satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第1話

~attention~
空と海のメインキャラ達が学生だったらという、よくあるif世界です! 普段の彼らとは別人なので悪しからず。また、この世界では擬人化されている設定(だけれど、文字だけだからあんまり関係ないね……)で、友人と設定もろもろを考えたコラボ作品でもあります。そういうのが苦手な方々はブラウザバックだよ!
よっしゃ! 簡単な自己紹介だ!! 細かい設定は察して!
ラル「雑過ぎて笑う」
フォース「だなぁ」
やめなさい。
ラル「はーいw」

舞台について
レイディアント学園、通称レイ学の日常を描いた物語。中高一貫校であり、冒険科と魔術科に分かれ、更に多様に渡る分野の専門知識を学ぶ。

ラル(ピカ)
冒険科所属、高等部三年で生徒会長。性格等々は本編である『空と海』とあまり変わらないが、仕事に対する姿勢が本編以上に低い。不真面目の問題児。
ティールとパートナーで一緒に住んでいる。

ティール(ポチャ)
冒険科所属、高等部三年で副会長。ラル同様、性格等々は本編と変化なし。仕事から逃げるラルに対する態度が若干辛辣なくらい。
ラルのパートナーで一緒に住んでいる。

フォース
冒険科所属、高等部三年の書記兼会計。上二人と同じで、本編と変化はない。ステラとリーフの親的存在で家事全般を請け負うお母さんやってるくらい。
ステラとリーフの三人で住んでいる。

ステラ(イブ)
中等部三年生。特に変化した部分はない。戦いは不慣れなため、危なくなったらフォースを召還する。そこだけみたら、魔法っぽい。
フォースとリーフの三人で住んでいる。

リーフ(チコ)
中等部三年生。特に変化した部分はない。戦いよりもサポートする技術を学びたいと考えているのは違うところかもしれない。
フォースとステラの三人で住んでいる。

()の中はあれだよ。本編の中で使っている名前ですね。ひっさしぶりに本名なんて出したので、一応書きました。ここでは本名呼びなので、ついてきてくださいね!!
はい! お話始めまーす!


桜舞い散る季節。桜は入学の象徴になることが多いけれど、実際は入学前に散るのがほとんど。卒業で桜がピックアップされるんだし、当たり前と言えば当たり前だ。そして、明日は入学式。中高一貫校であるためにほとんどが内部からの新学生が多いのが特徴だ。体育館では明日の準備にてんてこ舞い……なのは、先生達だけか。私の所属する生徒会が駆り出されてはいるものの、基本的には春休み中で校舎内はがらんとしている。
「……で、聞いているのか!?」
「あー……長々と続けるもんで、半分聞いてなかったですけど。えと、理事長の御子女様が入学されるとかなんとか? そんな話でしたっけ」
生徒会が駆り出されているっていうのに、会長の私は校長室で校長の話……ではなく、教頭の話を聞いていた。いや、校長が話せって話だ。おい。分かっているぞ。きっと寝ているんだろうね!?
ノウツ教頭の説教じみた有難いお話は進んでいく。
「そうだ。何度でも言うが、何かあれば簡単にクビが飛ぶんだ! お前も退学では済まないんだからな!?」
「あんたはともかく、私が関わることなんてないでしょ。その子……んんっ! その方は一年生。私は三年。しかもあっちは魔術科でこっちは冒険科! 接点のせの字も見つからないし」
いつもいつも私が問題の渦中にいるような言い方はやめていただきたい。そりゃ、色々した記憶はあるけれど、それとこれとは話が違う。下級生との交流がないわけではないし、魔術科の子達とも面識はある。それは認めよう。しかし、それは生徒会という接点があるからだ。一年の初っぱなから生徒会に入ろうとか思う子もいないだろう。分野も違うし、そもそも教室に顔を出さない私とどう接点を作るんだ。
しかし、この教頭は疑いが晴れないらしく、探るような目付きで私を見てきた。それに私は営業スマイルで応える。
「御子女の情報は? 気付いたら出会ってて色々してたってこともありますよ」
「むっ……そうだな……」
ひらりと一枚の紙を渡され、さっと目を通していく。入学手続きをするための入学届けだ。一生徒の私が見るのもどうかと思うが、そこら辺は信頼を得ているとでも言っておこうか。
そこには小さな写真と共に簡略的な経歴が書かれていた。白い髪に狐の耳。左右非対称の目の色をし、緊張したように笑う女の子。名前欄にはツバサ・ケアル・レイディアントとある。……ティールの正式名を聞くときも思うけれど、お偉い方々の名前は長い。ツバサちゃんでいいや。
「狐族の……はあ、飛び級ねぇ。才女ってやつですかー? 天才は違うなぁ」
「あはは~♪ ラルも頑張れば飛び級してたかもなのにっ!」
いきなり会話に入ってきた校長がにこにこ笑顔で悪意もなく、さらりと飛んでもないことを話した。寝ていたくせに適当なことを言うな。適当なことを。
「校長! 中等部の頃からサボり魔で問題しか起こさない。挙げ句に出席日数ギリギリなラルを飛び級なんてさせられません! なんでこんなやつが会長やってるんです!?」
ほら。関係ない話が出てきた。さらっと流しておこう。面倒なことになる。
「一定数の信頼のお陰ですぅ♪ でもまあ、いいです。要はツバサ様と関わるなって話ですよね。極力努力しますよ」
書類を返して、くるりと踵を返す。これ以上話を続けると、関係のない小言まで言われてしまう。さっさと退散するに越したことはない。
「それと、明日! 生徒会長として新入生の前でスピーチしてもらうからな! 忘れずに来るように!」
「気が向いたらねぇ~」
教頭は保守的な考え方をしていると思う。私が関わるかどうかなんて、自分で決めるっての。……しかし、先程の簡素な情報だけでは、それ以上の認識は生まれなかった。たくさんいる新入生の一人って認識だ。それ以上でも以下でもないのだから。

入学式が行われる体育館では、会長不在の中でも着実に準備が進められていた。てきぱきと指示を飛ばすティールとフォースがいるからだろう。この調子なら、予定通りの時刻に準備が終わるはずだ。
「君が真面目に仕事するのも珍しい話だね」
「あ? 春休みで暇だから」
あまり生徒会室に顔を出さないフォースは、ラル程ではないにしろ、仕事を真面目にするタイプとは言えなかった。しかし、能力は持ち合わせているため、やる気さえあれば大抵のことはできるのだ。
「中等部と高等部同時にやんの?」
「同時じゃなくて、時間をずらしてやる。一緒にやれればいいけど、生徒会の挨拶とか、新入生代表とかそれぞれにあるから。まあ、いちいち準備する手間も省けるし、同日で有難いとは思ってるけど」
「はぁ……結構効率的なのな」
「うん。毎年、準備は高等部、片付けは中等部がやる決まりだよ。……あ、フォースは高等部からだったっけ」
「えへ。外部受験者なので」
「内部からの持ち上がりがほとんどだからね。今年もほぼ内部上がりだってさ」
「ははっ♪ それで成立してるんだから、全体の生徒数多いのが分かるよな。……あ、それ、片付けていいわ。数的に予備の椅子だ」
ティールと会話をしていても、周りの状況把握は完璧である。フォースの指示に元気な返事が返ってきたところで、再び会話が続けられる。
「んで、うちの会長様は? 学校にはいるんだよな?」
「一緒に来たよ。……でも、その途中で教頭先生に呼び止められちゃった。こっち来るかは微妙」
「ん~……来ないに飴玉三つ」
「ぼくも来ないにチョコ二つ」
少しの沈黙が続き、身内からの信頼がないことが確認されるだけであった。小さくため息をついたフォースは、離れたところにいた中等部の制服を着た少女に呼び掛ける。
「……おい、すぅ! ちょっと生徒会室覗いてこい! 鞄あれば帰ってないってことだし、引っ張って来て」
「ふぁ!? 私が!? 無理だよぉ! ラルさんを引っ張れるわけないじゃん!」
リーフと一緒に暇だから手伝いに来たステラがびっくりしたように叫ぶ。ラルやティールとも知り合いの彼女達は当然ながらラルの性格も知っている。二人が言うほど不真面目さは感じない。しかし、よく仕事から逃げて様々なところに隠れていることも知っていた。
「いいから。おれらはここから離れられないんだし、行ってきて。あと、お前だと連絡が楽」
「うぅ。……分かった。期待しないでよ?」
「お前に期待なんてしてない」
「すーくんのばぁぁかぁぁ!!」
フォースに対する不満を漏らしながら、体育館の出入口へと駆け足で目指した。二人のやり取りを黙ってみていたリーフが慌てて呼び掛ける。
「ス、ステラー! 一人で大丈夫ー?」
「だーいじょーぶ! リーちゃんはティールさんを手伝ってあげてー!」
「……もう。フォースもあんまり意地悪なこと言わないでよね! ステラ、気にしちゃうんだからっ」
ステラが出ていき、リーフは腰に手を当てながら、フォースに近付いた。しかし、フォースは手元の書類から目を離すことなく、一言。
「すぅもりぃもそこまで子供じゃないだろ」
「み、認められたってことでいいのかな。嬉しいけど、複雑な心境だよ……?」
ティール、会場のセッティングは概ね完了した。後は明日の段取りチェックと仕事振りをすれば今日は終わり」
「OK。予定通りだ」
「飴とチョコはどうするかね」
「当たったらそれぞれに渡す……ん? 外れたらどうなるの?」
「……すぅ達?」
「あはは。どっちも得しない賭け事だったね。今からでも来るに賭ける?」
「嫌だ。絶対帰ってるだろ。あいつ」
「? 何の話ですか?」
ティールとフォースの会話を知らないリーフは首を傾げるばかりだ。二人はお互いの顔を見合わせると、苦笑を浮かべる。心底どうでもいい話だと二人して思ったからであった。
「あー……二人でチョコと飴買ってくる話だ」
「頑張ったから、皆で食べようね」
「えと、は、はい!」
どうでもいい会話をしながら、ステラの連絡を待った。数分後、彼女からラルの鞄もなければ靴もないことを知らされた。結局、最後まで会長不在のまま、前日準備を終わらせることになった。



~あとがき~
本編と性格が変な感じになってる気もしますが、環境の変化のせいです。中身は本編と変わりません。

次回、入学式だ。仕事はやるのか、ラルさんよ!!

本編と設定を変えてないってことはフォースは制御者の立場のままだし、ラルは記憶ないし、ティールは王子様設定だしと無理がありそうです。触れないけど。フォースの制御者設定は問題ないけど、ティール、お前の王子様設定はどうしようもねぇな。どうするか。留学生か、お前は!!??

さてさて。狐族という種族みたいな言葉が出てきました。ラル達にケモ耳はないです。なんだろう。メタ的なことを言えば、作者が違うからこんな違いが出てくるんですけど、そんなことが通る世界ではないので、そんな獣人みたいな人達も存在しているファンタジーな世界なんだなってことにしといてください。(無理矢理)

ではでは!