私は馬鹿じゃない」
それにそこまで強くないし、仮にあったとしても、その強さに自惚れる気もない。
「もうちょい付き合ってくれる? ムーン」
「もちろん。ここまで来たら、最後まで付き合うさ」
一方の相手側はぼそぼそと何か言っているようだった。耳をすますと何となく会話の内容が掴めてきた。
「ボスゥ、あのピカチュウが持っていたバッジ、ノーマルランクでしたが、かなり強いですよ」
「隣のアブソルも素早いし……さっきの“かまいたち”、すんげー威力でしたぜ? オレ、勝てる気失せました…」
ズバット達が戦意喪失を見せているようだ。そのまま自首しろ、自首。……ま、そんな簡単に諦めるなら、ここでさっさと逃げているだろうけれど。
「うるさい! ここまで来てやめられるものか! あの二人を倒したら、ここを去ればいい! 違うか!?」
「そうですけど……勝てませんって」
「えぇい! アレをやるぞ! アレをお見舞いしてやれば、奴等だって音を上げるだろう」
「それもそうですねっ! よっしゃあぁぁ!!」
あ、なんか元気になった。しかし、アレとはなんだろう? 奥の手というやつか。警戒しておいて損はないか。
「よく分かんないけど、なんか奥の手っぽいことするみたい。警戒しといて」
「奥の手? クロバットズバットにどんなことが出来るんだ?」
「さあ? とりあえず、”ちょうおんぱ“で混乱誘うのは在り来たりだからないと思う」
さて、ズバットクロバットが出来ることと言えばなんだろう。先程言った通り、超音波という手もなくはないが、混乱だけでは心許ない。ならば、組み合わせてくるのか? それなら、どんな風に。どんな技と?
「いくぜ! ”どくどく“!」
「! ピカ、気を付けて。猛毒状態は長引くと厄介だ」
紫の毒々しい色をした波が襲いかかる。しかし、真っ直ぐこちらを狙ってきているため、避けるには容易い。
「でもおかしいな。“どくどく”ってこんな感じだったっけ?」
どういうことだろう? 普通の“どくどく”を見たことがないから分からないな。
とりあえず、私とムーンの間に割って入ってきた“どくどく”を横にジャンプして避ける。また状態異常にさせようとしてきたら厄介だ。さっさと仕留めよう。
「…………ひっかかったな、ピカチュウ!」
「あ? 何の………!」
着地し、前を見ると、先程よりも大きな毒の波が襲いかかってきていた。これは流石に避けきれない。かといって“まもる”をしたところで、効力が消えたときにまた毒の波が襲ってくるだろう。いたちごっこにしかならないし、そのいたちごっこに負けるのは私の方だ。
やられた。こんな使い方があるなんて。
「ピカ!」
「おっと! 行かせないぜ。“どくどくのキバ”!」
「ちっ!」
ズバットに邪魔され、ムーンはこちら側に来れないようだ。あのムーンの素早さなら避けられたかもしれない。
さてさて、どうしたものかと頭をひねる余裕もなさそうだ。
「猛毒を浴びて死ね、ピカチュウ!」
クロバットの叫ぶ声が聞こえた。そしてもう少し離れたところからは、ムーンが私の名前を呼ぶ声も聞こえる。これは……もうどうしようもない。猛毒状態ですめばいいが。というか、死ねと言われた時点で、“どくどく”と何かを同時に放っていたのだろうか。まあ、考えたって仕方がないか。
………もう、毒の波は私を飲み込もうと覆っていた。



~あとがき~
次回でバトル終わります。
この話が終わるかは微妙。多分、まだ終わらない……のかな。終わりそうだけど、わかりません。

次回、どくどく+αの攻撃にピカはやられてしまうのかー!
ですね。ま、どうにかならなくても、ソル君がどうにかするっしょ←

ズバットクロバットを敵役に置いた理由は特にありません。まあ、この毒技をしたかっただけなんだけどね。うん。
なんか文章が適当ですみません。なんだろね。なんか適当になってる気がする。

ソルはってか、ムーンはこの時点でそこそこ強いですよ。一人でふらふらしてましたし。素早いのも無駄な争いを避けてきた結果です。足が速くなったんでしょうな。アブソルってポケモンだからこその理由がありますが、それは次回以降で!
そして相変わらず、凄く煽っていくピカ様でした。ちょっといじることに快感覚え始めてます。Sが出てきてるぜ←

ではでは!