satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 4ー7

~attention~
この物語は時、闇、空をモチーフにしている二次創作です。原作のイメージが崩れるのが嫌な方はバッグね!
ピカ「まだオリジナルストーリーなんで気にしなくても大丈夫ですよ~」
ポチャ「まあ、キャラのイメージが変わるかもだから」
ピカ「あー、なるなる。………そいや、ポチャは前回でご無沙汰だったね」
ポチャ「…………まあね」
ではでは、スタート!


~4‐7 初めての遭遇と新たな仲間~


当初はそこまで連れてくるつもりはなかったのだが、ギルドメンバーを連れ、ムーンが待つ海岸へとやって来た。
ちなみにこの場にいないのは、親方だけ。寝てるんではなかろうか、と皆が予想を立てていたが、真相は知るよしもない。ぶっちゃけ、どうでもいいんだが。
「あ、いたいた。ごめん、待ったー!?」
「別に。………ところで、結構連れてきたんだね?」
「そんなつもりはなかったんだけどね……」
ちらりと後ろを見るとムーンよりもその横にいるズバット達とクロバットが気になっているメンバー達。
「こ、こいつらをピカとそこの……アブソルで倒したのか……?」
「そうじゃなかったら誰がやったって言うのよ」
ペラップが信じられない、とても言うように、私の顔とお尋ね者達を見比べる。そこまでしなくてもいいと思うのだが、まあ、その気持ちは分からないでもない。何せ私はまだ入ってきたばかりの新人。もし私がペラップの立場なら同じことをするだろう。
「とりあえず、皆でこいつらをギルドに連行するぞ。手伝ってくれ!」
ペラップの号令でメンバー達が気絶中のお尋ね者達を手分けしてギルドに運んでいく。その場に残ったのは、私とポチャとムーンの三人だけ。
「ふー……これで一件落着っ! ありがとね、手伝ってくれて」
「いや、乗りかかった船ってやつさ。それに面白かったしね」
「ふうん? よくわかんないけど、まあいいや。ポチャ、この人が手伝ってくれたんだよ」
「そうなんだ。えっと……うちのリーダーがお世話になりました」
ぺこっと頭を下げるポチャ。礼儀正しいんだろうが、ポチャは私の親でもなんでもないと思うのだが。
「それにしても、アブソルなんて珍しいね。こんな人里に降りてくるなんて」
「え、そうなの?」
「アブソルは災いポケモンって呼ばれてて、災いを呼び起こすとか何とかって色々言われてるんだよ。そのせいか周りにも牽制されやすいみたいで…………って、ごめんなさい!」
そばにムーンがいたことを思い出したのか、慌てて謝罪した。ムーンは気にしないで、と笑みを浮かべて答えるが、私には少し寂しそうに見えた。
あぁ、そうか。だから、ムーンは私に見ても後悔しないか、と問うたのか。災いポケモンなんて呼ばれているから、怖がられると思ったのもしれない。
災いを呼ぶポケモン、か。
「私はそんな風には思わないけどな~」
「えっ?」
「だってアブソルって別に神様でもなんでもない、一ポケモン。つまりは、一般人っしょ? それなら、そんなの呼び起こせるわけないじゃん。災いを察知するんでしょ、アブソルってさ。それが尾ひれついてこんなことになったってことでしょ? それなら、怖がる必要も避ける理由もないもん」
ムーンとポチャがきょとんとした様子で私を見ていた。こんな風に考える人が少ないのかもしれないが、本当の話だ。
「アブソルって種族は知らないのに、察知するってことは知っているんだな……?」
「え? あぁ、それは見せてくれたでしょ?」
「僕が……見せた?」
最初にお尋ね者に気がついたのはムーンだ。それに複数人、という情報も彼からだった。となれば、何らかの方法で得たものだと考えるのが妥当である。
「お尋ね者が来たことを素早く感じ取ったから、そうなんじゃないかなって思ったの。あれも一種の災いだし?」
「凄いな……ピカには驚かされるばかりだよ」
「えへへ~♪ あ、そうだ。知りたがってたね、あのとき私がどうしたのかってこと!」
「…………! そうだった! あの毒の波をどうやって避けたんだ?」
ポチャがついていけてないみたいなので、私が軽く説明をする。最初は黙って聞いていたポチャだが、私がクロバットにはめられたところの話をすると、大丈夫だったの、と慌てて聞いてきた。
大丈夫じゃなかったらここにはいないと思うんだが……
「さて、二人の話の共有も終わったし、ネタバラシといきますか。………ま、特別なことは何もしてないんだけどね。技を組み合わせたんだよ」
「技を……? それにしたって何と何を?」
「“まもる”&“あなをほる”を使ってやったー!」
「………え? でも”あなをほる“なんて、飛行タイプのクロバットとかズバットには効かないよね?」
そこはちゃんと理解している。飛行タイプに地面タイプの技はほとんど効果がない。まあ、それも攻撃として使えばの話だが。
「“あなをほる”で逃げ道を作って、空いた穴を“まもる”でふさいだの。そうすれば毒は入ってこないし、私は逃げられるし、一石二鳥じゃん?」
要するに、“あなをほる”と言う技を技として使わず、ただの逃げる手段として扱った、ということだ。最初はあんなことをされてビックリしたが、よく切り抜けたと自画自賛してしまう。よくやった、私。
「ってことで、地面の下を通ってクロバットの後ろを取り、電撃で吹っ飛ばしたってこと♪」
「そ、そんな使い方あるんだ……技を技として扱わない、か。そんなこと考えたことないなぁ」
「まあ、生活に必要そうな基本的技はよくそんな使い方をされるが、逃げ道とは考えないな……」
これは感心されている、と考えていいのだろうか。あまりいい気分にならないのはなぜだろう。
じっと二人を見つめ、私はあることを思い付いた。
「…………いいこと思い付いた!」
「いいこと……?」
二人は首をかしげつつ声を揃えて、私の顔をじっと見る。それに答えるようににこっと笑いかける。そして、たった今思いついたあることを口にした。
「うんっ! ねえ、私達と一緒に探検隊やらない? 私達の仲間になって!」
これはもちろん、ムーンに向けた言葉。ポチャもムーンもそれを分かっているようで、ポチャはムーンの方を見て、ムーンは私の方を見たままだ。
「私とポチャだけじゃ頼りないじゃん? だから、頼れるお兄さんみたいな人がいてくれたらいいなーって! アブソルって災い察知するじゃない? それって探検にも生かせると思うの! どうかな? 嫌なら無理強いはしないけど」
「ちょ、ピカ! あまりにも急すぎるよ。そんな大変なこと頼むにしてももっと考えてからというか、日をおかないと!」
ポチャはそう言うが、私はそう思わない。私はいいことを思い立ったら実行に移すタイプだ。即実行するのがいいところだと思うんだよね。
「探検隊……僕みたいなのが?」
「貴方だからこそ、だよ! ね、どう? あ、考える時間ほしいならまた明日でも全然いい…」
「いいよ。ピカ達の仲間になる」
「えぇぇ!? そんな簡単に答えていいの!? チームのぼくが言うのも変だけど、よく考えて!?」
「このまま旅ばかりしていてもよくないって分かっていたし、ピカとなら何か変わる気がするんだ。……面白いしね、君」
うん? 私が? どこら辺?
「こうやって突然僕を誘うところとか」
くすっと笑うムーンは柔らかい表情をしていた。最初に見た寂しげな雰囲気はどこへやら。しかし、これでよかったのもしれない。
「そんなことないよ! んじゃ、名前決めよう。……………んーよし、今日から君はソル君だ! アブソルだからね」
「安直!? ピカ、安直すぎるよ!」
「私達も安直すぎる名前なんだから、これくらいで釣り合うの!」
「………わかりました。今日から僕はソルを名乗ります」
おや、敬語。
きょとんとしていると、ムーン改め、ソルはにこっと笑顔を向けた。
「言わば二人が僕の上司でしょう? それなら、敬意を払います。ピカさんには個人的に借りがありますし」
え、何かしたっけ……? まあ、いいか。本人がそれで納得しているなら、特別困ることもない。
「よし、それじゃあ改めて自己紹介しよう!」
「え、今から? こんな夜遅いのに……? ってか、早くギルドに戻った方がいいんじゃ…」
「そこら辺は私が取り繕うから大丈夫。それに今だからこそやるんだよ」
新しいメンバーが初めて入ってきたのだ。ここはちゃんとしておくべきだと思う。
あまり納得していないらしいポチャは差し置いて、私は手を挙げて、さっさと進める。やってしまえばこっちのもんよ。
「んじゃ、私からいっきまーす! 探検隊スカイのリーダーのピカです! 好きなことはとりあえず面白そうなことに突っ走ること。嫌いなことは……そうだな。面倒事かな? よろしくねっ!」
「面白そうなことに突っ走るって何!? そんな趣味ないでしょ」
「いいのいいの! ほら、ポチャも」
「えぇ……えっと、同じくスカイのサブリーダーのポチャ…です。好きなこと……好きなことは探検かな? 嫌いなことは…怖いものとか……?」
たどたどしく自己紹介するポチャ。こういうの慣れていないのだろうか。こんなのその場のノリと勢いで何とかなると思うのだが。
「じゃあ、最後は僕ですね。新しくメンバーになりました、ソルです。好きなことは各地を見て回ること。嫌いなことは争うことですかね」
さらっと紹介を終えるソル。なんか出来る人オーラが半端ない。これが大人の余裕か……
「なんか変な感じがするな。メンバーが増えるって」
「そうだね。………改めてよろしくね、ソル」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「よっしゃ! 探検隊スカイ、これからも頑張るぞー!」
私のかけ声で三人は拳を空に突き上げる。
これから三人で探検隊業、頑張ります!



~あとがき~
後半雑に終わりましたが、これにて四話終了です!
ソル君が仲間になった~♪

次回、初めての謎解きです。
「たきつぼのどうくつ」に行く話ですね!

ピカがどうやって防いだか、という説明は簡単に終わりましたね。本編とほぼ変わらないピカの技を知っている人には見当がついそうですね。まあ、どこにも伏線ないので、あれかもですが←
何がともあれ、これからはソル君も探検に参加するでしょうね。本編だと別行動が多く、一緒に行動しませんからね。そこも楽しんでいただけたら、と思います。

そして、私の受験の関係上、しばらくはじまりのソラはお休みします。いつ再開するかは分かりませんが、お待ちいただけると幸いです。他の小説もきりのいいところまで頑張ります!

ではでは!

追記
小説見返してたら、この投稿日、はじソラ1話の投稿日と同じでした。ってことは、ここで一年たってるってことだよね。………ヤバイっすね←
来年はちゃんと祝います! はい!
では!