satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 6ー7

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊を元にしておりますので、原作のイメージが崩れる恐れがあります。というか、崩れるので、苦手な方はブラウザバックね!
ピカ「なかなか長いね……」
ポチャ「一話、オリジナル半分挟んだからかな?」
ピカ「あと変にクサイハナさんとバトルしたのがよくなかった」
いいやん! やりたいやろ、そういうの!!


~6‐7 やってきたあいつらと失敗~


「……ピカ、しっかりして!」
あ、頭痛い……ガンガン言ってる。私の頭の中でなんか改造されているよ……
「変なこと言ってないで、起きて!」
あ、はい……
ポチャの呼ぶ声でふらりと体を起こし、辺りを見回す。場所は変わらず、『リンゴのもり』の奥地のようだ。
「……う、うぅん」
そして、取り残されたと思われる、スバットがそこにいた。確かに、ズバットだけあのとき何もしていなかったし、私達と同じように臭いにやられて逃げ遅れたんだろう。馬鹿な奴だ。
「はっ! わわっ!? 逃げ遅れた!」
「……おい待て、ズバット。そう簡単に逃がさねぇぞ! “十万ボルト”!!」
「へっ!? え、あ……ぎゃあぁぁぁ!!」
とりあえず、腹いせに取り残されたズバットに“十万ボルト”を繰り出して、吹っ飛ばしておいた。簡単にトンズラなんてさせないわよ。全く。
「……流石、ピカ。ただでは倒されないね」
「ふん。それにしても、お互いやられたね」
「うん。まだ臭いが残ってる……」
それに毒ガスのせいで不調だよ。くっそ、やられた。それに、周りを見て分かった。
セカイイチ、なくなってるし、あいつらが持っていったのか」
「え? うわ! 本当だ。どうしよう?」
どうしようもないものはないしなぁ……確認だけでもしておくか。無駄になりそうではあるけれど。
「あるとは思えないけど、木に登ってあるか確かめてみようか?」
「う、うん……一応、お願い」
駄目元でセカイイチの木に登って探してみるものの、セカイイチを残すようなそんなマヌケなことがあるばすもない。結果から言えば、セカイイチはなくなっていた。
あぁ……ないし、頭痛いし、踏んだり蹴ったりだ。何なの。私、なんかしたか? そんな覚えないし。何もしてないよ……もういいわ。降りよ。
するするっと木から降りて、ポチャに向かって首を振った。ポチャもそこまで期待していなかったようで、そっか、と呟いただけだった。
「……まあ、ないなら仕方ないよね。ギルドに戻ろっか。何て言われるのか怖いけど……ね」
そこなんだよな。ペラップは大切な仕事だって念を押してきたし、やってはいけない失敗をしてしまった気がしてきた。それを考えるだけで、頭痛の種に成りうるものである。

バッジを使って一瞬の内にギルドへと戻ってきた。本当なら現実逃避のようにぎりぎりまで逃げていてもよかったのだけれど、そんなことをしても結果は変わらない。それなら、潔く訳を話して分かってもらうしかない。……聞いてくれるかは五分五分だが。まあ、私達も新人だし、失敗することもある……なんて、これも言い訳か。
「ん、おかえり。二人とも」
「あ……ペラップ。た、ただいま」
なんでよりにもよって入ってきてすぐ会うのがお前なんだよ。空気読めよ。いや、ある意味読んでるけども!
「ご苦労だったな♪」
「あ~……ペラップ? 実はね…」
ポチャが私の方をちらりと見て、今まであったことを話した。あったことを話した、というよりは、セカイイチを持ってこれなかったということを言っただけだ。しかし、この説明の仕方は……間違ってはいない。むしろ正しいんだが、これではまるで私達に非があるように聞こえる。いやもう、それにしか聞こえない。
「え……えぇぇ!? 失敗しちゃったの!?」
案の定、ペラップは私の思った通りに解釈したようだ。そして、ばさばさと左右行ったり来たりを繰り返した。それを見て、本当にやってはいけないことをしたのだと確信した。私達だけのせいではないけれど。
「どうしよう!? わわわっ! どうしようどうしよう!! え、本当に失敗したの!? どーしよう!!」
このテンパりよう……かなりまずい。うん、まずいよね。
「仕方なかったんだよ。スカタンク達が…」
「おだまり! 言い訳は聞きたくないよ!」
ポチャが弁明しようとするも、無情にもペラップは遮った。言い訳くらい聞いてくれたっていいものを。
「……仕方がない。とりあえず、今日、お前達は夕飯抜きだ!」
んげぇ!? 待て待て待て!! 私達のせいじゃないんだけど!? 邪魔されたから出来なかっただけなのに!?
「大切な仕事が出来なかったんだ。こんなんで済まされるなら安いくらいだよ!」
安くねぇよ! 一日に一回しかない安定した食事の機会をお前はなんて理由で抜きにしてくれとるんだ!?
……とまあ、こんなことを口したらどんなことを追加で罰せられるのか分かったもんじゃない。頭では私達が失敗したことは事実だと分かっているのだ。その事もあるし、立場も悪いから、ここは我慢するけれど。言わないけれど、言わないけどぉぉ!!
「話くらい聞けよ、この…」
「!? ピカ、駄目!」
音符鳥め、とぼそっと悪態でもついてやろうと開いた口をポチャに塞がれ、ついでと言わんばかりに体も押さえつけられた。客観的に言えば、ナイスプレー。主観的に言えば、邪魔するな、である。
「フンッ! 泣きたいのはこっちだよ。今回のことを親方に報告するのはワタシなんだからね……」
こっちだって泣きてぇわ!! スカタンクのせいでこんな屈辱を味わうなんて……! スカタンク達も嫌いだけど、話を聞かないお前も嫌いだかんな!!
「このことを聞いた親方様は……親方様はきっと……うわあぁぁぁぁ!!」
うるせぇ! 叫びたいのはこっちだよぉ!!
「もう、ピカ! だから駄目だって!!」
ポチャに体を押さえられている以上、もうどうしようもない。ビビりでなよなよしているポチャも男の子。力で敵うはずもなく、私はばたばたするしかない。が、それでもばたばたと悪あがきをやめない。
「親方様には夕飯のあとに報告しに行く。お前達も一緒についてこい。親方様のアレを食らうのがワタシだけというのは、不公平だからな」
そもそも新人に何を期待してるんだよっ!! 新人のミスは上のミスだろ……いや、何言ってるんだ、私。駄目だ。もう、疲れてきた……
「お前達も必ず来るように! いいなっ!」
ビシッと命令され、何も言えなくなる。いや、最初から何も言ってはいない。心の中で、頭の中で言い返してはいたけれど、口には出していない。そこは誉められるところだと思う。偉い、私。まあ、ポチャに止められていたというのもあるかもそれないけれど。
ここでじっとしていても仕方がないので、私達は自分達の部屋へと戻ることにしたのだった。



~あとがき~
踏んだり蹴ったりの二人ですね。

次回、親方様のアレとは……?
ピカ達は生きて帰ってこれるのか!!

ピカ、めちゃくちゃに荒れまくっています。心がね! そりゃ、仕事ですから、失敗したら自己責任なのかもしれませんけれど、理由くらい聞けよ馬鹿って感じなのかな。あと、ちょこちょこ書いてますが、毒ガススペシャルコンボのせいなのか、体調を害してます。彼女。ほんと、踏んだり蹴ったりですわ。
荒れまくりの彼女を止めていられるポチャだけど、彼も内心どう思っているのだろうか。ピカみたいにペラップコラ、ペラップ。とはきっとなってません。自分の不甲斐なさくらいは責めているかもですね。

ではでは。