satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第156話

~前回のあらすじ~
ホノオとナイトのバトルは終わりましたね。私の気力もなくなりました。
ピカ「イメージはあるけど、それを文章に出来る能力はなかったか」
そうなんですよね。でもまあ、二人のバトルの終わらせ方は大体あんな感じでしたよ。文章に難ありですけど。もっといい言い回しが思いつけば修正しときます!
では、始めまーす!


「ふぁ……ふあぁぁぁ…」
「嫌だぁ♪ ホノオさん、怖いわ~」
今までのバトルを見て、完全に怯えているもえぎに呑気に野次馬気分のレン。お互いにホノオに対する反応は正反対だった。
「あは~♪ レン、嘘ばっかぁ~」
「んなことないよ。ナイトをボッコボコしてやるーって野心ってぇの? そういうの見え見えだったぜ」
「……そうかな?」
「そうだよ」
ホノオとレンの間に冷たい時間が流れるが、それは長くは続かなかった。ナイトの次に出てきた相手が話しかけてきたからであった。
「えっと、よろしくお願いします」
ペコッと頭を下げて、緊張した面持ちのコリンクである。目の色が濃いオレンジ色をしている以外はどこにでもいるコリンクだ。
「俺はホノオだよ。よろしくねぇ~」
「もえぎ、です……」
「何これ。自己紹介の流れ? レンでーす」
自己紹介をしたホノオに続いて、もえぎとレンも名前を告げる。それを聞いたコリンクはまた頭を下げた。
「僕はトパーズって言います! こういうの、初めてなんですけど、頑張ります!」
今からバトルする相手にも律儀に挨拶を交わす。トパーズにとっては、状況はよくないと思われる。タイプ相性で勝るわけでも、力で押しきれるような相手でもないだろう。アクアのチームはもう手立てがないのかもしれない。程々に戦い、リタイアでもしようと思っている可能性すらある。確実に言えることは、一番追い込まれているのはアクアのチームであるということだ。
「んー……四人でどんぱちするの?」
「やですぅ~! 俺は空に逃げる」
そう言うと、いつの間にか手足を縛っていたつるから脱出していていたレンは、翼を大きく羽ばたかせ大空へと飛び立つ。捕まえられない距離ではないが深追いしても仕方がない。そんなことを思いつつ、ホノオは空を見上げていたがすっと下に戻した。
「じゃあ、仕方ない。三人でしよっか?」
「……えっと」
「とりあえず、バトルすればいいんですよね。力一杯、向かえば……」
「そだね~♪ 随分威勢がいいね」
戸惑うもえぎに対して、トパーズはやる気を感じられた。倒してやる等の野心が見えるわけではなく、純粋に経験するため、勉強のために頑張るといった具合である。
「俺は師範でもあるから、そういうの好きだよ。好きにおいで」
「は、はい!」
ホノオに走って突っ込んでいく。小柄な体型を生かして、素早く小回りを効かせながらちょこまかと周りを移動する。そんなトパーズをホノオはちらちらと目で追っていたが、なるほど、と呟いた後は追うことをやめた。
「お~……目が回りそう」
「“ボルトチェンジ”!」
ホノオの死角である背中に回り込むと、電気をまとって、体重をかけながら体当たりをした。技が当たった後は、技の効果を利用してホノオの側から離れる。そして、ホノオの様子を窺うが大して効いてなさそうなのは見てとれた。
「あはは。ビリビリする~」
「うむむ……平気そうな顔、ですね」
「まあ、ね。こんくらいでやられるならここにはいないってやつだよ」
「う~……ナイトさんのこと、ほぼ一方的に倒しちゃうくらいですもんね」
「そっかな? 別に対等な勝負じゃなかったし、俺が強いって基準にはならないんじゃない?」
先にフィールドに出ていて、もえぎとフォースを相手にしていたのだ。体力が有り余っているホノオとは状況が違う。コンディションが万全でなかった以上、比べられるのもおかしな話ではあった。しかし、仮にホノオにはナイトが万全であっても勝てる自信は大いにあったのだが。
「というか、あのギルドに新人さんがいるなんて知らなかったよ♪ アクアの相方なんだって?」
「はっ……はい!」
次々と攻撃を繰り出すトパーズをあしらいつつ、会話をしていく。新人とはいえ、ホノオに攻撃しつつも話が出来るくらいは体力に余裕があるようだ。
「あっくんには、色々お世話になってて……もちろん、リーダーさんにも、ギルドの皆さんにも」
「……なんだか、訳ありっぽいみたいだね? よかったら後で教えてね~♪ 一応、俺はナイトの相方だし、あのギルド出身だから。力になってあげる」
「あ、はい! ありがとうございますっ!」
現在進行形で敵対している相手にもお礼を述べるトパーズ。そんなトパーズをホノオは出来た子だな、なんて呑気に考えつつ適当に攻撃を流していく。
そんな二人の様子を少し離れたところから黙って見ていたもえぎだったが、いきなり自分の控え席の方へと走って行ってしまった。
「わわっ!? えと、もえぎさん……?」
「ついにあそこも交代か」
もえぎはまだ戦える状態であるから、交代するためにこの場を離れたのだろう。これで全チーム初期メンバーはいなくなったことになる。
「ふむ……トパーズくん」
「なんですか?」
「ごめんね。投げさせて~」
「えっ? あっ……えぇっ!?」
がしっとトパーズの首根っこを掴むと、ボールでも投げるように軽々と空へと投げてしまった。なぜ投げられたのかも全くわからず、トパーズは空中にいたレンと激突した。ちなみに、レンはレンでいきなり飛んできたトパーズをどうにもすることが出来ないで、顔面で受け止めていたのである。その結果、トパーズと共に地面に落下する羽目となった。
「ってぇ~……おい、ホノオ! 巻き込んでじゃないよ!?」
「え? 乱戦なんだし、別におかしいことじゃないけど? 文句を言われる筋合いはない」
「うぐ……」
ホノオの言うことは正論である。レンは特に反論もせずに、話を切り替えた。
「で? いきなりなんだよ」
「あはは。もえぎちゃんのところ、新しい子来るみたいだから、呼んであげたんだよ」
「投げるんじゃなくて、声を出せ! おい、大丈夫か?」
一緒に落ちてきたトパーズを揺すっていると、ホノオはくすくす笑い出した。
「敵の子心配してる~♪ やっさしいね」
「なんつーかさ……時々、残酷と言うか冷酷だよな、お前は」
「まあね」
「あぁ、否定しないのね……」
ホノオの性格にゾッとしつつも、納得している自分がいた。元からこういう奴だったのである。
「あっ……あー……」
「ん? うっわ。ここで来るか……」
ホノオが反応した方向に目を向けると、のそのそと向かってきたのは、リーダーであるナエだった。ナエを見たレンとホノオはどちらも同じ反応である。
「来ないと思ってたんだけど。何でや」
「あー……俺もそう思ってた。何か気に食わなかったかなぁ……? 勝ちにいくために来た訳じゃないもんね。きっと」
「んな無駄なことする人じゃないしな」
二人の考えとしては、ナエの性格を考慮すると形式上参加はしているが、バトルには出てこないのだろうというものだった。バトル自体、好きではないために指示は出しても自身が出るとは思っていなかった。が、その予想は間違いだったようだ。
「ぬーん」
心意を読み取るのも難しいなんとも言えない表情で一言呟いた。しかし、ホノオには何を言っているのかわからない。共に過ごした時間があまりないのが理由であった。その点、同じ補佐をしているレンならば、問題ないだろう。
「レン、通訳してよ」
「えぇ……? 必要あるかぁ?」
「ぬ」
「んんっ……それはだな、あれだよ? これは本気で戦う場じゃなくてだな……」
レンの返答から察するに、あまりにも低堕落な場を締めに来たのだろうか。レンが弁明するものの、納得はしていないようだった。
「ぬっ!」
「え、いや、違っ……!?」
話を聞いても無駄だと思ったのか、聞く必要がなくなったのかはわからないが、ナエは戦闘体勢に入った。それを見たレンは近くで気絶したままのトパーズを抱え、慌てて距離を取る。
「ん~……俺の予想と違ったか」
タイプ相性で勝ってはいるが、勝てると言い切ることが出来なかった。ナエの力量が全く見えてこないのだ。そのため少しだけ、緊張感を持って望む必要があると判断した。
お互いの目線が交わると、一瞬のうちに技と技がぶつかり合った。ナエが何を出したか確認する暇もなく、ホノオは火で焼き付くしたのだった。それが合図だったかのように場の空気が変わったのがハッキリと感じ取れた。場にいた四人はもちろん、見ている観客にも嫌というほどに伝わっていく。



~あとがき~
ちょっと長くなってしまいましたが、まあいつも通りです。範囲内範囲内。

次回、ナエが出てきたことで場はどう変わる……?
ここから一気に流れが加速すると思います。多分。

ナエこと、なーさんは「ぬ」しか喋りません。なんで「ぬ」なのかは、私的には語感がいいなって思っただけですね。彼的には……なんだろう。理由があるのかな。想像してみるのも面白いかもです。
関係ないけど、ホノオの性格がどんどん変わっている気がします。初期はあんなイメージではなかったんです。どうしてああなったんだろう。(困惑)

本編とは関係ないのですが、今日でポケダン(探検隊)が十周年だそうで。色々語ろうかと思ったんですけど、今まで何回か語ってるので、この場でおめでとう、とだけ。後日改めて何か出来ればいいなと思います。
空と海は探検隊がメインですからね。ピカ率いるスカイもイブとチコのオーシャンも。まあ、探検隊らしいことさせてないけどね!! させたいね!
いつか、させます。させる話はありますから!

ではでは!