satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 6ー9

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊を元にしておりますので、原作のイメージが崩れるために、苦手な方はブラウザバッグ推奨ですぜ。
ピカ「親方のアレが飛び出す、十秒前」
ポチャ「変なところで切られちゃったよね」
ピカ「せやな~」
思ったより、長くなってしもうたんや……すまぬ。
ピカ「しかもこれ、長くない?part9まできたよ? 一番長いんだけど、下らないことに9って」
言わないでぇぇ!!


~6‐9 やってきたあいつらと失敗~


親方のうるうるが増えていく度に部屋の揺れも強くなっていく。部屋を破壊でもするつもりなのか、親方は。
「マズイ! お前達、耳を塞げ!」
耳……? そういえば、隊の登録の時も塞いだっけ。声での攻撃……? まあ、いいや、塞ぐか。
「うあぁぁぁ…」
なんだか今にも大声で泣き出してしまいそう。セカイイチがないってのがこの人の地雷なのか。どんな地雷だよ……
こうしてみると、至って冷静に聞こえるかもしれないが、私だって焦っている。しかし、焦ったところでどうにもならなそうだと思っているから開き直っているだけだ。これくらいのことをしたんだなと他人事のように思うだけ。
所々で小さな爆発が起こり始め、鳥はもう説明もなだめるのもやめてしまっている。ちらりと隣を見るとポチャも耳を塞いでぎゅっと目も閉じていた。
なんだか、こう言ってしまうのも何だが、頼りなくないか。この男共。怖いのは分かるんだが、もう少しあるだろう。なぜ私だけが周りを見て、どうなるんだろうと推測しているんだ。
「ごめんください。セカイイチをお届けに参りました」
とある声で親方の暴走(と言っていいのか謎だが)がぴたりと止まる。先程までの騒ぎが嘘のように静かになった。鳥もハッと顔を上げ、何事かとキョロキョロ見回している。私は背後にある扉を見つめていた。
マジか……嘘だろ。つまり、何? そういうことなのか……?
入ってきたのはやはりと言うか、ドクローズの三人。ズバットドガースが私とポチャの間に割って入り、無理矢理道を開けさせる。そうして出来た道をスカタンクが通り、平然と親方の前まで近づいた。
「どうぞ。本物のセカイイチです。お近づきの印です」
「わあ~♪ ボクのために採ってきてくれたの? ありがとう! ともだちともだち~♪」
騙されてる……いや、騙されているというより、物で釣られている感じがするよ。親方! いいの、そんなんで!! あーでも、そうか。セカイイチくれればいいんだろうな。ちょっと分かってきたかも。
「あ、ありがとうございました! あなた様のおかげで、ワタシ共も助かりました。……ほら、お前達も頭を下げな!」
こいつらのせいでこっちは失敗したんだよ。文句を言う権利はあれど、頭を下げる意味が分からない。絶対に嫌だ。
流石のポチャも悔しそうにスカタンク達を睨み付けていた。何も言わない私達にスカタンクはにやりと嫌な笑顔を浮かべた。
「クククッ……いえいえ。私達も今はギルドに世話になっていますから。その間、助け合うのは当然の事ですよ」
こいつ……猫被りやがって、上っ面だけはいいんだから。つまり、あれだ。こいつらの利益のために私達は利用されたのか。最悪。ほんっとうに最悪だ。
「おお! なんと素晴らしいお方なのでしょう! そんな方々と遠征をご一緒できるとは、本当に心強い」
なぜ、疑うということをしない。お人好ししかいないのか、ここは。もう、やだ! 弟子より余所者を信じる、鳥が嫌い!!
「クククッ。いやいや。それは私達もです。本当に遠征が楽しみですよ」
そういえば、仮に私達が行けなくとも、スカタンク達は行くんだよな。……なんだそれ。ムカつくんだけど。
「それでは、今日はもう遅いので休みます。では、また明日」
そう言って、スカタンク達は部屋を出て行った。部屋を出ていく瞬間、私の方を見て様子をうかがったことが分かった。ぼそり、と「どうなるのか楽しみだな」と呟きを残していった。何がどうなるかなどハッキリしている。遠征に選ばれるか否か、ということだ。はめられた気がする。
「……お前達、今日はもう部屋に戻っていいぞ。今回のこと、よく考えるようにな」
「はい。……失礼しました」
ばたん、と重々しく響かせながら扉を閉める。何も言わず、自分達の部屋へと向かった。
スカタンクの登場によって、親方からのお仕置き、というか何らかの罰を受けずにはすんだ。セカイイチが出てきて、鳥……ペラップもこの件はもう蒸し返すことはないだろう。結果的にはよかったのだろう。無事だし、親方からも怒られてはいない。
しかし、やられた。スカタンクに完全に踊らされたのだ。私達が助けられたというのは結果論に過ぎない。実際は、親方とペラップの信用でも得るために出てきたのだろう。これが意図して行われたのか、とっさに思いついて実行したのかは定かではないが。それでも、私達は……あいつらに、スカタンクに及ばなかった。あーもう! この屈辱は必ず晴らしてやる。絶対に、だ。
「はあ、今回もスカタンク達にやられっぱなしだったね……はあ。もう、お腹すいて、何も考えたくない」
部屋に戻るなり、ポチャはベッドに倒れこんだ。その気持ちは分かる。今日はもう厄日と言ってもいいのではないだろうか。
「……起きてるの、辛いから、ぼくもう寝るね。明日、また頑張ろう……」
明日、か。
今回のことが遠征メンバー選出に響かなければいいのだが。そうなれば……いや、考えるのはよそう。私も寝てしまおう。ポチャの言う通り、明日のことは明日考える。
ベッドにくるりと丸くなって、先程寝たはずなのに、眠気はすぐにやってきた。

セカイイチプクリンに届け、出てきたスカタンク達。そこでズバットは気になっていたことをリーダーである、スカタンクに投げかけた。
「アニキ、なんであいつらを助けたんですか? あそこでどうなるか見てるのも面白かったと思うですが」
そんなズバットドガースも同調し、うなずいた。そんな二人にスカタンクはため息をつく。
「頭が回らないな、お前達。オレ様達がここに来た理由はなんだ? 遠征だろ? 今はプクリンに信用されるのが大切なのさ」
こちらの本性を知っているのはスカイの二人だけ。しかし、あの二人もここではしたっぱ。それに実力的にはこちらの方が上である。ピカ達が何を言ってもこちらは何とでも言いくるめられるのだ。それくらいのことは朝飯前である。
「なるほどー」
ドガーススカタンクの考えを聞いて、納得したようだ。ズバットドガースはそこまで頭を働かせることは得意ではない。スカタンクが何をどう思って、どう動くかなど予測出来ない。
「しかし、ここは有名なギルドだ。オレ様もそれなりに警戒していたのだが……拍子抜けだな。見ての通り、プクリンなんてお子様よ」
今回のセカイイチを与えるまでの流れを見て、そう確信をした。それと同時に、ギルドの弟子達がプクリンを恐れる理由がスカタンクには分からない。が、これはもう懸念すべき問題でもない。予定通り、進めていくのみだ。
「とにかく、遠征先でお宝を見つけたら……」
「ギルドの奴らを倒して」
「お宝を奪ってトンズラする!」
スカタンクの言葉にドガースズバットが続いた。至ってシンプルな今回の悪巧み。それはまた、簡単に達成出来る気がしていた。



~あとがき~
いやぁ~……スカタンクにしてやられた、ピカはやり返してやると決意をしました。頑張れよ!
そして、長かった6話も終わりです。part10まで続くのではとびくびくしてました(汗)

次回、第7話! ギルド遠征、重なる謎です!
いわゆるあれだね。遠征編だね!

特に言いたいことはない。
本当にないな……スカタンク達、というか、スカタンクやりおるなって感じですね。ここではピカもまだ考えが浅く、あとになってから気づいてやっちゃったとなることが多いです。まだまだスカタンクとの頭脳戦には勝てなさそうですね。

ではでは!