satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第108話

~前回までのあらすじ~
久しぶりに鈴流さん登場しました~
なんか皆、普通に鈴流と会話してるけど、鈴流はゆーれーさんなんですけど……まあ、皆って言ってもピカとポチャだけですが。つか、ピカはともかく、ポチャ君が普通に会話してるのは変な感じするな~
ちゃんとした理由考えてるんでいいですけど。別にポチャ君は見える人じゃないですからね。今回が特別なだけですからね!!
ピカ「前回は鈴流さんとポチャが色々話しました。今回はその続きですね……ではどーぞ」
あ、ちょ……また勝手に…!


話の流れでピカとの仲の心配だろうと思っていたポチャは予想の斜め上をいく発言に驚いてしまう。普通に考えれば予想出来なくもなさそうだが、そこら辺は察するに至らないのがポチャである。
『だってだって、そこまでピカちゃんのことを見てるんなら、大好きなんでしょ? それだったら、一緒になるしかないよー!』
「いやいやいやいや!? 別にぼくはそんな風に見てなんか…」
『またまたぁ~♪ 嘘はダメだよ? お顔が真っ赤だもん。騙されないよ』
「そっ…それは……!!」
『それに好きじゃないといいところも嫌なところも見つけられないよ? ピカちゃんと一緒にお仕事しているだけなら、そこまで気にしなくてもいいじゃない?』
「………うぅ」
鈴流の押しに耐えきれなくなったポチャは、はぁ、と息を吐き鈴流から目をはなし、うつむいた。
「………好きですよ、ピカのこと」
『うふふっ♪ 正直でよろしいっ!』
「でも、鈴流さんが期待するような関係にはなりませんよ。ぼくなんかピカと釣り合いませんもん」
『んー? どうしてそんなこと言うの?』
鈴流は首をかしげ、ポチャの方を見るが、変わらずポチャはうつむいたままだった。それゆえ、表情も読めなかったが、ポチャが前向きに自分の気持ちと向き合っていないことは分かった。
「言ったでしょう? ピカは勝手に突っ走るって。ピカはずっとずっと前を歩いているんです。……ぼくはいつも彼女の背中を追いかけることしか出来ないんです」
『だから、何も言わないの?』
「ピカにはぼくよりもいい人がいると思いますし……ピカが幸せになるなら、それでいい」
『でもピカちゃんはポチャくんのこと、待っているかもしれないよ? 他の人じゃなくて、君のこと待っていたら?』
「まさか。そんなわけないじゃないですか」
『それを決めるのはポチャくんじゃない。ピカちゃんだよ? それにね、ポチャくんの言葉、私には逃げているように聞こえるんだ』
「……………え?」
そこで顔を上げると、先程までニコニコ笑っていた鈴流から笑顔が消え、真剣な眼差しでポチャを見ていた。雰囲気が変わり、思わず目を逸らそうとするが、鈴流に呼ばれ、渋々向き合う。
『私はね、もう死んじゃってるから、好きな人とどこかへ行くことも出来ないし、一緒に時を過ごすことも出来ない。笑って話すことも、泣いて悲しむことも出来ないの。まあ、フォースは特殊だから、私とフォースじゃいい例えにならないけど……でもね、好きな人と一緒に過ごせないってとっても辛いことなんだよ。それだけは私にも分かるよ』
「…………鈴流さ…」
『ポチャくんとピカちゃんの時は永遠じゃないんだよ。ずっと一緒にいられる保証なんてどこにもない。もしかしたら、明日、いなくなっちゃうかもしれないんだよ?』
「………っ!」
『ずっと続くと思ってたことが続かなくなっちゃうんだよ? それでもポチャくんはピカちゃんに何も言わないで後悔しない?』
「それはっ……」
『私はフォースに言いたいこと伝えられなくて凄く後悔したよ。ピカちゃんが助けてくれなきゃ、一生あのままだったと思う。………だからね、私は二人に同じ思いして欲しくないな』
一度無くしてしまったからこそ分かることがある。それをポチャに理解してほしいのだろう。鈴流と同じような思いはしてほしくない一心で語りかける。
『二人はまだ今を生きてる。一緒に過ごすことが出来る。それって凄いことなんだよ? ポチャくん、どうか後悔しない選択をしてほしい』
「でっでも、こんなぼくみたいなのが、ピカにその…こ、告白とかそんな………!」
『大丈夫大丈夫! こういうのはね、勢いだよ! 好きだってこと言っちゃえば、あとのことは流れに任せちゃうんだよっ!』
「え、えぇ!? そんなぁ……」
『うふふっ♪ 頑張ってね。私、二人の恋、応援しちゃうんだからっ! さて、そろそろ時間みたいだね』
「え、時間……?」
戸惑うポチャを置いて、鈴流はふわりと浮く。そして普段通りの笑顔を向けた。
『ポチャくんなら大丈夫。私ね、ポチャくんとピカちゃんはお似合いだと思ってるから! 自信持ってね』
「えっ………あ、あの、鈴流さん! ありがとうございました。色々聞いてくれて……ぼく、頑張ってみます」
『うんうんっ! それじゃあ、ばいばい♪』
すう、と姿を消した鈴流がいたところを眺め、そして一息つくとポチャは踵を返す。
普段なら幽霊を見たというだけで、驚いてどうしようもないが、今回は不思議と平然とすることが出来ていた。
「当たり前が当たり前じゃなくなること……簡単に壊れちゃうなんて知ってたはずなのになぁ……探検も修行も一緒だった日常を無くしたことがあったはずなのに」
それなのに忘れるなんて、ぼくは学習能力ないな、と呟いた。
鈴流からの話を聞いて、ポチャは今まで以上にピカと会って話がしたいと強く思う。普段ならそんなことは思うこともないのに、だ。
直接会って、話をして、そして思いも伝えるのだ、と心の中で密かに決心するのだった。

ポチャさんがどこかへ行ってしまってどれくらいたったんだろう。ここにいるといまいち時間感覚が掴めない。ビクティニさんも最初は慌てていたのに、今ではふわふわと空中を漂うだけ。
ビクティニさん、どうしてこんなことをするんですか?」
「え、どーもこーもないよ。事故っただけだよ。俺が閉め忘れただけだよ?」
開き直っているところがなんか怪しい。
すーくんの知り合いだから悪い人ではないと思いたいけれど、なんか信用できない。何か裏がありそうな気がしてならない。
「だから、ポチャくんが帰ってきたらさっさとここから出てって貰うからね?」
どうやらまだ怒ってるっぽいけど、理不尽だよなぁ……それ。早くポチャさん、帰ってこないかな……
チコちゃんも待つの飽きたのか、目を閉じて寝ちゃってるし。私も飽きてきた。
「………お、ポチャくん」
ビクティニさんが見ている方向を見ると、ビクティニさんの言う通り、ポチャさんがこちらに向かっていた。
「お前、イブ達に何もしてないだろうな」
「してないよ。どれだけ信用してないのさ」
「初対面だし、これっぽっちもしていないさ。なんか企んでそうだしね」
「あはっ♪」
ポチャさんが不満そうにビクティニさんを見て、ふいっと視線を逸らした。そんなポチャさんのことは大して気にしていないらしい、ビクティニさん。
「イブ、チコ。ここ出るよ。どうせ、追い出すつもりだろうし?」
「まあね~? ほらっ! これくぐって帰った帰った」
すっとトンネルの様な入口を作り出したビクティニさんは、私達を急かした。若干寝ぼけ眼のチコちゃんを引っ張り、私はビクティニさんが作った入口に立つ。
「これで元いた場所に戻れる……んでしょうか?」
「そこは心配いらないと思う。変なことしてフォースに怒られるのはそこのビクティニだから」
「変なことなんてしないよ。俺、神様だし!」
変なところで見栄を張るビクティニさんを横目にポチャさんは、神だから信用出来ないんだよ、と呟く。この呟きはビクティニさんの耳には届いていないのか、反応はない。
そのままポチャさんは振り返ることなく、入口をくぐった。ポチャさんの後に続くようにチコちゃんも通る。私も通ろうとすると、ビクティニさんに止められ、私はそちらを向いた。
「これも何かの縁だ。一つ忠告しておくよ。………力のこと、もっと理解した方がいいんじゃない? これからのことを考えて、ね?」
「それってどういう意味ですか?」
「さあ? そこを言ったら俺は処罰されちゃうよ。神が下界のことに干渉するのはタブーだからね」
ビクティニさんの言っていることに対してピンとこないけれど、とりあえずここを早く出よう。それから、すーくんに会って……ビクティニさんのこと、聞いてみよう。
私は先に行った二人を追うように足を進めた。



~あとがき~
はい! 無理矢理終わらせた感が凄まじいですが、勘弁ね! 続かなかったのよ! なんかもう無理だったの!

次回、フォースとピカに戻して、ラストスパートっすー!
まあ、休止しちゃうんだけどね……!

これでポチャは決心がついたはずなんで、ピカとの関係が進展する!………はず。
いやまあ、わかんないけどね。私の予定ではするはずです。でも、普通に予定なんて狂ってくんで、わかりません。はい。
鈴流ちゃんはまた出てくるよ。フォースにちゃんと会ってないですし。マスターも出てくるんじゃないかなぁ……ここではマスターなんて名乗ってないけど、わかるよね? 大丈夫だよね?

イブちゃん視点、書きにくいって思ってしまう。あーもう。嫌!←
次からちゃんと書けるようにしないとな……頑張ろ。

ではでは、今後のことはまた別記事にて!
閲覧ありがとうございましたー!