satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 5ー6

~attention~
ピカ「え~っとこの物語は時、闇、空の探検隊を元にした小説です。原作のイメージを壊したくない人はブラウザバックを推奨しまーす」
ポチャ「見てくれている人には伝わらないけど、結構時間たってるんだよね。前回からこれを書き出すまでに」
ピカ「ま、時間がなかったってのが一番なんだけど……正直、書く時間なさすぎて小説の書き方も忘れてるくらいだから」
ポチャ「えっ……!?」
ピカ「前回は滝の調査から帰ってきましたっと」
ポチャ「そっ…それではどーぞ!」


~5‐6 初めての謎解き~


はあっとため息が漏れる。今日は一段と疲れた。滝にぶつかったり、流されたり落っこちたり……散々な目に遭った。一応、温泉には入ったけど、それだけで疲れがとれたなんて思えない。もしかして思っているより、私は疲れているんだろうか。……そこまで年取ってないと思うんだが。
「今日も大変だったね。……でも、とっても楽しかったよ!」
窓の方に立ち、外を見ていたポチャがこちらを振り向く。しかも周りにお花でも飛んでいるんじゃないかって思うくらいの明るい笑顔。もう日も落ちてこれから寝るかって時間なのに元気な奴だ。
「探検隊らしい仕事、初めてだったでしょ? だからかな。まだこう……わくわくが残ってて、ドキドキしてるっていうか……」
私から言えるのは一言だけだ。元気有り余ってやがるな、である。
ポチャの目はキラキラしているし、本当に楽しかったんだろうってことがうかがえる。こいつは分かりやすいから、嘘は言っていないだろう。
「んでもよかったの? さっきも言ったけどさ」
「ん? あぁ……親方のこと?」
「うん。せっかくポチャが楽しみにしてたのに、実際はもう解明されてました……なんてさ」
「うーん……うん、まあ、がっかりはしていないっていうのは嘘になるね。けどさ、それ以上にぼくはピカと探検に行けたことが嬉しいんだよ!」
「……私と?」
首をかしげるとポチャは私の方に寄ってきて真正面に座る。特別真剣な顔をしているわけではないが、優しい顔つきで見つめてきた。
「今までのは依頼で行ってたけど、今回は謎解きがメインだった。何かを探したり、届けたりってお仕事じゃなくて探検がお仕事だったんだもん。それだけで満足だよ。それにさ、何も知らない状態で行ったぼくらはあの場所は初めて、だからね」
……なるほど。ポチャは手柄なんて最初から考えていないのか。知らない場所を探検するって行為そのものに満足をしている。そのため、探検隊としての名誉とか手柄とか眼中にないのだろう。こんな風に思って探検隊という職に就いている人はどれだけいるのだろうか。少なくとも私には無理だなぁ……
「今回のことはぼくらにとってもプラスになるはず! そしていつか、この遺跡の欠片の謎を解くんだ~♪ もちろん、ピカと一緒にね!」
「……うん、そうだね」
「えへへっ♪ きっとずっとずっと先だけど、楽しみだな」
「…………全く、あなたって人は純粋ね」
これからの未来を描くポチャを見て、無意識に呟く。何も知らない、純粋無垢な子どものようだ。
「うん? 何か言った?」
そんなポチャの問いになんでもない、と首を振る。
「そう? でも、今回の探検はピカのお陰だね」
「私? なんかしたっけ?」
「洞窟に入る前、あそこの入り方を探してくれたでしょ? だから、ピカのお陰」
「そんなことないよ。入れたのはポチャが頑張ったからだよ」
「でも、夢見たのはピカ…………あっ! そうだよ!! ピカが目眩起こすのって、何かに触ったあとだよね? 前回は未来だったけど、今回は過去だし」
すくっと立ち上がって何を言い出すのかと思えば、私の夢の話か。
ポチャに言われて考えてみると、確かにそうだ。ルリリのときはルリリに触ったり、スリープに触れられたときだ。反対に今回は滝に触れたり、奥地の宝石に触れたとき……何かを通して、それに関する未来や過去が見える……?
「すごいよ! それってすごい能力だよね! 探検だけじゃない。いろんなことに役立ちそうだもんっ!」
特になんとも思っておらず、冷めた感情しかない私と違い、ポチャはまるで自分のことかのように喜んでいる。確かにポチャの言う通りの能力ならあらゆることに役立つだろう。しかし、現状は自分の意思で見たいものだけを見るわけではなく、たまに発動するといった迷惑なものでしかない。むしろない方がいいかもしれないと思うくらいだ。下手に発動して見たくもないものを見てしまったらどうしようか。……もしものとき、平静を装えるように演技でも学ぶしかないな、そうしよう。
きゃっきゃっとはしゃぐポチャを横目に変な方向に決心を固めていると、ばさばさっと翼を羽ばたかせる音が聞こえた。そんな音を出すのは一人しか思いつかない。音のした方を見ると、予想通りペラップが扉なんてないプライバシー無視の部屋の入口に立っていた。
「オマエ達、親方様がお呼びだ」
「……?」
私とポチャは互いに顔を見合わせる。特に何かをした覚えはないから、怒られるなんてことはないと思う。が、一体なんなんだろう?

ペラップに言われるがまま連れていかれた場所は言わずもがな、親方部屋である。初めて入ったときと同じようにノックをし、ペラップが中に入る。私達もペラップの後に続いて入った。部屋に入ると親方は後ろを向き、こちら側に背を向けていた。
「親方様。チームスカイを連れてきました。……親方様?」
後ろを向いたままの親方を不思議に思ったのだろう。ペラップが何度か問いかける。しかし、もうパターンが読めてきてしまっている私は小さくあくびをもらす。ポチャが慌てて注意してきたけれど、そんなこと知ったこっちゃない。
もうこちとら散々な目に遭ってくっそ眠いんだよ。おまけに能力も使ったせいか一段と疲れている……気がする。やっぱ、迷惑なだけの能力。これから使わないように立ち回りたいなぁ……
「やあっ! キミ達、今日は大変だったね? でも安心してね。キミ達の活躍はちゃーんと見ているから!」
突然くるっとこちらを振り向き、元気一杯といった様子で笑顔を見せるプクリン親方。もう夜だというのに、底無しの元気をお持ちのようだ。
「さてさてっ! ここらからが本題なんだけどね。近々、遠征をする予定なんだ♪」
えんせい……遠征? どっか遠くに行くのか……?
「えんせー……?」
遠征、という言葉にピンとこなかったらしいポチャは私の隣で首を傾げる。もしかしたら、遠征という言葉は知っていても、何をするかわからない、という意味で首を傾げたのかもしれないのだけれど。
ポチャの疑問は親方の横に控えていたペラップが教えてくれた。
「ギルドを上げて遠いところへ探検へと向かうことだ。近所を探検するのとは訳が違うし、準備も万全にしていくのだ。ギルドメンバーの中から遠征メンバーを選んで行くんだぞ」
ちょっと待て。近所を探検ってなんだよ……!? それは探検なの? ただの依頼の仕事ってことだよね。それを探検って言っていいのか……? いやまあ、ダンジョンに行っているわけだから、探検なのかな。……なのか?
私が変なところに引っ掛かっている間に、ポチャは当然のように目を輝かせていた。そんなポチャを見て、なんだか一段と冷静になってきた。
あぁ、ポチャは探検好きだもんな。そりゃそうなりますよね。しかし、なぜ急に私達にそんな話を……なんて、大体予想がつくが。遠征の話をわざわざ今する必要はない。となれば、その遠征メンバーに関する話だろう。私達も特別に入れるとか留守番だから変に期待すんなとかそんな感じの。
「本当なら新弟子はメンバー入りしないんだけど、キミ達、頑張っているじゃない? だから、特別に遠征メンバーの候補として認めようかなって♪」
「……えっ? 本当に!? すごいよ、ピカ! これ、すごいことだよね!」
「え? あー……うん?」
うわぁ……実感ないけど、ちょっと不安。こんな簡単にメンバー候補にしていいものだろうか。
「こらこら! まだ喜ぶのには早いよ! 遠征メンバーを決めるにはまだ時間がある。その間にいい働きをしなければ選らばれっこないんだからね!」
私は大して嬉しくないんですが……いや、こんなこと言ったらポチャが可哀想だ。黙っていよう。
「ボクはキミ達なら大丈夫って信じているよ。頑張ってねっ!」
「はいっ! ピカ、頑張って遠征メンバーに選ばれようね!」
あぁ、私は嬉しくないんだよ。別に探検が大好きってわけでもないし、ポチャが言うからやっているみたいな部分は否定出来ないのだから。だから、嬉しくはないんだけど、こんなに目をキラキラさせて、わくわくした表情をしたパートナーが隣にいたら……
「…………そうだね。やってやろうじゃん」
私だって、『わくわく』してきちゃうじゃない。
私達は空に掲げた手をぱちんっと重ねてハイタッチをする。そのまま重ねた手を自分達の胸の高さにまで下ろしてぐっと腕相撲をするように手を組む。
「目指せ遠征メンバー! 頼りにしてるからね、私の相棒さんっ!」
「もちろん。ぼくの相棒のためだからね!」

ピカとポチャが部屋を出ていくのを見送るとペラップは小さく息を吐いた。
「全く、親方の考えることは分かりませんよ。急にあんなこと言い出すんですから」
「え~? だって、頑張ってるし~? ペラップだって、あの子達の活躍、知らないわけじゃないでしょ?」
「そうですけど……」
「今回の探検だって、頑張ってたもんね。……あははっ♪ 入って間もないのにあそこまで頑張る新弟子はいないよ」
「……親方様、あの滝の調査、わざとではないですよね?」
恐る恐るといった様子でプクリンに問いかける。そんなペラップにキョトンとした表情を見せるが、すぐにいつもの笑顔に戻る。
ペラップ、何の話~?」
「いえ、なんでもありません。それではもう夜も遅いのでワタシはこれで失礼します」
「うんっ! おやすみっ!」
ひらひらと軽く手を振ってペラップが出ていくのを見送った。一人になったプクリンは自分の頭上にある窓に目を向けると、キラキラと星々が輝いているのが見える。まるで先程のピカとポチャの目のように。
「ピカの冷静でいてトリッキーな作戦とか、観察力に長けているところは天性の才能だよね~♪ そのピカを支えるポチャもまた……彼女の足りない部分を補っているように見える。うんうんっ! きっとあの子達はすごい探検隊になる気がするっ」
どこかで手に入れた情報なのか、はたまた彼自身の観察眼によるものなのか……定かではないが、新しく入ってきた幼く未熟な新米を評価しているようだ。しかし、評価されている新米二人がこのことを知るよしもない。
「ふふっ……楽しみだね~♪ わくわくっ♪」
近々行われる遠征に向け、多くの思いを馳せる。彼の考えていることが誰かに伝わることはなく、夜は更けていった。



~あとがき~
やっと! 終わった……前回で終わるかと思ったんですけどね! 無理でしたね!

次回、6話です。憎いあいつらの登場だよぉぉ!
やってきたあいつらと失敗! 見てね! あ、違う。読んでね!
なんかタイトルでネタバレしてますねぇ……まあ、ゲームの流れ通りなんでネタバレもなにもないけど……

探検という行為について、ピカはそこまで思い入れはありません。当然と言えば当然です。行くところがないからポチャと一緒に行動しているようなもんなので、ぶっちゃけ探検隊という仕事に誇りもないです。今んところは。
なんでしょうね。生きるために必要だから仕事をしてるって感じ? あとポチャが必要としてくれてるみたいだし、今はこれでいいやって感じかな。記憶探しもなんかもう忘れてますよね。はい。
ポチャはこんなピカの心情は察してません! 無理ですね! ポチャくん、子供なんで!
純粋に探検楽しい! ピカも一緒に頑張ろー的なことしか考えてないよ。今んところは。
こんな二人がどう変わっていくのかも楽しんでってね☆

関係ないけど、空と海、バトルやらなきゃと思い始めたら書く気力がどっかいってしまいました(泣)
しばらくははじソラと空と海を投稿します。え、他の小説? それは空と海以上に書く気力ないんだよ!!((殴

ではでは!