satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第207話

~前回までのあらすじ~
変なジュペッタが現れて対峙することになりました。ソルは何か策があるのでしょうか……?
大筋で言えば半分終わってるのに、なかなか終わらない夏祭りです! 辛いね!!
もう少し長く書けば……(デジャヴ)
ソル「ここで話すネタもつきかけでしょうか」
コン「ソルも意外と意地悪だよね。ピカみたい!」
ピカ「私みたいじゃなくって、ソルは適当な人に厳しいだけだよ」
……私が適当な人ってことかぁぁ!!??
ピカ「何を今更」
適当なお前に言われたくなかった……


「お前がどこの組織とか知らないけど、自分の置かれた状況ははっきり分かる。実験台になんてならないってこともね」
「そうイう態度が理解してナイって言うんダ」
怒りのボルテージが上がっていることを感じつつも、ソルは態度を変えなかった。拳銃を突きつけられても、平然としている。
「見せてくれた能力は三つ。すり抜けと死体を操るもの。それに今の僕の状態。けどまあ、一つ目のそれは、影から影へ移動するだけ。ゴーストタイプが特訓すれば身に付けられる能力だ。で、残りの二つだけど、僕のこれは完全じゃない」
完全ではないという言葉に小さく反応を見せる。自分の能力が一番だと思っているのだろう。自己中心的な考えで、視野が狭い。現にソルの挑発に簡単に乗ってしまう単純さを感じていた。
「お前は“支配”って呼んでいたっけ。予想だけど、本気になれば完全に操ることだって可能のはず。それをしないってことは、この能力がその力がないか、使用者が未熟なのかの二択。……まあ、生者は簡単に支配下に置けないって考えにしておこう」
ジュペッタの反応を気にしつつも、ソルは話をやめなかった。これも作戦の内だと言わんばかりに話し続けた。
「……結論からいこう。お前は僕らにやられる。理由は三つ。まず第一。誰かここにいると気づいた時点で能力で“支配”するべきだった。第二、ペラペラとお喋りする暇あるなら、僕を戦闘不能にするべきだった。第三、うちの女子供を舐めすぎだ」
「ハア? あの死体達ヲ二人で、どうにかスル? 出来っこなイでしょ」
「スカイに臆病なお嬢様なんていないんだよ。そんなに言うなら見てくればいい。……僕の仲間……特に相棒が暴れに暴れているだろうから」
その言葉が終わるや否やジュペッタは目の前から消えていた。ご丁寧にソルの“支配”を解かずに見に行ったらしい。一人になり、思考を巡らせた。
この状況の脱出……ではなく、ジュペッタの言った組織についてだ。ピカが先に目をつけていたとなれば、先程の言えない内容に関わるのだろう。つまり、かなり危険な相手であると言える。例えば、有名な裏組織。そんなところと張り合うつもりなのだろうか。誰にも言わず、たった一人で。
「そういうところは直した方がいいと思うんですけれど……ピカさん、聞いてくれないですからね」
これが終わっても、まだまだ戦いは終わらないのだろうと、人知れず溜め息をついた。

ソルとジュペッタの攻防戦が繰り広げられている同時刻。ジュペッタの言う通り、今までピクリともしなかった死体がコンとチル目掛けて襲いかかってきていた。しかし、二人は動じることなく、チルはやけに広い屋敷内を優雅に空を飛び、ゾンビの攻撃を避けている。そんなチルの背にはコンが顔を覗かせていた。
「まあ! これが噂のゾンピパニックですね!」
「まーたへんなちきし……? あれ? きしち?」
「ふふ。知識、ですね」
「そ! ちしきつけてきたなーってピカに言われちゃうよー?」
「以前お仕事で関わった方にお勧めされたホラー小説がありまして。今の状況がそれとそっくりなのです。あれの理由はパンデミックでしたね」
「ぱん……? 食べるの?」
「いいえ。食べませんよ。……あら、嫌ですわ」
複数の腕が伸び、チルを引きずり下ろそうとしていた。単調な動きしかしないゾンビ達の攻撃を避けると、チルはキラリと目を光らせる。
「コンさん。こういう相手には炎です。一気に……そして派手に燃やしてしまいましょう♪ けれど、建物は燃やさないようにお願いしますね?」
「んっ! おっけ! 手当たり次第に燃やしちゃうぞぉ~♪ “かえんほうしゃ”!」
チルの背から降りることはせず、上から“かえんほうしゃ”を浴びせていく。次々にゾンビが燃え、それは触れた別のゾンビへと伝染していった。化け物が襲いかかる地獄絵図だったが、今は炎に包まれた生物がうろうろするという、別の意味で地獄絵図である。炎に包まれたそれらは、もがき苦しむ様子もなく、チルを捕まえようと手を伸ばすのみだ。痛覚すら存在しないと言うことなのだろう。燃えるものがなくなるまで、そのままなのだ。
それに哀れみの感情がないわけではなかった。が、当然の結果であると捉えている自分もいた。それに、こんな難しく考える必要もないのかもしれない。少なくとも、自分の背に乗ったコンは考えていないのだから。
「はっ! あっちに燃えてないやつがいるぞー!」
「かしこまりました♪ あちらですね~」
コンの指示を素直に聞き、指差された方角へと飛んでいく。簡単な動きと攻撃しかしてこない敵は侮る必要もない。
「これ、二階とか一階とかもぐわーっとなってるのかな? たいじじゃー!」
「うふふ♪ そうですね~♪ ぜーんぶ燃やしてしまいましょう! ソルさんのお手を煩わせる必要もなくなりますからね」
「はっ……たしかに! ほめてもらえるかも!? よーっし! いっくぞー!」
チルはふと誰かの気配を感じつつも、襲ってくる気配はなかった。そして、どうしようか考える余地もなく、その気配はすっと消えてしまう。消えてしまったものは気にしても仕方ないし、放っておいても問題ないと感覚的に思った。



~あとがき~
今年初の空と海です。
そろそろ三人の話は終わります。やったね。
私の試験期間も終わりました。やったね。

次回、ソルVSジュペッタ! 決着です!

私はホラー苦手なので、コンやチルのようにはなれませんね。というか、ホラー映画観たーとか言ってる友人が信じられない。スプラッターとか観るのもよく分からない。……怖くない??
本怖すら観られない私が映画なんて観れるわけないでしょーが! あ、でも、いつかの授業で映画を観たとき、池からぐわーっと出てくる化け物に関しては大して驚きはなかった。ホラー映画なんですけどね。周りが悲鳴を上げてる中、「河童かな」と適当なことしか考えてなかったので、つまるところ、明るいところで大人数で見れば! 怖くないね!!
河童に見えたって話をしたら、同じ授業取ってた友人達からは嘘だろって顔されました。嘘じゃないよ……あれ? 何の話してたっけ?

最後に一言!
ピカは一人で勝手に死亡フラグを立てまくるような奴です。以上。

ではでは!