satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第13話

~attention~
『空と海』のキャラが学パロなif世界で楽しくやっている物語です。本編とは一切関係がありません。また、擬人化前提で話が進み、友人と作っている話でもあります。苦手な方はブラウザバック!
園芸部でいらない真実を知った、ラルとティールでした。別の仕事が増えました。
そろそろ、部活見学も終わりですね! これが終わったら、ずっと出番のないステラに出番を差し上げたい。なんだろう。私のメインキャラ五人だけのお話でも書きますかね? え、本編?
……
始めるか~
ステラ「作者さんっ!!」
ラル「こういう奴だよ。作者は」


園芸部から程近くにあるパルクール部へ向かう。パルクール部はそのまま、パルクールを行う部活で、大会にも出ているようなところだ。あまり女子がやるような部活ではない気もするが、ここまで来たら、とことん付き合うのが筋というものである。
「シエルはみーちゃんといとこ同士なんですよ」
「へえ? シエル君がねぇ」
「んー? その様子だとラルはシエルのこと、知ってんの?」
レオン君の質問に、黙って頷いた。理由を問われるが、すぐに答えなかった。
知っていた理由はただ一つ。パルクール部へ何度か足を運び、パルクールをやっていたからだ。これはティールには言っていないし、今後も言うつもりはなかった。普段の逃走技術の半分がここで磨かれているなんて知れたら、どんなことを言われるのか想像もしたくない。……ちなみに、もう半分は普段の探検隊として培った仕事の経験値だ。
しかし、ここで黙っていても仕方がない。どうせ、現地に行けばバレるし。
「何回かパルクールやったことあるんだよね~♪ それで知り合ったの」
「そうだったんだな♪」
ティールから嫌な気配を感じるけれど、そちらは見ないようにしておこう。言及されても、無視だ。無視。
パルクール部の活動場所に来たものの、園芸部同様、時間も時間で、活動している部員も少ない。かろうじて何人かは残って練習をしているみたいだが。熱心だなと思いつつ、周りを見ていく。
この辺はパルクールのための建物が多く存在している。もちろん、偽物みたいなもので、中に人が入って何か出来るわけでも、普段から使われている建物ではない。簡易的ながら、塀があちこちあったり、小さなビルがあったり、一軒家があったり……うん。なかなかお金をかけている。そんな中に見知った顔を見つけた。薄い空色の少し長い髪をゆるくまとめ、軽々と家の屋根に登っていく竜族の男の子。
「シーエルくーん!!」
「あ、ラルさーん! と、アラシ達もー!」
少し遠いものの、私達に気付いてくれたらしく、手を振ってくれた。そして、屋根から降りて笑顔で出迎えてくれる。
「こんな時間にどうしたの? 三人とも」
「部活見学だよ。見学。ほら、俺とレオンは中等部からのを継続するけど、ツバサは何も入ってないからさ」
「あー……なるほどね。ラルさん……副会長さんといるってことは、生徒会の仕事ですか?」
三人から私達に視線を送ると、首をかしげながら質問をする。私がティールを連れてきたのは今回が初めてだし、そう思うのも無理はないが。
「ない訳じゃないけど……生徒会として、パルクール部に用はないかな。ツバサちゃんの付き添い」
「ラルさんとツバサ達が知り合いなのに驚きですよ。どこにでもパイプがある人なんですね~」
「んーと? 褒められているのでしょーか……?」
シエル君はくすくす笑うだけで、何かを答えてくれるわけではなかった。つまり、そういうことである。
「……と、大切なこと忘れてた。初めまして、副会長さん。シエル・シルフと言います」
「あ、ティール・クランドです。うちの会長がお世話になっていたようで~」
あ、やめろ。こっち見るな。
ティールの視線から逃れるため、近くにいたアラシ君の後ろに隠れる。突然でビクッと体を揺らしたが、その場から逃げるまではしなかった。ありがとう、アラシ君。
パルクールは屋上から屋上へと飛び移るような練習もしているため、様々な建物を使うことも多い。本校舎は利用不可だけど。まあ、初めからそんな高いところから練習なんてしないし、そのために低い塀で練習をするのだ。そして、技術をつけ、建物から建物へ飛び移るようになる。なるのだが……
「シエル君にしては低いところで練習してたね。いつも屋上じゃない?」
アラシ君の背の後ろから会ってからの疑問だったものをぶつける。いきなりだったけれど、シエル君は嫌がる素振りはなく、にこやかに答える。
「もうそろそろ帰ろうかなって思ってたから、降りたんです。でも、低いところでずるずると」
やめられなくってやってたって感じかな。
そう言うと、照れながら頷いた。楽しくなると、やめたくてもやめられなくなるのは分かる。
「シエル、身軽だよな~♪」
「そう? ラルさんはなかなかだけどね」
レオン君の言葉に彼は謙遜しつつ、私に視線を投げる。そして、その場にいる全員からじっと見られる。いや、まあ、レオン君とツバサちゃんの前では窓から飛び降りる姿を見せているし、ティールは普段から見ているだろう。逃げるために色々やってるのだから。が、それで身軽ですなんて言われても。
「……そーかなぁ?」
「ラルさんっ! 見てみたいです♪」
うっ……減るもんじゃないからいいかぁ。
アラシ君の後ろを離れ、近くの塀めがけて助走をつけて飛ぶ。無事に上に立つと、次は家の屋根だ。屋根の近くにある木に飛び移り、その流れで屋根の上に降り立つ。本来ならいつくか経由して更に高い建物の上を目指すのだが、今は必要ないか。
危なげなく屋根から降りて、皆のところへと戻る。戻ったところで、ティールの呆れた表情を見つけてしまう。色々言われるなと想像しつつも、彼の発言を止めることはしなかった。したところで、止まるわけがないからだ。
「君の身軽な理由が分かった気がしたよ」
「元からです」
「そうかもだけど、トレーニングはここでしてたんだろうなぁ?」
……ノーコメント!
やれやれと肩をすくめ、ツバサちゃんに目を向けると今まで以上に顔を輝かせていた。言ってしまえば、一番の興味を示したらしい。なんだろう。かなり分かりやすいな、ツバサちゃん。
「楽しそうだなぁ~♪」
その一言で完全に心奪われ、入部したいのだろうと察した。が、ツバサちゃんの友人達は表情を曇らせている。せっかくツバサちゃんの興味がある部活を見つけたというのに、である。しかし、その理由も何となく察した。パルクールは建物から建物へ飛び移る。一つ間違えば大怪我に繋がるのだ。もちろん、そうならないような対策も練習もしていくが、怪我をしない安全な部活ですとは言い切れない。要は、ツバサちゃんが怪我をしないか心配なのだろう。
「危ないからやめとけ」
アラシ君が先手を打つ。先手必勝とはこのことだ。レオン君はアラシ君の言葉に、頷きはしなかったけれど、かといってツバサちゃんの味方もしない。シエル君は黙って見ているが、困ったように笑って見ているし、内心ツバサちゃんの入部には納得していないんだろう。
理事長の御子女様に何かあるのもこちらとしても防ぐべき案件……なんだろうなぁ。多分。教頭なら頭から煙を出しながら、どうにかしろと捲し立てそうだ。
「でもー!」
「怪我でもしたら、おばさんに何て言えばいいんだよ、俺達は」
「うぅー……」
可愛い子には旅をさせろ精神の私は、したいことはさせればいいと思う派である。例えば、私の天使であるしーくんがこれをやりたいなんて言ってきても私は反対しないと思う。いや、ティールはするだろうけれど。まあ、でも、考え方はそれぞれで、反対するのもツバサちゃんを思っての行動。周りは彼女を大切にしているってことだ。いいことである。
しばらく唸っていたものの、ツバサちゃんは分かったと渋々頷いた。しかし、そうなると別の問題が発生する。
「じゃあ、私……部活、どうしよう?」



~あとがき~
今回で納めたかったですね。無理でした。

次回、部活の行き先が決まらないツバサちゃんはどうするのか……?
次回で部活見学編ラスト! きっとな!

パルクールってかっこいいよなぁと思います。ラル以外だとフォースも出来そうですね。心得なくてもひょいひょいっと……本編でも似たようなところありますし(笑)

シエル君の口調、どうしようかと思ってたんだわ。先輩後輩で丁寧口調にしちゃったけど、別のところの交流だとタメ口で話してたなぁと……まあ、いいや。どっかで修正するかもだけど、このままでもいいような気がする。このままでいいか……(適当)

ではでは!