satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第34話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でゆるゆるっと過ごす物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回までは男女別れて休日を過ごしてました。あの後、合流してわちゃわちゃしていたと思います。
今回からはまた学園に舞台を戻しますぞ~♪
主役はツバサちゃんだ!!
ツバサ「ほえ!?」
ラル「ちょっと語弊ない? それ」
そうだね。視点がツバサちゃんってことですね。


学園でのお勉強やクラスの皆さん……生徒会としてのお仕事や色んなことに慣れてきた今日この頃。生徒会の方々によくしてもらって、とっても楽しく過ごしている。今日は大きなお仕事もないみたいで、ティールさんもラルさんに向かってお仕事しろーって叫ぶ回数も少ない気がする。……ない訳じゃないんだけど。
「ラル、ここなんだけど」
「んー……あ、えっとぉ……これは……なんだろう」
お仕事の書類かなって思い、顔を上げる。ティールさんの手には書類……ではなく、紙は紙だけど、いくつか問題の書かれている課題みたいなプリントだった。そこには全部答えが記入されているみたいだけれど、その中の一つを指差している。
「君が書いたんだけどね」
「待って! 思い出すわ……んんー? はっ! あれだ! 索敵系魔法式を組み込んでどうのこーの……かな?」
魔法式の問題かぁ~
魔法を発動するための式で……算数の式というよりも、公式とか、化学式とかが近いのかな。式を組み立てて、複雑な魔術を発動することも出来る。冒険科のラルさん達は専門じゃないから、複雑なものではなく、簡単なものを授業で習う……って、レオンが言っていたなぁ。
「探知ね。これ、探知の式じゃないと思う。暗視じゃない?」
「……マホーワカンニャーイ」
「何のためのドリルだよ!! いい加減、魔術関連の知識をつける努力をしてよ! お願い!」
「必要ないじゃん。覚えたって使いどころ皆無だよ。使えない私には不必要な知識! OK?」
「敵でいるだろ。攻撃魔法飛ばしてくるやつ。ね、ツバサ?」
「そうですね。戦いになるとより複雑な魔法式になりますけれど、攻撃魔法は星の数ほどあると思いますよ?」
「避ければよいのだ~♪ 全部一緒」
えっと。どんな属性でも範囲攻撃魔法とか、時限装置みたいな罠、魔法陣とかもあるんだけれど……避けられる、かな。
ラルさん、魔術に関してはあんまり得意じゃないみたいで、この前もこうじゃないあーじゃないって言ってた。何をしているのか聞いてみたら、特別な宿題だよって教えてくれた。補習だったのかな?
「フォースせんせー……ラルさんをどうにかしてくださぁい」
ティールさんは私の隣に座っていたフォースさんに話しかけた。話しかけられたフォースさんは、読んでいる本から顔を上げずに淡々と答える。
「そこの生徒はやる気がないのでほっときましょう。そうやってこれからも苦しめばいいさ」
「おにー! お前がやれー! 適材適所って言葉を今ここで使うべきだ思う!」
「そうやって魔法絡みをおれに回すのよくないと思う。これも社会勉強だと思え」
「社会勉強って何さ。それを言うなら、私は……って、あーもう! やめやめ! 休憩!」
ラルさんはぱっと投げ出して、椅子から立ち上がった。備え付けの冷蔵庫に近づくと、中から一口大のチョコレートの包みを取り出して、口に放り込む。考え事をすると、甘いものがほしくなるって言うし、糖分摂取したかったんだろうな。チョコレート、甘くて美味しいもん。
「フォース君て、どこで魔法知識蓄えるの。使えないのに。それとも何か!? 制御者さんは使えるのか、魔法!」
「魔法を使える継承者がいれば、こっちも使える」
制御者とか継承者とか聞かない単語だけれど、時折、ラルさんがフォースさんのことをそう呼んでいた。それがなんなのか聞いてみたいけれど、あんまりタイミングがなくて、聞けずじまい。
「え、継承者にケモ耳があったら、お主にケモ耳が……?」
ラルさんは、じーっとフォースさんを観察するように見つめた。そして、目を閉じてその姿を想像しているみたいだった。私も真似して、頭の中でフォースさんに私みたいなお耳をつけてみる。……うーん、垂れてるよりも、ぴんってしてた方が似合うかも? フォースさん、カッコいいもんね。アラシみたいにしゅっとした方がきっと似合う!
なんて一人で納得していたけれど、ラルさんは目を開けると、冷めた感じの目線を向けていた。
「……うん。却下。可愛くない」
「お前の判断基準は可愛いか否かしかねぇのか。変態」
「ラル、どんなの想像したのさ」
「そりゃあ、色々? ツバサちゃんみたいのとか、ユーリ君みたいのとか。リリちゃんとかぁ?」
リリちゃん……リリアーナさんかな。ユーリさんと同じ魔術科二年生の先輩さんで、とっても優しくて、ユーリさんやイツキさんと仲良し。薄いオレンジ色の髪にウサギ族特有の長い耳が垂れていた。
「ツバサとリリアーナはともかく、ユーリはありじゃない? 牙狼でしょ」
「カッコいいじゃなくて、可愛いを追求してるからね。ユーリ君のはカッコよくて駄目だった」
ラルさん、可愛いものが好きなのかな? 
私の隣のフォースさんは呆れたようにため息をつくと、読んでいた本……文庫本サイズの小さな本をぱたんと閉じる。
「え、なんでケモ耳談義してるの。どうでもいいんだけど。生えないからね?」
「生やせよー! 創造しろよ、制御者さーん」
「縛るぞ」
「あっはぁ♪ 今の私はやる気満々だよぉ。乱闘待ったなしだね!」
あわわ! ばちばち火花を散らして、ラルさんもフォースさんも黙っちゃった! えと、ケンカはダメですよー!?
「はーい! はい! 君達が暴れると収集つかないから! 怒られるの嫌だよ、ぼくは。ツバサもいるんだし、やるなら学外でやって」
ティールさんの仲裁で二人はすっと緊張の空気を解く。そして、ラルさんがこくこくとうなずいた。
「そうだね。ツバサちゃんの教育に悪いものは見せられないし。じゃあ、今度! 覚悟しろ! いいな!!」
「いいよ。久し振りに楽しめそうじゃん。乗った」
「そこは乗らないで欲しかった。面倒だから、嫌だって言って欲しかったなぁ、ぼく」
「残念! お前も道連れだー! 審判役確保ー!」
窓際に立っていたティールさんに駆け駆け寄ると、ラルさんがぴょんと抱きついた。逃がさないって言っているみたいにがっちりと。
「うえぇ!? 巻き込むなよ!」
「私達は一蓮托生だよ。約束しただろー?」
「いつだよ。魔法の勉強で頭おかしくなったんじゃない? あ、チョップすれば治るかな……」
「やめて。本気で狙うな……やめろ!」
いいなぁ。私も、ラルさんにだっこされたい。後でお願いしてみようかな……?
「……あ。なあ、ツバサ」
「あ、はい! なんですか?」
フォースさんは近くにあったメモ帳に何か書き込むと、それを私に差し出してきた。メモを見てみると、全部、生徒会の資料っぽい名前がいくつも書かれていた。
「そこに書いたやつ全部、図書館にある資料室に置いてある。おれが行ってもいいけど、せっかくだし、ツバサが行ってきて。行ったことないだろ?」
「そうですね。……はい。行ってきます♪」
これから、行くこともあるかもだし、ちゃんと覚えておかないと。私も生徒会の一人! お仕事頑張って、ラルさんのお役に立つ! それが私がここにいるために必要なことだもん。
「……あいつ、当番だし」
「う?」
フォースさんがボソッと何かを呟いたみたいだけど、私には何のことだか分からなかった。首をかしげていると、私達の会話が聞こえていたのか、ラルさんがティールさんに寄っ掛かったまま、話しかけてきた。
「おりょ? ツバサちゃん、図書館行くの? 手伝おうか?」
「仕事あるでしょ。期限、忘れてないよねぇ」
ティールさんが指差す方向にはちょこんと積まれた書類の山。ラルさんはちらりとそちらを見て、ティールさんに視線を戻した。
「勉強の次は仕事まで振るのか、鬼教官……いや、秘書? 鬼の秘書?」
「無理矢理座らせて、仕事させてあげてもいいんだよ。そうしないのは、ぼくの優しさだって気付いて欲しいな、会長?」
「あっはい」
「大丈夫です、ラルさん! 私一人で行ってきますから♪ あ、でも、その……帰ってきたら、なでなでしてくださいっ」
「……うん。分かった。任せたぞ、ツバサ隊員」
にっとイタズラっ子みたいな笑顔を見せるラルさんにつられ、私もおんなじように笑った。
「はいっ♪ ラルたいちょー!」
フォースさんからもらったメモを大切にポケットにしまうと、生徒会室を後にした。廊下は走らないけれど、それでも早足で図書館へと急いだ。

ツバサが出ていった生徒会室では、いつもの三人が残っていた。ツバサが出入りするようになってからは、生徒会室でこのメンバーだけになるのも珍しくなっている。ラルはティールからするりと離れ、席に座る。そして、書類の山から一枚の紙を抜き出し、目を通し始める。
「珍しいね、フォース君があんなことするなんて」
先程までいがみ合っていたのが嘘のように、普通に話しかけた。しかし、フォースはそれに答えず、再び本を開いく。会話する気はないにも関わらず、ラルは話を続けた。
「やっぱり、一番は主? 可愛いか」
「別に」
「あはは。フォースも素直じゃないね」
苦笑を漏らしつつ、ティールが自分の席についた。ティールの言葉は聞こえないふりをし、本のページを捲る。
素直ではないとかそういう問題ではなかった。タイミングの悪い、我が姫様に機会を与えただけのこと。それを生かすも殺すも主の運次第である。
「珍しく、おれがお膳立てしたんだから、生かしてもらわなきゃ困るね。二度はない」
「この人、自白してるよ。可愛いってことだろ」
「可愛くはないけど、制御者の性分なんで」
「……って言う割には、扱い雑だよね。フォース」
「そこは、フォース君のアイデンティティーかな? 私も洗礼受けるし」
それは、ラルの普段の行いのせいのような気もするが、フォースもティールも口にしなかった。ラル本人も分かっているだろうと思ったからである。
これ以上、三人が会話することはなく、生徒会室には暫しの静寂が訪れたのだった。



~あとがき~
ツバサちゃん視点です。頑張るぞい。

次回、フォースに頼まれたお使いを遂行中のツバサちゃん。無事、見つけることが出来るのか!?

生徒会組三人+ツバサちゃんがいつもどんな会話といいますか、どんな風に過ごしているのかなって思って、おふざけを追加してみました。プロットはお使いするところからスタートだったんですけどね。私が色々いらんことを追加してます。楽しい。

新しい方が出てきましたね。つっても、名前だけだけど。リリちゃんこと、リリアーナでっす。ユーリ、イツキと同学年の魔術科の女の子です。二人以外にも生徒会役員(二年の)が欲しかったので。理由はそれだけです。あとは三年もいるんだろうけど、ラル、フォース、ティールがいるからこれ以上はなぁって気もします。まあ、あれですね。もっと沢山いるんですけどね。役職なしの子達とか。何か(行事とか事件等)あると、召集されるわけですね。ユーリ、イツキ、リリアーナはラル達の後継者候補なので、召集なくてもラルに色々利用されてます。まあ、候補は他にもいるでしょうけど。
なんだろう。位置的には、生徒会組三人の下にユーリ達、優秀な役職後継者候補者が何人かいて、その下に平役員が何人もいる……みたいな組織図を思い浮かべてくれればよいかと。ツバサちゃんの位置は……多分、ユーリ達と同じです。優秀な人材だし?
……あれ、何の話だっけ??(´・ω・`)?

図書館と図書室の呼び方に困ったけど、話を聞く限り、結構でかめの建物らしいので、図書室ではなく、図書館と明記しました。独立した建物なら、室ではなく、館だよなぁ……っていう私の考えです(笑)

ではでは!