satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 7ー7

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊の物語を元にしております。原作のイメージが崩れる恐れがあるので、苦手な方はバック!
前回は『えんがわのいわば』をクリアしたところです。今回から『ツノやま』に挑むど!!
ピカ「あのさ」
はい。
ピカ「自分で言うのもあれなんだけど、私の自問自答の場面は必要?」
何度も出てくるってことはそれだけ気になってるし、ジレンマみたいなものです。仕方ないね! これからも出てくるよ!
ピカ(いつも勢いで書いてるのが原因なのでは)
は~い! 始めますよ!!


~7‐7 ギルド遠征、重なる謎~


浅い眠りから目を覚ますと、空が白み始めていた。もう夜が明けたらしい。寝たような気がしないけれど、時間は平等に訪れるもの。仕方ない。起きよう。
体を起こし、昨日、夜空を見ながら寝てしまったことを思い出した。ポチャ達から少しだけ離れたところで眠ってしまった。失敗したな……とはいえ、二人ともまだ起きていないから、問題ない。これがポチャに知れれば、心配をかけてしまう。それは面倒だし、気をつけなければ。
「ま、こういうのはバレなきゃ、やってないのと同じだから。……おーい、二人とも朝だよ~?」
「うぅ……も、もう、朝でゲスか……?」
「一応ね。今のうちに目を覚まして、軽く運動しておかないと、ダンジョンで怪我するよ。今日は『ツノやま』突破してベースキャンプに到着しないと」
「そう……でゲスよね……」
起きる意思はあるみたいだけど、なかなか覚醒するには至らないようだ。ポチャに至っては全く起きる気配がない。このまま自然に起きるのを待っていたら、日が暮れてしまう。こうなれば、奥の手だ。
「“十万ボルト”」
「うわあぁぁぁっ!!??」
「ぎゃあぁぁぁ!! 何するでゲスゥ~!?」
半強制的に電撃を浴びせて起こすしかないね。許せ。恨むなら自分の寝起きの悪さを恨め。
一日の始まりを電撃から始めることになったポチャは、少し不服そうにしているものの、自分が起きないのが悪いことを悟っている。そのため、文句を言うことはなかった。朝ごはんを食べて、三人で軽く準備運動をする。
「この山を突破すれば、ベースキャンプは目の前だよ。頑張ってこ~」
「……はーい」
明らかにテンションが低いけれど気にしない気にしな~い♪
「よし! 準備おっけ! 二人とも覚悟はいい? 山登りの時間だよ」
「ピカ、本当に朝強いよね。羨ましいよ」
準備運動等々をこなしても、ポチャはまだ眠そうにしていた。朝が弱いポチャにこんな時間からダンジョン攻略に参加させるのは、罪悪感がないわけではない。が、だからといって、こんなところに置いておくわけにもいかない。
「ポチャが極端に弱いだけじゃない? ダンジョンに入れば嫌でも覚醒するよ」
「……うん。そうだよね。ごめん。行こっか」
眠そうにしてても、問題ないだろう。昨日と同じように進めば、難なく突破出来るはず。私の予想が正しければ、だけれど。

予想通り、着実に『ツノやま』の奥地まで進んでいく。何事もなく、問題なく、だ。
それがそうもいかなくなったのは、後半に差し掛かり、もうすぐ終わるだろうと思い始めた頃。ダンジョン内がガラリと雰囲気が変わったのだ。何がとはいえないけれど、抽象的な言葉を使うなら、場の空気のような、そんな感じ。
「なんか、このフロアだけ嫌な感じがする」
「なんだろうね? 殺気立ってる……?」
「前にも似たようなことあったよね。カラナクシ軍団の。あれっぽい?」
「言われると似てるかも。……でも、あれは部屋の一部がそうだっただけで、全体的にそうじゃなかったよね? 今回は全体的に嫌な雰囲気だ」
「まるでボス戦前みたいでゲスね」
ビッパの何気ない一言がピタリと当てはまった気がした。そうか。全体的にピリピリしていて、肌に伝わるこの緊張感はそれか……?
「何かいるってことか」
「ひえぇっ!?」
「どうする? って言っても、ここを抜けなきゃ先には進めないけれど」
「警戒しながら進むしかない。ポチャ、ビッパ。離れないように気をつけて」
二人は小さく頷いた。私も二人に頷き返すと、一歩足を踏み出した。ゆっくり着実に歩を進めていき、奥へと進んでいく。何かあるわけではないけれど、警戒するに越したことはない。
ここは山と言っても岩山の類いで、森に囲まれているわけではない。見張らしはいい方だと思う。敵が隠れるような場所もない。だから、何かあればすぐに気がつける……と思うんだけれど。
そう考えていると、正面から何かが飛んできた。私が避けるのは簡単だが、そうすると後方にいる二人にも何かあるかもしれない。となれば、出来ることは一つだけだ。
私は素早くバッグからワープのタネを二つ取り出すと、正面の敵ではなく、後ろの二人に向かって投げた。咄嗟のことでポチャもビッパも避けられないだろう。
「ピカ!?」
「バッジで場所の確認すればすぐに合流出来る!」
それを言うと、二人はどこかにワープしてしまう。そこまで広いフロアではなかった。大丈夫。二人のタイプ相性も悪くなかった。……大丈夫だ。
それと同時に、私は目の前から飛んできた何かに見事、命中してしまった。

「いてっ! ピカ!?」
辺りを見回しても自分一人だけだった。ポチャはここがまだ見たことがない部屋だということを確認すると、ピカに言われた通り、バッジを起動させた。そして、マップ表示を出し、自分の位置、仲間の位置を把握する。
「……ぼくはここ。通路が見えないってことは三人でまだ来てないところ。……一番近い仲間と合流しなくっちゃ」
バッジを懐にしまうと通路を駆け抜け、いくつかの部屋を抜けると、ビッパと合流することが出来た。ビッパは動かずにじっとしていたらしく、忙しなく辺りを見回していた。そのため、ポチャの姿を見つけたときはパッと顔を明るくさせ、同時にホッとしたように駆け寄ってきた。
「ポチャー!! 無事だったゲスね! あっし、動くと迷いに迷いそうで……!」
「うん。それも一つの方法だよ。……ぼくは大丈夫……でも、ピカが」
「バッジは確認したでゲスか?」
「したよ。結構、離れたところにいるみたいだ。ピカ、なんで急にワープのタネなんか投げてきたんだろう?」
「何かあったゲスね……あっし達を遠ざけたい何かが……それがなんなのかは分からないゲス」
「とりあえず、ピカのところに行かなくちゃ! ねえ、そういえばさ、ビッパは敵の姿とか見た? 走るのに夢中だったんだけど、このフロアに来てから遭遇してないなって」
「そういえば……そうでゲスね。あっしも見てないでゲス。ここに来るまでは嫌と言うほど見たのに」
ポチャの頭にふつふつと嫌な思いが浮かぶ。もし、敵がピカに集中しているとしたら。普通なら、ダンジョン内の敵はどこにでもいて、平等に襲われる可能性がある。それが、ここでは一度も遭遇していない。なぜ、そうなるかまでは分からないが、ここは他とは違う何かを感じるのは確かなのだ。普通の常識なんて通じない何かがあるのかもしれない。
「待ってて、ピカ……すぐに行くからね!」



~あとがき~
遠征なのに遠征じゃない何かに巻き込まれてますね。

次回、ピカに一体何が……?
このパートなっがいなぁ……

本当はこんなに長くなる予定はありませんでした。さっさとベースキャンプ場に着いて、あれこれ話して、湖に行こうと思っていたので。まさかpart7まで続くなんてそんなこと……ねぇ?
もうね。二桁も夢じゃないですよ。はい。

ではでは!