satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第6話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で滅茶苦茶に遊んでる話です。本編とは一切関係ありません。また、擬人化前提で話が進んでいます。友人とのコラボ作品でもありますので、苦手な方はブラウザバック!
前回は新入生三人組とラルは最悪な出会いをしました。あ、最悪な出会いをしたのはアラシ君だけか……えーと、三人組の性格云々は簡単にはあとがきにでもまとめておきますね~
はい! 本編より書くのが楽しくなってきたレイ学物語! 始めるぞー!


入学式から数日。新入生達は新しい授業、環境に慣れるのに必死……かどうかは分からない。私はどうだったか。必死になっていた記憶はないけれど、楽しんでいたのは確かだ。出来ることも増えるし、何より新しいことが増える。
「一年生になりたぁあい……」
「何言ってんだ? もう放課後だけど」
フォース君に言われて気が付いた。新学期の初めってほぼ聞かなくてもいい内容ばかりで、すっかり忘れていた。皆、教室をバラバラと出ていき、これから各々の時間を過ごすのだろう。とはいえ、クラス替えをしたばかりでそこら辺で固まって話している人も多い印象だ。
私はフォースを見上げ、首をかしげた。鞄を持ち、完全に帰るスタイル。直帰か?
「フォース君、帰るの?」
「部活と委員会の予算見直しで居残りです。色々と希望が上がってきてるからな。……ってか、お前らも一緒にやるって話だったろ」
「あっ!? いや、知らない……」
「その、『あっ』て知ってる奴だな」
はい。言われて思い出したけど、そんなの中等部高等部共に毎年やってましたね。今日だったか。
「ラル! 逃げようとしないの。ほら、準備して」
「んえ~……」
仕方ないな。今逃げても明日明後日とずるずる引っ張るだけだし、今日やって帰るかな。
引出しの中にある、持って帰らなければならないものだけを取り出して鞄に入れていく。私とフォース君は、いらないもの、使わないものを置いていくタイプで、ティールは全部持ち帰るタイプだ。予習復習やるタイプの。いやはや、優等生は違うわ。
「そういえば、入学式後のあれ。どうなった?」
「えっと……あぁ。アラシの件ね。時間なくって行けてない。謝りに行かなきゃいけないんだけど」
私の準備が終わるまで待ってくれるらしく、二人が話し始めた。先に行ってくれてもいいんだけれどね。律儀な奴め。……いや、理由は分かる。逃げないように見張っているのだ。くっそ。
「関わるなって言われてたのに……こういうのあれだろ? フラグ回収したって言うんだろ?」
「だね……ラルから動いたわけじゃないから、自ら回収しに行ったとは言わないかな?」
私が逃げた後、ティールはツバサちゃんとレオン君に軽く事情説明をしたらしい。アラシ君は完全に気絶してたみたいで、どうにもならなかったと聞いた。二人は「アラシなら大丈夫」と笑って話し、心配はいらないとまで言っていた。一回の顔面跳び膝蹴りを耐えていたし、何より、付き合いのあるであろうツバサちゃん達が言うなら、間違いではないと思うけれど。……やっぱり不憫に感じた。結局、ティールはティールで中等部の生徒会役員ちゃんに呼び出しをされ、後日改めてという話に落ち着いた。……というのを、家に帰ってから私は聞かされたのだ。一回目は不慮の事故かもしれないが、二回目は故意にやったのだから、謝るべきと怒られたのである。
……あっちが飛び出してきたのに、謝る必要性あるかな。自業自得じゃない……? 二回目に至っては、デリカシーのない発言に思わず蹴っちゃっただけなんですけど。スイッチが入っただけなんです。お仕事スイッチといういらんスイッチが。
なんて、言い訳が通じる相手でもないため、渋々頷いた。で、時間を作れずに今に至るわけだ。あちらも新学期で忙しいだろうし、こちらはこちらで忙しいので、仕方ない気もするのだが。
「蹴られたのは不幸だったけど、姫さんの反応には驚きだな。友達蹴飛ばされて、かっこいいで済むのがさ。なんつーの? 肝据わってるというか」
「元々、ラルに熱烈な視線でも送ってたのかな? 入学式の挨拶してて、そんな目をしてる子多かったよ?」
え、マジでか。それは気にしてなかった。
「こうしてファンを増やすのか。なるほどね~」
「ラルの表面しか知らない新入生……ん? でも、中等部の頃から知ってる顔もあったからなぁ。いやぁ、中等部時代より、ラルの自由度増したんだよね。……うーん、でも」
「お前の言いたいこと、なんとなく分かるわ」
私の知らないところでどんどん話が進んでいるし、途中から意味が分からない。一体、どこに論点があるのかが謎である。
「準備終わったよ~」
荷物整理を終え、席を立つ。そして、扉の方をちらりと見たところで私は動きを止めてしまった。
「どした……?」
「ん? えと……」
教室後方の扉からひょこっと顔を覗かせる人物が一人。白い髪、ぺたんと垂れた耳、透き通った青色と澄んだ黒色のオッドアイ。……ツバサちゃんだ。ということは、アラシ君とレオン君も一緒にいる可能性もある。
「ツバサ……さん」
「名前にさん付けはねぇわ」
「いや、あんまり面識ないのに呼び捨てなのも……え、ツバサちゃん?」
ティールが誰かをちゃん付け!? 気持ち悪い!! 今すぐ私のためにやめて!」
「どいうことだよ!? ラルの中でぼくのイメージって何なの!?」
「……それは一言ではちょっと?」
「えぇっ!? 何年もいるのに、そんな反応なの? 嘘でしょ」
何年もいるからこそなんだけど……難しいな。
「おい、新入生。こんなところでどーした?」
私とティールが話している間、フォース君がツバサちゃんに話しかけていた。ツバサちゃん本人を目の前に姫さん呼びはしなかった。フォース君とツバサちゃんは面識ないし、当然と言えば当然の対応だ。フォース君、そこそこ身長あるから、下手をすると一年生をいじめている上級生にしか見えない。
「恐喝かな……?」
「そう思う人はいないでしょ……フォースだよ?」
確かに。ステラちゃんとリーフちゃんを養うお母さんだもんね。疑う人なんていないか。
「聞こえてるぞ、ラル」
フォース君の影からツバサちゃんの顔がちらりと見えた。私を捉えると、パッと顔を輝かせた。
「……好かれちゃってるね? 何したのさ」
ツバサちゃんの反応を見て、ティールは私に耳打ちする。単純な疑問なのだろう。私にもよく分かってないんだけれどさ。
「友人に跳び膝蹴りして、回し蹴りしたら好かれるんだよ……今時の子は分からないよぉ」
「うん……そうだね」
私とティールが近付くと、ツバサちゃんの後ろ、正確には私達の死角となる扉の後ろにレオン君とアラシ君の姿があった。アラシ君と目が合ったとき、一瞬、ビクッと体を震わせていた。入学式のあれがフラッシュバックしたのだろうか。
いや、流石にそう何度も蹴らねぇわ。
「あ、ラルさん! あの、ここにあーちゃん、いませんか? クラスはここだったと思うんですけど」
「あーちゃん?」
「アリア。……アリア・ディーネって言うんだけど。……ちょっと聞きたいことあって、ここに来たんだよ。……あ、来た……んです」
私と目を合わせることはなく、ツバサちゃんの説明の補足をする、アラシ君。そして、そんなアラシ君を見て、笑いを堪えるレオン君。
……アラシ君、敬語を使うのが癪なのかな。蹴った張本人に敬語なんて使いたくないもんねぇ。或いは単純に使いにくいのかもしれないけれど。
「ツバサが部活に入りたいって言うから、案内役を探してて。俺達、自分達の入ってる部活しか知らねぇし……それに、高等部とじゃ勝手が違うかも知んないって。知り合いで先輩のアリアなら詳しいだろってことでここに来たんす」
アラシ君のより詳しい説明を聞いて、納得した。この学園は部活は盛んに行われている。中等部、高等部が一緒になって活動出来て、お互いが切磋琢磨するには丁度いい環境だ。彼の言う通り、高等部からでしか入れない部活もある。また、一緒にやるといっても運動部では練習メニューが違うため、感じ方も雰囲気も変わるだろう。
「なるほど。懸命な判断だね。んー……アリアちゃん……か。今、いる?」
「そもそも、アリア・ディーネを知らん」
「クラス替えあったからね。……フォース、同じ授業取ってなかった? ぼくも取ってる奴」
「知らね」
フォース君、サボり魔だからなぁ……人探しのあてにはならない。とはいえ、私も彼女とは数えるくらいしか話したことはない。確か、人魚族の女の子でいつも一人の……ティールと同じ様な青い髪をポニーテールでまとめている子。
「お! 先輩、知ってますね~♪ アリアってやっぱ、どこでもそんな感じなんだな~♪」
「去年、同じクラスだったからね。本当に事務的な会話しかしたことないけど」
「あ、いた! あーちゃん!」
お目当てのアリアちゃんを見つけたらしく、ツバサちゃんが教室の中に入ってきた。アリアちゃん自身は帰るつもりだったらしく、ツバサちゃんの姿を見て、ほんの少し驚いたような気がした。ほぼ無表情だから、感情が読み取りにくいんだけれど、間違いでなければいいな。
ツバサちゃんとアリアちゃんがこちらに近付き、アラシ君とレオン君にも気が付いたらしい。小さな声で、あっと漏らしていた。
「よ、アリア。ちょっと頼みたいことがあって」
「……何?」
アラシ君は私達にしたような説明をアリアちゃんにもする。それを黙って聞いていたけれど、全てを聞き終えたアリアちゃんはそっと首を振った。
「……部活、興味ないから。……力にはなれない……と思う」
「ふえぇ~……そっかぁ」
「そうか。や、そんな気はしてた。……うーん、どうする?」
「にゃはっ♪ アリアだしな♪ そだな~? 片っ端から見てく?」
「……時間、かかる。……ある程度の目星は必要」
残念そうなツバサちゃんに対し、アラシ君とレオン君は想定内の返答だったみたいだ。これからどうするかの対策を練り始める。アリアちゃんも思案するような表情になった。
ツバサちゃんには色々あるんだろう。理事長の娘ってことはお嬢様だし、大変なんだろうな。私とは大違いだ。私には縛るものなんて何もないのだから。ティールも時々、嫌そうな顔をして実家に帰ることあるもん。
……ここでの解決策は、誰か一人でも案内役がいればいいということだ。学園内の部活に詳しくて、ある程度の説明出来る人物が好ましい。……ん? いるじゃん。ここに。
「ねえ、私でよければ案内するけど?」



~あとがき~
見学に行く前の段取りで一話使いました。

次回、ラルの提案にツバサちゃん達は……?

よーし! 簡単にツバサちゃん達の説明をしようかな! 私が把握している程度の内容で公開出来るものだけですが!

ツバサ・ケアル(狐族)
魔術科一年の十二歳。飛び級で高等部に入学してきたため、中等部は経験していない。明るく素直な性格でなぜかラルになついている。

アラシ・フェルド(牙狼族)
魔術科一年の十五歳。中等部からの内部進学組。入学して早々、ラルに吹っ飛ばされて、若干のトラウマになっている。常識人が故に、周りにいじられる傾向にある。

レオン・エクレール(猫族)
冒険科一年の十五歳。アラシ同様、内部進学組。お調子者でラルに蹴られたアラシを大笑いするくらい楽観的なところがある。

アリア・ディーネ(人魚族)
冒険科三年の十八歳。内部進学組。ラル達生徒会組と同じクラスだが、ほぼ絡みはなく、一人でいることが多い。大人しく、無口な性格。

こんな感じかな?
今後は話の中でキャラを掴んでくれればいいなと思います! はい!

ではでは!