satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第20話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界ではちゃめちゃやってる物語です。本編とは一切関係ありません。また、擬人化した前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
落書きの犯人の目星つけたラルサイドでしたが、もう一人の被害者と言えるツバサちゃん達に視点を置きます! 時間はラルが考えを言っている最中くらいだと思ってくれればいいです。
やりやすいだろうあの方にお願いします。


《A side》
今日も長い授業が終わり、ぐっと背伸びをした。二、三秒伸ばした後、力を抜いて帰り支度を進める。つっても、俺はこれから部活だし、その前にツバサを生徒会室へと送り届ける必要があるけど。
「アーラシ! 早く行こー!!」
「はっや! もう終わったのかよ」
「だって、早くラルさんに会いたいんだもん。昨日は早く帰っちゃってお話出来なかった!」
さっさと支度を終わらせたツバサが待ちきれずに、俺の目の前まで駆け寄ってくる。出来なかったとは言うけど、一時間くらいはいたはずなんだけど。それくらいあれば十分だろ。どんだけ、あいつになついてるんだ。どこがいいのか未だに謎。
「あーはいはい。もう終わっから、待ってろ」
「はーい♪」
やれやれ。本当に意味わからん。
教科書等々を鞄に入れ、立ち上がる。そんな俺を見たツバサは、分かりやすいほどに笑顔になった。この後、生徒会室に向かう道すがらレオンと合流し、ツバサを送って、お互いに部活に行く……なんでもないいつもの日常だ。
「あ、ツバサちゃん!」
「はい! どうしましたか~? パノさん」
教室を出ようとした矢先、後ろからクラスメイトの女子に話しかけられた。明るい茶髪に緩くウェーブする髪。長さは大体、肩につくくらいの長さだ。相手は少しだけ言いにくそうに口ごもるが、やがて意を決したように話し始めた。
「あのね。昨日の放課後、ツバサちゃん、中等部の校舎の方に行った?」
「中等部の校舎? いえ、行ってないですよ?」
「そ、そうだよね」
相手のホッとした様子が不思議で、黙っているつもりが、思わず口を開いた。
「……昨日? なんかあったわけ?」
「あ、実は、昨日、いくつか落書きがあったって話があって。……今は生徒会の人達が消して、もう残ってないんだけどね。その落書きをしているところを見たって人がいて……その、ツバサちゃんみたいな容姿だったって」
ツバサみたいってことは、白くて垂れ耳の狐族?
俺が言うと、こくっと頷いた。彼女はあくまで聞いた話だからと前置きし、話を続ける。
「落書きの内容がね……『高等部の生徒会長はサボり魔!!』って内容で。でも、ツバサちゃん、会長さんと仲いいし、とっても楽しそうにお話ししてるから、あり得ないって分かってたんだけどね」
「ふえっ!?」
わざわざ、ねぇ……?
話しかけてきた相手は、ツバサではないと確認が取れるとスッキリしたようだ。引き留めたことを謝罪して教室を出ていく。俺とツバサはなんとも言えない気持ちになっていた。
ティールやフォースから話を聞く限り、ラルはサボり魔らしいし、嘘は書いてない……んだろう。が、こんなことをする意味が分からなかった。
「むぅ」
ツバサはツバサで、大好きなラルを悪く言われたせいで、少しむくれている。さっきの笑顔はどこへやら、だな。気持ちは分からんでもなかった。好きなものを馬鹿にされるのって嫌になるしな。
さっさとレオンと合流して、何か対策を考えないとまずいかもしれない。悪口を言われているラル辺りに……あ、でも、ほっとけほっとけーとか言って興味を示さないかも?
なんてことを考えつつ、冒険科一年の教室へと辿り着く。暇そうに座っている腐れ縁の猫族に呼び掛ける。
「レオン」
「お、来た来た~♪ っと、ツバサはなんかご機嫌ななめなのか? どしたどした!?」
「実は……」
今さっき聞いてきたものをレオンに説明しようとしたところで再び、誰か話しかけられた。今度は見知らぬ男子生徒だ。
「ねえねえ! 君、昨日……」
あーくそ! まただよ!!

レオンと合流した後も何度か話しかけられ、その度にツバサの機嫌は悪くなっていく。内容はどれも似たようなものだが、落書きの場所が違ったり、内容が違ったり。そもそも書いてないけど、言い触らしていたりと、なかなかの悪さをしているらしい。
ツバサは、自分が勝手な罪を着せられたことに対する怒りではなく、ラルを悪く言う犯人に怒っている。犯人に怒るのは間違ってないけど、理由はラルなんだよな。
「んー……」
風船みたいに膨らむツバサのほっぺをちらりと見て、考える。いよいよ、大事になってきている。真面目に対策しないと……
「ツバサ、今日は大切な仕事ってあるのか?」
「ほ、ほえ? ううん。ないよ? どうしたの、アラシ」
「よーし! なら、サボっても問題ないなっ!」
「ふえ!?」
どうやら、俺とレオンの考えていることは同じらしい。シャクだけど。
「ツバサのそっくりさん、俺達で捕まえるんだよ」
「そっくりさんつーか、アイツだろうけどなぁ♪ そうと決まれば善は急げ! お、ティール!」
レオンの言っているのは少し違う気もするが、突っ込むのも面倒だから黙っていよう。レオンが手を振る先には、あいつの言う通り、ラルの相棒であるティールがいた。ティールは両手にファイルを何冊も抱えているが、涼しい顔をしている。見かけによらず、力持ちだ。
「三人とも、どうかしたの?」
「今日、急用が出来たから、生徒会業務を休むって言いに行こうって思っててさ! ナイスタイミングだぜ、ティール! な?」
「え、あ、う、うん!!」
いやいや、吃り過ぎだろ……
しかし、ティールは深く考えていないのか、ツバサの日頃の行いなのかは分からないけど、そっか、と笑顔で返事を返す。
「別にいいよ。ぼくもまだ生徒会室に行ってないけど、ラルにも伝えとく」
珍しい。さっさと顔出しそうなもんだけど。
「いつもならね。フォースが忘れた資料とかがあるって言うから、手分けして取りに行っててこれから教室に運ぶところなんだ。……と、引き留めてごめん。それじゃあね」
ふーん? フォースも案外、忘れっぽい、のか? ま、今は気にすることじゃねぇか。ティールの了承も得たことだし、こっちはこっちでやらねぇとな。
「まずは情報集めだよな~……というか、ツバサ、アイツにラルの話した?」
「アイツ……?」
ピンと来ていないツバサは首を傾げる。ここまで来て、気付かないのか。
「こんなことして得するの、ツルギだけだろ?」
高等部に入学して分かったのは、生徒会長としてのラルはかなりの支持数を得ているということ。先生からの評価はまちまちだったけど、生徒からは絶大な人気があると言ってもいいと思う。色々、聞いていると、人数合わせに様々な部活の助っ人をしたり、困ったことがあれば親身になって話を聞くなど、生徒の手助けをしているらしい。そんなあいつの悪口を言うような生徒はきっといない。なら、誰がやったのかって話だけど、ツバサに成り代われる外部犯で、ラルに嫉妬するような奴ってことだ。
そんな風に考えると、ツルギの顔が一番に浮かんだ。
「え! ツルギ? 確かに、何回かしたことあるけど……これ、ツルギのイタズラなの?」
恐らくだけどな。
ツルギはツバサの双子の兄貴。今は訳あって離れて暮らしているが、間違っても夫婦の問題とかそういうのではない。だって、ツバサの両親、今でも仲良しだし。そんなツルギはツバサのことが好きだ。恋愛的意味合いは全くなく、兄妹愛としてだが。何より兄妹だし、下を大事にしない上はいない……と思う。少なくとも、俺の周りはそうだ。俺も兄貴がいるけど、多分、そう。大事にはされてる、と思う。面向かって言われた記憶はないが、大切にされてると感じることはある。……いや、俺は何の話をしてるんだ? これ。
「こんなことした理由は、本人に聞かなきゃわかんねぇけど、十中八九、ツルギだな」
「だなー! んじゃまあ、目星もついたし、探索開始だな~♪」
レオンのやつが妙に楽しそうだなって思うのは俺だけか?



~あとがき~
アラシ君視点です。

次回、ど、どっち視点にしよう(困惑)
アラシ君かな。よし、アラシ君です!

私の中のアラシ君のイメージはラルに弄ばれるようなイメージ(←酷い)なのですが、彼女が関わっていないところでは、普通にリーダーみたいに先導してくれるはずなのです。ティールと同じ(?)常識人枠。
ってことで、彼視点なのだけれど、どうかな。これで大丈夫なのかドキドキしてます。
そして、いつか、アラシ君のお兄さんも出したいなと。理由? 私が好きなんです、アラシ君のお兄さんのことが!!←

最初の方で話しかけてきた女の子は同級生のパノちゃんです。貰ったプロットには名前とかなかったけれど、同じクラスメイトなら、名前も顔も知っていて当然だよなと思い、適当にぱぱっと書きました。イメージはふんわりした女の子です。ケモ耳さんがあるかまでは考えてないけど、どうなんだろうね。あるなら、熊とか、リスとかそこら辺の森の動物……?

ではでは!