satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第128話

~前回までのあらすじ~
チルとフィフィが再登場したんだぜ!
で、フィフィがピカのことをママって呼んだところからです。
ピカ「この章、どのくらい続くんだろうね」
ポチャ「さあ……?」
ピカ「いっそ、一話の長さをもう少し増やしてしまえばいいのでは……」
ポチャ「だとしても、結局話の長さは一緒だよ」
ピカ「確かに……」
え、えっと……?
ピカ「まあ、そんな話は置いといて、始めまーす」
初期に比べたらめっさ増えてるんだけど……倍くらい違うんだが。もっと増やせと……!?


ピカさんに集まっていた視線は自然とポチャさんの方へと動く。私とチコちゃん、そしてすーくんは意味が分からず頭にはてなマークを浮かべている。その雰囲気を察してくれたのか、ポチャさんが笑って答えてくれた。
「フィフィはぼくらが拾ったタマゴから孵った子なんだ。だから、フィフィからしたらぼくらは親ってこと」
「いわゆる里親って感じか。………にしても、そんときはまだただの友人関係だったくせに。……やるな、ペンギン」
「…………えっ!? いや、そんな考えはあのときはなかったよ!」
「恋人関係に夫婦関係までも飛ばして子供だろ?」
「だから、そういうんじゃ……」
すーくん、めっちゃ楽しんでる。
ポチャさんは反論しているものの、顔が真っ赤だからか、あまり説得力はない。対するピカさんはこちらを全く気にしていないのか、フィフィ君を起こそうとしていた。
ところで、ぼくらってことは、ポチャさんのことはパパになるのかな。
「んにゅ~……」
「ほら、フィっくん! 寝坊助フィっくん! 早く起きろー?」
「………にゅ? あ! ピカ! ピカだー!」
ばっちり目が覚めたようで、ピカさんに抱かれていると知ると否や、ぎゅっと抱きついていた。ピカさんも嫌がる素振りもなく、笑顔で対応している。
「えへへ……ピカ~♪」
「もうっ! 可愛いな、フィっくんは♪ 元気だった?」
「うんっ! いつも元気だった!」
「そっか。それはよかった。ほら、皆にご挨拶しなきゃでしょ?」
「うん。する!」
ピカさんに促され、フィフィ君はピカさんから離れると、私達のところに寄ってきた。
「イブお姉ちゃん、チコお姉ちゃん! お久しぶりです! またよろしくねー!」
「うん。こちらこそよろしく。……それにしても、偉いね、フィフィ君」
「いつもピカに挨拶はちゃんとするって言われてるの。だから、ちゃんとするんだよ!」
にこにこと無邪気な笑顔を浮かべて、ピカさんみたいに言う訳じゃないけど本当に可愛い。なんだ、これ。幼い子供はこんなに可愛いの? それとも素直な子だから? もう分かんないよ!
「ポチャー! 元気ー?」
フィフィ君はちょっと離れてすーくんに色々言われているポチャさんに向かって手を振った。それに気づいたポチャさんも手を振る。
「ポチャと一緒にいるお兄さん、ピカの言ってた人?」
「そ。フォースお兄ちゃんだよ」
「ポチャと仲良しさんなんだね♪ ボクも仲良しになるー!」
そう言うと、すーくんとポチャさんのところに駆け寄った。すーくんのことだから戸惑いつつも対応するだろう。ポチャさんもいるし、大丈夫のはず。
「あとはソル達か。……ま、ソルのことだからすぐ来るでしょ」
「ピカさん、すーくんのこと、他のメンバーさんに話していたんですか?」
「うん。そっちの方が手っ取り早いかなってね」
段取りが早い。こうさっさと進められるとすーくんに拒否権なんてないもんな。
「あーー! もう! ソルが遅いから! あたし達が最後だよー! もー!!」
「競ってないし。いつ着こうがどうでもいいだろ……」
「おー……ソル、コン。お疲れさん」
トレジャータウン方面から並んで歩いてきたのは、ソルさんにコンちゃん。これで全員揃った。
「ピカ、新人ってのは誰!?」
「言わなかったっけ? イーブイのフォース君だよ。ほら、今フィっくんと戯れてる……」
くいっと顎で示した方にすーくん、チコちゃんにポチャさん。それにフィフィ君やチルさんがいる。早速すーくんと打ち解けたのか、フィフィ君がすーくんと一緒に遊んでいるようだ。遊んでいる、というよりは、フィフィ君に振り回されている感じにも見えなくない。
「ふーん……まっ! ピカが誘うくらいだし、強いんでしょ?」
「この場にいる誰よりも強いわよ」
「? ピカやポチャよりも?」
「そうね。……二対一なら分からないけど、強いよ。少なくともコンよりはめっちゃ強い」
「むーっ……」
「その辺でやめろ。………すみません、ピカさん。少し遅れましたね」
コンちゃんを一言で制し、笑顔でピカさんと向き合った。コンちゃんは一瞬不満そうな表情を浮かべたものの、いつものことなのかそれ以上気にすることなくすーくんのいる方へと走っていった。
「いいよ。まだ時間はあるからね。……さてさてっと。今回の仕事は理解してる?」
「はい。もちろんです」
「流石ね。でも全員に向けて説明するから、嫌かもしれないけど聞いてて」
「嫌なんて思いませんよ」
「ありがと。………ほら、そこ! 私が話すから聞け!」
すーくん達の方を指差してあっちにいた全員に言い放つ。こういうところ、ピカさんかっこいいな。
「今回の仕事は主に警備のみ。シフトはこっちで組むからそれに従うように」
「はーい」
「浮かれて面倒なこと起こさないでよ。怒られんのは私なんだからね……仕事以外なら好きに遊んでいいから」
「きゃっほーい! お祭りだぁぁ!!」
「お祭りだー♪」
コンちゃんが嬉しそうに両手を上に突き上げている。それフィフィ君が横で見ていて、同じように真似をしていた。その二人を止めようとしたポチャさんだったけれど、ピカさんの話が終わったと悟ったのか制止することはなかった。
「お祭り……か。私も楽しみです♪」
「そっかそっか。屋台とかも一杯出るから、きっと楽しいよ。私も楽しみよ?」
「ピカさんもですか? ポチャさんと一緒に回ったり……?」
「時間があればね。でも毎年二人で回ってるし、別にやらなくてもいいんだよねぇ……」
……付き合いたてのカップルとは思えない台詞だ。普通ならワクワクドキドキのイベントなんだろうけれど、ピカさんは大した風に見ていないんだ。
「毎年回ってるなら今年も一緒に回るべきなのでは?」
「んー? そう? ま、そんときはそんときよ」
うーむ……ピカさんもポチャさんもどこか冷めてるんだよね。今まで友達として、パートナーとして一緒にいた時間が長すぎたから、二人共、もっと接近しようと思わないのかも。…ちょっと惜しい……な。
「せっかく、恋人同士になったのに」
私の心配はよそに、ピカさんはすーくん達のいる輪に加わり、フィフィ君にぎゅっと抱きついていた。
部外者の私が考えることではないのだろうが、どこかもどかしいところがあるのは、ポチャさんが告白する前から何となくあったものだ。結局、恋人同士になろうが、なるまいが二人は二人なのかもしれない。
「ま、私も人のこと、言えた義理じゃないか」
「………何の話?」
「…………!! すーくん!? な、何で! さっきまであっちに…」
当然のように私の隣にしゃがんで、顔を覗きこんでいた。今は目隠ししているとはいえ、すーくんにそんなのは意味がないのだろう。恐らく、気配で私が近くにいないのを確認したのだ。
それにしても、視線が見えないのが唯一の救い。これですーくんに見られていたら、頭おかしくなりそう。絶対今、顔赤いもん……!
「皆あっちにいるのにお前だけいないから、何となくこっち来ただけ。何か考え事?」
「あ、ううん。なんでもないよ……?」
「そんな風には思えないけど。……別に、ないならいいよ」
「………じゃあ、さ」
「んー?」
「お祭り、一緒に来てくれる……?」
「? ラルに行けって言われたからな。仕事として行くけど」
「そうじゃなくって! そうじゃなくってさ…」
素直に一緒に回りたいと言えばいいのに。なんで言えないんだろ。小さい頃はなんでも言えてたのに。いつからこう意識してるんだろう。こんな恋なんて叶いっこないって知ってるくせに。
「あー……もしかして一緒に回るってことか?」
「!」
「おれとよりチコとかと回った方がよくねぇか? おれとなんて面白くもないと思うけど」
「そんなことない! 私、すーくんと一緒に回りたい……ちょっとでも…一緒に……」
最後の方は私でも何を言っているのか分からない。けれど、言いたいことは言えた……はず。
「そんなに必死こいて言わんでも……お前がいいならおれは別にいいよ。シフトが合えば、だけど」
今、さらっと流されてピンとこなかったけれど、いいって言った?
「ほんと?」
「おう。だって断る理由もないし」
「……………約束、だよ? 絶対だよ?」
「やたら念を押すな……分かった分かった」
「じゃ、指切り!」
「そんなに信用ねぇか!? ガキじゃあるまいし、んなことしなくても行くよ!」
「信用はしてる。けど、私がしたいの!」
「…………あっそ。んじゃ、はい」
飽きれ気味にすっと出されたすーくんの小指に私の小指を絡める。こんなの何年ぶりなんだろうか。
「ゆーびきりげんまんっ! 嘘ついたら針千本のーますっ!」
「……………」
「指切った! 絶対の約束だからね!」
「分かったって。しつこい」
ますます楽しみになったなっ! すーくんと一緒に回れるんだもんっ!
私はすーくんから離れ、チコちゃん達の方へと走っていった。もっと一緒にいれば、すーくんが不信がりそうだったし、何より私の心臓が持たないのが原因だ。



~あとがき~
よっしゃ! とりあえずこれで終わりですね!
雑とか言わない!

次回、夏祭り初日!

本当はピカとフォースの会話をいれようと思ったんですけど長くなるのでカットしました。次回以降で入れられそうなところに入れますね。
何気に今後に関わる大切な話するんで……

フォース、ポチャのこと完全に遊んでますね。別にそんなキャラにするつもりはなかったんですけど、ま、いいか。
多分、彼もいじりたいって思ったんですね!←
ピカとポチャ、そしてフィフィの関係はそんな感じです。確かフィフィのプロフで書いた気がします。書いてなかったらごめんなさいね!

イブも揺れに揺れてますね!
んでも、分かる人には分かりますよね。フォースには鈴流がいるので……ね? イブ自身も分かってます。分かってるけど、どうしようもないことってありますよね? そんな感じが伝わればいいかなって思います。
ちょっと切ないですがイブの恋模様にお付き合いくださいませ。

ではでは!